【概要】
この記事に何が書いてあるか。
(1) この記事は、弊ブログの記事に共通するルールを言語化してまとめたもの。
長いので最初に読む必要はない。
なるべく一貫した方針をとって凡例にまとめてみたが、例外がある。
(2) 簡単な伝達事項
アフィリエイト(Affiliate marketing)は無い。
Amazon.jpへのリンクを置いているのは、書影画像が欲しかったから。楽天でも紀伊国屋でもbk1でも大差ないと思っている。
人間がインターネットで金を儲ける行為を嫌悪する方でも、安心してAmazonリンクをクリックできるようになっている。
反Amazon派の方は、出版社サイトへのリンクを並べてあるので、そちらを選べる。
いわゆる「おことわり」は
このブログは、ただの個人が趣味で書いている
目次・要約・感想には誤りが含まれうる。最終的な確認を読者が行う方が無難だ。
この凡例には、独自の記号法(一般的ではない記号の使い方)が詳しめに書いてある。
凡例以外の通常の記事では、このような「おことわり」自体を省略していることもあるが、それぞれの記事の前提にこの記事の内容がある。
(3) この凡例を読む効能:違和感の原因が分かるかもしれない。
記事の中身(書誌情報やメモ)や記事の分類や記事タイトルなどに違和感を覚えた時、または読むときに詰まった時は、この「凡例」記事をサラッと全部読んでほしい。おそらく何か理由が書いてあるはず。
(4) この記事の目次
概要(凡例の)
目的(ブログの)
対象
タグ(カテゴリ、分類)
情報
表記
抜粋
用語
構成の例
リンク集
その他
【目的】
ブログの目的について。第一義的に私のメモであるが、他人にとっての効用。
(1) 「目次を役立てる」
目次の情報自体が閲覧者にも役立ちうると考えて公開している。
出版社が詳細な目次と各種情報を公開しはじめれば、このブログは不必要になる。
[再掲]人力作成なので、目次・要約・感想には誤記・誤解が含まれうる。最終的な確認を利用者が行う方が無難。
(2) 「内容のメモでもある」
目次を示せば、おのずから書籍のアウトラインを示すことになる。すると要約とはいかないまでも、一面的なメモにはなる。
すくなくとも私はそう考えているので、ブログ名を(掛詞ふうに)そうつけた。
(3) 「追加的な書誌情報がある」
市販本なら、出版社または図書館に基本的な書誌情報は揃っている。しかし、そこに足りていない情報もあるので、本をあたってからこのブログにメモしている。【情報】でも再述。
具体的には:
・著者・寄稿者の氏名
編者の氏名だけ書いてあることが多い。公共図書館や大学図書館では執筆者をカバーすることもある。
・装丁者・イラストレーター
基本的に、本の現物にしか記載していない。『本の雑誌』の新刊欄でわかることはある。
・主題
(4) 使い方の例:
・事前に内容を大づかみするために目次を読む。
・目次を眺めて/検索して、キーワードを拾う。
・特定のキーワードでブログ内を検索し、その用語に言及する書籍を知る。
・読んでいる間、または一読後に、内容を整理するために目次の構成を眺める。
・積極的に一冊の要約をつくるときに、目次全体を「活用」する。詳しい方法については『サマる技術』(船登惟希)を参照。
・目次の必要な部分をコピー&ペーストして、活用する。
・暇つぶしに眺める。
【対象】
(1)私が読んだ本。
主な基準は:意義のある本。変な本。厚い本。読みにくい本。そこにあった本。
私がさらっと読んだ本から、熟読した本まで混っている。
賛同しない意見の本もわりと多く載せている。
書籍市場には公衆的な面で危ない本もあるので、私の基準でもって掲載を避けている。
(2)形態
日本で流通している本が主。
× 個人出版の書籍・同人誌は載せていない。
× 付録・月報・広告・地図も載せていない。
× 官公庁や団体の出す白書や文書は載せていない。
× 基本的に洋書や漢籍、古文書などは対象外。
× いまのところ国語辞典や英和/和英辞典は対象外(その他の言語も)。
小説・物語は対象外だが、小説風/ラノベ風の雑学本・教科書は対象。
随筆や紀行文は対象(とくに民俗誌の意味合いがあるもの)。
文法書や事典や用語集は対象。
資格試験のテキスト・入門書、マニュアル、受験参考書・教科書も対象。むしろ積極的に採集したいと考えている。
【タグ】
