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『認知臨床心理学――認知行動アプローチの展開と実践』(丹野義彦ほか[編] 東京大学出版会 2024)

編者:丹野 義彦[こんの・よしひこ] 東京大学名誉教授 
編者:佐々木 淳[ささき・じゅん] 大阪大学大学院人間科学研究科教授
編者:杉浦 義典[すぎうら・よしのり] 広島大学大学院人間社会科学研究科准教授 
編者:森脇 愛子[もりわき・あいこ] 帝京大学文学部講師 
編者:石垣 琢麿[いしがき・たくま] 東京大学大学院総合文化研究科教授 
著者:星野 貴俊[ほしの・たかとし] 甲南女子大学人間科学部准教授 
著者:高野 慶輔[たかの・けいすけ] 産業技術総合研究所主任研究員 
著者:林 明明[りん・みんみん] 理化学研究所脳神経科学研究センター研究員 
著者:守谷 順[もりや・じゅん] 関西大学社会学部教授 
著者:飯島 雄大[いいじま・ゆうだい] 帝京大学文学部講師 
著者:小林 正法[こばやし・まさのり] 山形大学人文社会科学部准教授 
著者:西口 雄基[にしぐち・ゆうき] 千葉大学教育学部准教授 
著者:森 正樹[もり・まさき] 株式会社ディー・エヌ・エー ヘルスケア事業本部 
著者:中島 実穂[なかじま・みほ] 立教大学現代心理学部助教 
著者:山内 貴史[やまうち・たかし] 東京慈恵会医科大学医学部准教授 
著者:山崎 修道[やまさき・しゅうどう] 東京都医学総合研究所社会健康医学研究センター副参事研究員 
著者:森本 幸子[もりもと・さちこ] 東北医科薬科大学教養教育センター准教授 
著者:古村 健[ふるむら・たけし] 東尾張病院臨床研究部精神科リハビリテーション療法研究室長 
著者:小堀 修[こぼり・おさむ] 国際医療福祉大学赤坂心理・医療福祉マネジメント学部准教授 
著者:上野 真弓[うえの・まゆみ] 元・精神保健研究所心身医学部流動研究員 
著者:浅井 智久[あさい・ともゆき] 株式会社国際電気通信基礎技術研究所認知神経科学研究室主任研究員 
装丁:岩橋 香月 designfolio 
件名:臨床心理学
件名:認知行動療法
NDC:146 心理学 >> 臨床心理学.精神分析学
NDLC:SB231
メモ:奥付では「丹野義彦 編集代表」というクレジットになっている。


認知臨床心理学 - 東京大学出版会

 今やスタンダードである、実証に基づく臨床心理学への大きな流れを作った認知行動アプローチ。不安、抑うつ、幻覚など、日常・臨床の問題ごとに、世界的な動向を踏まえつつ、日本における研究・実践の展開を紹介し、今後の方向性を示す。公認心理師必携のハンドブック。


【目次】
序 認知臨床心理学の今後に向けて(2024年8月 編集委員を代表して) [i-v]
 1 入門から展開へ 
 2 なぜ「認知」なのか
 3 世界のパラダイムシフトとの出会い
 4 認知臨床心理学は公認心理師の業務にどう役立つか
  アセスメントと認知臨床心理学
  心理的援助と認知臨床心理学
  心の健康教育と認知臨床心理学
  養成と認知臨床心理学
  科学者―実践家モデルの充実
目次 [vii-xi]


  第I部 不安とストレス障害 001

第1章 不安症[佐々木淳] 003
1 変化する不安症概念 
2 認知行動療法の社会的展開 
3 不安症研究の対象の拡大 
4 より身近な認知行動療法に向けて 
5 今後の展望 
引用文献 010


第2章 社交不安症[星野貴俊] 015
1 疾患概念および名称の変遷 
  対人恐怖症[Taijin kyofusho]との関連
2 社交不安症[social anxiety disorder]の認知行動療法的治療モデル 
  クラーク[D. Clark]とウェルズ[A. Wells]の認知行動モデル
  ラベ[R. M. Rapee]とハイムバーグ[R. G. Heimberg]の認知行動モデル
  ホフマン[S. Hofmann]の認知行動モデル
3 社交不安症に関連する心理学的諸要因の実証研究 
  「自己注目の亢進」と「ネガティブな自己イメージの知覚」「事後的な反すう」
  「外的な(脅威)情報への注意配分」
  「社会的コストの過大視」
  「感情の統制感の過小評価」
  「ソーシャルスキルの不足感」
4 認知神経科学からのアプローチ 
引用文献 025


