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目次とメモを置いとく場

『進化する日本の食――農・漁業から食卓まで』(共同通信社 PHP新書 2009)

編者:共同通信社[きょうどうつうしんしゃ] (1945-)
NDC:498.5 食品.栄養


進化する日本の食 | 共同通信社編 | 書籍 | PHP研究所


【クレジット】
[記事]
井沢大介  石井勇人  井上寛厚  上野敏彦  岡坂健太郎 岡田健太郎 
岡田隆司  小川 恵  加藤 朗  川口敦子  川口亜弓  工藤 恵  
小沼正洋  小森裕子  佐野俊介  瀬川成子  薗部英一  田井 誠 
高田香菜子 高橋夕季  高見浩太郎 高山裕康  辻村達哉  堤 秀司  
出口 修  野崎 亮  橋本地郎  長谷川智一 畠山卓也  林奈緒美 
平田弓月  広江滋規  深谷優子  森原龍介  山岡文子  山脇絵里子  
吉永直登  林原久俊  渡辺誠 

[写真]
浅川広則  荒木甫浩  有吉叔裕  
浮ケ谷泰  尾崎優美  金刺洋平  
萩原達也  牧野俊樹  矢辺拓郎

[グラフィックス]
安藤大輔  佐々木朋子  田中伊津子

[コラム執筆] 
平野 レミ[ひらの・れみ]  料理愛好家。
栗原 はるみ[くりはら・はるみ]  料理家。  
今田 純雄[いまだ・すみお]  広島修道大教授 
田中 優子[たなか・ゆうこ]  江戸文化研究。  
滝澤 昭義[たきざわ・あきよし]  農学。食農研センター理事長。
伏木 亨[ふしき・とおる]  食品化学。
熊倉 功夫[くまくら・いさお]  日本文化史、茶道史。元・林原美術館長。
小泉 武夫[こいずみ・たけお]  農学(発酵学、醸造学)。※本書では「食文化論者・文筆家」(10頁)という肩書も載っている。



【メモ】
 目次ページにも各記事にも、執筆をした記者の氏名が記されていない点がとても気がかりだ。上記の記者一覧はあくまで五十音順なので掲載順とは限らない。
 なお、本書の成り立ちは下記の通り。

・奥付の編者紹介欄から。

本書は、2008年1月から12月までの通年企画として「食再発見 変化のかたち」と題し加盟新聞社に配信、海外も含む計47紙に掲載され、話題を集めたものに一部加筆したものである。記事や写真とグラフィックスは共同通信社編集委員や全国の記者ら計51名力担当。海外取材も行われた。


・出口修による「あとがき」から。

本書は共同通信編集委員室が中心となって、二〇〇八年一月から十二月まで全国の加盟新聞社に配信した連載企画「食再発見 変化のかたち」を一部加筆し、収録したものである。



【目次】
口絵写真 [001-004]
まえがき(二〇〇九年五月十五日 食文化論者・文筆家 小泉武夫) [006-010]
目次 [011-016]


1章 農業と漁業に変化の風が吹く 017

伝統野菜――「土地の味」を守りたい 018
F1品種全盛に危機感
「種の自給率」低下
種は『火の鳥
◆大切な「文化」の伝承:小泉武夫


こんにゃく――食材から"添加物"に 024
肉まんに大福
化粧品にも、背景にBSEが
風船爆弾にも
◆日本文化の典型:熊倉功夫


寒天――理想の歯応えを求めて 030
老舗ようかんを支える「勘」
輸入テングサの増加
手間がかかる割に単価が安い
◆「手間」の豊かさを守りたい:田中優子


ゴーヤー ――沖縄野菜が東北特産に 036
「沖縄ブーム」が広がる中で
地球温暖化で産地北上
厳しさを増す産地間競争
◆高温が米に悪影響:滝澤昭義


冷凍野菜――安全性を高める「工程管理」 042
「地元の野菜」を冷凍
まずは土壌分析から――「畑の設計図」
「工程管理」は海外でも急速に普及
◆自然と和解すべき時:熊倉功夫


イナゴつくだ煮――食料危機、昆虫が救うか 048
タンパク質は和牛赤身に匹敵
近未来のタンパク源――「食料としての昆虫」ベスト10
ハエの幼虫も有力候補
◆虫を食べる食文化を途絶えさせるな:伏木亨


エゾシカバーガー ――駆除し食べる新メニュー 054
予想の三倍、三日で七百五十個も売れる
天敵の絶滅、「環境教育の教材」
自然の強烈なしっぺ返し
◆命を大切に「いただく」:小泉武夫


ジビエ料理――「本物の肉を食べてほしい」 060
「美味か問うこと自体、愚問」
「特別メニュー」にカラス
人気の背景に食の不安も
ぜいたくな時代
◆現代の食の対極に位置する食事:滝澤昭義