・前置き:はてなブログではデフォルトの分類として「カテゴリー」が与えられている。この、はてなブログにおける「カテゴリー」は、一般的な意味での「タグ」に近いと思う。(はてなブログ利用者は好きな「カテゴリー」を生成できるし、ひとつの記事に対して、複数個の「カテゴリー」を付加できる。)
・カスタマイズしたので以降は、単に「タグ」と呼ぶ。弊ブログでは三種類のタグを作ってある。
タグ(1) 目次か否か
・[目次]と[未完成]の2つ。
後者は手違いで生じたもの(つまり、記事の公開当初は完成させたつもりだったが、あとになってその目次が未完成だと気づいたもの)。そのうち完成させるつもりだ。したがって[未完成]タグは長期的にはゼロ個になるはずだが、長期的にはみんな死んでいることも事実である。
タグ(2) 記事の対象になる媒体の分類。または記事の性質。
・当初は媒体を[書籍][論文][雑誌/記事]で大別していたが、うち2つは記事ごと取り去った。残るは[書籍]のみ。
したがって[書籍]タグは書き手にとっても読み手にとってもなくても困らない。しかし[雑誌/記事]タグが復活する可能性も残っているため、万が一のために残している(一括でタグ付与ができるが、その機能がずっと利用可能か確証がない)。
記事の性質として[メモ][雑記][抜き書き]がある。これらは重複することがある。
[メモ]……書籍に関連する情報・感想を付加してある記事。稀に、目次が無く書名のみのリストの記事もあり、それもメモ扱い。ちなみにこの記事(凡例)には[メモ]を付けている。
[雑記]……書籍に関連しない情報や私の感想や賛辞や愚痴を書いてしまった記事。
[抜き書き]……書籍から文字列を抜粋した記事。
タグ(3) 書籍の分類は何か
・当該書籍を内容から分類したもの。
・国会図書館の分類と各県立図書館の分類と私の判断とを総合して決めている。
実はNDLC[National Diet Library Classification]の方が便利だが、知名度・普及度に優るNDC[Nippon Decimal Classification]を使用している。
NDC一般分類表はインターネット上に数多く存在しているので、詳細はそちらを参照。関係者向けに細かい読み方が書かれた資料もある(誤記もある)。
日本十進分類法-新訂10版 TRC図書館流通センター
NDC補助表の読み解きには、主にこのサイトを参考にしている。
・ここまでが前置き。
タグ(4) このブログの図書分類はどうなっているか
・書籍分類タグは、07個からスタートして現時点では26個。日本十進分類法(NDC)の第一類に従いつつ、(ときに反逆し)その場しのぎで追加してきた。
「その場しのぎで追加してきた」ため、体系的ではない。MECE[Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive]な分類でもない。なんなら、タグが付与された記事の数次第で、そのタグが統廃合される(分類体系が変わる)ため不安定である。
各タグの具体名は、[財政][総記][言語]……など。以下も同様に、全角括弧[ ]でタグの名称であることに注意。
名称は省略気味。「460 生物科学、一般生物学」の意味で[生物]、「361 社会学」の意味で[社会]と名付けている。
複数分野をまとめたものもある。これがNDCの(魔)改造にあたる。経験則にもとづくので、個人的な使いやすさを重視している。
「110 哲学各論 or 120 東洋思想 or 130 西洋哲学」 → [思想]。
「389 文化人類学 or 469 人類学」 → [人類学]。
判断に迷うものは[未分類]で済ましている
余談だが、そもそも大元のNDC自体が改訂を繰り返している。それでもNDCの0類と1類は特にchaosなままである(余談ついでにもっと言うと、2014年に第10版なりやっと「インターネット」が追加されたくらいなので、改訂のスピードは現実のニーズに追いついていない)。改訂の自由度が高まれば[007 情報科学][140 心理][160 宗教]などは昇格されてもおかしくはないが、そこまで自由になることはないだろう。
・私の事情で、社会科学の分野のみ階層が深い。なので、ここはとくに、今後分類が大きく変わるのが確実だと思う
伝統的に社会科学といえば政治学・経済学・社会学の三つが代表だが、ここでは「経営学・会計」「財政学」「教育」も独立させている。「福祉」はまだ。
ややこしいが「狭義の社会学」(未定義)と「NDC 361 社会学」は異なる。社会病理や労働やジェンダーの本のたびに困るので、[社会科学]か[未分類]に逃げている。
