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『性の進化論――女性のオルガスムは、なぜ霊長類にだけ発達したか?』(Christopher Ryan, Cacilda Jethá[著] 山本規雄[訳] 作品社 2014//2010)

原題:Sex at Dawn: The Prehistoric Origins of Modern Sexuality (Harper)
著者:Christopher Ryan(1962-) 心理学。
著者:Cacilda Jethá 精神科医。
訳者:山本 規雄[やまもと・のりお](1967-) 日英翻訳、編集。 
装丁:伊勢 功治[いせ・こうじ]
件名:性--歴史
件名:夫婦--歴史
NDC:141.74 心理学 >> 心理各論 >> 行動.衝動 >> 欲求.本能:性,食欲 (大阪府立図書館)
NDC:384.7 文化、風俗 >> 社会・家庭生活の習俗(国会図書館)
NDC:491.35 医学 >> 生理学 >> 生殖.性学.発育 (鳥取県立図書館)
NDLC:GA36
メモ:著者2人の運営するブログのタイトルが本書の書名になっている。


作品社|性の進化論


・英語版。
https://www.harperacademic.com/book/9780061707803/sex-at-dawn/

・2011年刊のとある版は、サブタイトルが変更されてる(英or米とか、ハードカバーorペーパーバック、とか色々あるが)。
  Sex at Dawn: How We Mate, Why We Stray, and What It Means for Modern Relationships


【目次】
目次 [001-013]
凡例 [014]
Colophon [014]


序文 人類の“セクシュアリティ進化”の真実――人類の女性に、なぜオルガスムが発達したのか? 015
1 人類は、パンツを穿いた。好色なサル”である 015
2 通説が語る男女の性関係への大いなる疑問 018
3 人類のセクシュアリティの本性を形成した先史時代 022
4 農耕の開始と「汝の隣人の妻を貪るなかれ」 027


  第I部 進化論は“性”をどのように扱ってきたか?

第1章 真実だと思われている誤解の起源
1 「ユカタン」の本当の意味 032
2 われわれにとって、何が自然で、何が不自然なのか? 034
3 一夫一妻という結婚は、人類にとって自然なのか? 037


第2章 ダーウィン進化論と性
1 人間の性の起源と本質についての通説 039
2 ダーウィンは、どのように性の進化を理解していたか? 041
3 ダーウィンがセックスについて知らなかったこと 048
4 科学という“いちじくの葉” 050
  「フリントストーン化」現象
  性の進化とは「進化」なのか?
5 どのように進化論は、性を扱ってきたか? 057
  進化生物学と進化心理学
  女性の性的快楽をめぐる神話と通説
  「性淘汰」で想定されていた雌雄関係
6 モーガン「古代社会」の衝撃 066
  北米先住民の性生活
  人類は「乱婚」だったのか?


第3章 人類の進化に関する通説を検証する 
1 なぜ人類には、性的快楽が進化したのか? 071
2 女性の性的快楽は、男性から得る庇護との交換? 075
3 女性の性衝動は、男性より弱い? 078
4 男性は、女性を専有しようとしてきた? 081
5 人類は「混合戦略」(浮気)によって進化した? 084
6 なぜ人類は一年中発情するようになったのか? 089


第4章 人類はパンツを穿いたサルなのか?
1 霊長類と人類とを比較すると 093
2 さまざまな霊長類の配偶システム 098
3 「強姦」「子殺し」のチンパンジーは人類のモデル? 101
4 霊長類とわれわれの性行動の共通性 104
  ボノボとチンパンジー
  霊長類で最もセックスを愛するボノボ
  ボノボは人類のモデルか?


  第II部 先史時代の人類の性生活――エデンの園は、性の楽園だったのか?

