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『進化でわかる人間行動の事典』(小田亮,橋彌和秀,大坪庸介,平石界[編] 朝倉書店 2021)

[編著者]
小田 亮[おだ・りょう]名古屋工業大学大学院工学研究科
橋彌 和秀[はしや・かずひで] 九州大学大学院人間環境学研究院
大坪 庸介[おおつぼ・ようすけ] 東京大学大学院人文社会系研究科
平石 界[ひらいし・かい] 慶應義塾大学文学部
[著者](所属は刊行当時のもの。専攻は各リンク先のサイトから転載または推測したもの。)
安藤 寿康[あんどう・じゅこう] 行動遺伝学、教育心理学。 慶德義塾大学文学部
池渕 万季[いけぶち・まき] 動物行動学。神経科学。 理化学研究所脳科学総合研究センター
伊澤 栄一[いざわ・えいいち] 生物心理学,動物行動学,神経行動学。 慶德義塾大学文学部
内田 亮子[うちだ・りょうこ] 自然人類学。 早稲田大学国際教養学部
大槻 久[おおつき・ひさし] 数理生物学・進化ゲーム理論。 綜合研究大学院大学先導科学研究群
荻原 直道[おぎはら・なおみち] 生体力学。 東京大学大学院理学系研究科
河野 和明[かわの・かずあき] 感情心理学、進化心理学、動物心理学。 東海学園大学心理学部
喜入 曉[きいれ・さとる] 社会心理学進化心理学。 大阪経済法科大学教養部
小林 洋美[こばやし・ひろみ] 認知科学。 九州大学大学院人間環境学研究院
齋藤 亜矢[さいとう・あや] 芸術認知科学。 京都芸術大学文明哲学研究所
齋藤 慈子[さいとう・あつこ] 教育心理学進化心理学。 上智大学総合人間科学部
坂口 菊惠[さかぐち・きくえ] 行動科学、生命科学、教育工学。 東京大学教養学部・大学院総合文化研究科附属教養教育高度化機構
篠原 亜佐美[しのはら・あさみ]  実験心理学。 NTTコミュニケーション科学基礎研究所
島田 将喜[しまだ・まさき] 霊長類学、"遊び論"。帝京科学大学生命環境学
竹澤 正哲[たけざわ・まさのり] 社会心理学、適応的意思決定、文化進化論。 北海道大学大学院文学研究院
竹下 秀子[たけした・ひでこ] 比較発達心理学、進化発達支援論。 追手門学院大学心理学部
中尾 央[なかお・ひさし] 自然哲学。文化進化論、科学技術社会論。 南山大学人文学部
中西 大輔[なかにし・だいすけ] 社会心理学進化心理学。 広島修道大学健康科学部
中丸 麻由子[なかまる・まゆこ] 社会シミュレーション、人間行動進化学、数理生物学。 東京工業大学環境・社会理工学院
中分 遥[なかわけ・よう] 社会心理学認知人類学、人文情報学。 高知工科大学経済・マネジメント学群
橋本 敬[はしもと・たかし] "知識科学"。認知脳科学、進化生物学、言語学。 北陸先端科学技術大学院大学知識科学系
服部 裕子[はっとり・ゆうこ] 認知科学。 京都大学霊長類研究所 
平田 聡[ひらた・さとし] 霊長類学、比較認知科学。 京都大学野生動物研究センター
福川 康之[ふくかわ・やすゆき] 健康心理学、老年心理学、進化心理学。 早稲田大学文学学術院
真島 理恵[ましま・りえ] 社会心理学。 北海道医療大学心理科学部
松阪 崇久[まつさか・たかひさ] 自然人類学、こども学。 関西学院大学教育学部
松本 晶子[まつもと・あきこ] 自然人類学。 琉球大学国際地域創造学部
三船 恒裕[みふね・のぶひろ] 社会心理学進化心理学。 高知工科大学経済・マネジメント学群
明和 政子[みょうわ・まさこ] 比較認知発達科学。京都大学大学院教育学研究科
孟 憲巍[もう・けんい/Xianwei, Meng] 発達科学、実験心理学教育心理学大阪大学大学院人間科学研究科
森田 理仁[もりた・まさひと] 人間行動学、生物人類学、進化生態学東京大学大学院理学系研究科
山本 真也[やまもと・しんや] 比較認知科学京都大学高等研究院
結城 雅樹[ゆうき・まさき] 社会心理学文化心理学、社会生態心理学。北海道大学大学院文学研究院
横田 晋大[よこた・くにひろ] 社会心理学進化心理学(集団間葛藤、差別・偏見、男女差、サイコパス傾向、など)。広島修道大学健康科学部
和田 幹彦[わだ・みきひこ](1957-) 、民法家族法)、法と遺伝学、法と進化生物学、進化心理学。法政大学法学部
装丁:designfolio
NDC:140 心理学