・分野を横断する内容の書籍を取り上げた記事であっても、なるべく書籍分類タグは一つという原則をとっている。これは破られやすい。しかしそれでもやはり、判断に迷う場合はある。そのときは書籍分類タグを二つ付けてるか、タグを一つにしつつも注記として「公共図書館でもその図書の分類が一致しないこと」を書き添えている(書籍分類タグだけでなく、NDCも複数個載せているということになるが、稀にある)。
これは、書籍分類タグの排他性を犠牲にして、書籍の内容の学際性を表現することを優先したということ。
例:『ゾミア』、『自死の日本史』、『柳田國男 経世済民の学』、『プラットフォームの経済学』など。
・現在のタグは下記の通り。それぞれのタグの粒度(?)が分かるはず。(2023.10.01更新)
0類 総記 →[総記]
007 情報学. 情報科学 →[情報]1類 哲学
110 哲学各論/120 東洋思想/130 西洋哲学/150 倫理 →[思想]
140 心理学 →[心理]
160 宗教/170 神道/180 仏教/190 キリスト教・ユダヤ教 →[宗教]2類 歴史 →[歴史]
290 地理・地誌・紀行 →[地理](予定)3類 社会科学 →[社会科学]
310 政治 →[政治]
320 法律 →[法]
330 経済 →[経済]
334 人口・土地・資源 →[人口・土地・資源]
335 経営 →[経営]
340 財政 →[財政]
360 社会
361 社会学 →[社会]
370 教育 →[教育]
380 風俗・民俗学・民族学
389 文化人類学 →[人類]
390 国防・軍事 →[軍事]4類 自然科学 →[自然科学]
410 数学/420 物理学 →[数学・物理]
430 化学 →[化学](予定)
460 生物科学 →[生物]
469 人類学 →[人類]
490 医学 →[医学]5類 技術・工学・工業 →[工学・産業]
6類 産業 →[工学・産業]
7類 芸術・美術 →[芸術]
790 諸芸・娯楽
796 将棋 →[将棋]8類 言語 →[言語]
9類 文学 →[文学]
【情報】
記事に掲載する情報。
(1) 著者の情報
・冒頭に置く。
ごくまれに、冒頭に(著者情報の)一部のみ示して、最後に全部を置く場合もある。これは、執筆者or訳者が数十人を超えると「著者の情報」が長くなりすぎて、書影や目次が遠くなるので、バランスをとるため。例:『知財の正義』、『宗教学辞典』。
・具体的な対象は、著者・訳者・編者・監修者・装幀者。本によっては(序文・解説・「推薦の言葉」などの)寄稿者や対談・討論の相手が存在しているので、それもなるべく拾っている。論文集やアンソロジーや対談集など、複数の著者を持つ本の場合も同様にカバーしている。ただし、「謝辞」「献辞」で名前を挙げられた人物・機関の名は割愛している。
ある人物の当該書籍における適切な位置づけが分からず、「執筆者」や「インタビュイー」と書いてしまった記事もある。
余談だが、一様に「監訳者」といっても本によってこなした仕事がまちまちなようだ。
・著者についての情報の主な源は、本の奥付、出版社の商品ページ。
・これに加えて、研究者の場合は、researchmapや所属する機関のメンバーページから得ることが多い。本人のウェブサイトやWikipediaから追加することも多い。
・記載しているのは、①[氏名]②[氏名の読み]③[生年]④[専攻分野]⑤[肩書き]。古い人物や海外の人物の場合は、不足することも多々ある。
① この氏名とは、著者の選択した名義を優先して、ひとつだけ示している。このとき本名とか戸籍名とかどうかは気にしない(分かりようがない)。
旧姓を併記する著者であれば、そのままふたつを並べる。
評論家がペンネームを複数個濫用している場合は、著作群との一貫した対応が取れないので、ペンネームと氏名も併記している。
余談だが、一部の評論家による「外国人のふりをして社会と世相と歴史を語る手法」はいまだに見られる。
また、ゲーマーやプログラマーやラッパーやダンサーやライターの名義としてよく用いられる手法として、名前部分のみを英アルファベットで表記する場合(いわゆるニックネーム/芸名)がある。これはたいてい短く、重複が懸念されるので、そうしたニックネームだけではなく、氏名を併記して載せている。(例:「Atsu」→「西方篤敬」)
② 人名に使用される漢字の「読み」は非常に幅があるため、常に併記している。
