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『日本の優秀企業研究――企業経営の原点●6つの条件』(新原浩朗 日経ビジネス人文庫 2006//2003)

著者:新原 浩朗[にいはら・ひろあき](1959-) 官僚(経済産業省)。
NDC:335.21 企業.経営


日本の優秀企業研究 | 日経の本 日本経済新聞出版


【目次】
文庫化にあたって(平成十八年五月 新原浩朗) [003-004]
詩 [005]
目次 [006-013]


序章 優秀企業はいかなる特質を有しているのか 015
  優秀企業の「形」と「本質」
  調査方法と留意点
  優秀企業「通念」の嘘


第1の条件 分からないことは分けること 041
  分からない事業をやらない勇気 
  なぜ経営者の理解の範囲に絞るのか 
  「中間的組織形態」でも事業範囲は広げられない
  カンパニー制の成功は容易でない
  新しく珍しいもの、経験したことがないものに絞り込む
  世界市場前提だから「単品」に絞る
  自転車の「インテル」が生まれるまで
  二兎を追う者は一兎をも得ず
  企業として一塊で行く
  現場のシナジー効果が製品に結実
  外に出せること、中でやらねばならぬこと
  デザインを決めうるほどの社長の現場感覚
  現場感覚を保つための努力
  現場感覚と「日に新た」
  IT時代でも、「場」の共有による情報の厚み
  難しいものこそ自分たちでやる
補論一 「企業を分けること」とウィリアムソンの議論 100
補論二 「内部金融市場」論 「多角化による減価」 105
補論三 「中間的組織形態」のデメリットと経営者へのインセンティブ 111


第2の条件 自分の頭で考えて考えて考え抜くこと 115
  業界の常識、成功の形を信じない
  顧客の視点で素人のように考え抜く
  力の勝負を避け、他社と違う軸で競争する
  制約があるなら、破ればいい
  議論を順に追い、自分で自分を間違いないと説得する
  「講師の説を鵜呑みにして、それでやられては困るのです」
補論四 製品のアーキテクチャシマノの戦略 142
  

第3の条件 客観的に眺め不合理な点を見つけられること 147
  経営者は「傍流の時代」か?
  本社で育っていたら不思議に感じなかった
  企業内企業の誕生と全体最適の喪失
 「神輿に乗らない」経営者を求める
  愚直にくどいくらい伝え続ける
  理念、ビジョンを形骸化させない
  言行一致の断固たる実行
  組織の「形」をいじること自体が改革ではない
  企業改革を実現した地味で控えめな社長
  意図的に傍流経験を作り出す
  経営者は社外から連れてくればいいのか?
補論五 リーダーシップと現場感覚、率先垂範 


第4の条件 危機をもって企業のチャンスに転化すること 201
  危機を脱したのは当たり前か?
  100点満点で80点のテストの見方
  危機の理由は単品経営ではない
  標準化が進むと、用途がまた広がる
  機器に際し自己を全否定せず、自らの持てるものを見つめる
  トヨタの生産方式の鍵は「止める」こと


第5の条件 身の丈に合った成長を図り、事業リスクを直視すること 227
  外部資金の導入制限による「背水の陣」の規律
  製品開発の不確実性を直視する
  キャッシュフロー経営の導入による規律回復
  辛抱強さを裏付けるもの――大胆な判断と資金面のリスク回避の組合せ
  絞り込みの裏返しとしての手元流動性の確保
  お金がないことが幸運だった
  事業リスクと自己の事業編成
  国際展開による事業リスク分散
補論六 資金調達の「序列理論」とフリー・キャッシュフロー問題 255


第6の条件 世のため、人のためという自発性の企業文化を埋め込んでいること 263
  目的が継続的社会貢献、手段が利益
  「監視のガバナンス」VS「自発性のガバナンス」
  経営者の使命感と自己規律
  製品・サービス市場がガバナンスの鍵
  企業文化の満たすべき二つの条件
  判断容易性の条件を満たす企業文化とは
  企業文化による統治への移行
  運命共同体的意識と企業文化
  「二階に上げて梯子を外して火をつける」
  金銭的インセンティブと「どら焼き」
  「結論」としての企業統治システム
補論七 企業文化による企業統治と経済学の解釈
補論八 製品・サービス市場と経営者の規律の経済分析 
補論九 ステークホルダー社会 
補論十 金銭的なインセンティブの問題点の経済分析 


終章 私たちが輝いていた原点へ 333


企業名・企業人名索引 [343]
参考1 例示として登場した優秀企業の15年間の財務データ [345-355]
参考2 上場企業社長意識調査結果 [357-367]
謝辞(平成十五年九月 新原浩朗) [369-371]



【メモランダム】
・タイトルと連辞符について。
 『A ― B ● C』 文庫版の表紙。この記事。
 『A   B ― C』 単行本の表紙。
 『A : B ― C』 国会図書館における本書文庫版の書誌情報。