進化でわかる人間行動の事典 |朝倉書店

 「食べる」「考える」「結婚する」など,ヒトの日常的な行動について,主に行動の機能と進化史に焦点を当て解説した中項目事典。コラムや用語解説も盛り込み,人間行動進化学がヒトを観る視点について知ることができる。

【目次】
はしがき(2021年4月 編集者一同) [i-iv]
執筆者一覧 [v]
目次 [vi-viii]


遊ぶ [島田将喜] 001
1. 遊ぶことの進化史 
2. 遊ぶことの機能 


争う [中尾 央] 005
1. 争うことのしくみ 
2. 争うことの進化史 
  a. チンパンジーにおける争い
  b. ヒトにおける争い
3. 争うことの機能 
  a. チンパンジーにおける争いの機能
  b. ヒトにおける争いの機能
  c. 利他行動の進化とのかかわり


歩く [荻原直道] 010
1. 歩くことの機能
2. 歩くことの進化史


慈しむ [齋藤慈子] 016
1. 慈しむことの機能 
2. 慈しむことの発達 
3. 慈しむことのしくみ 
  a. 対象を見たときの生理的・認知的変化
  b. 行動・認知を左右する内分泌
  c. 神経基盤


歌う [池渕万季] 024
1. 歌うことの進化史 
  a. ヒトはなぜ歌うのか:ヒトの歌の起源をめぐる仮説
  b. ヒトはいつから歌っているか:化石の情報から考える
    発声器
    制御する器官,脳
    ヒトはいつから歌っていたか
  c. 音楽性の起源を探る
    動物の歌
    分節化の能力
    拍子の進化
2. 歌うことの機能 
  a. 求愛
  b. 社会の結束
  c. 親子関係への影響
  d. 娯楽・耳を楽しませる・リラックスする
  e. その他の機能と可能性


産む [竹下秀子] 030
1. 産むことの機能
  a. 多産か,少産か
  b. 男か,女か
2. 産むことの進化史
  a. 卵を産むか,子を産むか
  b. いつ産むか:脳と身体の発育進化
  c. どのように産むか:直立二足歩行と巨大な赤ちゃん


浮気をする [喜入 暁] 036
1.浮気をすることの機能
  a. 男性の短期的配偶戦略の利益とコスト
  b. 女性の短期的配偶戦略の利益とコスト
    資源
    遺伝的利益
    配偶者の変更
    長期的配偶のための査定
    現場のパートナーの操作
2. 浮気をすることの進化史


噂をする [中丸麻由子] 041
1. 噂をすることの進化史 
2. 噂をすることの機能 
  a. ゴシップの機能
  b. 進化ゲーム理論から噂をとらえる
  c. 人伝てのゴシップの広がりと嘘のゴシップの進化ゲーム理論


描く [齋藤亜矢] 048
1. 描くことの進化史 
  a. 人類最古の絵
  b. 動物の「描く」
2. 描くことのしくみと発達 
  a. なぐりがき期
  b. 表象を描く
  c. 描画と言葉
3. 描くことの機能 


老いる [福川康之] 054
1. 老いることのしくみ 
2. 老いることの機能 
3. 老いることの発達 
4. 老いることの進化史 


教える [安藤寿康] 059
1. 教えることの機能
2. 教えることの発達と進化史


踊る [服部裕子] 065
1. 踊ることの機能
  a. 社会的結束仮説(social cohesion hypothesis)
  b. 社会的集団シグナル仮説(social signaling hypothesis)
  c. 性淘汰説(sexual selection hypothesis)
  d. 聴覚のチーズケーキ仮説(auditory cheesecake hypothesis)
2. 踊ることの進化史


飼う [齋藤慈子] 070
1. 飼うことの機能 
2. 飼うことの進化史 
3. 飼うことのしくみ 


飾る [大坪庸介] 076
1. 飾ることの機能 
2. 飾ることの進化史 
3. 飾ることのしくみ 


column 見栄を張る [結城雅樹] 082
1. 名誉の文化
2. 自信過剰


考える [平石 界] 084
1. 人間の思考は合理的か 
2. システム1の思考 
  a. システム1思考の機能:社会的交換の論理
  b. システム1思考の進化史
3. システム2の思考 
  a. システム2思考の機能
  b. システム2思考の進化史