もうすこし詳しく理由を述べると、日本語圏の「苗字/名字/姓」が数十万種は存在するため。また、「名前」の漢字と読みには厳密な対応がないため。
ペンネームであっても、複雑な漢字と読みの組み合わせがある。
③ 生没年の情報を含めているのは、(著者と別に同姓同名の人物が存在しているなかでも)確実にアイデンディファイするためでもある。
最近は生年を伏せている著者も多いので悩ましい。
④専攻分野は、先ほど列挙した情報源による。
情報源によって、また時期によって、専攻分野は一致しないことがざらにある。
簡略化することもある。わたしの見識の限界で間違えることもあるので参考程度に。
⑤肩書き(/所属機関/役職)は、書籍の刊行当時のものを使うことがほとんど。
古い本の場合には、(a)記事公開時に肩書を私がインターネットで調べて修正するか、(b)修正せずに「これは当時の肩書」と注意書きを付加するだけか、(c)その記事から肩書き情報自体を取り払うか、のいずれかを行うようにつとめている。
しかし、そもそも肩書・所属は変わりやすいものなので、記載しない方がいいのかもしれない。そういうのは頻繁な更新を実質的な前提にするWikipediaに任せるべきだ。
・なお、装丁・装画担当者の場合、生没年や氏名の漢字の読み方が、何故かウェブ上にも当該書籍にも載っていないという恐るべき事態がよくある。おそらく多くの版元はデザイナーのクレジットが一行だけあれば十分、という姿勢なのだろう。ちなみに私は書籍に装丁・装画担当者の略歴・紹介を壱行以上載せるべきだという立場だ。
氏名が読めない例:宮口 瑚。
また、装丁家の氏名のヘボン式の読み方のみが記されており、漢字が分からないパターンもある。
次のサイト(by 平松陽子)が参考になる。
装丁家人名読み方辞典 目次(音訳の部屋)
編集者(出版関係者) 読み方辞典(音訳の部屋)
(2) 書誌情報
・書名(翻訳書の場合は原題も)・著者(※前述)・出版社・出版年。記事タイトルにまとめている。
「記事タイトル」については、後述。
なお、書名・副題・シリーズ名の区別はたいてい明白だが、「どこまでがサブタイトルか、わかりにくい/ややこしい」事例もある。タイトルについての著者の意図が、読者や(読者まで中継する)書店や図書館まで正しく伝わらないこともある。書誌DBに誤ったまま登録されることもまれにある。
・主な情報源は、本の奥付、出版社の商品ページ、著者本人のサイト。次に、本の「緒言」や別の本での参照箇所に頼っている。それらで不足する場合は、公立図書館の書誌データベースやAmazon・紀伊國屋書店・ジュンク堂書店のサイトで補う。
・これらより詳細な情報は省いている。
・「出版社の商品ページ」と「Amazon.jp」の二つのURLを置いている。Amazonを選んだのは書影が表示されるから。
ただし、弊ブログには無効なURLも存在する。
理由(1) 出版社のURLが変更されたため。岩波書店やミネルヴァ書房など。
理由(2) 大手の出版社(新潮社や中央公論新社など)であっても、刊行後数年で書籍の詳細を載せたページを抹消してしまうことが多いため。
例→
『レーガンとサッチャー ――新自由主義のリーダーシップ』(Nicholas Wapshott 久保恵美子 新潮選書 2014)
理由(3) 私のミス。
・件名
図書館であっても、タイトルや著者名やPR文に誘導されて、中身を把握していない主題把握が稀にある。なので、私が気づいた範囲で「この本の主題は○○では」と書いている。
例:『なぜ心はこんなに脆いのか――不安や抑うつの進化心理学』(Randolph Nesse著 加藤智子訳 草思社 2021//2019)
・NDLCとNDC
上位の階層も一緒に書いてある。
(3) 目次
・「小見出し」まで拾うように心掛けている。
・ノンブル(ページ表記の数字)が記載されていない書籍の場合は、丸括弧付きで補っている。例:目次 ([iii-ix])
(4) メモ
・私が個人的に気になったこと。
勉強になる記述、怪しい記述、類書との異動、誤植と思われるもの、など。
(5) 関連する文献・記事
・既に弊ブログで言及している書籍であれば、記事のURLを載せる。
・そうでない書籍の場合は、出版社の商品ページを載せる。
出版社がそのページを抹消している場合、または出版社が消滅した場合、国会図書かGoogle Booksのリンクで代用することが多い。
