著者:朴 沙羅[ぱく・さら] (1984-) 歴史社会学、移民研究。
NDC:329.94 外国人登録法・出入国管理法
【目次】
目次 [i-v]
序章 在日朝鮮人と「密航」 003
一 先行研究 005
占領期日本における移動と移住
「入国管理法」成立史
在日コリアンと占領期
二 本書の視点 012
移動する人々の識別
非正規/非登録移民の発見と登録
「朝鮮人」を形成するもの
三 調査方法 019
四 本書の構成 022
第一章 過去の社会を記述する――オーラル・ヒストリーと社会学 025
一 オーラルヒストリー研究と考証 026
文献か、口述か
主観か、客観か
「間違い」がわかるとき
二 オーラルヒストリー再考 040
文献史学の議論
独自性を求めて
過去の社会を記述する
三 読む・聞く・書く 049
誰の何を読むのか
誰から何を聞くのか
四 経験の条件 055
第二章 日本占領管理体制 059
一 戦後体制のなかの日本占領 060
「二頭立て」体制の成立
連合国の占領/アメリカの占領
二 占領軍とその実働 065
占領軍の進駐
中央占領機構
占領指令と国内指令
〈占領指令の形式と経路〉
〈「間接統治」の意味〉
三 地方における占領 071
進駐軍の到来
地方軍政部の構成と活動
自治体と軍政部
第三章 帰還と送還――「密航」とその関連法令 081
一 禁じられた移動 082
規模・経路
手段
人数と内訳
原因
二 二つの人口移動 094
帰還する人々の登録
「不法入国者」の送還
「第三国人」
三 移動への対策 101
最後の勅令
すでにいる人々の登録
四 想像上の国籍 105
「送還可能なカテゴリー(deportable category)」
非日本人から外国人へ
第四章 「朝鮮人」を見分ける――「密航」における状況とカテゴリー 111
一 「不法入国」の禁止 112
占領軍の活動
警察・地域住民の活動
二 「朝鮮不法入国者」の振る舞い 123
「日本人のふり」
渡航から上陸まで
上陸から内地移動まで
三 状況・振る舞い・カテゴリー 144
四つの基準
法令との対応
「不審者」と「非日本人」
「非日本人」と「不法入国者」
第五章 「外国人」の登録――外国人登録証の交付と入手 155
一 外国人登録証の交付と入手 156
交付
入手
二 「具体的の問題」 165
無籍者
一括登録
「幽霊人口」
食料配給と外国人登録証
「密航」が発覚するとき
三 身元 identity の証明 190
登録の困難さ
利害の一致
識別の円環
終章 「表見的一致」の裏に 201
一 やってくる人々とすでにいた人々 202
二 「朝鮮人」の発見 205
三 「外国人」の登録 207
四 杜撰さの論理 211
五 外国人としての朝鮮人 214
註 [219-239]
参考文献 [241-254]
資料 [255-276]
1.外国人登録令に関する占領指令本文 255
1-1 日本における非日本人の入国及び登録に関する総司令部覚書(SCAPIN852)
1-2 引揚に関する総司令部覚(SCAPIN927)
1-3 日本への不法入国の抑制に関する総司令部覚書(SCAPIN1015)
1-4 日本への不法入国の抑制に関する総司令部覚書(SCAPIN1391)
2.外国人登録令に関する日本側通達・閣議決定 264
2-1 勅令第311号
2-2 不法入国者の取締に関する件
2-3 大阪府朝鮮人登録条例
3.外国人登録令 271
謝辞(本書を祖母・金永弘と祖父・朴熙方の霊前に捧げる。 二〇一七年四月 朴 沙羅) [277-281]
事項索引 [282-287]
人名索引 [288]