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『権力から読みとく現代人の社会学・入門[増補版]』(藤田弘夫,西原和久[編] 有斐閣アルマ 2000//1996)

編者:藤田 弘夫[ふじた・ひろお](1947ー2009)
編者:西原 和久[にしはら・かずひさ](1950ー)
著者:竹村 祥子[たけむら・さちこ] 家族社会学
著者:三本松 政之[さんぼんまつ・まさゆき](1954-) 社会福祉学
著者:早川 洋行[はやかわ・ひろゆき](1960-) 社会学
著者:鈴木 秀一[すずき・しゅういち](1955-) 組織学説史、社会学
著者:竹内 治彦[たけうち・はるひこ] 産業社会学、労使関係論。
著者:干川 剛史[ほしかわ・つよし](1961-) 社会学、災害情報学。
著者:佐藤 富雄[さとう・とみお] 社会学ブルデュー研究。
著者:新原 道信[にいはら・みちのぶ] 地域社会学。都市社会学
著者:池田 寛二[いけだ・かんじ] 環境社会学。環境・エネルギー政策。
著者:西原 和久[にしはら かずひさ](1950-)  社会学理論、現象学的社会学グローバル化論。
著者:佐野 正彦[さとう・まさひこ] 
著者:永田 えり子[ながた・えりこ] 
著者:吉澤 夏子[よしざわ・なつこ]



【目次】
はじめに


  第I部 人間に潜む権力 

第1章 権力と社会――社会はどのように構成されているか〔藤田弘夫〕 003
権力はどのように扱われてきたのか 004
権力ということば 005
権力の理論の革新 006
保障と支配の関係としての権力 007
権力の論理 008
最大の保障と最小の支配 010
ゲマインシャフト的関係とゲゼルシャフト的関係 011
権力の歴史性と文化性 012
永遠の課題 013


第2章 行為と権力――社会関係のなかで働く見えない力〔西原和久〕 017
日常生活と権力 018
権力という「力」 018
人と人との間に働く力 020
社会化と権力 022
3者関係と役割 025
権力と支配:Aさんのツブヤキの意味を考える 027


  第II部 社会と権力 

第3章 家族と育児――家族における権力はどのような形で示されるのか〔竹村祥子〕 035
身近な違和感 036
家族における権力 037
「家父長制」という「家」の支配構造 038
フェミニズムによる「家父長制」の発見 039
女性の二重役割 040
権力装置としての家族 041
母親カテゴリーの特権化 043
科学的根拠をもつ知識の「力」 045
国家の介入 047
おわりに 048


第4章 地域と社会――「社会的弱者」を生み出すもの〔三本松政之〕 053
「いじめ」の背景にあるもの 054
「排除する共同性」の成立 055
「迷惑施設」としての社会福祉施設 056
「妻殺し」の背景にあったもの 059
「社会的弱者」排除のメカニズム 060
個人還元主義の陥穿 061
能力主義が生む「弱者」への忌避意識 063
日常性のなかの権力関係 865
地域,自治,福祉の視点からの展望と課題 066


第5章 政治と自治――政治的楽しみの奪われ方〔早川洋行〕 071
男性の地域自治からの疎外 072
女性の地域自治からの疎外 073
男性高齢者と若者 074
政党からの疎外 076
政治家からの疎外 077
政治腐敗とお願い政治 079
生活者の誕生と新しい政治 080
観客民主主義から参画民主主義へ 082


第6章 都市と農村――人はなぜ都市に向かうのか〔藤田弘夫〕 087
人類と農耕 088
産業化と都市化 089
都市形成の論理 090
都市解体の論理 092
豊かな社会の貧しい生活 094
都市計画の不在と異常な地価 095
岐路に立つ日本の都市 097


第7章 企業と仕事――人を働かせるものは権力か信頼か〔鈴木秀一〕 103
現代人の労働の特徴 104
企業組織をささえるのは権力だけか 105
官僚制化の裏側で失われたもの 106
信頼システムとは 107
前工業化社会の信頼システム 108
クラフト的労働と「仕事のリズム」 109
職人的自律性,共同体意識の解体 110
大量生産的労働と信頼システム 112
巨大株式会社 113
おわりに 117


第8章 公共と福祉――雇用と保障から権力を考える〔竹内治彦〕 123
社会・統一 124
ドイツ統一と雇用政策 125
世界資本主義の2類型 127
3番目の類型としての日本 130
福祉国家としての現代国家 131
福祉国家の前提としての産業化 133
福祉国家の一般理論 135
福祉国家の権力論:正当化の問題 136


