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『古代中国の虚像と実像』(落合淳思 講談社現代新書 2009)

著者:落合 淳思[おちあい・あつし] (1947-) 甲骨文字、殷代史。
NDC:222.03 アジア史.東洋史 >> 中国史 >> 殷[商]・周・春秋戦国時代


『古代中国の虚像と実像』(落合 淳思):講談社現代新書|講談社BOOK倶楽部


【目次】
はじめに [003-005]
目次 [006-010]


第一章 中国には多様な新石器文化があった 011
  始皇帝の璽書――史書に記された虚像
  仰詔・竜山以外の新石器文化
  反映されない新しい情報


第二章 「夏王朝」はなかった 019
  「夏王朝」の記述
  二里頭文化の発見
  夏王朝伝説はいかに作られたか
  最初の王朝の名前


第三章 政治手段としての甲骨占卜 029
  甲骨に記された占い
  占いの操作
  改鼠・牽強附会
  甲骨占卜の変化は何を示すか


第四章 紂王は酒池肉林をしなかった 039
  酒池肉林の伝説
  帝辛の政治活動
  勝者によって作られた「歴史」


第五章 「共和」の時代は共和制ではなかった 049
  西周王朝の支配体制
  「共和」の異なる解釈
  東遷の原因


第六章 『春秋左氏伝』の虚実 059
  『春秋』と『春秋左氏伝』
  魯の桓公殺害事件
  管飽の交わり
  宋襄の仁


第七章 覇者は何人か 073
  覇者の支配体制
  「五覇」なのに八人
  大規模な会盟を主宰したか


第八章 戦国時代のはじまり 083
  専制君主制への移行
  鉄製農具・牛耕と専制君主制の関係
  大貴族の消滅
  戦国時代は何年からか


第九章 『孫子』は孫子が作っていない 095
  諸子は十家
  現代の書籍とは異なる性質
  文献の信想性
  『孫子』と孫子


第十章 『論語』の理想論 109
  朱子学の普及
  孔子の思想
  孟子の理想主義
  「由らしむべし、知らしむべからず」


第十一章 中国の統一は始皇帝の力ではなかった 119
  秦と斉の勢力争い
  合従連衡は事実か
  秦の勝利


第十二章 泰王堂のスキャンダルの真相 131
  呂不章と子楚
  呂不章の権勢と失脚
  始皇帝の政治思想


第十三章 作られた始皇帝伝説 143
  始皇帝伝説の需要
  始皇帝暗殺計画  焚書と坑儒
  徐福は日本に来なかった


第十四章 泰末の反乱と説話 153
  陳勝呉広の乱
  秦の滅亡
  鴻門の会


第十五章 楚漢戦争と項羽の伝説 163
  弱かった項羽政権
  楚漢戦争
  咳下の戦いと項羽の最期


番外編 三国志の英雄たちと赤壁の戦い 173
  豪傑ではなく豪族
  曹操と部将たち
  劉備諸葛亮
  本当に豪傑だった関羽
  赤壁の戦い


おわりに [193-194]
主要参考文献 [195-196]




【図表一覧】
図1 新石器時代のおもな文化(水野清一責任編集『中国文明の歴史1』400頁、岡村秀典による作図を元に作成) 015
図2 『史記』夏本紀に記載された夏王朝の系譜 021
図3 二里頭遺跡の宮殿発掘図(上)と青銅器(下)(中国社会科学院考古研究所『偃師二里頭』235頁・図版6) 023
図4  牛の肩甲骨に掘られた鑚鑿(許進雄『卜骨上的鑿鑚形態』図版) 032
図5  出現したひび割れ(右は貝塚茂樹・伊藤道治『京都大学人文科学研究所蔵甲骨文字』より殷代のト骨。左は落合淳思「殷代卜占工程の復元」より筆者の実験) 033
図6 改竄された占い(『甲骨文合集』第8884片。最左行から右に読んでいく「右行」の文章) 034
図7 牽強附会の解釈(『甲骨文合集』第24773片。) 035
図8 帝辛即位三年目の日程の一部(松丸道雄「殷墟卜辞中の田猟地について」、および落合淳思「殷末暦譜の復元」を元に作成) 041
図9 殷末期の盂の反乱(『甲骨文合集』第36509片) 042
図10 甲骨文字に記された「斉」(『甲骨文合集』第36805片。文字のかすれなどを修正した) 044
図11 斉と殷の系譜(いずれも初期の部分) 045
図12 西周金文の大保(『殿周金文集成』4140、大保簋) 046
図13 西周後期の金文に見える「伯龢父」(『般周金文集成』4311、師キ【※「臼+言+犬」】簋) 0537
図14 西周末期の系譜 055
図15 東遷関係地図(譚其驤主編『中国歴史地図集』を元に作成) 056
図16 春秋時代の地図(小倉芳彦訳『春秋左氏伝』上、6~7頁を元に作成。小国は省略した。海岸線と河道は当時のもの) 061
図17 『春秋』桓公十八年(四部叢刊『春秋経伝集解』) 064
図18 春秋時代初期の斉の系譜 067
図19 「五覇」の諸説 078
図20 『世界史(B)用語集』の「春秋の五覇」の記述(45頁) 079
図21 晋の覇権期(BC632~BC497)の系譜 080
図22 大貴族の消滅 086
図23 『日本史(B)用語集』の鎌倉時代の記述(82頁) 091
図24 『管子』に記された国都の行政区分(1郷あたり2000家、兵2000人。なお『管子』は、地方(鄙)は国都とは別の区分がされ、五家を軌、六軌を邑、十邑を率、十率を郷とした(1郷あたり3000家)と述べている) 099
図25 戦国時代に作られた文献 101
図26 『孫子』作戦篇の一部(伝経堂叢書『魏武帝孫子』) 105
図27 『論語』為政篇の一部(四部叢刊『論語集解』) 113
図28 戦国時代初期の地図(紀元前350年)(譚其驤主編『中国歴史地図集』を元に作成。・は国都の位置。小国は省略した) 121
図29 戦国時代中期の地図(紀元前286年)(譚其驤主編『中国歴史地図集』元に、『史記』六国年表などにより改編。小国は省略した) 123
図30 紀元前283~前260年に秦の攻撃を受けた国(『史記』六国年表を元に、『雲夢睡虎地秦簡』により補正した) 128
図31 戦国時代末期の地図(紀元前246年)(譚其驤主編『中国歴史地図集』を元に、『史記』六国年表などにより改編。) 129
図32 『史記』秦始皇本紀の王名表による年齢計算 134
図33 秦末期の十月歳首の暦(『史記』秦楚之際月表の前半部分を元に作成) 158
図34 項羽政権(『史記項羽本紀による) 165
図35 項羽政橘の推移(『史記』秦楚之際月表の後半部分を元に作成) 166
図36 楚漢戦争関係地図(本田済編訳『漢書後漢書三国志列伝選」、および譚其驤主編『中国歴史地図集』を元に作成 167
図37 後漢王朝の州(本田済編訳『漢書後漢書三国志列伝選』を元に作成) 178