第3章 睡眠と不安[高野慶輔] 029
1 診断的定義と測定 
  分類
  測定
2 これまでの研究の経緯と現在地 
  モリン[M. C. Morin]の認知モデルと不合理な信念
  ルンド[L. G. Lundh]の睡眠疎外・解釈プロセス
  ハーヴェイ[A. Harvey]の認知モデルと誤知覚
  エスピー[C. Espie]のAttention-Intention-Effortモデル
  リーマン[D. Riemann]の包括的不眠モデル
3 心理社会的支援との関わり 
4 今後の展望 
引用文献 037


第4章 ストレス・不安と認知機能[林 明明] 041
1 ストレスと認知機能 
  ストレスとは
  ストレスと認知機能
  心的外傷後ストレス障害
2 急性ストレスが記憶に与える影響 
  急性ストレスの実験
  急性ストレスと記憶
  学習後ストレスによる記憶向上効果
  感情記憶に対する選択的効果の検討
3 心理社会的支援との関わり 
4 今後の課題 
引用文献 051


  第II部 反復思考 053

第5章 不安と認知バイアス[守谷 順] 057
1 注意バイアスのモデルの発展 
  認知モデル
  進化モデル
  注意資源モデル
  認知モデルと進化モデルの発展・統合
  処理資源モデルの発展
  モデルの統合
2 注意バイアスの発達 
  発達的側面
  認知バイアスの治療への応用
3 注意バイアスと介入との関係 
  介入技法の根拠としての注意バイアス
  アセスメントとしての注意バイアス
4 今後の展望 
  複数の認知バイアスの統合
  認知バイアスの適応的意義
引用文献 074


第6章 反復思考[杉浦義典] 077
1 反復思考の理論モデル 
  メタ認知に着目した心配のモデル
  メタ認知モデルを反復思考に拡張する
  反復思考の新しい治療法
2 反復思考の新たなモデル──対比の回避理論 
  異なるモデルを結びつける
  対比の回避モデルを反復思考に拡張する
3 反復思考の言語的な特徴 
4 マインドワンダリング──反復思考の上位概念 
  
引用文献 091


第7章 マインドワンダリング[飯島雄大] 095
1 マインドワンダリングとは 
2 マインドワンダリングの測定 
3 マインドワンダリングの適応的な機能 
4 マインドワンダリングの不適応的側面 
5 マインドワンダリングと反復思考 
6 マインドワンダリングを低減させる方法 
7 今後の展望 
引用文献 104


  第III部 抑うつに関連した問題 109

第8章 抑うつと心理社会的側面[森脇愛子] 113
1 抑うつとは 
  抑うつ[depression]とは
  うつ病と自殺
  抑うつの連続性の議論
2 抑うつとストレッサーと認知,対処 
  様々なストレスとの関連
  心理社会的ストレスの影響はすべての人に同一なのか
3 抑うつと対人的諸側面 
  抑うつと対人的諸側面
  抑うつとソーシャルスキル
  抑うつとソーシャルサポート
  抑うつと対人関係モデル
4 今後に向けて 
引用文献 124


第9章 抑うつと記憶[小林正法] 127
1 自伝的記憶と抑うつ 
  自伝的記憶とは
  感情バイアスと抑うつ
  望まない記憶の侵入と抑うつ
  自伝的記憶の具体性に現象と抑うつ
2 エピソード的未来思考と抑うつ 
  エピソード的未来思考とは
  エピソード的未来思考と抑うつ
3 記憶の制御と抑うつ 
  記憶の制御とは
  検索誘導性と抑うつ
  指示忘却と抑うつ
  検索抑制と抑うつ
  抑制は不適応的なのか,適応的なのか
4 抑うつに対する記憶面からの心理社会的支援 
  ネガティブ記憶の修正を目指したアプローチ
  記憶や未来思考の具体性の向上を目指したアプローチ
5 まとめと今後の展望 
引用文献 140


