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『壊れた脳 生存する知』(山田規畝子 角川ソフィア文庫 2009//2004)

著者:山田 規畝子[やまだ・きくこ](1964-) 医師。作家。
解説:山鳥 重[やまどり・あつし](1939-) 医師。神経科学者。
カバーイラスト:唐仁原 教久
カバーデザイン:芦澤 泰偉

壊れた脳 生存する知 (角川ソフィア文庫)

壊れた脳 生存する知 (角川ソフィア文庫)

高次脳機能障害の苦しみに決して諦めない心で向き合う医師の、感動の手記。
 靴の前後が分からない。時計が読めない。世界の左半分に気が付かない。三度の脳出血高次脳機能障害となった著者が、戸惑いながらも、壊れた脳で生きる日常を綴る。諦めない心とユーモアに満ちた感動の手記。

https://www.kadokawa.co.jp/product/200906000033/


【目次】
目次 [00-008]


文庫版序文「あきらめないで!」 009
  高次脳機能障害者として生きる
  医師として、そして障害者として
  高次脳機能障害をひと言で言うと……
  高次脳機能障害が「見えない障害」と言われるわけ
  生存する知――「脳には学ぶ力がある」
  高次脳機能障害者にとって暮らしやすい「地域づくり」
  文庫化にあたって増補・改訂したことの


序章 壊れた脳の中、教えます 025
時計が読めない!
三十四歳で「余生」?
思わぬ出会い
カリスマのお告げ


第1章 私は奇想天外な世界の住人 039
切れたかもしれん
転落事件
医者のくせに
見えれども見えず
なんでこうなるの?
二次元の世界
下りる階段? 上る階段?
記憶がやられた
私の言葉は失われたか
詩・俳句……ダメだこりゃ
本が読めない
私は非常識人
体がゆがんでいる?
部屋の中で迷子
辞書が引けない


第2章 脳に潜んでいた病気の芽 079
脳卒中発作の前兆
かつてない健康感
突然の闇
モヤモヤ病
整形外科医デビュー
ベルトコンベアー式結婚
「妊娠しちゃったんだ」
長男誕生
三十四歳、脳出血に倒れる


第3章 病気を科学してみたら 099
私、老人なんです
いろいろな自分に会える
高次機能障害のつらさ
へこんだままでいたくない
できない自分と折り合う
手探り
もうひとりの私
鍵になるのは記憶
記憶のしくみ
「年少さん、お休みです」
絵本袋を縫う
息子と競争
ペーパードライバーズコース
注意力の配分ができない
もう一度医師として
白衣がまぶしい
言葉を発する力
患者さんとご家族に伝えたかったこと
脳は大食漢
どんな脳でも学習する


第4章 あわや植物人間 151
再び脳出血、初めての麻痺
死にたい
オムレツの日
職場に再々デビュー
プライド
意識と理性的
「お飾り」施設長的
服が着られない
ここはどこ?数オンチ
漢字が書けない
この痛みはどこから?
うまく飲み込めない
病気で失ったもの
徳俵」の女


第5章 世間はどこもバリアだらけ 
やさしくない街
バリアリッチな学校
新聞は冷たい
バリアな人、バリアなもの
こんなことでいいの?
患者のやる気をそがないで
リハビリは想像力
自分の主人は自分


第6章 普通の暮らしが最高のリハビリ 211
奇跡的回復
神秘の脳少時間の経過が必要
回復に必要なもの
からっぽの右脳を埋める
速聴と速読
脳の静かな声
カミングアウト
「ポケきてますから」
経験がすべて
障害に恵まれて
未来日記をつける
元気出さない、がんばらない
息子がくれたリハビリ
恋したい!
勝者として生きる


おわりに(二〇〇九年十月 山田規畝子) [254-259]

解説――神経心理学が解く山田さんの障害(山鳥重) [254-278]

文庫版あとがき:「脳の中のもうひとりの私」、そして「今の私」(二〇〇九年十月 山田規畝子) [279-313]
  私の分身、前頭前野の「前子ちゃん」
  前子ちゃんの役割
  「注意の光」
  山鳥重先生との出会い
  大脳の大切な記憶、そして条件反射
  排尿の難しさ
  ピアカウンセリングを始めて
  認知症高次脳機能障害――それぞれの苦しみ、同じ苦しみ
  認知運動療法との出会い
  不思議な体験――「なかったお尻」がよみがえる 
  自分の体の声を聞く




【関連記事】

『脳のなかの身体――認知運動療法の挑戦』(宮本省三 講談社現代新書 2008)
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