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『続・心理統計学の基礎――統合的理解を広げ深める』(南風原朝和 有斐閣アルマ 2014)

著者:南風原 朝和[はえばら・ともかず](1953-) 
装丁:デザイン集合ゼブラ + 坂井哲也
シリーズ:有斐閣アルマ Advanced
件名:心理学統計
NDC:140.7 心理学 >> 研究法.指導法.心理学的検査
NDLC:SB31


続・心理統計学の基礎 | 有斐閣


【目次】
はじめに(2014年8月 南風原朝和) [i-iii]
著者紹介 [iv]
目次 [v-ix]


第1章 本書の構成と学習の進め方 
1 本書で取り上げる内容とその位置づけ 001
  基礎的な方法とその相互関係
  本書で取り上げる内容
  分布間の関係と非心分布への拡張
  さまざまなデザインにおける効果量とその信頼区間
  リサーチクエスチョンに対応した比較
   階層的データへの対応
  複数の研究で得られる効果量の統合
  母数に関する確率の導入

2 学習の進め方 010
  本書で取り上げる内容の間の関係と学習の進め方
  ソフトウェア


第2章 分布間の関係と非心分布への拡張――検定力と信頼区間のために
1 2項分布と正規分布 013
  2項分布
  2項分布と正規分布の関係

2 正規分布とカイ2乗分布 017
  標準正規分布とカイ2乗分布の関係
  カイ2乗変数の和の分布
  平方和の分布

3 カイ2乗分布とF分布と分布 021
  平方和の比の分布
  分子の自由度が1のとき
   t分布にしたがう変数の例
  t分布と標準正規分布
  ここまでのまとめ

4 2項分布と多項分布とカイ2乗分布 025
  2項分布から多項分布への拡張
  多項分布に関する帰無仮説のカイ2乗検定
  ここまでのまとめ + \alpha

5 非心t分布 029
  通常のt分布と非心t分布
  非心度と効果量
  非心t分布の例
  非心度と検定力
  非心分布を用いた検定力
  計算の例

6 非心カイ2乗分布と非心F分布 036
  非心カイ2乗分布
  非心カイ2乗分布を用いた検定力計算の例
  非心F分布
  非心F分布を用いた検定力計算の例


第3章 効果量(1)――2変数データの分析において
1 研究における効果量の位置づけ 043
  効果の3つの側面と効果量
  検定力を規定する効果量
  解釈の観点からの効果量
  標準化効果量と非標準化効果量
  効果量の信頼区間
  研究のタイプと効果量の解釈
  理論確証型研究における効果量の報告

2 相関と回帰に関する効果量 051
  検定力を規定する効果量
  解釈の観点からの効果量
  点双列相関係数
  Fisherの変換に基づくpの信頼区間
  非心t分布に基づく検定力とpの信頼区間
  数値例
  効果量の信頼区間の利点と留意点

3 独立な2群の平均値差に関する効果量 062
  検定力を規定する効果量
  解釈の観点からの効果量
  2群の分散が顕著に異なる場合
  標準化平均値差 \deltaの信頼区間
  数値例
   d_{c} に基づく信頼区間

4 対応のある2群の平均値差に関する効果量 071
  検定力を規定する効果量
  独立な2群の場合との比較
  解釈の観点からの効果量
  効果量 \delta 'の信頼区間

5 カテゴリ変数間の連関に関する効果量 075
  検定力を規定する効果量
  解釈の観点からの効果量
  クラメルの連関係数の信頼区間
  数値例


第4章 効果量(2)――多変数データの分析において
1 重回帰分析における効果量 079
  重相関係数の検定の検定力を規定する効果量
  追加変数の効果の検定の検定力を規定する効果量
  解釈の観点からの効果量
  部分決定係数
  偏決定係数
  異なる効果量の間の関係
  標準偏回帰係数
  効果量の点推定
  重相関係数と決定係数の信頼区間
  偏決定係数の信頼区間
  標準偏回帰係数の信頼区間

2 分散分析における効果量 092
  1要因デザインにおける検定力を規定する効果量
  解釈の観点からの効果量
  決定係数の点推定
  数値例
  決定係数の信頼区間
  数値例
  多要因デザインにおける検定力を規定する効果量
  部分決定係数/決定係数
  偏決定係数
  多要因デザインにおける偏決定係数の信頼区間
  種々の平均値差に関する効果量


3 共分散構造分析におけるモデルの適合度としての効果量 109
  母数の最尤推定と検定
  検定統計量と効果量と適合度
  適合度指標RMSEA[Root Mean Square Error of Approximation]
  RMSEAの信頼区間
  数値例


第5章 対比分析
1 対比とは 115
  研究の例
  一般的な分析手続き
  対比としての表現

2 リサーチクエスチョンに合わせた対比 119
  リサーチクエスチョンは何か
  特定の増減傾向に関心があるとき

3 対比に関する検定と推定 122
  対比の推定量とその分布
  対比に関する検定
  対比系数の決め方と検定
  対比の区間推定
  標準化対比とその信頼区間

4 対比と分散分析の関係 129
  対比の平方和と平均平方
  対比の平方和と群間の平方和
  互いに直交する対比
  分散分析における検定と対比の検定
  総括的な検定と対比の検定

