著者:山森 亮[やまもり・とおる] (1970-) 社会政策。
NDC:364 社会保障
ベーシック・インカム入門 山森亮 | 光文社新書 | 光文社
【目次】
目次 [003-008]
はじめに ベーシック・インカムとは 009
第1章 働かざる者、食うべからず――福祉国家の理念と現実 019
1-1 ベーシック・インカムの概要 021
ベーシック・インカムの定義と魅力
1-2 福祉国家の仕組み 026
貧困の発見から福祉国家へ
1-3 日本の現実 030
極端に低い数字
生活保護という制度の性格
政治的実行可能性
1-4 ワークフェアとベーシック・インカム 046
完全雇用からワークフェアへ
フランス、ドイツの例
福祉国家の理念そのものが抱える問題
第1章のまとめ 061
コラム① ベーシック・インカムは労働と所得を分離するか? 062
第2章 家事労働に賃金を!――女たちのベーシック・インカム 065
2-1 アメリカの福祉権運動 068
女たちの生活賃金
キング牧師とNWRO【The National Welfare Right Organization:合衆国の全国福祉権団体】
2-2 イタリアの「女たちの闘い」とアウトノミア運動 076
イタリアの「熱い秋」
「学生賃金」と「社会賃金」
2-3 イギリスの要求者組合運動 088
女たちの主張
要求者というアイデンティティ
第2章のまとめ 103
コラム② 個人単位とフェミニズム 104
第3章 生きていることは労働だ――現代思想のなかのベーシック・インカム 109
3-1 ダラ=コスタのユニークな解釈 111
労働の二重の拒否
3-2 アントニオ・ネグリの論理 114
非物質的労働
真っ当な生を営むための前提条件
3-3 青い芝の会――日本の障害者運動 122
日本のアウトノミア
二つの類似性
第3章のまとめ 130
コラム③ リバタリアン・バージョン vs. アウトノミア・バージョン? 131
間奏 「全ての人に本当の自由を」――「哲学者たちのベーシック・インカム 137
民主主義とベーシック・インカム
ラッセルのベーシック・インカムと労働倫理批判
ヴァン=パレイスの「真の自由」論
第4章 土地や過去の遺産は誰のものか?――歴史のなかのベーシック・インカム 149
4-1 「野蛮なマルチチュード」の自然権 151
トマス・ペインの思想
トマス・スペンスの案
4-2 市場経済の成立とベーシック・インカム構想出現 163
アメリカ独立戦争・フランス革命・イギリス急進主義運動
モラル・エコノミーとスピーナムランド制
4-3 フーリエ主義とJ・S・ミル 163
シャルリエの「大地からの配当」
ミル『経済学原理』とベーシック・インカム
4-4 ギルド社会主義と社会クレジット運動 168
ギルド社会主義
社会クレジット運動と国民配当
4-5 ケインズ、ミード、福祉国家 174
経済学者と詩人の会話
ケインズとミードの視点
第4章のまとめ 185
コラム④ ベーシック・インカムの起源は律令国家? 186
第5章 人は働かなくなるか?――経済学者のなかのベーシック・インカム 189
5-1 ベーシック・インカムは労働インセンティブを低めるか? 191
リズ=ウィリアムズ【Juliet Rhys-Williams】の社会配当
スティングラーとフリードマンの負の所得税
社会保障制度への疑義
負の所得税とベーシック・インカム
限界税率とBI/FT 【Basic Income / Flat Tax:定率所得税】
5-2 技術革新と稀少な労働 204
ガルブレイスの『ゆたかな社会』
雇用の限界と『未来の仕事』
5-3 誰がフリーライダーなのか? 212
アトキンソンの参加所得
5-4 給付型税額控除――現実化した部分的ベーシック・インカム? 218
興味深い動向
5-5 ベーシック・インカムと税制 221
財源を問う議論は単なる“恫喝”
定率所得税派
再分配重視派
環境重視派ほか
第5章のまとめ 230
コラム ⑤-1 ベーシック・インカムを主張するのはマイナーな経済学者?
コラム ⑤-2 ベーシック・インカムの断絶史 233
第6章 〈南〉・〈緑〉・プレカリテ――ベーシック・インカム運動の現在 235
6-1 ベーシック・インカム世界ネットワークと〈南〉 237
ベーシック・インカム世界会議
ベーシック・インカム概念の精緻化と複数性
ベーシック・インカムと〈南〉
6-2 〈緑〉のベーシック・インカム 246
緑の党とベーシック・インカム
ベーシック・コモンズ
6-3 福祉権運動のその後とプレカリティ運動編 255
「やられたらやりかえせ」――アメリカ福祉権運動のその後
ユーロメーデーとプレカリティ運動
第6章のまとめ 272
※ベーシック・インカムに関するQ&A [273-276]
おわりに 衣食足りて……? [277-284]
参考文献 [286-290]