勘違いする [平石 界] 089
1. 勘違いすることの機能
  a. 血縁の勘違いの場合
  b. 2種類の勘違い
  c. 性的意図の勘違い
  d. 進化環境と生活環境のミスマッチによる勘違い
2. 勘違いすることの進化史


嫌う [河野和明] 094
1. 嫌うことの機能
  a. ロジン(Rozin, P.)の嫌悪理論
  b. 行動免疫の理論
  c. 性嫌悪と近親相姦回避の理論
  d. 嫌悪機能の三領域理論
  e. 集団形成および互恵的利他性維持に関わる機能:嫌い感情
2. 嫌うことの進化史
3. 嫌うことの発達


結婚する [坂口菊恵] 100
1. 「結婚」とは何か 
2. 婚姻形態の分布
3. 結婚することの機能
  a. 一夫多妻の程度を説明する要因
  b. 結婚の機能と乱婚の効用
4. 結婚することの進化史 
  a. 一夫多妻の進化史
  b. 乱婚の進化史
  c. 一夫一妻の進化史
  d. ヒトの一夫一妻はどこまでさかのぼれるか


交換する [竹澤正哲] 107
1. 交換することの機能
2. 交換することの進化史
3. 交換することのしくみ
  a. 互恵性
  b. コミットメント関係
  c. 評判
  d. 閉ざされた社会から開かれた社会へ


殺す [横田晋大] 113
1. 殺すことの機能
  a. Homicide adaptation theory
  b. 二つの立場:産物と副産物
  c. 子殺し
  d. 集団単位での殺し
2. 殺すことの進化史


差別する [中西大輔] 119
1. 差別することの進化史 
2. 差別することのしくみと発達 
  a. 差別の社会的認知と統計的差別
  b. 現実的葛藤
3. 差別することの機能 
  a. 血縁者の認識
  b. 集団間の葛藤
  c. 行動免疫


嫉妬する [喜入 暁] 126 
1. 嫉妬することの機能 
  a. 妬み
  b. 嫉妬
  c. パートナー関係維持行動
2. 嫉妬することのしくみ 
    男性の適応課題
    女性の適応課題
  a. 進化的に形成された嫉妬の性差に関する証拠
  b. 進化的仮説に基づく嫉妬の性差に対する議論
3. 嫉妬することの進化史 
  a. オスによるメスに対する配偶者防衛
  b. メスによるオスに対する配偶者防衛


所有する [大槻 久] 131
1. 所有することの機能
2. 所有することのしくみ
3. 所有することの進化史


信じる [中分 遥] 135
1. 信じることの機能
  a. 学習的アプローチ:迷信の学習過程
  b. 認知的アプローチ:副産物としての宗教
  c. 社会機能:道徳神・儀式
    道徳神仮説
    儀式
2. 信じることのしくみ
  a. 事前の期待
  b. 儀式
3. 信じることの発達
4. 信じることの進化史


信頼する [三船恒裕] 142
1. 信頼することの機能
2. 信頼することのしくみ
3. 信頼することの発達
4. 信頼することの進化史


想像する [平田 聡] 146
1. 想像することの進化史 
2. 想像することのしくみ 
3. 想像することの機能 


育てる [森田理仁] 152
1. 育てることの機能
  a. 子供の数と質のトレードオフ
  b. 親子の対立
2. 育てることの進化史
  a. ヒト以外の動物の子育て
  b. 共同的な子育て


助ける [小田 亮] 158
1. 助けることの機能
2. 助けることの進化史


食べる [内田亮子] 163
1. 食べることの機能
2. 食べることの進化史
  a. 過去の再構築
  b. 脳の拡大:狩猟・調理との関係
  c. 食糧生産:農耕・牧畜の開始
  d. 食べる:進化的遺産と課題


だます [篠原亜佐美・山本真也] 168
1. だますことの機能
2. だますことのしくみ
3. だますことの進化史と発達


伝える [橋本 敬] 173
1. 伝えることの進化史
2. 伝えることの機能


道具をつくる/使う [伊澤栄一] 179
1. 道具使用の機能
2. 道具使用のしくみ
3. 道具使用の進化史
  a. ヒトの道具使用の進化史
  b. 効果器の形態の進化史
  c. 感覚運動協調の進化史
  d. 道具使用のための認知機能の進化史