・インターネット上で公開されている記事、公開されていない論文を示す場合、いずれも掲載媒体へのリンクを置く。
【表記】
この、はてなダイアリー、はてなブログでは横書きで表示される。もとが縦書きの本でも斜め書きでも、横書きに直すしかない。
(1) 日本語・その他の言語の表記
・基本的に『新しい国語表記ハンドブック』(三省堂)や『読売新聞 用字用語の手引』(中央公論新社)に準拠している。
ただし、「URLは全角で縦書きで書きましょう」「一桁の算用数字は全角で」等というルールは、合理的でないため無視している。
・旧漢字・変体仮名は人名表記や固有名を尊重して残すことが多い。
・注意点:
「漢数字はそのままにすることが多い」
このため、縦書きの書籍の目次を載せた記事の場合には「二〇〇」「二百」「200」など不統一な表記が混在しうる。
これは、「縦書きに戻せるように」という意図から。
「英数字は半角にする」
縦中横も通常の表記に戻す。小数点の代用としての中黒(・)も、半角コンマ(.)に戻す。
例:「2・0」(縦書き)→「2.0」(横書き)
「URLを全角英アルファベットでは表記しない」
・日本語以外を表記する場面は、原題(翻訳される前の書籍タイトル)、著者・編者・翻訳者の氏名、専門用語の正式名用、などに限られている。
(2) 数字・数学記号
・このテンプレートに準拠。数学@2ch掲示板用 掲示板での数学記号の書き方例と一般的な記号の使用例
・省略記法を使う理由:「ブログに書く作業が煩雑」&「ブログ上で厳密に表現しても、エディタによっては、コピー・&・ペーストしてもそのまま貼り付けられない」
はてなダイアリー・はてなブログでは、Tex記法がややこしい。書き手の脳に副作用がある。
目次に数学記号が表れる例:『計量経済学』(山本拓 新世社 1995)
この本には、「仮定4,5が満たされない場合の」という小見出しがある。御覧の通り、あまり綺麗に表示されているわけではない。
(3) 記号
・頻繁に使用する記号は次の通り。
[句点] 文末だけでなく、体言の区切りにも使用する。
[読点]
[中黒] 全角。
[ピリオド] 基本は半角。英語以外の欧米言語だと、タイトルとサブタイトルの区切りにピリオドが使用されることがある。
[カンマ] 基本は半角。記事タイトルにおいて、共著者らの氏名を列挙するさいに半角コンマを区切りに使用している。なお、日本語・中国語の文章のなかで使用されている場合には全角でも使用する。
[コロン]
[セミコロン]
[インタロゲーションマーク] 日本語・中国語の文中では全角。章タイトルに「!?」「!!」が用いられるときは、見逃してしまうこともある。
[ハイフン] なお、漢字と連続して併用する場合には全角でも使用する。
[ダッシュ] ここでは2つ連続させる。タイトルとサブタイトルの間に置くため、記事タイトルで頻出する。
ダッシュのややこしさについての余談。分野によって(まれに著者によって)、使用法が異なることが多い記号なので、ここに載せるときに整理することが多い。
ダッシュの記号は、ウェブ上でも「─」と「―」が混在している。
欧文ではen dash「–」とem dash「—」がある。
生没年を表記するとき、ページ範囲を表示するときはen dashを使う……ということに一応なっている。
しかし常に厳密に使い分けされるというわけでもない
ダッシュ記号とハイフン記号は何が違うのか、どう使い分けるべきなのか? - GIGAZINE。
高校生向けの英和辞典では、2つの数字をハイフンでつなげると範囲を表せられると書いている(例:『スーパーアンカー英和辞典 第5版』(2021年)の表紙裏の見開きにある「句読法」を参照)
また、国立国会図書館サーチの書誌データベースでは、生没年を表示する際にenダッシュの代わりに半角ハイフンを使用している。研究者のブログ(例)でも同様。
ということで弊ブログも今のところ、「半角ハイフン派」である。余談終わり。
[三点リーダ] 2つ連続させる。中黒三連続(「・・・」)も、三点リーダ二連続(「……」)に直すことが多い。
・括弧の呼び方と使い分け
『 』 二重鍵括弧 書籍タイトルを挟む。
「 」 鍵括弧 あらゆる用途に。
( ) 丸括弧
〈 〉 山括弧 書籍タイトルに用いられることが多い。私が使う場合は、タイトルとシリーズを分けるときくらい。
※学術出版社であっても、不等号の「<」(小なり)や、 「>」(大なり)を組み合わせて括弧として代用していることがある。弊ブログへ抜粋するときに逐次、訂正している。
