著者:藤原 帰一[ふじわら・きいち](1956-) 国際政治学、比較政治学、フィリピン政治研究。
NDC:319.8 戦争と平和
『戦争を記憶する 広島・ホロコーストと現在』(藤原 帰一):講談社現代新書|講談社BOOK倶楽部
【目次】
はじめに [003-010]
目次 [011-014]
第一章 2つの博物館――広島とホロコースト 015
広島とホロコースト
戦争をどう考えるか
反戦の倫理・正戦の倫理
武力行使のパラドックス
戦争を語り伝えるという行為
戦争観はどう変わってきたか
記憶の出会うとき
一九五〇年代平和運動と広島の記憶
ユダヤ社会の変化とホロコーストの記憶
記憶の政治性
第二章 歴史と記憶の間 041
歴史とは記憶だろうか
記憶は歴史になるだろうか
何を記憶として語るのか
有意義な過去としての戦争
記憶に頼る歴史
公的な記憶と私的な記憶
それぞれの物語
第三章 正しい戦争――アメリカ社会と戦争 057
1 エノラ・ゲイの展示をめぐって 059
兵器の博物館
原爆展と論争
正戦か、反戦か
老人とB29
2 ヨーロッパの戦争観・アメリカの戦争観 067
正戦と反戦の間
ヨーロッパ古典外交の起源
国家の社会としての国際関係
アメリカと戦争
南北戦争の記憶
3 二つの世界大戦とアメリカ 077
第一次世界大戦の記憶
「三人の兵隊」がみたもの
戦争反対から正義の戦争へ
ニューディールと「戦争と福祉の国家」
大戦後の戦争認識
キューブリックの描いた戦争
スピルバーグの転換点
アメリカの反戦・反軍思想
デモクラシーと戦争
ベトナム戦争と映画表現
第四章 日本の反戦 103
1 反戦思想の起源 104
ユーゴ空爆への反対
敗戦の受け止め方
大文字の政治からの解放
生き残った者
昭和館に展示されたもの
兵士の戦争経験・銃後の戦争経験
被害者としての国民
2 広島における正戦と反戦 123
原爆投下の認識
広島はどう語られたのか
国民的経験としての広島
加害者という視点
3 広島をなぜ語るのか 134
反核運動は「左」か
平和運動と現実主義
ヒロシマと広島の間
第五章 国民の物語 143
1 ナショナリズムとは何か 144
普遍主義のなかの国民意識
「国民意識」の落とし穴
戦争と国民意識
2 ナショナリズムとしての戦後民主主義 154
日本国憲法とその意味づけ
護憲ナショナリズム
戦後啓蒙の意味
啓蒙の限界
物語の復活
戦争と物語
戦争責任の「国民化」
国民の責任・国民の構築
3 シンガポールへ 180
国民歴史博物館
シンガポールの物語
中国人の記憶
それぞれの死者へ
おわりに(二〇〇一年一月 藤原帰一) [197-199]
参考文献 [200-204 (i-v)]