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『リバタリアニズム――アメリカを揺るがす自由至上主義』(渡辺靖 中公新書 2019)

著者:渡辺 靖[わたなべ・やすし] (1967-) 現代アメリカ研究、パブリック・ディプロマシー論、文化政策論、文化人類学

 

リバタリアニズム|新書|中央公論新社

 


【目次】
目次 [iii-vii]
題辞 [002]

 

第1章 リバタリアン・コミュニティ探訪 003
1 フリーステート・プロジェクト 004
  ニューハンプシャーに移住しよう
  「リバティ・フォーラム」
  若者の間で高まるリバタリアン志向
  なぜリバタリアン
2 人類を政治家から解放しよう 024
  シーステッド構想
  祖父はミルトン・フリードマン
  アメリカから“独立”した市
  自由と市場主義を徹底した先に

 

第2章 現代アメリカにおけるリバタリアニズムの影響力 043
1 「デモクラシー・ギャング」から身を守れ 044
  『のんきなジョナサンの冒険』
  リヴァイアサンではなくペンギンを
  アイン・ランドとは何者か
  トランプ大統領も愛読?
  慈悲深いリバタリアン
2 「私、鉛筆は」…… 062
  リーズン財団
  ミーゼス研究所
  リバタリアンは「非寛容」?
  経済教育財団
  もし自由を信じているなら

 

第3章 リバタリアニズムの思想的系譜と論争 081
1 自由思想の英雄たち 082
  ノーラン・チャート
  リバタリアンを分類すると
  リバタリアン通奏低音
  源流はヨーロッパにあり
  なぜアメリカで隆盛となったのか
  リバタリアニズムへの懐疑
2 自由は不自由? 099
  「縁故資本主義」
  ベーシック・インカムを容認する声も
  差別是正に政府は関与すべきか
  平和への異なるアプローチ
  「共和党こそ道を踏み外している」
  サンデルへの不満
  「リバタリアンパターナリズム

 

第4章 「アメリカ」をめぐるリバタリアンの攻防 117
1 アレッポって何? 118
  レーガン大統領は英雄か?
  リバタリアンとしてのゴールドウォーター
  四六ドルの下着
  政府の暫定的な政策ほど恒久的なものはない」
  ケイトー研究所
  リバタリアンの聖地
  「センター」の時代の終わり?
2 アメリカのムッソリーニ 137
  「トランプの党」に変貌する共和党
  ペイリオコンと「アメリカ第一主義
  「独裁制への小さな一歩」
  ローティの慧眼
  「「アメリカ第一主義」ならもっと移民を」
  フリーダムフェスト
  ジョージ・ウィル参上
  コーク兄弟の危機感

 

第5章 リバタリアニズムの拡散と壁 157
1 越境する「アイデアの共同体」 158
  中国のリバタリアン
  天則経済研究所の受難
  好対照の香港
  アトラス・ネットワーク
  シンクタンクインキュベーター
  越境するリバタリアン
2 自由への攻防 177
  中米の名門大学も
  「リベルランド」の挑戦
  「アイデンティティの政治」と「ポピュリズム
  マッカーシズム2・0
  「リベラル国際秩序」はリベラルか
  ミレニアル世代という課題

 

あとがき(平成最後の秋に 鎌倉にて 渡辺靖) [195-203]
  なせリバタリアニズム
  日本社会への含意
  より選択肢の多い社会へ
主要参考文献 [204-207]
索引 [208-213]

 

 

【抜き書き】

題辞は、Abraham Lincoln のことば。

私たちは皆、自由を謳い上げます。しかし、同じ言葉を用いているからといって、同じ意味で用いているとは限りません。
("We all declare for liberty, but in using the same word we do not all mean the same thing.")
  ――エイブラハム・リンカーン (一八六四年)

 

・巻末の214頁から初出情報を抜き書き。

本書は『中央公論』(二〇一八年四月号 二〇一九年一月号) に連載された「リバタリアンアメリカ 「保守」と「リベラル」を超えて」(全10回)を再構成のうえ加筆・修正したものです。