第5章 人類が“失楽園”で得たもの/失ったもの
1 狩猟採集から農耕への移行 120
2 ボノボと狩猟採集者たちの「ロック&ロール」 124
3 「孤独」なき社会 129


第6章 父親が一人でない社会
1 アマゾン先住民族の性生活 132
2 「父性分割」――父親が複数いる子どもたち 134
3 「社会的性愛交換」(SEEx)――団結を強めるための性の共有 136
  先史時代から、現代のサッカー選手まで
  人類、ボノボ、チンパンジーの性の本性
4 性の平等と人類のサバイバル 146
5 ボノボと人類の共通点――恒常的な発情期 150


第7章 母親も一人でない社会
1 共有の性、共有の子ども、共有の母親 155
  みんなで産んで、みんなで育てる社会
  現代の子育ての共同化
2 人類は核家族に適応してきたのか? 162
  マリノフスキーと子殺し
  なぜ核家族は世界に広まったのか?


第8章 人類にとって「結婚」とは何か?
1 愛/性欲、結婚/セックスの混同 167
2 「人類という種の根本条件」(テズモンド・モリス) 169
3 世界のさまざまな「結婚」形態――一夜限りの結婚、夫婦交換、妻の貸し出し 176


第9章 「一夫一妻」という幻想
1 花嫁を輪姦する風習 183
2 一妻多夫・多夫多妻の村の性生活 186
  サイモンズの信念と間違い
  モン族女性の愛と欲望、そして自由
3 母系制社会ミナンカバウ族の真実 194
4 オシドリは、オシドリ夫婦か? 199
5 「結婚」と「愛」の裏側 204


第10章 なぜ男は、嫉妬するようになったのか?
1 嫉妬の進化論 206
2 男は“身体”の浮気を、女は“心”の浮気を許せない? 211
3 嫉妬のない文化はあるのか? 218
4 現代のラブソングに見る“男の嫉妬" 219
5 嫉妬は自然の感情なのか? 221
6 「自分の子ではない」という不安と恐怖 223


  第III部 われわれの祖先の日常生活 225
  ちょっと回り道をして、われわれの祖先の日常生活を考える


第11章 人類にとって「豊かさ」とは?
1 マルサス、ダーウィン、ウォーレス、ホッブズの誤解 227
  『人口論』と「自然淘汰」
  先史時代に『人口論』は適用できるか?
  ホップスの「人間の本性」の背景
2  先史時代の人類は、貧窮していたのか? 235
3 現代の資産家が感じる「貧しさ」 240
4 「人類の最底辺」民族が抱く満足 244


第12章 利己主義と利他主義――人類の進化と政治システムの変容
1 「利己的なミーム」 247
2 「ホモ・エコノミクス」という幻想 248
3 人類の進化と「コモンズ」の限界 251
4 絶えざる「進歩」という夢 256
5 現代人より健康だった先史時代の人類 257
6 旧石器時代の政治システム 262
  狩猟採集者の生活スタイルと労働時間
  「ホモ・ノン・エコノミクス」の社会


第13章 残忍な殺戮は、人類の本性か?
1 五〇〇万年前から受け継がれてきたチンパンジーと人類の凶暴性? 272
2 本当にチンパンジーは残忍か? 281
3 人類の進化と戦争の起源 284
4 ヤノマミ族の好戦性をめぐる論争 291
5 肉食をするボノボは残忍か? 297


第14章 人類の寿命の変化
1 人類の平均身長は九〇センチだった――統計の嘘 300
2 意外に長い先史時代の寿命と子殺しの現実 303
3 農耕への移行で低下した健康と寿命 306
4 人類の発展とストレス 312
5 先史時代は、ユートピアでも、終わりなき悪夢でもない 315


  第IV部 性器とオルガスムの進化論 319
  人類の身体的特徴から、性行動を推し量ることはできるか?

