著者:綾屋 紗月[あやや・さつき] 当事者研究、障害学、自閉症スペクトラム障害の感覚体験・コミュニケーション研究。
装丁:岩橋 香月 designfolio
件名:精神障害者福祉
件名:依存
件名:広汎性発達障害
NDC:369.28 社会福祉
NDLC:EG64
https://www.utp.or.jp/book/b609187.html
【目次】
目次 [i-iv]
序章 001
本書の問題意識
当事者研究の方法・理念・歴史を探究する
当事者の知恵の蓄積の上に当事者研究を位置づける
本書の目的
本書の構成
本書が対象とするデータ
第I部 当事者活動における当事者研究の歴史的位置づけ
第I部 はじめに
第1章 力を取り戻す――難病患者・障害者運動の系譜 021
第1節 障害者運動とエンパワメントの思想
1.アメリカにおける障害者自立生活運動
2.障害の社会モデルおよびエンパワメント・アプローチの誕生
3.日本の障害者人権運動:「青い芝の会」の活動
4.日本における公的介護保障要求運動および障害者自立生活運動
第2節 向谷地生良を介した難病患者・障害者運動の影響
1.管理教育への違和感
2.生きづらさを抱えた青春時代
3.難病患者・障害者運動との出会い
(1)北海道難病団体連絡協議会
(2)札幌いちご会
4.「支援者としての疚しさ」から「当事者の責任」への気づき
第3節 浦河における当事者活動の始まり
1.アイヌの人々およびアルコール依存症者との出会い
2.回復者クラブ活動「どんぐりの会」の始動
3.商売:昆布の袋詰め内職のはじまり
4.アルコール依存症支援における無力さ
第4節 まとめ
第2章 無力を認める――依存症自助グループの系譜 061
第1節 AAの日本到来とアディクション治療の展開
1.AAの誕生
2.AAのスタイルを統合したアメリカのアディクション治療
3.AAの日本到来:禁酒から断酒へ
4.日本そして札幌におけるアディクション治療
第2節 川村敏明を介した依存症自助グループの影響
1.水産学部から医学部精神科へ
2.アルコール・薬物依存症者との出会い
3.浦河における向谷地との出会い
4.向谷地のプロの技から学ぶ
5.向谷地による応援的支援の実践
第3節 浦河における当事者活動の醸成
1.断酒会に対する違和感
2.浦河AAのはじまり
3.アディクション治療の研鑽を積む:アディクション・アプローチ
4.川村の診療スタイルの確立
5.向谷地の「精神科立入禁止」
第4節 まとめ
第3章 当事者研究の誕生――ふたつの当事者活動の系譜の合流 103
第1節 「社会進出」のツールとしてのSST[Social Skill Training]
1.本格的な商売の開始
2.SSTの日本上陸と向谷地の抵抗
3.エンパワメント・アプローチとしてのSSTの導入
第2節 浦河AAとアディクション治療
1.活発に活動する浦河AA と川村の再赴任
2.アディクション治療の統合失調症への応用
(1)人とつなげる支援
(2)失敗の尊重
(3)自ら考え語るための支援
(4)語りを広め、知恵を貯えるための支援
(5)支援者の無力を認める
3.合流のはじまり:弱さの情報公開
第3節 当事者研究の始まり
1.SSTの行きづまり:「希望志向」から「前向きな問題志向」へ
2.浦河におけるSAの誕生
3.「研究」のはじまり
4.浦河べてるの家における当事者研究の実践
5.当事者視点による比較:SST・SA・当事者研究
第4節 依存症自助グループへの当事者研究の還流
1. NA およびダルク(DARC)の誕生
2.ダルク女性ハウスにおける当事者研究のはじまり
3.ダルク女性ハウスにおける当事者研究の実践
第5節 まとめ