[ ] 全括弧 著者・翻訳者の「読み方/ふりがな」を示すために毎回使う。目次の中のわりにくい専門用語や略語を補足するときにも使う。
〔 〕 亀甲括弧 難読用語の読み方を示すために、目次に埋め込む際に使う。
" " ダブルクオーテーションマーク。全角(“ ”)だと事故が起きやすいので、半角(" ")を用いるのを推奨したい。
' ' シングルクオーテーションマーク。これとダブルとの使いわけについては各自で調べてほしい。
【 】 墨付き括弧 弊ブログに載せる各種情報である「目次」「抜き書き」「関連記事」などを、セクション分けするときに用いる。その場合は、なるべく文字サイズを大きくしている。稀に目次内部でも使用されている。
(4) 特殊文字(前述。「(1) 日本語の表記」)
・旧漢字・方言漢字・変体平仮名は、現代の漢字・平仮名で代用している。人名はそのままにすることが多い。
(5) 章・節・項の表記
いわゆる「見出し」の階層について。
・欧米式はそのまま。
・日本式は一部手直しすることがある。
例えば、「第3章」→「第3章」。
[丸付き数字](① ② ③……)は、丸括弧と半角数字で代用する。
[丸付き数字]の使用を徹底する書籍の場合には、(私が妥協して)そのまま残すこともある。→ 『教育論の新常識』
・数字にはよらず、文字色や文字サイズのみで階層を区別する書籍もある。そのような書籍の目次を掲載する場合は、インデントの多寡で階層を区別している。
(6) インデント(章・節・項の)
・全角スペースを二つずつ使う。
コピペして使いやすいように、という意図から。
Tab派の方や、各種エディタの目次作成機能を尊ぶ方にとっては、弊ブログ全体が醜くうつるかもしれない。
・ただし、全角スペースを「ひとつ」ずつの単位で作成したインデントからなる記事も稀に残っている(例:『現代経済と経済学[新版]』)。これは、私が文字情報を入力・成形したのが経験の浅い時期だったため、前述のスタンスが確立していなかったことが原因。修正の予定はない。
【抜粋】
・書籍の本文・参考文献などを抜粋している。頻度は低く、15冊に一回程度。
絶版の本が多いことからわかるように、新刊書の要約記事ブログまたは要約アカウントではない。営業妨害の意図もない。新刊・売れている本の場合は抜き書きを控えるようにしている。
・私が抜粋するのは、本の紹介になる部分(まえがき)、トリビア的な部分など。
本の核心部分は載せないようにしている。
・出典のページを示しているが、まれに抜けていることもある。
それでも「第n章の前半」くらいは情報を示してある。
・著作権法や慣例に従っている。
参考:Q&A インターネット・ホームページ | こんなときあなたは? | 著作権Q&A | 公益社団法人著作権情報センター CRIC
【用語】
書籍の主要な構成だけでなく、巻頭の緒言や巻末な索引などもあえて載せている。主なものは次の通り。
・緒言 はしがき/はじめに の区別は、書籍にあわせて変えている。
「はじめに」の内部に「凡例」と「謝辞」を内包するという構成の書籍もたまにある。
「イントロダクション」や「序文」が、章構成の一部(章と同じ階層)であることも、そうでないこともある。そういった区別の難しい場合には、内容とノンブルを根拠に私が区別している。
書籍によっては、「第一章 はじめに」など、ややこしいタイトルをつけている。
・目次 table of contents 「もくじ」表記も多い。TOCも稀にある。
2000冊に一冊は「index」と冠している。
5000冊に一冊は巻末に目次を載せている。
・献辞 dedication 書籍の冒頭に置かれる。家族または同僚または同志に書を捧げる表明である。
献辞は、(実は使用が厳密に決められている)「謝辞」とは区別できる。
・謝辞 Acknowledgements 日常生活における用法での「感謝のことば thank」とちがい、書籍または論文における謝辞は「クレジット表記」の一種ととらえている。
この説明(坪木和久氏による)が分かりやすい。もうすこし難しい部分についてはこの記事(池田光穂氏による)が参考になる。
・題辞 epigraph 書籍の冒頭に置かれる、比較的短めの引用文のこと。著者のセンスと知識が問われるが、引用専門の参考図書に頼ることもできる。
洋書または洋書を日本語に訳した書籍では、章ごとに題辞を置くこともある。
