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『「世間」とは何か』(阿部謹也 講談社現代新書 1995)

著者:阿部 謹也[あべ・きんや]
カバー・表紙デザイン:中島 英樹
章扉:赤崎 正一

「世間」とは何か (講談社現代新書)

「世間」とは何か (講談社現代新書)

【目次】
はじめに [003-005]
  「世間」という言葉/理屈を越えたもの/世間の掟/なぜらいてうは除名されたのか/世間を騒がせたことを謝罪する/世間がなくなってしまったら/借金と宝くじ/非言語系の知/知識人の責任
目次 [007-009]


序章 「世間」とは何か 011
  「世間」という言葉/理屈を越えたもの/世間の掟/なぜらいてうは除名されたのか/世間を騒がせたことを謝罪する/世間がなくなってしまったら/借金と宝くじ/非言語系の知/知識人の責任


第一章 「世間」はどのように捉えられてきたのか 031
1.1 歌に詠まれた「世間」 032
  「うつせみ」と「世間」――「万葉集」/むなしき世間/歌人達の生き方/世間と闘う/憶良の「世間」/「無常」を歌うということ――「古今和歌集」/千世に八千世に/宮廷という世の中――「源氏物語
1.2 仏教は「世間」をどう捉えたか 049
  仏教の「世間」/説話の伝える思想――「今昔物語」/「世の人」の口を借りる――「大鏡


第二章 隠者兼好の「世間」 057
2.1 「顕」と「冥」がつくりなす世の中 058
  山林に居をかまえる――「方丈記」/慈円の思想――「愚管抄」/「冥」の世界/怨霊の出現
2.2 神判と起請文 066
  神判の意味/盟神探湯/自然界とは/神判のゆくえ
2.3 近代人兼好 075
  現世と後世/醒めた個人の意識/かたくななる人/聖法師と俗世/よき人とよからぬ人/「顕」と「冥」に対する姿勢/吉凶の占い/隠者という立場/兼好と漱石


第三章 真宗教団における「世間」――親鸞とその弟子達 099
3.1 親鸞の「世間」を見る目 100
  「非僧非俗」の立場/末法思想/徹底的な否定の思想
3.2 初期真宗教団の革新性 106
  真宗と民俗/親鸞と民衆信仰/講という組織/門徒の集団/「徒然草」再説/「かりにも無常を観ずる事なかれ」


第四章 「色」と「金」の世の中――西鶴への視座 119
4.1 西鶴の時代 120
  貨幣経済の発展/古典の解放
4.2 恋に生きる女達 124
  恋の手管/恋に死ぬ女/おまんの情熱/人妻の恋/おさんと茂右衛門/「性」のもつ大きな意味/「無常」ということ
4.3 「金」と世の中 138
  いかにして金をためるか/二間間口の借家に住んで千貫の金を持つ/金の恐ろしさ/疎外された人々への眼
4.4 「色」と「金」で世をみる 146
  「憂き世」から「浮き世」へ/「好色」の意味/社会体制への反逆/肌を求めて煩悩をはらす/「好色」と「神」と「個人」/男色の場合/若衆の壮絶な最期/小姓の仇討/衆道の純粋さ?/神と呪術/「大晦日世はさだめなき世のさだめかな」
4.5 「艶隠者」西鶴 165
  「隠れて住む」ということ/隠居の最期/身分と仕事と仏教


第五章 なぜ漱石は読み継がれてきたのか――明治以降の「世間」と「個人」 173
5.1 「社会」の誕生 174
  「社会」という概念/個人の尊厳
5.2 「世間」の内と外――藤村の「破戒」 177
  差別的な世間/二つの言葉の区別
5.3 「世間」の対象化――「猫」と「坊ちゃん」 180
  漱石と「世間」/博士号へのこだわり/「世間知らず」の意味/義捐金を取られる/西鶴から漱石へ/単純素朴な青年/坊ちゃんに身をよせて「世間」をやっつける
5.4 「世間」と付き合うということ――「それから」と「門」 193
  他人の細君/世の中に中る/愛のめざめ/二人の微妙なズレ/「世間」に背を向ける視点


第六章 荷風と光晴のヨーロッパ 205
6.1 荷風個人主義 206
  フランスへの旅荷風のフランス/巴里の寂寥/わがままな暮らし/「気質としての厭世」/時代への洞察力/「ぼく東綺譚」
6.2 光晴の歌った「寂しさ」 222
  西欧的なものへの憧れ/ベルギーの田園で/「こがね虫」/再びヨーロッパへ/パリでの生活/フォンテンブローの冬の森で/「洗面器のなかの音のさびしさを」/「鮫」と「おっとせい」/文学者の絶望/光晴と荷風/寂しさはどこから来るのか


主要引用・参考文献 [248-254]
おわりに(一九九五年二月二七日) [255-259]