第10章 注意機能と抑うつの関係[西口雄基] 145
1 非機能的認知と認知バイアス 
2 抑うつと注意バイアス 
  抑うつと注意バイアス
  注意バイアス研究と臨床のつながり
  抑うつ的注意バイアス研究の問題点と今後の展望
3 認知バイアス修正法──認知バイアス研究を実践につなぐ 
  認知バイアス修正法
  CBM[Cognitive Bias Modification]の有効性と将来の展望
4 抑うつと実行注意 
  エフォートフル・コントロール
  実行注意研究の展望と臨床実験への関わり
5 抑うつと注意機能の研究のこれから 
引用文献 155


第11章 抑うつと自己注目[森 正樹] 157
1 悩むことの二面性 
  悩むことは悪いことか
  自己注目という概念の導入とその機能の整理
  本章の研究の目的
2 自己注目の適応的機能の検証──問題解決に着目して 
  自己注目は問題解決に寄与するのではないか
  第一の研究:自己注目と問題解決能力の自信・抑うつの関連
  第二の研究:自己注目と日常生活における問題解決,抑うつの関連
  第三の研究:自己注目と問題解決の客観的・定量的指標
3 適応的な自己注目を特徴づける要素──脱中心化に着目して 
  どのように自己に注目すると適応的なのか
  第四の研究:自己注目と脱中心化・抑うつの関連
  第五の研究:自己注目と脱中心化の変化の関連
  
4 問題解決・脱中心化に着目した研究のまとめ 
  自己内省の再定義
  自己内省の獲得方法
  最後に
引用文献 175


第12章 自己洞察[中島実穂] 177
1 自己洞察とは何か 
  主観的自己洞察
  自己洞察の正確性
  主観的自己洞察と自己洞察の正確性の関連
2 自己洞察と心理的適応 
3 自己洞察の向上方法 
4 公認心理師の実践における自己洞察 
引用文献 187


第13章 自殺予防と援助希求行動[山内貴史] 191
1 人はなぜ自殺するか 
  自殺の対人関係理論
  対人関係理論を構成する3要素と自殺予防戦略
2 自殺の危険因子 
  WHO(世界保健機関)によるレポート
  日本における「心理学的剖検」研究からの知見
3 自殺のリスクと援助希求行動(援助要請行動) 
  援助希求行動はどのように自殺のリスクと関連するか
  自殺の対人関係理論と援助希求行動[heip-seeking behavior]
4 援助希求行動を促進する環境要因 
  環境要因としての職場風土と労働者の援助希求行動
  良好な職場風土は援助希求行動促進するか
5 COVID-19流行下での援助希求行動と自殺関連行動 
6 自殺予防と援助希求行動の促進に向けて 
引用文献 202


  第IV部 幻覚・妄想および統合失調症 205

第14章 一般人口における精神病症状体験[山崎修道] 209
1 思春期の精神病症状体験 
  思春期コホート(東京ティーンコホート)研究での大規模発達縦断研究
  母体の妊娠早期糖尿病と思春期の精神病症状体験の縦断的関係
  思春期における終末糖化産物(指先測定値)と精神病症状
  統制の所在と精神病理――日英比較研究
  いじめ被害と精神病症状体験を媒介する要因
2 精神病症状体験や精神疾患の要因への注目 
  精神病症状体験の社会環境要因
  カテゴリカルな精神科病名診断に基づく群間比較研究の限界とp-factorモデル
3 心理社会的支援との関わりと今後の展望 
引用文献 220


第15章 被害観念と社交不安[森本幸子] 225
1 被害観念とは何か 
  妄想の連続性
  被害観念とは
2 被害観念と社交不安 
3 被害観念と社交不安の事例と弁別 
  事例A:(18歳,男性) 主訴:人から噂されてつらい
  事例B:(21歳,女性) 主訴:友人たちから変なやつと噂されていないかと不安
4 今後の展望 
引用文献 238