リサイクル飼料――弁当、菓子……毎日15トン 066
「売れ残りを家畜の餌に」、食潤自給率のアップにも
「食品リサイクル法」の施行
止まらない食品廃棄――鮮度志向が背景に
◆無駄は元から絶つのが基本:伏木亨


あか牛――健康志向で人気じわり 072
「ヘルシーな牛」だが、飼育頭数増えず
栄養価の低い「粗飼料」でも肥育
ニューヨークの高級ステーキハウスで「WAGYU」が
◆いずれ市場でも評価:滝澤昭義


ワイン――常識の逆をいく士づくり 078
栽培の悪条件克服、一大産地に
「焼酎王国」の中で奮闘
本場の山梨も見習う「土づくり」
◆堆肥は自然の正しい摂理:小泉武夫


ガゴメコンブ――抗がん作用で一躍脚光浴びる 084
高級品マコンブの成長を妨げる「浜の厄介者」
もう一人の変わり者、値段が急騰
ガゴメのサプリメント発売――百二十種の関連商品開発
◆コンブは和食の原点:栗原はるみ


鳴門ワカメ――「灰干し」から「炭干し」へ 090
鳴門独特の加工法の起源は江戸時代
ダイオキシン問題が契機に
炭のほうが香りは豊か
◆賢明な伝統の守り方:熊倉功夫


塩ザケ――うま味分ける熟成で勝負 096
「おいしい」と評判になる
「塩ザケの本当のおいしさを知ってほしい」
冷凍技術で活路を開けるか
◆大人の味を守りたい:伏木亨


鯨肉――高くて礼拝に使えない 102
長崎の隠れキリシタン
鯨肉が高価で、ブリやイカの刺身に
調査捕鯨母船に張り付く船
食文化尊重か鯨保護か
◆食を通じた異文化の相互理解へ:今田純雄


関サバ・関アジ――Gメン、偽物に鋭い視線 108
「生け締め」の跡をチェック
対岸で水揚げされたら「岬」
進むブランド化、光と影
◆恐ろしい「ブランドカ」:滝澤昭義


2章 進化する食卓 115

国民食カレー ――「画一」から「多様」へ 116
スパイス十七種、秘密の調合
「スパイスから作ればすべてオリジナル」
主婦の家事軽減――固形ルー誕生
スパイス市場の拡大、「孤食」のルーも登場
◆転換点はガラムマサラ田中優子


手作り離乳食――「もっと肩の力を抜いて」 122
離乳食に味付けはご法度?
「ベビーフード」の需要は拡大
親の食卓を振り返る好機
◆食は子どもの「世界探し」:今田純雄


フードマイレージ―― CO2排出量、同じ牛丼でも1キロの差 128
「環境」も食の基準に
「買い物ゲーム」
国も表示制度導入へ
◆豆さえ自給できれば……:田中優子


ソフト断食――飽食時代静かなブーム 134
修行、宗教色なくした断食療法施設
ニンジンジュースとショウガ湯はOK
花粉症と冷え性から解放された
◆ショック療法は長続きせず:料理愛好家 平野レミ


ペットフード――安全性、高齢化、メタボ 140
こだわりの手作り
メタボリック症候群になった高齢犬
ペットの「食の安全」も脅かされる時代
◆便利と引き換えに失う「健康と安全」:田中優子


合わせ調味料――「匠の技」を分析し商品化 146
「経験」と「勘」を科学の目で分析
家庭の調理レベル低下を穴埋め
お母さんの後ろ姿
◆便利だが、外食に類似:今田純雄


みそ――自家製は激減、嗜好品化 
みそ汁のライバルはミネラルウォーターとペットボトルのお茶
みそ汁バーの誕生
自家製中心の「みその戦後体制」の終焉
◆みそは日本の味の原点:熊倉功夫


コーヒーのお供――合うのはミルク? 植物油脂? 158
薄めのコーヒーから濃いコーヒーへ
コーヒーフレッシュの中身は?
選ぶのは消費者
◆使うか、使わないかいつも迷う:今田純雄


スポーツ飲料――味重視から「勝利」重視へ 164
空前のブーム、ハチの生態がヒントに
医薬品から健康飲料へ
「魔法の水」より平常心
◆飲む理由は「付加価値」:田中優子


駅弁――消えるホームの売り子 170
鉄道高速化の波
百貨店やスーパーが“主戦場”に
駅弁を食べる場所、1位が家、2位が職場
◆祝祭化した駅弁:熊倉功夫


中食――共働き、高齢化に呼応 176
早朝の総菜・食材配達も
「料理は余った時間に」
安否確認を兼ねて
大事なのは一緒の食卓:田中優子


変わるおなか――悪化する「腸内環境」 182
「うんち教室」、引っ張りだこの人気
肉中心の食生活、大腸がんに関与
膓内細菌制御で病気予防
うんち健康学は食の要;伏木亨 