第15章 小さな体格と大きな男性器 
1 性行動が、オス/メスの体格差を決定する 322
2 人類男性はハレムを作っていた? 325
3 人類の男女体格差は何を意味するか? 327
4 子宮内での精子と精子の仁義なき戦い 329
5 体格と睾丸の大きさは反比例する――豆粒のゴリラと鶏卵サイズのボノボ 332


第16章 男性器サイズの進化論
1 人類の睾丸サイズは、大きいのか小さいのか? 336
2 精子戦争に勝ち抜くための急激な進化 339
3 あなたの知らない所で、あなたの精子は戦っている 341
4 なぜ男は「寝取られ」に興奮するのか? 345


第17章 人類のベニスの形状の進化論
1 人類の自慢 348
  類人猿で最も太く長いペニス
  なぜ、あの形状になったのか?
  持続時間
2 体外の陰嚢の費用対効果 353
3 減少する人類の精子 354
  射精とオルガスムは健康のもと
  一夫一妻とセックスレスによる退化か
4 人種によるサイズの違いは、何を意味するか? 359
5 精子競争と人類の進化 362


第18章 いかに人類は、女性の性欲と戦ってきたか
1 男女のオルガズムに達する時間差が意味するもの 365
2 女性のオルガスムと医学 368
  ヒステリー治療としての性器マッサージ
  医療器具として発明されたヴァイブレーター
  マスターベーションは死を招く
  クリトリス切除手術
  コロンブスの新大陸発見と並ぶ、コロンボの新器官発見
3 裁かれた女性の性欲 377
  「悪魔の乳首」によって処刑された女性たち
  『ホヴァリー夫人』裁判
4 女性の性欲に対する終わりなき戦い 380


第19章 女性のオルガスムの進化の謎
1 なぜ女性だけが、エクスタシーで叫ぶのか? 382
  霊長類の交尾コール
  人類が乱婚の証拠か?
2 人類の女性の乳房は、なぜ膨らんだのか? 388
3 女性のオルガスムは、なぜ霊長類だけで発達したのか? 393
  乱婚によって発達したメスのオルガスム
  子宮は、多人数の精子から適したものを選ぶ
  人類のヴァギナとペニスは、乱交によって進化した
  男性一人では満足できない女性のオルガスム


  第V部 人類のセクシュアリティ進化の未来は? 403
  男女のエロスが対立しない社会へ


第20章 女性は何を欲望するのか?
1 女性の愛という「謎の暗黒大陸」 406
2 柔軟に変容する女性の性的指向 407
3 肉体の反応と意識の不一致 410
4 ピル服用によって変化する女性の好み412
5 女性のセクシュアリティは状況次第 414


第21章 人類のセクシュアリティと現代社会の矛盾
1 男性に圧倒的に多い「性的倒錯者」 419
2 思春期のセクシュアリティへの抑圧は暴力に転化する 425
3 ケロッグ博士のサディスティックな子ども虐待 427
4 「行きずりの恋」それを求めて女性も海外へ 432
5 「中年の危機」――ホルモンの反応を“恋”だと思い込む 435
6 単調婚(単調+単婚)の危機 439
7 一夫一妻という矛盾にどう対処してる? 444


第22章 人間の本性に適応するパートナーシップは可能か?
1 人類の性生活は、狩猟採集社会に回帰するのか? 452
2 「ポリアモリー」、「オープンマリッジ」の流行 458
3 愛に基づく嘘のない柔軟なパートナーシップ 460
4 太陽と月の結婚 467


訳者あとがき(二〇一四年六月) [470-481]
  本書とその反響について
  著者について
  著者インタビュー
参考文献 [482-511]






【メモランダム】
・目次について。 
 見出しは、英語版と日本語版とを比べると、ごく部分的にだが変更されている箇所があるとのこと(「凡例」より)。
 ウェブでは日本語版も章レベルの目次しか見当たらない(なので、つくった)。


・冒頭の構成について。
 タイトルを大きく印刷したページと、目次の扉にあたるページは通常分かれているものだが、本書ではこの二つが同じひとつのページにまとめられている。
 また、凡例(縦書き)とColophon(横書き)が一つのページにまとめられている。
 いずれも節約のための工夫。


・カバーデザインについて。
 装画についてのクレジットが本書には見当たらなかった。単に私の見落としの可能性もある。



【関連記事】
 本書が批判する宛先のひとつがS. Pinker(本書272-278, 315頁など参照)。


 (C. Ryanによって批判されている)主張をまとめた厚い本が、日本語に訳されている。
暴力の人類史』(Steven Pinker[著] 幾島幸子,塩原通緒[訳] 青土社 2015//2011)