著者:高木 宏夫[たかぎ・ひろお] (1921-2005) 宗教学。
NDC:169.1 新興宗教
件名:新宗教
【目次】
口絵
まえがき(昭和三十四年十月 高木宏夫) [i-iii]
目次 [iv-viii]
I 日本人の宗教生活 001
なぜ宗教生活を検討するのか
宗教の生活への浸透
重層信仰[シンクレティズム]
苦しいときの神だのみ
新興宗教の後進性と反動性
II 明治以後の大衆思想運動 011
1 戦前における大衆思想教育 012
絶対主義天皇制の確立
思想政策の展開
キリスト教と自由民権運動
軍人勅諭の論理
教育勅語と勅語奉答歌
「私設文部省」
軍歌および唱歌
左翼陣営の文化運動
上からの運動と下からの運動
2 戦前の新興宗教 025
なぜ新興宗教は弾圧されたか
庶民の育てた天理教
金光教および丸山教の歩んだ道
昭和時代の大教団――大本教・ひとのみち教団
谷口哲学の魅カ――生長の家
III 戦後の大衆思想運動 041
1 革新陣営の大衆教育活動 042
戦後における思想的虚脱
主体性論争の発生
主体性論をめぐる唯物論陣営内の対立
民主主義科学者協会の活動
左翼ジャーナリズムのたどった道
サークル運動理論の変質
歌ごえ運動と生活綴り方運動
人生記録雑誌の誕生
サークル運動と牌目利雑誌との矛盾
労働者教育協会および国民文化会議
平和運動
政治運動と大衆思想運動との遊離
2 戦後の新興宗教 061
戦後における転換
群小教団の濫立
多くの分派を育てた霊友会
「薬毒論」を特徴とする世界救世教
民族主義の擾頭
戦前の創価学会
戦後の創価学会
戦前の大日本立正交成会
戦後の立正交成会
道徳科学研究所と倫理研究所
IV 新興宗教の運動形態 085
1 組織形成の諸条件 086
新興宗教の運動に法則性は存在するか
さきゆき不安の時代
教団の雌伏期と発展期
信者になる個人的条件
家・部落・職場の条件
政党と既成宗教の条件
人生の案内役としての条件
宗教心と科学の方法の条件
新教団形成の条件
2 大衆思想運動としての展開 104
教団の質的発展における諸段階
科学の発展にともなう教理上の制約
教理が絶対化する傾向
信者になるまで
詭弁の論理
人気稼業と新興宗教
布教師から独立へ
布教活動の展開
信仰は模範を生む
信者と教祖との遊離
3 完成の毅階における教理 123
教理の唯物論化――創価学会の場合
教理の唯物論化――立正交成会の場合
教理の唯物論化――生長の家の場合
教理の体系化
教理における科学の位置づけ
体系化にともなう矛盾の激化
4 完成の段階における組織 140
非民主主義的な形態
末端の組織および指導
大衆集会と行事
幹部の養成
指導の分化
組織における合理化の傾向
V 新興宗教の提起している諸問題 155
1 新興宗教はどんな人間を創りだすか 156
社会科学への反擾
客体の論理の主体の側へのすりかえ
価値判断の顛倒
2 思想面における革新陣営との比較 161
理論の絶対化
生活規律の欠如
宗教的因果論への転落
反宗教闘争の不徹底
大衆教育活動の大衆からの遊離
指導論・組織論の混迷
3 組織面における革新陣営との比較 175
民主主義的形態をとった非民主主義組織
末端の組織と指導
大衆集会と行事
幹部の養成
指導の分化
組織における無政府状態
VI 若干の結論 195
大衆思想運動としての生産性向上運動
生産性向上運動の教理および組織
中国革命と生活規律
革命における模範
新興宗教についての今後の見通し
原水爆によるさきゆき不安の時代
参考文献 [207-209]