仲直りする [大坪庸介] 186
1. 仲直りすることの進化史
2. 仲直りすることの機能 
3. 仲直りすることのしくみ 


仲間をつくる [山本真也] 191
1. 仲間をつくることの機能
  a. 集団形成
  b. 集団内同盟
2. 仲間をつくることのしくみ
  a. 仲間との協力
  b. 協力する心
3. 仲間をつくることの発達
  a. 社会の多様性
  b. 家族の期限・未来
4. 仲間をつくることの進化史


罰する [真島理恵] 197
1. 罰することの機能
  a. 相互協力を支える罰
  b. 罰の実証的証拠
  c. なぜ罰が存在するのか
2. 罰することのしくみ
3. 罰することの発達
4. 罰することの進化史


学ぶ [孟 憲巍] 203
1. 学ぶことの機能
2. 学ぶことのしくみ
3. 学ぶことの発達
4. 学ぶことの進化史


まねる [明和政子] 210
1. まねることのしくみ 
2. まねることの進化史と発達 
3. まねることの機能 


見つめる [小林洋美] 217
1. 見つめることの進化史 
2. 見つめることの発達 
3. 見つめることの機能 


群れる [松本晶子・小田亮] 223
1. 群れることのしくみ 
  a. 群衆(集合)ができるしくみ
  b. 集団(群れ)ができるしくみ
2. 群れることの機能 
  a. 群れることの利益
  b. 群れることの損失
3. 群れることの発達 
4. 群れることの進化史 


病む [小田 亮] 229
1. 病むことの機能
2. 病むことの進化史 


律する [和田幹彦] 234
1. 律することの機能
2. 律することのしくみ
3. 律することの発達
4. 律することの進化史


恋愛する [坂口菊恵] 239
1. 恋愛することのしくみ 
  a. 性欲,熱愛,友愛
  b. 特定個体への執着を生じさせる神経メカニズム
  c. 恋愛状態の続くカップ
2. 恋愛することの機能 
  a. 一夫一妻:子殺しの防止と4年目の浮気
  b. ペア外配偶行動と連続的単婚
  c. 魅力と生殖
  d. 生殖とは直接は結びつかない恋
3. 恋愛することの進化史 
  a. 乱婚の霊長類にみられるコンソートシップ
  b. 一夫一妻のモデル生物としてのハタネズミと種内変異
  c. 連続的単婚


笑う [松阪崇久] 247
1. 笑うことの進化史 
  a. ヒト以外の動物における笑い
  b. ヒトの笑いの特徴
    ①笑い声の音響構造
    ②ユーモアとおどけ
    ③攻撃的な笑い
    ④笑い声の伝染と共有
    ⑤言語の使用
    ⑥笑顔の多様化とコミュニケーション
2. 笑うことの機能 
  a. 笑いと社会的遊びの機能
  b. 笑いとユーモアの機能
  c. 攻撃的な笑いの機能
  d. 心身の健康への笑いの機能
  e. 笑顔の機能


コラム 人類の進化 [小田亮] 254


用語解説 [小田 亮・橋彌和秀・大坪庸介・平石 界] 257
■進化生物学
  親子の対立
  間接互恵性の理論
  共進化
  群淘汰
  血縁淘汰
  互恵的利他主義の理論
  自然淘汰
  正直な信号
  進化的適応環境
  生活史理論
  性的対立
  性淘汰
  前適応
  適応度
  ナックルウォーキング
  ニッチ構築
  複数レベル淘汰
  父性の不確実性
  プライス方程式
  ボトルネック効果
  ポピュレーション
  マキャベリ的知性仮説
■社会科学
  一般的信頼
  エラー管理理論
  ガルシア効果
  ゲーム理論
  限定合理性
  心の理論
  コードモデル
  推論モデル
  ダンバー数
  認知バイアス
  ミラーニューロン
■各種の実験ゲーム 
  囚人のジレンマ・ゲーム
  公共財ゲーム
  最後通牒ゲーム
  信頼ゲーム
  独裁者ゲーム
■その他
  自然主義的誤謬
  天井効果
  メタ分析


文献 [267-300]
索引 [301-307]





【メモランダム】

・本書でも、自然主義の誤謬に陥らぬように読者への呼びかけが繰り返し行われている。


・次の論文が明快なので、一読してほしい。
ヒトの行動に関する進化生物学的研究と社会の関係: 社会生物学論争を踏まえて


伊勢田哲治のブログ記事(2020/07/16)から。
「生物学者は「自然主義的誤謬」概念をどう使ってきたか」