著者:松井 茂記[まつい・しげのり](1955-) 憲法学。
NDC:010.1 図書館論、図書館と自由。
【目次】
序文(二〇一三年初夏 バンクーバーにて 松井茂記) [v-viii]
目次 [ix-x]
はじめに 001
I 図書館と利用者あるいは著者ないし出版社の権利 007
第一章 図書館の位置づけ 008
国立国会図書館
公立図書館
図書等の収集、管理、利用
法律上ないし条例上の手当てがなぜ存在しないのか
第二章 図書等の収集、管理ないし廃棄及び利用と表現の自由 017
表現の自由
図書館の役割
図書館は表現の自由を享受しているか
図書館による利用者あるいは著者ないし出版社の権利の侵害
図書館はパブリック・フォーラムか――アメリカにおける議論
やはり図書館はパブリック・フォーラムと考えるべき
図書館がパブリック・フォーラムであることの意味
図書館の図書等を利用する表現の自由の権利はないという考え方は妥当ではない
国立国会図書館・公立図書館以外の図書館と表現の自由
II 図書館における図書等の収集とインターネットへのアクセス 035
第三章 図書等の収集 036
図書館における図書等の収集
図書館は教養を高めるための場か情報に接する場か
図書等の収集と表現の自由の制約
具体的な基準
図書館が図書等を所蔵し利用に供することの意味
第四章 インターネットへのアクセスの制限 046
図書館におけるインターネットへのアクセス
図書館におけるフィルタリングは許されるか
子どもをインターネットから保護する法律
成人のアクセスも制限できるか
インターネット・フィルタリングを考え直す
未成年の利用者に対してもインターネット・フィルタリングは許されるべきではない
成人利用者のインターネット・アクセスを制限すべきではない
アメリカ図書館協会の立場
表現の自由
III 図書館における図書等の管理と利用の制限 063
第五章 図書等の管理 064
収集した図書等の保管ないし管理及び廃棄(除籍)
収集した図書等の保管ないし管理及び廃棄(除籍)と表現の自由
許される場合と許されない場合
特別許可制
図書等の廃棄(除籍)
図書等の表明する見解ないし思想に対する個人的な反感による廃棄(除籍)
図書等に反対する者による抗議
天皇コラージュ事件を考え直す
回収の申入れがあった場合
図書等電子化による保存の必要性
第六章 利用者の規律 088
図書館の利用
図書館の利用と表現の自由
どのような利用者の規律が許されるか
図書館の図書等を利用しない人を図書館から排除できるか
ホームレスの人を図書館から排除できるか
未成年の利用
国民ないし住民ではない者
高齢者及び障害者
第七章 図書等の利用 105
図書館における図書等の利用
利用制限と表現の自由
どのような利用制限が認められるか
どのような措置をとりうるか
最も権利の侵害の度合いの少ない方法を選択する義務があるか
IV どのような図書であれば利用を制限できるか 117
第八章 刑罰法規に反する内容の図書等 118
刑罰法規に反する図書等と図書館
図書館とわいせつな図書等
裁判でわいせつと確定した場合及び著者等が起訴されている場合
わいせつかどうかが裁判で争われていない場合
児童ポルノ
時代の変化に応じた対応の必要性
児童ポルノの所持の禁止
第九章 個人の名誉ないしプライバシーを侵害する図書等 131
名誉毀損・プライバシー侵害と図書館
裁判所から図書館に対し利用制限が命じられている場合
著者ないし出版社に対し差止めが命じられている場合
著者ないし出版社に対する損害賠償判決が確定した場合
損害賠償訴訟が提起されているが判決が確定していない場合
損害賠償訴訟も提起されていない場合
『石に泳ぐ魚』
どのような場合に名誉毀損となるか
どのような場合にプライバシーの侵害となるか
歴史的資料の場合の特殊性
時の経過とプライバシーの侵害
図書館と個人情報保護
名簿の利用
利用制限はどうしても必要な場合に最低限で
第一〇章 差別的図書等 154
差別的図書と図書館
どのような根拠で利用を制限するか
利用制限が許される場合
それ以外の差別的図書
第一一章 少年法違反の図書等 159
少年法六一条
少年法六一条は必ずしも徹底して遵守されてきたわけではない
少年法六一条に反する図書等と図書館
少年法六一条に反する図書等は人権を侵害しているか
少年を特定する報道をすべて禁止できるか
東大和市図書館事件
どのような場合に少年法六一条に反するか
第一二章 著作権等を侵害する図書等 170
著作権
著作権などを侵害する図書等と図書館
どのような場合に利用制限は許されるか
第一三章 政府や地方公共団体等が提供した図書等 177
政府図書等と図書館
公開すべきではない政府図書等の利用制限
どのような場合であれば利用制限が許されるか
国立国会図書館事件
はたしてそれでよかったか
第一四章 それ以外の内容による利用制限 189
青少年保護育成条例と図書館
青少年に有害な図書の利用制限は認められるべきか
公序良俗に反する図書
寄贈又は寄託の条件
V 図書の利用制限の手続と求めうる救済 195
第一五章 図書等の利用を制限するのにどんな手続が必要か 196
図書の収集、廃棄及び利用制限の手続
公正な手続の必要性
第一六章 図書等の利用が制限されたときにどのような救済が考えられるか 201
図書館の行為が憲法に反する場合にどのような救済が認められるか
表現の自由の侵害に対する救済のあり方を考え直す必要性
VI 図書館とプライバシー保護 205
第一七章 図書館におけるプライバシー保護 206
図書館におけるプライバシー
プライバシーの権利及び表現の自由
図書館と個人情報保護
図書館による個人情報の収集・利用
図書館におけるプライバシー侵害――個人情報の漏洩
図書館におけるプライバシー侵害――個人情報の外部への提供
生命又は身体を守るために緊急かつやむを得ない必要がある場合
結びに代えて [225-226]
注 [227-258]
参考文献 [259-260]