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『動物感覚――アニマル・マインドを読み解く』(Temple Grantin, Catherine Johnson[著] 中尾ゆかり[訳] NHK出版 2006//2005)

原題:Animals in Translation: Using The Mysteries of Autism to Decode Animal Behavior
著者:Temple Grandin(1947-) 動物学。畜産コンサルタント自閉症の啓蒙活動。
著者:Catherine Johnson ライター。
訳者:中尾 ゆかり(1950-) 翻訳家。
NDC:481.78 一般動物学 >> 動物の行動・心理.攻撃・防御.保護色.擬態
件名:動物心理学
件名:アスペルガー症候群


動物感覚 アニマル・マインドを読み解く | NHK出版


【目次】
第1章 私の動物歴 009
内側から見た動物 019
動物の目で見る 029
人間に見えるものと見えないもの 039


第2章 動物はこんなふうに世界を知覚する 043
人間はこんなふうに見る 046
動物はなにを見るのか 048
農場の動物が怖がるこまかいもの 051
動物と人間の視覚のちがい 060
色と対比 063
ほんとうの問題は、目新しいもの 066
音 071
鈍感になる 073
トカゲの脳、犬の脳、人間の脳 076
絵の全体にとらわれる 078
驚異的な知覚 082
特別な感覚器官 084
同じ脳細胞、ことなる処理 088


第3章 動物の気持ち 096
暴行をおこなうオンドリ 096
単一形質繁殖 098
淘汰圧 101
悪いものが正常になる 102
精神を病んだメンドリ 106
人間はどうやって動物の情動を変えるのか 110
純粋種と雑種 112
イヌは人間のもうひとりの子ども(幼形成熟) 118
動物は気持ちがゆれない 121
犬にフロイトはいらない 125
四つの情動深層 127
猫もほかの動物も好奇心で死にはしない 128
動物も新しいおもちゃが好き 131
動物の迷信 134
動物の友達と家族 137
性的誘因と性欲 137
豚に恋をさせる 138
最強の牢獄に入れられた馬 142
愛のホルモン 143
動物の愛情 148
愛は心を傷つける 151
締めつけ機の感触 154
子豚とヒヨコ用の締めつけ機 156
動物は遊びが大好き 160
動物の大はしゃぎ 164
遊びと驚き 166
怖いもの見たさ 168
情動の品種改良 169
動物の友情と幸福 173


第4章 動物の攻撃性 176
脳内の攻撃性 179
捕食性攻撃 180
狩りの学校 182
ウッドチャックを殺して楽しいのか 185
楽しい狩人 187
動物は捕食のための攻撃をどんなふうに管理するのか 190
情動による攻撃 192
積極的攻撃 193
恐怖に駆られた攻撃 194
痛みによる攻撃 196
オス間の攻撃 196
ストレス性の攻撃 197
混合型の攻撃 197
病気による攻撃 198
攻撃性の遺伝的傾向 198
動物の暴力 201
犬が人に噛みつかないわけ 204
豚のおまわりさん 207
動物をほかの動物と仲よくさせる 208
みなしご 215
動物を人間と仲よくさせる――犬の場合 217
平和の維持 219
群集心理 224
動物の性分に合わせる――家畜の場合 226
攻撃性をふせぐ 228
恐怖に駆られた攻撃 233


第5章 痛みと苦しみ 238
動物は痛いのか 243
痛みの程度 245
自閉症と痛み 248
怖いより痛いほうがまし 251
恐怖を乗り越える 256
怖いもの知らずのグッピー 260
生き残る 263
情動を使って将来を予測する 267
動物は怖いものをどうやって知るのか 274
誰にでも怖いもの 275
学習しやすい恐怖 276
見て学ぶ 278
恐怖は決して忘れない 280
遠い恐怖、遅い恐怖 281
奇妙な恐怖 284
動物の恐怖はちがう 288
過剰特異性 290
恐怖と好奇心 293
まったく新しいもの 294
動物の恐怖はどんなふうにふくらむのか 295
動物の生存から恐怖を取りのぞく 297
恐怖の怪物 302
行儀が悪いのかそれとも怖いのか 304
子育て 307
毒をもって制す 310
たくましい動物を選ぶ 312


第6章 動物はこんなふうに考える 318
動物には真の認識はあるのか 321
動物は人間と同じくらい賢いのか 328
人間にはやさしくても動物にはむずかしい学習 332
言葉をもたない人 335
言葉がじゃまをする 344
覚醒と意識――動物の頭の中 345
動物は専門家 347
自分でつくった話にとらわれる 350
動物の幸せ、まちがった世話 351
動物は人間のようにおしゃべりするのか 359
なぜプレーリードッグなのか 362
音楽言語 364
動物を広い目で見る 369


第7章 動物の天才、驚異的な才能 374
驚異的な記憶力 375
驚異的な知覚と動物の知能 377
裸の目には見えない 381
動物がそんなに賢いのなら、どうして賢いことをしないのか 382
賢い、でもちがう 385
図形探しの名人 388
サヴァン症候群 391
悪魔は細部に宿る 396
動物になにができないかではなく、なにができるかを考えよう 398
「犬のおかげで人間になれる」 401


動物の行動と訓練の仕方の問題点を解決する 404


謝辞 433
訳者あとがき 439


脚注  [07-17]
参考文献  [01-06]




【抜き書き】

動物と鳥はみな、四つの情動深層の上に四つの基本的な社会情動をもっている。性的誘因と性欲、分離不安、社会的愛着、遊びと大はしゃぎの楽しい情動だ。
(『動物感覚』p.137)

・理性と感情。

生存。これが情動の核心だ。正常な情動は、動物が生存し、健康を維持するために、なくてはならないものだ。脳の情動システムと認識システムのどちらが無傷なほうがいいか選ぶとすれば、正しい選択は情動システムの無傷になる。
(『動物感覚』p.263)

確証バイアスが組みこまれているために生じる不都合は、根拠のない因果関係までたくさん作ってしまうことだ。迷信とは、そういうものだ。たいていの迷信は、実際には関係のないふたつの事柄が、偶然に結びつけられたところから出発している。数学の試験に合格した日に、たまたま青いシャツを着ていた。品評会で賞をとった日にも、たまたま青いシャツを着ていた。それからとは、青いシャツが縁起のいいシャツだと考える。
 動物は、確証バイアスのおかげで、いつも迷信をこしらえている。私は迷信を信じる豚を見たことがある。