第16章 幻聴への認知的アプローチ[古村健] 241
1 幻聴 
  幻聴とは
  幻聴の重症度のアセスメント方法
2 幻聴の認知モデル 
  幻聴によって苦痛がもたらされるのは,幻聴の内容のせいか解釈のせいか
  幻聴との関係性は社会との関係性を反映しているのか
  認知モデルによるアプローチは命令幻聴への服従行動を説明できるか
  認知モデルによるアプローチは命令幻聴への服従行動を減らすことができるか
3 日本における幻聴の認知モデル研究の展開 
引用文献 252


第17章 メタ認知トレーニング[石垣琢麿] 255
1 メタ認知 
  メタ認知的知識
  メタ認知的体験
  メタ認知的目標
  メタ認知的活動
2 メタ認知と認知バイアスの臨床的意義 
  メタ認知的知識と病理
  認知バイアス
3 メタ認知トレーニングの実際 
  認知バイアスを扱う利点
  ゲームの効用
  モジュールの構造
  気分とスティグマ
  実施方法
  ホームワーク
  参加者の基準
4 治療効果と今後の展望 
  有効性の検証
  適応範囲の拡大と新しいツール
  トレーナーの養成
  アセスメント
引用文献 269


  第V部 パーソナリティとそれに関連する障害 273

第18章 パーソナリティ理論と公認心理師の実践 ──ビッグ5理論の可能性[丹野義彦] 275
1 ビッグ5理論の成果と利点――プラットフォームとしてのビッグ5理論 
2 パーソナリティ症をビッグ5理論から理解する 
  DSM-5のパーソナリティ症とビッグ5理論
  AMPDにおけるパーソナリティ症
3 精神疾患をビッグ5理論から理解する 
4 ICD-11のパーソナリティ症とビッグ5理論 
5 公認心理師の実践とビッグ5理論 
  診断と多職種連係
  アセスメント
  心理学的介入(心理療法)
  心理学研究
6 ビッグ5カウンセリングの試み 
  カウンセリングと心の健康教育――ビッグ5カウンセリングの試み
  状態としての各次元――振り子の比喩
  状態と特性の関係
  健常範囲の性格と病理
  ビッグ5の各次元の解釈
  カウンセリングや心の健康教育の指針
7 ビッグ5理論の可能性――臨床的ポテンシャルを引き出そう 
引用文献 290


第19章 完全主義の臨床心理学[小堀 修] 293
1 公認心理師が完全主義者と出会う時 
2 完全主義者とは何者なのか 
  完全主義という言葉の使われ方
  完全主義のもたらす不適応
  完全主義の概念と定義の整理
    
3 完全主義の二面性──ポジティブとネガティブ 
  イチローはポジティブな完全主義者か
4 自己志向的完全主義の持つ二つの過程 
5 今後の展望と完全主義研究の始め方 
  2過程モデルの限界と展望
  完全主義の論文を検索する
引用文献 307


第20章 攻撃性と精神病理[上野真弓] 311
1 攻撃性とは 
2 怒りとは 
  怒りの定義とその機能
  怒りの発達
3 攻撃とは 
  攻撃の定義と分類
  見えない攻撃と見える攻撃
4 攻撃性と精神疾患 
  間欠爆発症(IED)と攻撃性
  反抗挑発症(ODD)と攻撃性
  重篤気分調節症(DMDD)と攻撃性
  境界性パーソナリティー障害(BPD)と攻撃性
  双極性障害(BD)と攻撃性
  うつ病と攻撃性
  うつ病と抑制される攻撃性
  うつ病のサブタイプと攻撃性
5 攻撃性と心理的支援 
  攻撃性に対する心理的アプローチの意義
  怒りをコントロールすること
  自分の怒りを自分でマネジメントする
  最後に
引用文献 


第21章 冷たい(基礎)と温かい(臨床)のあいだ[浅井智久] 325
1 自己研究への旅 
2 心理物理学――多感覚の科学 
3 精神病理学――幻覚の科学 
4 認知神経科学――自己の科学 
5 認知臨床心理学――主観と客観の科学 
6 脳と心の距離感 
引用文献 


人名索引 [343-344]
事項索引 [345-351]
執筆者紹介 [352]