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『人種主義――その批判的考察』(Ruth Benedict[著] 筒井清忠,寺岡伸悟,筒井清輝[訳] 名古屋大学出版会 1997//1959)

原題:Race : Science and Politics(Revised edition, with The Races of Mankind, by Ruth Benedict and Gene Weltfish.)Viking Press, 1945[1940]
著者:Ruth Benedict (1887-1948) 文化人類学
寄稿:Margaret Mead(1901-1978) 文化人類学。※本書冒頭「コンパス版への序文」のみ。
訳者:筒井 清忠[つつい・きよただ](1948-) 歴史社会学
訳者:寺岡 伸悟[てらおか・しんご] (1964-) 比較地域文化論
訳者:筒井 清輝[つつい・きよてる](1971-) 歴史社会学
解説:Pauline Kent[ぽーりん・けんと] (1960-2015) 社会学。R. Benedict研究。
装丁:夫馬 孝[ふま・たかし]
件名:人種問題
NDLC:EC131
NDC:316.8 国家と個人・宗教・民族 >> 民族問題・人種問題、民族運動、民族政策


人種主義 その批判的考察 « 名古屋大学出版会


【メモランダム】
・1947年版の日本語訳も存在する。『民族――その科学と政治性』(志村義雄[訳]、北隆館、1950年)


・ミードの序文によれば、本書の初版は1939、新版は1945年に刊行された。
  冒頭のcolophonによれば、すこし異なる情報が書いてある。


阿部大樹による新訳もある(2020年)。
  『レイシズム』(ルース・ベネディクト,阿部 大樹):講談社学術文庫|講談社BOOK倶楽部
  



【目次】
コンパス版への序文(マーガレット・ミード 一九五八年九月) [i-vi]
目次 [vii-viii]
凡例 [ix]


  第I部 人種 
第一章 人種主義:現代社会における「主義」(ism) 003
第二章 人種 何が人種でないか 010
第三章 自己分類のための努力 025
第四章 民族の移動と混合 046
第五章 何が遺伝するのか 064
第六章 誰が優秀であるか 075


  第II部 人種主義
第七章 人種主義の「自然史」 115
第八章 ではなぜ人種偏見か? 171


解説(ポーリン・ケント) 201
  1 はじめに 
  2 人種差別主義の起源について 
  3 人種主義と人類学 
  4 ベネディクトの個人的背景 
  5 『文化の型』 
  6 Race: Science and Politics 執筆依頼の背景
  7 パンフレット Race of Mankind の出版 
  8 Race of Mankind に対する世間の非難 
  9 人種差別問題と『菊と刀』 
  注・参考文献 221


訳者あとがき(一九九七年一六月 訳者一同) [225-226]
人名索引 [4-5]
事項索引 [1-3]





【抜き書き】
225頁

  本書はRuth Benedict, Race: Science and Politics (The Viking Press, New York, 1959) の翻訳である。
  近年、“人種”概念の再検討が盛んであるが、一方には、J・P・ラシュトンの『人種・進化・行動』(蔵琢也 訳、博品社、一九九六年)のように遺伝的人種差を認めるものもあれば、他方では、“人種”概念の「実体化」に対する批判も強い。こうした議論を検討する際、私達が留意しなければならないことは、その言説がどのような社会的背景・時代状況のなかでハッせられたか、という点であるだろう。それはベネディクトのような科学者の言説についても例外ではない。