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『科学技術大国 中国――有人宇宙飛行から、原子力、iPS細胞まで』(林幸秀 中公新書 2013)

著者:林 幸秀[はやし・ゆきひで] (1948-) 元・官僚。科学政策ウォッチャー。
NDC:502.22 : 技術史.工学史



【目次】
はじめに [i-iv] 
目次 [v-x]


序章 巨人の正体 001
  科学論文での躍進
  低い専門家の評価
  食い違う像
  科学技術最前線


第一章 スパコン「天河1A」と「星雲」 009
  世界のスパコン開発事情
  中国はどうか
  「天河1A」
  「星雲」
  ハイブリッド型の功罪
  画期的な成果だが……
  TOP五〇〇ランキングの意義
  HPCチャレンジベンチマークゴードン・ベル賞
  上がらない利用率
  ビジネス応用で成果を挙げる
  真の世界トップレベルへ


第二章 有人潜水調査船「蛟竜」と海洋科学技術 029
一 有人潜水調査船「蛟竜」 030
  未知なる世界、深海
  バチスカーフとトリエステ
  科学目的の有人探査船
  兄は海の技術者、弟は宇宙の技術者
  「しんかい六五〇〇」を抜いて世界一に
  記録の意義とは
  利用目的が不明?
  重要部品はロシアから
  開発は時間をかけて着実に
  早期の経済的なリターン
  課題は今後の運用
二 海洋科学技術 045
  遅れてきた海洋大国
  海洋調査船と観測衛星
  南極観測の実施
  韓国と世界一を競う造船業
  将来を見据えた海洋石油・天然ガス開発


第三章 望遠鏡LAMOSTと宇宙開発 051
一 望遠鏡LAMOST 053
  天文学の歴史
  LAMOSTとは
  建物構成と光学系構成
  光学技術レベルは高いが
  SDSSプロジェクト
  不安材料は観測精度・効率
  データ解析能力の問題
二 宇宙開発 063
  ロケット打ち上げ
  有人宇宙飛行の誇り
  用意周到な「神舟」計画
  中国版宇宙ステーション「天宮」
  数十年の年月を超えて蘇るソユーズ
  人民解放軍の協力
  中国版GPS計画
  弱点を克服するには
  全般的な技術力評価


第四章 核融合研究装置EASTと原子力開発 079
一 核融合研究装置EAST 080
  核分裂核融合
  トカマクとITER計画の発足
  中国の最新鋭装置「EAST」
  世界初の全超伝導トカマク装置
  容量の限界
  外国の技術や部品も使う
  核融合研究人材をいかに育成するか
二 原子力開発 094
  両弾一星――軍事技術開発
  一週遅れの平和利用
  海外技術が中心の原子力発電
  実用化に向けた着実な歩み
  人材育成の展望
  住民の反対運動が課題に


第五章 iPS細胞マウス「小小」 103
  幹細胞とES細胞
  iPS細胞の開発
  クローン技術の実績
  世界初のiPS細胞マウス「小小」
  効率の画期的向上
  政府による研究支援
  急激に向上する研究レベル
  日本を凌駕する臨床応用体制
  今後の日本との協力関係


第六章 遺伝子解析会社BGI 119
  遺伝子解析の歩み
  BGI社の歴史
  独特のビジネスモデル
  インドのインフォシス社
  BGI社の科学技術的な意義
  アカデミックな実力を強化
  社会にも貢献
  欧米への窓口、香港支部
  展望


第七章 中国の科学技術の特徴 137
一 進め方の特徴 138
  現在もキャッチアップ主体
  技術・機器の外国依存
  着実なプロジェクト実施
  早急な実用化・商業化
  自前での製作
  最新鋭機器導入と運用体制
  アジアは研究者の不正が多い?
  信賞必罰で活性化
  中国共産党の指導との関係は
二 圧倒的な人材の厚み 154
  研究者数で世界一
  世界トップの上海中学生
  科学オリンピックで世界一
  大学学生数で世界を圧倒
  存在感の大きい中国留学生
  清華大学の誕生秘話
  増大する博士数
  海外人材の呼び戻し
  際立つ若さ
  課題は何か
三 急速に伸びる科学技術投資 171
  GDPの伸びを上回る
  予算は名目で日本に逆転
  資金力の秘密
  中国版科研費「NSFC一般プログラム」
  民間の研究開発費はどこへ


終章 日中共存を求めて 181
  世界トップレベルと差のある中国
  日中協力の意義
  恐れてはいけないし、侮ってもいけない


おわりに(平成二五年七月 林 幸秀) [185-188]
参考文献 [189-190]