編者:植田 和男[うえだ・かずお](1951-) 〈編著者、序章〉 東京大学大学院経済学研究科教授。
著者:祝迫 得夫[いわいさこ・とくお](1966-) 〈第1章〉 財務省財務総合政策研究所総括主任研究官。
著者:増島 稔[ますじま・みのる](1964-) 〈第2章〉 内閣府経済社会総合研究所上席主任研究官。
著者:田中 吾朗[たなか・ごろう](?-) 〈第2章〉 内閣府経済社会総合研究所研究協力者。
著者:白川 浩道[しらかわ・ひろみち](1961-) 〈第3章〉 クレディ・スイス証券チーフエコノミスト
著者:伊藤 隆俊[いとう・たかとし](1950-2025) 〈第4章〉 東京大学大学院経済学研究科教授。
著者:竹森 俊平[たけもり・しゅんぺい](1956-) 〈第5章〉 慶應義塾大学経済学部教授。
著者:地主 敏樹[じぬし・としき](1959-) 〈第6章〉 神戸大学大学院経済学研究科教授。
著者:小巻 泰之[こまき・やすゆき](1962-) 〈第6章〉 日本大学経済学部教授。
著者:林 伴子[はやし・ともこ](1965-) 〈第7章〉 内閣府参事官(海外経済担当)。
装丁:鈴木 衛[すずき・まもる]
件名:国際金融
件名:国際経済
NDC:338.9 金融.銀行.信託
NDLC:DE141
慶應義塾大学出版会 | 世界金融・経済危機の全貌 | 植田和男
【目次】
はじめに(2010年8月 植田和男) [i-v]
目次 [vii-x]
序章 世界金融・経済危機オーバービュー――危機の原因,波及,政策対応[植田和男]
1 はじめに 005
2 危機の特徴――グローバルな住宅価格・クレジット商品バブル 007
3 マクロの金融環境 012
3.1 1998年以降の欧米の金融政策
3.2 Saving Glut仮説と長期金利に関する謎(Conundrum)
3.3 長期のディスインフレ傾向,資産価格,金融政策
4 金融規制,金融機・関投資家行動 021
4.1 影の銀行システムにおける金融仲介
4.2 自己資本比率規制による金融機関のインセンティブのゆがみ
4.3 米国におけるインセンティブ構造のゆがみ
4.4 リスク軽視,短期収益重視の背景
5 危機の波及 036
5.1 金融機関に対する取付け
5.2 その他の危機加速化メカニズム
6 政策対応 049
7 終息しない危機 056
8 おわりに 060
参考文献 061
第i部 世界金融・経済危機の発生とその背景
第1章 サブプライム危機の深層と米国金融システムが抱える諸問題[祝迫得夫]
1 はじめに 069
2 サブプライム問題の深層――過剰なリスクの追求とレバレッジの拡大 071
2.1 低所得者層向けの住宅ローン拡大の要因
2.2 投資銀行のモラルハザードとレバレッジの拡大
2.3 ゲートキーパーとしての格付け機関の機能不全
3 金融機関におけるインセンティブの問題 082
3.1 金融機関のインセンティブ問題と過剰なリスクの追究
3.2 ビジネスモデルとしての米国系投資銀行の限界
3.3 金融工学の進歩とリスク管理の失敗
3.4 まとめ
4 米国金融規制の制度的問題 094
4.1 米国の金融規制システムの欠陥と改革の方向性
4.2 誰がプルーデンス規制を担うのか?
5 結語 104
参考文献 105
第2章 世界金融・経済危機後のグローバル・インバランス調整[増島稔・田中吾朗]
1 問題意識 111
2 グローバル・インバランスの問題点 111
2.1 「悪いインバランス」とは?