  第III部 文化と権力

第9章 メディアと人間――情報こそが社会を制す〔干川剛史〕 143
権力による情報の独占と情報公開の必要性 144
説明する責任と情報公開 145
湾岸戦争と情報操作 146
マスメディアによる情報操作の諸相 148
マスメディア的解決策と意識的解決策 150
湾岸戦争APCネットワーク 152
マルチメディアの問題と可能性 153
マルチメディア社会と情報民主主義 155


第10章 教育と権力――自発的な従属を生み出すメカニズム〔佐藤富雄〕 159
力関係のなかの教育 160
〈ことば〉からみた教育現象の不思議 161
教師のもつ制度的な力 163
教師のもつ文化的な力 164
生徒はなぜ〈従う〉のか 166
自発的従属を生み出す力 167
教育の〈中立性〉信仰 169
学校が伝える文化:産業主義と国家主義 170
平等の神話と選別機関としての学校 171


第11章 言語と人間――権力はこどばをどう生み出してきたのか〔藤田弘夫〕 177
日本人と英語 178
ことばと文字 180
権力と文字 182
ナショナリズムと国語教育 183
近代化と言語改革・文字改革 184
ことばと国家 185
ことばと社会 187


第12章 民族と宗教――みずからを定義することばをめぐるたたかい〔新原道信〕 193
なぜ民族や宗教の名のもとに血を流すのか 194
あまりにも確かなNIPPON 195
たよりないアジア? 197
日本人はどうして民族や宗教に鈍感なのか 198
社会学にできること 200
日本人と日本社会の再発見 202
移動民から見た都市社会 203


第13章 環境と人間――環境問題は地球の危機か社会の危機か〔池田寛二〕 209
ゴム採取人の死 210
権力と所有 211
所有と環境問題をめぐる2つの見方 213
私的所有と環境問題 215
共同所有と環境問題 217
市場システムと環境問題 219
市場の限界とエコ・ファシズム 220
ナチズムとディープ・エコロジー 222
自由・権力・環境 223


第14章 時間と人間――時はどのように作り出されたのか〔藤田弘夫・竹内治彦〕 227
生活と時間 228
暦の作成 228
さまざまな暦 229
10進法の暦 231
近代化と暦 232
時計時間の勝利 234
時計時間の人間支配 235
時間奪還運動としての時短運動 238
労働からの自由か自由な労働か 240


  第IV部 さまざまな権力理論

第15章 権力のイマージュ――社会学はどう権力を捉えてきたのか〔西原和久〕 247
さまざまな権力観 248
不可避な事態としての権力 249
批判の対象としての権力 251
システムの機能としての権力 253
日常生活に潜む微細な権力 255
「権力の予期理論」を考える 257
権力論の現在 259


第16章 フーコーの権力論――日常生活に潜む微細な権力作用〔佐野正彦〕 263
フーコー社会学 264
従来の権力論 265
視線の逆転:2つの教室論 267
パノプティコンとディシプリーヌ 270
知と権力と主体 272
国家と権力 274


第17章 権力なんかこわくない――権力VS.主体性〔永田えり子〕 279
権力は見えるか 280
一見権力者,見方をかえれば服従者 281
ちやほやされるVS.望みを実現する 283
権力者は搾取できない 286
権力者は強制できない 289
幻想としての権力 291
制度としての権力 291


  特論
特論1 ジェンダーの権力――人はなぜ規範の網から逃げられないのか〔吉澤夏子〕 
特論2 差別と日常――「普通であること」の権力をめぐって〔好井裕明 〕 


事項索引 297
人名索引 301


コラム
(1)学問とは何か 016
(2)『権力への意志』と社会学 032
(3)ウエーバーの「家共同体」 051
(4)ポリティカル・コレクトネス 070
(5)渡る世間はどこにある? 086
(6)コメと日本人 101
(7)組織時代のヒーロー 121
(8)収斂理論と収斂の終焉 140
(9)阪神・淡路大震災とコンピュータ・ネットワーク 158
(10)文化資本という考え方:学歴の社会的意味 175
(11)「マイ・フェア・レディ」 191
(12)ガイジン?! 未知の人をなんと呼ぶのか? 207
(13)環境社会学 226
(14)労働は苦役か 243
(15)フロムのナチズム分析 262
(16)子どもたちへのまなざし 278
(17)夫婦関係の数理:コールマン・モデルの応用 294
(18)シャープレイ値 295