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『日本社会と移民[講座 外国人定住問題1]』(伊豫谷登士翁, 杉原達[編著] 明石書店 1996)

編者:伊豫谷 登士翁[いよたに・としお] (1947-) 国際経済学東京外国語大学教授
編者:杉原 達[すぎはら・とおる] (1953-) 大阪大学文学部助教授(日本学・文化交流史専攻)。
著者:山脇 啓造[やまわき・けいぞう](1960-) 明治大学商学部専任講師。
著者:富山 一郎[とやま・いちろう](1957-) 神戸市外国語大学助教授。
著者:村川 庸子[むらかわ・ようこ](1953-) 千葉敬愛短期大学国際教養科助教授。
著者:山脇 千賀子[やまわき・ちかこ](1966-) 筑波大学大学院博士課程社会科学研究科社会学専攻在学中。
著者:伊藤 るり[いとう・るり](1954-) 明治学院大学国際学部助教授。
著者:小野塚 佳光[おのつか・よしみつ](1959-) 国際政治経済学。同志社大学助教授。
著者:式部 信[しきぶ・まこと](1951-) 広島県立大学経営学助教授。
監修:駒井 洋[こまい・ひろし](1940-) 移民社会学
シリーズ:講座 外国人定住問題;1巻
NDC:334.41 人口.土地.資源 >> 移民・難民問題.移民 >> 外国人(日本在留)


日本社会と移民 - 株式会社 明石書店


【抜き書き】
・021頁

 みられるように、本巻は、歴史的あるいは理論的アプローチが強く、かつ問題提起的な諸論文によって構成されていて、あるいは他の巻とのバランスに欠けるように思われるかもしれない。しかしながら、現実を整理・把握し、具体的な政策提案をおこなっていくためにこそ、歴史的なパースペクティヴの中で現在進行中の事態を位置づけ、また理論とのフィードバックを通じて分析を深めることが求められているのではないだろうか。そこに、講座全四巻として、問題のひろがりと深さの全体像を提示する意義が存在している。

【目次】
刊行の趣旨(一九九五年九月 編者代表 駒井洋) [003-007]
目次 [010-013]


はじめに[伊豫谷登士翁・杉原達] 015


第1章 日本の国際化と外国人労働者――国民国家の時代から移民の時代へ[伊豫谷登士翁] 023
第一節 外国人労働者論の問題構制 025
第二節 日本資本主義と外国人労働 033
第三節 アジアの労働力移動と日本 046
参考文献 052


第2章 もう一つの開国――明治日本と外国人[山脇啓造] 055
はじめに 057
第一節 居留地体制下の外国人 058
  一 欧米人・中国人
  二 朝鮮人
第二節 内地雑居論争 065
  一 中国人の内地雑居
  二 朝鮮人の内地雑居
  三 内地雑居と日本民族
第三節 一八九九年体制の成立 074
  一 勅令第三五二号
  二 内務省令第三二号
  三 国籍法
おわりに 080
注 081


第3章 朝鮮人をめぐる対面=言説空間の形成とその位相―― 一九三〇年代の大阪を中心に[杉原達] 091
第一節 問題の所在 093
第二節 対面空間の成立と展開―― 一九三〇年代の大阪 097
第三節 対面空間をめぐる言説の位相 108
第四節 むすびにかえて  123
注 126


第4章 ナショナリズムモダニズムコロニアリズム――沖縄からの視点[冨山一郎] 129
はじめに 131
第一節 大阪 137
  一 生活改善
  二 プロレタリア化と規律
第二節 ミクロネシア 145
  一 植民地社会
  二 「ジャパン・カナカ」
第三節 戦場の記憶 151
  一 「日本人」になるということ
  二 戦場の記憶――他者としての死
注 159


第5章 忠誠を問うこと・間われること――「帰米」二世のナショナル・アイデンティティ[村川庸子] 165
はじめに 167
第一節 「忠誠登録」再考 172
  一 「忠誠登録」の評価
  二 「忠誠登録」で問われたこと
第二節 忠誠を問うこと――アメリカ政府当局側の事情 178
  一 「トラブルメーカー」とは何か
  二 政策的な矛盾
第三節 忠誠を問われること――日系社会の事情 184
  一 トラブルメーカーと目された人々
  二 ある家族
  三 「忠誠な」人々
第四節 まとめにかえて 192
注 195
参考文献 199


第6章 語られない文化のベクトル――沖縄系/日系ペルー人の文化変容[山脇千賀子] 201
はじめに――ペルーにおけるニホン食体験から 202
第一節 ペルー移住・定住をめぐる歴史的背景――ウチナンチューから沖縄系ペルー人への道程207
第二節 エスニック状況と文化的オリエンテーション――近代国民国家の要請 216
第三節 「精神」に対抗する「生活」――生活者としての移民 224
第四節 むすびにかえて――日本における「ペルー食」体験から 231
注 235
日本語文献・外国語文献 237


第7章 もう一つの国際労働力移動――再生産労働の超国境的移転と日本の女性移住者[伊藤るり] 241
第一節 女性の国際移動への関心 242
第二節 〈女性の労働〉、もしくは再生産労働の超国境的移転 247
  一 国際労働力移動論とフェミニズム理論の接合
  二 家事労働者の「輸入」に見る再生産労働の移転
第三節 日本の状況にとっての含意 253
  一 外国人女性家事労働者不在の背景
  二 農村の再生産システムの危機
  三 性産業における就労と再生産労働の二つの次元
第四節 むすびにかえて 264
注 266
引用・参考文献 269


第8章 世界都市化とアジアの移民問題小野塚佳光] 273
第一節 世界経済と世界都市 276
第二節 アジア都市・開発戦略の転換 283
第三節 都市社会運動とスラム 290
第四節 世界都市における公的秩序 293
第五節 都市反乱 297
注 299
参考文献 302


第9章 定住化の社会経済学―― To stay or not to stay : that is the question[式部信] 303
はじめに 305
第一節 国際労働移動と定住化問題――外国人労働者は一時的滞在者である 307
第二節 定住化論の批判 314
第三節 むすびにかえて 321
参考文献 322


執筆者略歴 [324]