しかしその場合は、章タイトルの下部につつましく置かれているだけなので、ひとつのページを占領することがないかぎりは、弊ブログでは拾っていない。
・凡例 usage guide / explanatory note / legend(図表の凡例)
しばしば「凡例とは題していないにもかかわらず実質的に凡例の役目を果たす文章」が冒頭に置かれるケースも存在している。目次ページの片隅に凡例が置かれることもあれば、巻頭言に埋まっていることもある。
・注釈 notes 未だに「註」とも表記される。
原注、訳注、編集部[編集者]注……などの区別は、製作陣が気を払っている。
巻末にまとめられることが多い。
章末ごとの脚注は拾っているが、傍注や割注は拾っていない。
冒頭か末尾に編集者による文章が配置されることも多い。「編集部注」や「編集部但し書き」と私が一応の命名をして、目次に組み込んでいる。
・コロフォン colophon 書誌情報が示されたページ。洋書の日本語訳でも慣例的に冒頭に置かれる。
Wikipediaの書誌情報と一致しないことも稀にある。
・ページ 三つの意味がある。(1)特定の1ページのこと。(2)序数として(ページ数)。(3)Web Pageのこと。
・ノンブル folio/page number ページ数を表す数字・文字のこと。日本の業界用語。余談だが、凝ったデザインの本はノンブルの位置やデザインにも凝っているものだ(視認性が悪いものもある)
・索引 index 人名索引/事項索引/書名索引など。
索引のおこり・意義については、Ann M. Blair『情報爆発』の本体を参照。
・コラム column 枠で囲まれた一塊の文章。本文の補足解説である場合がほとんど。
コラムの位置が重要なこともあれば、位置が無関係なこともある。
この一塊の文章の呼び名は著者の裁量に任されており、「coffee break」や「ここがポイント」や「〇〇博士の一言」や「A君とBちゃんの会話」みたいなのもある。
基本的には枠囲みだが、ほとんど本文に埋め込まれているコラムもごく少数存在している。その場合、厳密な区分はできない。
弊ブログはこのコラム、BOXを必ず掲載しているわけではないので注意。
・図/表 figure / table
データの視覚化・提示が重要な書籍では、図表一覧を作成することもある。
・章/節/項…… 書籍・論文を内容から分割したとき、それぞれの階層の呼び方・単位。
ここでは「章タイトル」/「章題」という呼び方も使う。
順番は次のようになっていることが多い。
編 part
章 chapter
節 section
項 paragraph
小見出し
これらは、法律の条文の階層構造と似ている部分もあるが、厳密には対応していない。参考記事。 「法令翻訳の手引き」
なお一般的な文において、"chapter"と"section"がともに「章」と翻訳されることもままある。
「第x部 第y章 第z節 ……」なら、中国~日本式。欧米式だと、"3-6-2 ... "となる。
後者の構成の示し方で引き合いにだされる有名な例は、『論理哲学論考』の7章構成。
・構成 弊ブログではたいてい「章構成」を指す。
どのような構成が主流か:「章」と「小見出し」の組み合わせが一番多い(新書など)。次点は「章」と「節」のみの組み合わせ、または「章」と「節」と「小見出し」のセット。
【構成の例】
もはや凡例の本義からは外れるが、以下に少数派の構成をとっている本をメモしておく。
○章
章で用いられる序数・文字。
算用数字:第1章 第2章 …… 第5章 第6章
漢数字 :第一章 第二章 …… 第五章 第六章
英アルファベット:第A章 第B章 …… 第E章 第F章
→『システムを作らせる技術――エンジニアではないあなたへ』
章を表すのに「章」という漢字でなはく、別の文字を使う例
講義風:第1講 第2講 …… 第5講
Chapter:Chapter 1 Chapter 2 …… Chapter 5
→『ヤバい経営学』
「章」という文字を使わず、内容に合わせた文字で「第3□」「□3」等を造語する書籍もある。漫画ではよくある手法。
第1穴 『失われたドーナツの穴を求めて』
一房め 『バナナの皮はなぜすべるのか?』
「章」なしでタイトルまたは項目名のみ。論文集や事典に多い。
『日本サブカルチャーを読む――銀河鉄道の夜からAKB48まで』
『進化でわかる人間行動の事典』
章の順番がアブノーマルな例
