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『思考をひらく――分断される世界のなかで〈思考のフロンティア 別冊〉』(姜尚中,齋藤純一,杉田敦,高橋哲哉 岩波書店 2002)

英題:Thinking against the divided world
著者:姜 尚中(1950-)
著者:齋藤 純一(1958-)
著者:杉田 敦(1959-)
著者:高橋 哲哉(1956-)
シリーズ:思考のフロンティア;別冊
NDC:310.4 政治論集.政治評論集.政治演説・講演集
NDC:319 外交.国際問題
NDC:361.5 文化


思考をひらく - 岩波書店


【目次】
はじめに――近代の臨界へ(2002年1月 姜尚中) [iii-xiv]
  なにが変わったのか
  絶対的な非対称性
  例外状態の常態化
  近代の「呪詛」
目次 [x-xvi]



I 文明と野蛮 001
文明の衝突」とグローバル化地政学姜尚中〕 003
「文明」とその他者との分割をめぐって高橋哲哉〕 009


討論 015
  三つの問題系
  福沢諭吉と日本の近代脱‐暴力化としての文明
  文明論的な視点の問題性
  キャッチアップの不可能性
  「見捨てる」という権力モード
  共存は可能か?
  アジア主義再考
  アメリカの定義する「国際社会」
  デ・ファクトな力
  リベラリズムの危機?


II 分割と境界 051
「見捨てる」という暴力に抗して〔齋藤純一〕 053
境界線と政治杉田敦〕 059


討論 065
  完全な退出は不可能である
  境界線の相対化
  国家の再定義
  ソーシャル・セキュリティの回復
  ステートの論理の限界
  グローバル・エコノミーの功罪
  デモクラシーとステート
  身体感覚と境界の受容
  国際機関の問題
  「内外の区別」の脱構築
  アテンションのエコノミーを変える力
  責任,法,応答可能性
  法規範の越境とその両義性
  国家テロと例外主義の常態化
  新たなシティズンシップにむけて


あとがき――問いつづけること(2002年1月 杉田敦) [115-117]





【抜き書き】
・本書の内容とは関係ないが、誤った慣用句の例(xi頁)。引用の中で黒字強調はMandarineによる。
 この使い方の方が字面に似合うし、学者や教師もこの使い方だし(そもそも小難しくややこしいし)、個人的にはこちらの用法も普及しているような印象を受ける。それでも岩波の校閲をすり抜けたのは不思議だ。

最後に,最も戦慄を覚えたのは,グローバル化地獄の釜のフタが開いたような現代が,もしかしてあの1930年代とアナロジカルな関係にあるのではないかと思えて仕方がなかったからである.

・『大辞林』によると……

大辞林 第三版の解説
じごくのかまのふたもあく地獄の釜の蓋もあく
  盆と正月の16日は地獄の鬼でさえも罪人を責めるのをやめて休息するそうだから、この世でも仕事をやめて休むのが当然であるの意。
  →  賽日・藪入