5 検定の多重性 136
  対比単位の誤りの確率と組単位の誤りの確率
  Šidákの方法とBonferroniの方法
  Schefféの方法

6 研究上の対比の位置づけと検定の多重性への対応 141
  計画的対比と事後の対比
  検定の多重性への対応


第6章 マルチレベル分析
1 階層的データとその性質 145
  階層的データの例
  階層的データの統計的性質
  階層的データの取り扱い
  階層的データに対するリサーチクエスチョン

2 マルチレベル・モデル 153
  モデルの設定と評価
  ランダム効果の分散分析モデル
  マルチレベル・モデルにおける記号法
  平均に関する回帰モデル
  ランダム係数モデル
  ランダム効果の共分散分析モデル
  独立変数のセンタリング
  係数に関する回帰モデル

3 母数の推定と分析例 161
  推定法と仮定
  ランダム効果の分散分析モデルの分析例
  平均に関する回帰モデルの分析例
  ランダム係数モデルの分析例
  ランダム効果の共分散分析モデルの分析例
  レベル2の独立変数のある共分散分析モデルの分析例

4 モデルの比較 174
  モデル間の関係
  尤度比検定
  AIC[Akaike Information Criterion]による比較

5 個人内反復測定データの分析 181
  個人内変化のモデル
  センタリング
  レベル2以上のモデル
  潜在成長曲線モデル


第7章 メタ分析
1 研究の積み重ねと結果の統合 189
  個々の研究の限界
  追試研究と結果の統合
  対象となる効果量
  固定効果モデルとランダム効果モデル

2 標準化平均値差の統合 193
  データの例
  固定効果モデルによる統合
  標準化平均値差の等質性の検討
  ランダム効果モデルによる統合
  固定効果モデルとランダム効果モデルの比較

3 相関係数の統合 204
  データの例
  固定効果モデルによる統合
  相関係数の等質性の検討
  ランダム効果モデルによる統合

4 効果量の差異の説明要因の検討 211
  リサーチクエスチョン
  効果量に関する線形モデル
  固定効果モデルとランダム効果モデル
  種々の母数の推定


第8章 ベイズ推測
1 確率の考え方の違い 215
  検定や推定における確率の意味
  仮説や母数に関する主観確率

2 ベイズの定理 217
  ベイズの定理
  ベイズファクター
  ベイズの定理の数値例
  ベイズの定理の図示

3 母数の事前分布と事後分布 226
  母数に関するベイズの定理
  母数の事後分布の役割
  分散既知の正規分布モデルにおける母平均の分布
  分散未知の正規分布モデルにおける母平均の分布
  マルコフ連鎖モンテカルロ法

4 母数のベイズ推定 235
  損失関数と母数の点推定
  母数の区間推定
  数値例と解釈
  事前分布の設定による推定結果の違い
  事前分布の設定の仕方

5 将来の観測値に関するベイズ予測 244
  予測分布
  正規分布モデルにおける予測分布


おわりに(南風原朝和) [249-250]
引用文献 [251-255]
付表 [257-265]
  付表1 標準正規分布における確率[tex: P_{rob} (0【抜き書き】


・62ページの本文と注(ややこしい記号について)。

検定力を規定する効果量
共通の分散をもつ2つの正規母集団 N (\mu_{1}, \sigma^{2}),N (\mu_{1}, \sigma^{2})から,それぞれ大きさ n_1, n_2の標本を独立にとるとき,2群間の平均値差の検定のための検定統計量は
     t = d \times  \sqrt{ \dfrac{ n_{1}n_{2} } { n_{1} + n_{2} } }  ……(3.7)
で与えられます。ここでdは,標本における平均値差 \bar{ y_{1}} - \bar{y_{2}}を,各群の標準偏差 s_1,s_2をプールして求められる母集団標準備差の推定量法
     s^{*} = \sqrt{ \dfrac{ n_{1}s^{2}_{1} + n_{2}s^{2}_{2} } {n_{1}+n_{2}-2} }  ……(3.8)
で割った標本標準化平均値差
     d = \dfrac{ \bar{y_{1}} - \bar{y_{2}} } {s^{*}} ……(3.9)
です[注16]。

[注16] このdはHedgesのdとよばれることがあります。一方,(3.8)式の分母を n_{1}+n_{2}として(3.9)式に代入したものはCohenのdとよばれることがあります。しかし,検定力分析の代表的なテキストであるJ. Cohen, 1988. Statistical power analysis for the Behavioral Sciencesにおいてdと表記されているのは,このような標本統計量ではなく,(3.11)式の母集団標準化平均値差 \deltaです。また,Cohen (1988) は, \deltaの推定量としては(3.9)式のdを( d_{s}という記号で)用いていることからこの式に Hedgesの名を付して,Cohen自身が使用していない式にCohenの名を冠するのは混乱を招きます。研究報告では,人名ではなく,「標準化平均値差」という名称を用いて,(CohenもHedgesも使用していて,検定統計量tの構成要素であるという意味でも自然な)(3.9)式のdの値を報告したらよいでしょう。