2.2 ハードランディングのリスク
2.3 均衡状態としてのインバランス
3 世界金融・経済危機前のグローバル・インバランスの拡大 114
3.1 グローバル・インバランスの拡大
3.2 米国の経常収支赤字と貯蓄・投資バランス
3.3 アジア諸国の経常収支黒字の拡大とその背景
3.4 欧州諸国および産油国の経常収支
3.5 世界の資金フロー
3.6 グローバル・インバランスの時期的な特徴
3.7 80年代のインバランスとの比較
3.8 グローバル・インバランスの是正に向けた取り組み
4 世界金融経済危機発生の背景としてのグローバル・インバランスの拡大 129
4.1 経常収支赤字の拡大と住宅価格の上昇との関係
4.2 米国の低金利とアジアの資金フローとの関係
4.3 グローバル・インバランスは金融・経済危機の原因であったのか
5 世界金融経済危機下のグローバルインバランス調整 134
5.1 縮小したグローバル・インバランス
5.2 米国の経常収支と貯蓄・投資バランスの変化
5.3 世界の資金フローの変化
5.4 ハードランディング・シナリオとは異なる調整プロセス
6 グローバル・インバランスの行方 138
6.1 シナリオの概要
6.2 今後のグローバル・インバランスを考える視点
7 求められる政策対応 149
参考文献 150
第II部 世界金融・経済危機の実体経済への波及
第3章 今次世界金融・経済危機が日本経済に与えたインパクトの考察[白川浩道]
1 外需変動の内需への波及について 159
1.1 外需ショックと日本経済――日米欧三極の比較を交えて
1.2 2009年4-6月期以降の外需回復局面における内需のセンシティビティの低下
1.3 外需変動と設備投資
1.4 外需変動と個人消費
2 負のアウトプット・ギャップとストック調整圧力について 171
2.1 はじめに
2.2 アウトプット・ギャップの推計
2.3 労働・資本投入ギャップの推計
2.4 労働・資本の調整圧力の推計
2.5 資本投入ギャップを解消する設備投資の将来パスについて
2.6 アウトプット・ギャップの展望
3 デフレ長期化と財政の維持可能性 184
3.1 財政政策の裁量性低下について
3.2 財政赤字ファイナンスと長期金利
3.3 政府負債GDP比率の発散可能性に関する論点
3.4 財政の維持可能性に関するシミュレーション
参考文献 212
第4章 世界金融危機のアジア経済への波及[伊藤隆俊]
1 イントロダクション 217
2 先行研究 221
3 成長と貿易チャンネル 225
4 金融チャンネル 234
5 政策対応 245
6 まとめと今後の展望 250
参考文献 252
第III部 世界金融・経済危機への政策対応
第5章 世界経済危機と「最後の貸し手」――復権したのはケインズか、バジョットか?[竹森俊平]
1 序 259
2 マジックナンバー 262
3 国際取引 265
4 大恐慌との類似性 268
5 クレディート・アンシュタルト・シンドローム 274
6 ドイツはリーダー国になれるのか 279
7 代理リーダーとしてのECB 284
8 ドバイ・ショックからギリシャ・ショックへ 287
9 中央銀行の行動指針はバジョット・ルールだけなのか? 290
10 バジョット的救済者としての中央銀行 292
11 出口戦略とザヤの脅威 304
12 逆ザヤからサブプライム危機へ 307
13 中央銀行に可能なのはバジョット的戦略だけか? 311
14 結論 314
参考文献 315
第6章 欧米中央銀行の金融政策の危機対応――米国連邦準備制度と瑞国リクスバンク[小巻泰之・地主敏樹]
1 はじめに 319
2 検討対象時期の両国経済の概要 320
2.1
2.2 スウェーデン経済
3 経済環境の基調判断 325
3.1 基調判断のツール
3.2 米国の経済環境
3.3 スウェーデンの経済環境
4 金融政策決定のナラティブ分析 340
4.1 米国FOMCの金融政策判断の局面
4.2 米国連邦準備による危機波及効果の評価
4.3 瑞国リスクバンクの金融政策判断の局面
4.4 瑞国リスクバンクによる危機波及効果の評価
4.5 瑞国リスクバンク役員会の政策議論
5 リアルタイムデータとテイラー・ルールを用いた金融政策の評価 357
5.1 データの加工
5.2 推計結果
6 米国連邦準備と瑞国リクスバンクとの金融政策対応の比較 363
7 おわりに 367
参考文献 369
第7章 世界金融・経済危機における各国の政策とその効果[林 伴子]
要旨
1 はじめに 373
2 世界金融危機の発生と拡大の経緯 374
2.1 米国の金融危機
2.2 欧州における金融危機
2.3 新興国への波及
2.4 各国の実体経済の悪化
3 各国における政策対応 379
3.1 緊急的な金融システム安定化策の概観
3.2 米国の政策対応
3.3 欧州の政策対応
3.4 アジアの政策対応
4 政策の効果 417
4.1 金融
4.2 実体経済
5 おわりに 434
参考文献 437
索引 [439-444]
執筆者紹介 [446]