序章 → 第2章 → 第3章…… 『ゼミナール日本経済入門 第25版』
※「序章→ 1章→ 2章……」が普通。
ch. 10 → ch. 9 → ch. 8 ……
“How Life Got This Way: The Making of Us and Our World, from the Big Bang to Big Data” (Nth Degree Publishing)というポピュラーサイエンス本。弊ブログに目次は載せてない。最初の章の章題は「CH. 10: THE LAST 10+ BILLION YEARS 14 – 3 Billion Years Ago」で、二番目の章は「CH. 9: THE LAST FEW BILLION YEARS 3 BYA – 300 MYA」である。logarithmが本のテーマであることを表現している。
第6章 → 第8章 →〔…中略…〕→ 第14章 → 索引 → 第7章 『文化人類学のエッセンス――世界をみる/変える』
※漫画で表現された「第7章 人間と動物」が末尾に置かれている。右開きと左開きの原稿に挟まれたすえの苦肉の策のようだ。
○節
「節」の番号表記が珍しい例。これは翻訳書なので、訳者・編集者の判断だと思われる。
→『不平等について――経済学と統計が語る26の話』(Branko Milanović著 村上彩 訳 みすず書房 2012//2010)
第2章 不平等な国々――世界の国家間の不平等
2の1 なぜ、マルクスは道を間違えたのか
2の2 今日の世界はいかに不平等か
2の3 「生まれ」は所得の決め手か
2の4 世界は要塞都市になるのか
「節」の番号が(章ごとに数え直しされるのでなはく)一冊の範囲での通番を振られている例。珍しくない。
→『異議あり! 生命・環境倫理学』
第1章 中絶はいかにして可能か
1 自分の身体は自分のもの
2 殺していいもの、いけないもの
第2章 臓器移植を効率的に
3 五人のために一人を殺す
〔…略…〕
第6章 環境保護にはウラがある
12 ファッションとしてのエコロジー
13 政治としてのエコロジー
節を表すのに「節」という漢字でなはく、別の文字を使う例
→『本当は間違っている心理学の話――50の俗説の正体を暴く』
第1章 脳が秘めた力――脳と知覚をめぐる神話
神話1 人は脳の一〇%しか使っていない 030
神話2 左脳人間と右脳人間がいる 035
神話3 超感覚(ESP)は科学的に確立された現象だ
ある章でだけ、節→節→項という階層になっている。『憲法とは何か』(長谷部恭男 岩波新書 2006)
1 ブルース・アッカーマン教授の来訪
1-1 モンテスキューの古典的な権力分立論
権力分立の眼目
影響力
1-2 「新しい権力分立」
〔……〕
2 首相公選論について
○その他
巻末に「目次」が置かれている例
詳細目次が258頁に。『はじめての法律学――HとJの物語 第4版』(松井茂記ほか 有斐閣アルマ 2014)
詳細目次が300頁に。『政治の理論』(稲葉振一郎 中央公論新社 2017)
詳細目次が211頁に。『自閉症遺伝子――見つからない遺伝子をめぐって』(Bertrand Jordan著 林昌宏訳 中央公論新社 2013//2012)
構成がやや不統一な例
下記の本は、とりわけ第4章で節・項の使い分けが不明瞭な箇所が気になる。翻訳陣が大勢であることが関係しているのかもしれない。
→『知財の正義』
構成が混乱している例
下記の本は主題がきわめてわかりにくい構成なので、僭越な意見だが、章の大幅な入れ替えが望ましい。
→ 『「働く」ために必要なこと』
【リンク】
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・ほぼ目次だけ載せているサイト。ブログ名称はよくわからない。ジャンルは、放送大学テキスト、西洋哲学、新書類、その他。目次が細かい(階層の深い目次の書籍を簡易目次でとどめている場合も稀にある)。
Gori ≒ ppdwy632
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本の目次を写すは楽し
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研究余録 ~全集目次総覧~
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