ズボラ料理――手間省き、時間短縮 188
すべての調理に30分
「手を抜いたほうがおいしい」
気楽においしく達成感も
◆手抜きと簡単は別:田中優子 


弁当の日――食環境を取り戻す子どもたち 194
早朝の台所、一人で調理
食の安全にも関心、弾む会話
「仕返し弁当」
◆子どもたちから食を変える:熊倉功夫 


非常食――大地震のたびに進化 200
阪神大震災、「温かい食べ物が欲しくなった」
新潟中越地震、病人や高齢者に軟らかい料理を
アルファ米を日常的に食べることも
◆食を介す「人の和」こそ:今田純雄


3章 料理人たちの挑戦 207

潜水艦ハンバーグ ――制約だらけ、密室の調理 208
食事が唯一の楽しみ
午前八時半、メニューは手作りハンバーグ
加工食品急増、「ひと手間」にこだわりを
◆食事を楽しむ余裕、平和に感謝を:滝澤昭義
 

アレルギー対応ケーキ ――知識ゼロから始め20年 214
卵や小麦抜き……試行錯誤、「まるで化学の実験」
うるち米でふんわりとした食感に
大手も参入、安全求める親たち
◆「民族の食」を考える時:小泉武夫


フレンチ介護食――「最後のワンスプーンまで、幸せを」 220
感激で体が震えた
フランス料理とアンチエイジングの融合
「流動食」から香りや食感を味わえる食事へ
◆こだわりは生きる証し:今田純雄


南極越冬隊――氷点下旧度の“花見” 226
雪面の「流し麺」
中国製ギョーザ中毒事件で激震
「日本の縮図」
◆安全は自給率アップで:滝澤昭義


「くさい飯」――塀の中も高齢、lT化 232
栄養バランスが取れた「塀の中の食事」
くさいにおいも緩和、低カロリー化へ
刑務作業が軽くなり、高齢化が進むため
塀の中の正しさ、考える時:小泉武夫


機内食――雲の上で炊きたてご飯 238
〇・八気圧への挑戦
“進化”の歴史
◆地上の「格差」が空にも:滝澤昭義


宇宙食――「日本の味」本格進出 244
無重力対応、常温保存
日本食が正規の宇宙食
宇宙食は「流動食」に応用
◆夢の宇宙食とは?:今田純雄


協働炊事――河原にホームレスの食卓 250
予算は千円、会話が弾み情報交換も
「触れ合い」は食事の大切な一面
◆自尊に満ちた明るい食:伏木亨

公邸料理人――タイ人養成、和食支える 256
「味の外交官」
皿洗い三年
月給二・五倍、ありがたさと寂しさ
◆海渡る日本料理の将来:熊倉功夫



4章 列島各地でも変化の声が上がる 263

長寿王国――99歳、元気に一人暮らし 264
奄美の長寿を調査
一致した理念
再び長寿世界一へ
奄美の長寿、世界が注目:小泉武夫


タコライス ――米兵向けから“県民食”に 270
元祖「タコライス」が定番メニューに
沖縄そばも変化
基地とともに沖縄に根付いた食の未来
◆長寿復活へ伝統食の復権:滝澤昭義 


ハラールフード――イスラムの食、大学に拡大 276
ハラールフードをキャンパスに!」
どこまで厳格にすればハラールか」
十倍に膨らむイスラム留学生、「食は文化を学ぶ突破口」
◆多様性楽しむ懐の深さを:伏木亨


讃岐うどん――国産小麦、登場したが…… 282
豪州産麦に依存
「扱いにくい」という声も
職人の技を磨くには強い思いが必要
◆苦労し、自分のものに:平野レミ


屋台――フレンチ、カクテル専門も 288
フォアグラのソテー
働く女性の「息抜きの場」
家族連れで満席の屋台も
◆もっと自由な発想もありか:熊倉功夫


島風お好み焼き――進む若者離れ、宅配登場 294
宅配で需要掘り起こし、一年で売り上げ倍増
被爆からの復興でうまれた食べ物
鉄板と七輪
◆思いを馳せる、歴史の重み:今田純雄 


日式ラーメン――中国でチェーン店急成長 300
「豚骨スープ」に感動、香港へ出店
香港は日本食「激戦区」
◆信頼が定着するかに注目:滝澤昭義 


5章 未来への提言 307
食の「安全」より食の「安心」   今田純雄 
農業を守る「新鎖国」を   田中優子
米の大量輸入をやめ流通規制を   滝澤昭義 
日本むしばむ二つの依存   伏木亨 


あとがき(共同通信社 出口修) [320-321]