原題:Immigrants and the Right to Stay ,The MIT Press.
著者:Joseph H. Carens 政治学。
フォーラム参加者:
Mae M. Ngai
Carol M. Swain
Douglas S. Massey
Linda Bosniak
Jean Bethke Elshtain
T. Alexander Aleinikoff
訳者:横濱 竜也[よこはま・たつや]
鼎談:井上 彰[いのうえ・あきら](1975-) 政治哲学。
鼎談:谷口 功一[たにぐち・こういち](1973-) 法哲学。
NDC:334.453 人口.土地.資源 >> 移民問題.移民政策 >> アメリカ合衆国の移民問題.移民政策
【目次】
目次 [003]
凡例 [004]
I 恩赦の根拠 005
非正規移民の脆弱性
非正規移民を逮捕・追放する国家の権利
滞在時間の長さが滞在権の存否を左右する――グリモンドとンの事例
社会的メンバーシップこそが永住権・市民権の根拠である
何年間定住すれば滞在権が得られるか
なぜ社会的紐帯の実質でなく定住期間で判断すべきなのか
滞在権を根拠づける別の道徳的議論――共犯性・普遍的人権 025
非理想論としての不法移民滞在権論
寄稿論文に答える
不法移民の合法化は不法移民を増やさないか
II フォーラム 047
メイ・M・ナイ
退去強制と合法化――アメリカ移民法制史と人種差別
キャロル・M・スウェイン
不法移民は、黒人やヒスパニックから職を奪う窃盗である
ダグラス・S・マッセイ
メキシコからの非正規移民に一時労働ビザを与えよ
リンダ・ボスニアック
社会的メンバーシップ論とリベラリズム――カレンズのプラグマティズムの失敗
ジーン・ベスキー・エルシュテイン
非正規移民はいつ合衆国市民たるにふさわしいものとなるか
T・アレクサンダー・アレイニコフ
解説 不法移民をいかに処遇すべきか――移民正義の理想と現実[横濱竜也] 093
I 本書について 094
一 本書の成立過程
二 寄稿者のプロフィール
II 問題状況 101
一 スウェーデン
二 ドイツ
三 フランス
フランスの移民政策の統合的性格
「フランス的平等」
四 アメリカ
一九二四年移民法以前
一九二四年から一九六五年まで
一九六五年から一九九六年まで
五 日本
日本の入国管理政策
近時の移民政策論議――上野千鶴子紙上発言をめぐって
III 開放国境論 123
一 移動の自由・機会の平等・世界分配的正義
移動の自由は普遍的人権だ
機会の平等は保障されるべきだ
移民受け入れは世界分配的正義の実現に貢献する
二 ナショナリズム批判
正義の射程は基本的に国家内に限られている
閉じられた共同体に根差すことは善き生の条件である
自己決定と国家の責任
IV 開放国境論批判 130
一 結社としての国家
平等論からの反論への応答
リバタリア二ズムからの反論への応答
二 関係的平等主義
運平等主義――ドゥオーキンの資源平等論
アンダーソンの関係的平等主義
三 ナショナル・アイデンティティの保護
政治的自己決定の重要性
政治文化形成における自律
ナショナル・アイデンティティは民主主義の地盤である
四 開放国境論批判の帰趨
V 不法移民をどうすべきか 153
一 不法移民を合法化する道徳的理由がある
不法移民の自由の回復こそ合法化の根拠である――ボスニアック
「社会的メンバーシップ」論――カレンズ
在留期間は重要か
なぜ「社会的メンバーシップ」論なのか
非理想論としての「社会的メンバーシップ」論
二 不法移民を合法化することは道徳的に許されない
合法化はさらなる不法移住を助長する
合法化は市民や合法的移民に対して害悪をもたらす
合法化は不公平である
三 望ましい不法移民対策とは?
註 182
読書案内(横濱竜也) 191
一 世界正義論
ニ 移民正義論
三 各国の移民事情
座談会 危機の時代の移民論[横濱竜也×井上彰×谷口功一] (二〇一七年八月ニ日 白水社編集部に於いて) 201
移民(論)との出会い
現実主義の陥穽
「三%」対「九十七%」?
移動・安全保障・統合――危機の時代の鍵概念
訳者あとがき(二〇一七年八月ニ十九日 横濱竜也) [214-219]
文献 [4-5]
年表 [1-3]