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『「弱者」とはだれか』(小浜逸郎 PHP新書 1999)

著者:小浜 逸郎[こはま・いつお] (1947-) 評論家。
NDC:316.3 社会関係.社会過程
NDC:361.4 社会心理学
NDC:361.8 社会的成層:階級,階層,身分




【目次】
目次 [003-008]


プロローグ 009
「おかしい」という感じ/遠慮の構造/マイノリティについて自由に語ろう/イデオロギーを支えるもの/多様な欲望の自由/過剰な情報による強迫観念/ヴァーチャル・リアリティによる混乱/切実さの減少/マス情報を消費する空虚な心


第1章 「言いにくさ」の由来 
1.1 「弱者」というカテゴリー 026
「自明性」への疑い/カテゴライズの杜撰さ/地域振興券のおかしさ/頻発する「強者」の自殺/「優先席」は必要か/「ガラス張り駅」の思想/よい施設、悪い施設
1.2 個別性への鈍感さ 040
情報のファシズム/ことさらな賛美の力学/障害者の努力は普通の努力/知的障害者の厳しい現実/公開拒否は自然な心理/「カミングアウト」は正しいのか
1.3 出生前診断をめぐって 057
出生前診断/ある家族の場合/苦しみは苦しみである/中絶を選ぶ親の心情/中絶は障害者差別につながるか/科学技術に向き合う態度
1.4 『五体不満足』をめぐって 072
ポジティブに語ることの効用/「明るさ」への違和感/「特徴」か「特長」か/聾学校はいらないか/厳しさから目を逸らすな


第2章 「弱者」聖化のからくり 
2.1 建て前平等主義 086
子どもは競争していない/「平等も個性も」の虫のよさ/「子どもの人権」論者の錯誤/過配慮社会/「弱者」は作られる/「弱者」を演ずるための屁理屈
2.2 部落差別をめぐって 097
「しるし」をもたない差別/変わりつつある実態/行き過ぎた優遇措置/「差別」の観念化/「聖化」の共犯的からくり/アイデンティティをめぐるジレンマ/現在の意識では過去を切れない/「差別」は近代の現象/歴史家の良心には意味があるか/「部落史」の罪/小林よしのりの「部落解放フェスティバル」/「部落解放フェス」と「水平社宣言」/二元論的立論の時代錯誤/血統へのこだわりのくだらなさ/「差別」とは何か/気にしなくなること/差別問題を語る重要さ


第3章 「弱者」聖化を超克するには 
3.1 共同性の相対化 140
内部からの問いかけ/「踏まれた痛みはわからない」か/非差別者でなければ差別者か/「ハゲ」「ブス」「デブ」という蔑視/経験と感覚に問い訪ねよ/象のおじさん/中心性の意識の刷り込み/二重の心の体験/林のなかの家/矛盾した意識を簡単に捨てるな/共同性を相対化する構え/『どんぐりの家』個別性を通して見える普遍性/個々の差別の違い
3.2 言葉狩りと自主規制 165
マスコミのおびえ/ほんとうに傷ついているのか/自主規制の現状/政治的な価値評価の限界/「ハゲを差別しろ!」/問題点を整理せよ/メディアの伝播力との関係/筒井断筆問題/『ちびくろサンボ』はいつ差別的とされたか/拡大する「配慮の意識」/言語生活の貧困/差別的ニュアンスの起源/表現の必然性を自覚せよ


第4章 ボクもワタシも「弱者」。 
4.1 既成概念の見直し 192
古い「弱者」枠組み/生産年齢人口の見直し/「老人」や「子ども」へのまなざしを変える
4.2 新しい「弱者」問題 198
エロス的領域の「弱者」/差別と蔑視は同じではない/新しい「弱者」の相対性/「文化的問題」としての立ち上げ/中島義道の場合/「強者‐弱者」関係の流動化/自己決定の拡大とコスト/多元的な共同性を背負う/ミスコンは差別か/多様な接触体験、流動性のある社会


あとがき(一九九九年六月二十二日 小浜逸郎) [320-222]