原題:What is History? (Macmillan, 1961)
著者:Edward Hallett Carr(1892-1982) 歴史学。外交官。
訳者:清水 幾太郎[しみず・いくたろう] (1907-1988) 社会学。評論。
備考:日本語訳が悪文。
・近藤和彦による日本語訳が2022年に刊行された。読みやすい。
歴史とは何か 新版 - 岩波書店
【目次】
はしがき(一九六二年二月 清水幾太郎) [iii-vi]
目次 [vii-x]
I 歴史家と事実 001
歴史とは何か
事実尊重の時代
歴史的事実とは何か
歴史的事実が生まれる過程
無智の必要について
文書が語るもの
十九世紀の歴史観
歴史家が歴史を作る
先ず歴史家を研究せよ
想像的理解の必要
現在の眼を通して見る
懐疑主義とプラグマティズム
歴史家の仕事ぶり
歴史的事実と歴史家
II 社会と個人 041
社会を離れた個人はいない
個人崇拝の時代
過去は現在を通して
保守主義者ネーミア
時代の流れと歴史家
歴史の産物としての歴史家
歴史研究の対象
個人の行動をどう扱うか
歴史における数の重要性
人間の行為が生む不測の結果
叛逆者をどう見るか
偉人をどう見るか
III 歴史と科学と道徳 079
歴史は科学であること
歴史における法則の観念
道具としての仮説
科学と歴史との間
一般化の意味
歴史と社会学の関係
歴史の教訓について
未来に対する予言
歴史研究の主体と客体
物理学的世界との類似
歴史における神について
歴史家は裁判官ではない
道徳的判断の規準
死骸の山を越えて
超歴史的な価値があるか
価値の歴史的被制約性
もっと科学的に
IV 歴史における因果関係 127
歴史の研究は原因の研究
原因の多様化と単純化
ポッパーとバーリン
自由意志と決定論
思想上の「未練」学派
クレオパトラの鼻
歴史における偶然とは何か
ロビンソンの死
現実的なものと合理的なもの
V 進歩としての歴史 161
過去に対する建設的な見解
歴史における進歩の概念
生物的進化と社会的進歩
歴史の終りということ
進歩と非連続性
獲得された資産の伝達
歴史における方向感覚
過去と未来との対話
「存在」と「当為」
「最も役に立つもの」
真理の二重性
VI 広がる地平線 199
現代の新しさ
自己意識の発展
ヘーゲルとマルクス
フロイトの重要性
現代の歴史的転換
理性の役割の拡大
理性の濫用をめぐって
世界的バランスの変化
地平線は広がる
孤立するものは誰か
それでも――それは動く
原注 [235-254]