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『水中考古学――クレオパトラ宮殿から元寇船、タイタニックまで』(井上たかひこ 中公新書 2015)

著者:井上 たかひこ[いのうえ・たかひこ](1943-) 水中考古学。

 

 

 

参考サイト:

アジア水中考古学研究所 » 水中考古学


【目次】
はじめに [i-ii]
目次 [iii-vii]


第一章 ツタンカーメン王への積荷――水中考古学の曙光 
  三三〇〇年の眠りから覚めた王の宝
  最も華麗で活動的だった時代
  水中考古学発祥の地、ボドルム
  いよいよ最古の難破船に挑む
  初めて見る難破船
  水中調査の秘密兵器
   大量の錫と銅が意味するもの
  壺の中のカタツムリ
  ガラスの交易路
  高価な贈りもの――黒檀、象牙、印章
  きらびやかな宝玉たち
  国際色豊かな船乗りたち
  世界最古の書物
  古代地中海を渡る船
  沈んだのはいつか?
  王家の船――さまざまな荷を積んで


コラム1 「引き揚げてから」が考古学 035
1 国王陛下の旗艦メアリー・ローズ号 035
  沈没の経緯
  チャールズ皇太子率いる引き揚げプロジェクト
  保存修復のはじまり
  人骨は語る
  メアリー・ローズ号の今 
2 三三〇年の眠りから覚めた大戦艦バーサ号 045
  忘れられたバーサ号
  発見と引き揚げ
  空前の保存計画
  復元作業
  現在のバーサ号
3 北の海に沈む江戸幕府の戦艦・開陽丸 052
  町民たちの目の前で引き揚げられた大砲
  江戸幕府に殉じた軍艦
  保存処理のノウハウを学べ
  繊細な「有機質遺物」
  金属――鉄から刀、懐中時計まで
  陶磁器・ガラス類も油断は禁物


第二章 元寇船の発見 063
  長崎県鷹島沖海底にて
  保存状態良好な二隻目
  蒙古襲来
  海底遺跡の調査
  青銅印――動かぬ証拠の発見
  文化財保護の経緯
  神風は南風?
  てつはうは投石機で投げられた?
  兵士の身だしなみ
  発見された元寇船の種類
  軍船の正体
  全容の解明はこれから


コラム2 女王クレオパトラの海中宮殿 093
  アレクサンドリア沖海底に眠るもの
  フランク・ゴッディオ氏の挑戦
  王宮の遺構
  日本での盛り上がり
  ファロスの大灯台
  劣悪な調査環境の中で
  ダイビングサービスと新海底ミュージアム


第三章 海を渡った日本の陶磁器 107
1 アーヴォンド・ステレ号からの発見 108
  オランダ東インド会社ガレオン船貿易
  アーヴォンド・ステレ号沈没の経緯
  ゴール・ハーバー・プロジェクト
  アーヴォンド・ステレ号の前半生
  肥前磁器はなぜ海を越えたか
  交易の商品か、船員の私物か
  南アフリカスウェーデンにまで
  オランダと日本を結ぶ一枚 
2 東への航路――アメリカ大陸まで 122
  太平洋を渡る貿易ルート
  アジア側での出土例
  アメリカ大陸側での出土例
  千葉県沖に沈んだマニラ・ガレオン船
  難航する引き揚げ計画


コラム3 近代の海難事故――エルトゥールル号タイタニック号 132
1 日本とトルコをつなぐエルトゥールル号 132
  和歌山県沖に沈むトルコ帝国の軍艦
  国際的な引き揚げチームの結成
  海底調査の開始
  幻の磁器、横浜焼
  調査は現在も進行中 
2 悲劇の豪華客船タイタニック号 141
  世界一豪華な客船は、世界一有名な沈没船に
  タイタニック号の探査
  恩師が参加した海底ツアー
  沈没後のいくつかのドラマ
  “今”につながる二つの遺跡


第四章 中国の沈船、韓国の沈船 153
  立て続けに発見された二隻
  宋代海船の発見
  新安沖商船の発見
  蓄積されていくノウハウ
  船の大きさ、構造
  実用的な貨物船のサイズ
1 泉州湾宋代沈船 164
  泉州――世界への玄関口
  多種多様な積荷
  雄弁な木簡
  銅銭の時代考証
  船員の日用品?
  同時期の沈船――南海一号
2 新安沖元代海船 172
  木箱の中身
  銅銭の輸入は「錬金術」だった?
  陶磁器の来歴の謎
  香料や漢方薬も積まれていた
  大発見! 木簡の意味するところは
  出港地はどこか? 行き先は?
  よみがえる中世東アジアの海上交易 


終章 千葉県勝浦沖に沈む黒船ハーマン号 185
  冒険のはじまり
  ハーマン号の遭難とその船歴
  ハーマン号と出会うまで
  日本での聞き込みを開始
  ゼロからのプロジェクト設立
  私たちが発見したもの
  次々と見つかる謎の物体
  二回目の調査へ
  これまでの調査概要
  海からの贈り物
  陶磁器と英国王室の紋章
  アメリカ人船員の暮らし
  絵巻物の新たな発見
  調査はこれから


おわりに(二〇一五年九月 井上たかひこ) [217-220]
主要参考文献 [221-228]