原題:The Addicted Brain: Why We Abuse Drugs, Alcohol, and Nicotine
著者:Michael J. Kuhar (1944-) 神経科学。脳、精神疾患、脳に影響を及ぼす薬物の構造とその機能解析。
監訳者:舩田 正彦[ふなだ・まさひこ](1965-) 神経薬理学。薬物依存の研究。
訳者:太田 英伸(7、8章)
訳者:斎藤 顕宜(1、2、3章)
訳者:嶋根 卓也(10、11、12章)
訳者:富山 健一(4、5、6章)
【目次】
コロフォン [ii]
監訳者序(二〇一三年十二月三日 舩田正彦) [iii-v]
献辞 [vii]
謝辞 [viii]
目次 [ix-x]
はじめに [xi-xiv]
第1章 この本の内容――なぜ読まなければならないのか? 001
○ 言葉の定義
薬物とは何か?
なぜ人は薬物を摂取するのか
薬物経験
薬物使用は「高くつく」
嗜癖(アディクション)
他の薬剤
脳構造と機能
この本からわかること
注 015
第2章 脳の神経基盤――ヒトの薬物欲求について動物が教えてくれること 017
これまでの経験
○ 酒、人間、サルの場合
不確実あるいは不定期の報酬は依存性が高い
拡張された動物モデル
新しいアイデアの例
再発、渇望、回復
他の動物モデル
思考の転換
まとめ
注 033
第3章 超気持ちいい!――脳内報酬システム 035
優れた観察者と大発見
○ ジェームス・オールスの話から
ヒトでも生じる作用
深部脳刺激
驚くべき影響
薬物どの接点!
まとめ
注 044
第4章 脳内における薬物作用のABC 047
神経細胞
脳――生きるための臓器
○ 神経伝達物質の合成と貯蔵
○ 多様な神経伝達物質
○ 受容体――こうして神経伝達物質は作用する
○ 神経伝達物質の除去
化学的情報伝達の概要
乱用薬物は神経伝達を狂わせる
コカインの作用――その一例
薬物の脳内流入速度はおそろしく速い!
可塑性――重要な能力!
まとめ
注 066
第5章 支配される脳! 071
脳の中の悪魔――常習性と退薬
もっと欲しい!
○ 脳の中で何が起こっているのか?
分子基盤
エピジェネティク制御
○ エピジェネティクス――脳が変化する方法
解剖所見
変化する脳
まとめ
注 086
第6章 なぜ薬物はそんなにも強力なのか? 089
ドーパミンと食事
○ ドーパミントランスポーターと過食症
ドーパミンと性行為
ドーパミンと生存
ドーパミン以外の神経伝達物質
ドーパミンは何をする?
まとめ
注 100
第7章 長期間にわたって脳は変化してしまう! 103
薬物依存者の脳を見る
○ PETスキャン
どうしてそんなに回復が遅いのか
そこで私達たち何がてきるのか? この知見がどのように薬物依存患者に役立つのか?
いつか脳は正常な状態に戻るのか?
まとめ
注 115
第8章 私は薬物依存者になってしまうのだろうか? 117
「脆弱性」――誰が薬物に手を出すのか?
脆弱性を形成する要因
遺伝子とタンパク質
○ 遺伝子追跡
○ 全ゲノム相関解析
心理学的問題
気質と性格特性
薬物の入手可能性
学童、十代の子どもたち、そして大人
薬物は私たちの判断能力を乱し、そして薬物摂取を持続させる
私には危険性がないのか?
象とその使い手
まとめ
注 133
第9章 ストレス、社会的地位と薬物 135
ストレスに対する身体の反応
ストレスと薬物使用
幼少時代のストレス
社会的地位がコカイン摂取に影響を与える!
社会的敗北!
豊かな環境――コインの表と裏
まとめ
注 147
第10章 ギャンブル、セックス、食べ物 149
○ いにしえより続くギャンブル依存
性的依存(性的嗜癖行動)
摂食障害
恐怖と言い訳
まとめ
注 158
第11章 薬物はほかにどのような作用があるのか? 161
アルコール
ニコチン
マリファナ(カンナビス)
コカイン
メタンフェタミン(覚せい剤)
ザナックス(アルプラゾラム)、バリウム(ジアゼパム)、その他の鎮静剤
オキシコンチンとその他のオピオイド
エクスタシーとクラブドラッグ
PCP(フェンシクリジン)
カフェイン
まとめ
注 180
第12章 女性と思春期 183
研究結果による裏づけ
異なる治療を行うべきか?
思春期
高齢者
まとめ
注 193
第13章 治療――どうすれば良くなるだろうか? 195
なぜ治療なの? 高すぎない?
治療の成功とは?
なぜ彼らを治療するの? 彼らはただのヤク中だ!
私は治療を受けたいだろうか?
行動療法
治療の場面
薬物療法
依存性は代謝性疾患か?
予防こそ最善の治療である
どのように援助を求めるか?
まとめ
注 215
第14章 将来はどうなるのだろうか? 217
治療、治療そしてまた治療
依存にかかわる分子
ワクチン
RTI-336
薬物依存者であるという不名誉!
合法化もしくは非刑罰化
どのような態度をとるべきか、そしてどのような協力が可能か?
まとめ
注 232
用語解説 [6-10]
索引 [1-5]