第II部 周縁者としての自閉スペクトラム者の当事者研究
第II部 はじめに
第4章 障害者運動からみた自閉スペクトラム症概念批判 189
第1節 混沌:言語化できない「わからなさ」
1.混乱の日々
2.当事者の語りと診断名
3.自閉スペクトラム症概念の弊害と障害者運動との出会い
4.当事者研究との出会い
第2節 障害の社会モデルに基づく従来の自閉スペクトラム症概念批判
1.自閉スペクトラム症の急増とその原因
2.自閉スペクトラム症概念の障害学的問題
第3節 さらなる周縁化のツールとして用いられる自閉スペクトラム症概念
1.薬物依存症者の自助的な回復施設における周縁化
2.聴覚障害者コミュニティにおける周縁化
3.視覚障害者コミュニティにおける周縁化
第4節 まとめ
第5章 身体的自己感の当事者研究 221
第1節 意味のまとめあげ困難
1.身体の意味のまとめあげ困難
(1)「空腹感」がわからない
(2)「冷え」がわからない
2.モノの意味のまとめあげ困難
(1)大量の〈刺激〉を感受する
(2)意味づけ前の刺激レベルの情報の飽和
(3)意味づけされたレベルの情報の飽和
第2節 行為のまとめあげ困難
1.身体やモノのアフォーダンス
2.アフォーダンスの中にある「相同」と「相補」
第3節 他者との階層の差異がもたらす困難
1.意味の階層構造のズレ
2.行為の階層構造のズレ
3.三項関係におけるアフォーダンス共有の失敗
4.文脈共有の困難
第4節 まとめあげ困難がもたらす「夢侵入」
1.夢のはじまり
2.夢の世界
(1)フラッシュバック
(2)ヒトリ反省会
(3)ヒトリタイワ
(4)オハナシ
3.夢のあと
第5節 不安定な身体的自己感
1.曖昧な動きで「私」が壊れる
2.詳細な行為パターンによって侵入から解放される
3.予測誤差への気づきやすさとあやふやな自己感
第6節 周囲の配置転換と自己感の安定化
1.社会と自己感
2.「普通」の世界への幽閉
3.言葉による2つの自己感の安定化
4.動きによる身体的自己感のさらなる安定化
5.自分が生まれ、ヒトやモノとの距離が生まれる
第7節 まとめ
第6章 自己身体を基点とした社会変革としての情報保障 271
第1節 記号のまとめあげにおけるすれ違い
1.記号表現「音声」のまとめあげにおけるすれ違い
2.記号表現「文字」のまとめあげにおけるすれ違い
3.記号内容のまとめあげにおけるすれ違い
第2節 身体的特徴に対応した情報提示のデザインの提案
1.記号表現「音声」のまとめあげに関する情報提示のデザイン
2.記号表現「文字」のまとめあげに関する情報提示のデザイン
3.記号内容のまとめあげに関する情報提示のデザイン
4.社会の可変性への挑戦
第3節 意味づけ介助の発展:ソーシャル・マジョリティ研究
1.「ソーシャル・マジョリティ研究」の誕生
2.ソーシャル・マジョリティ研究会セミナーの進め方
3.ソーシャル・マジョリティ研究の活用方法
4.複数の学術研究をつなぐ学際的な役割
第4節 まとめ
第7章 置き去りにされた過去と歴史的自己感の当事者研究 297
第1節 身体的自己感の安定が生み出した「時間」
1.疎外感から生じる現在の私の否定
2.物語の破綻:時間の停止
3.再び動き出した時間:「時間軸」の誕生
4.現在感と過去感の入替現象
第2節 「現在の私」と「過去の私」の分離
1.「症状」の切り分け:他者性と怒りの到来
2.強度のある現在の記憶の蓄積
3.分離の完成:「高校生の私」の誕生
4.現在の変革:親との関係性
第3節 「現在の私」と「過去の私」の共存
1.時制の往復:過去と現在の併走とかすかな接触
2.同時的語り掛け:3者構造
3.同時出現と対話:「現在の私」の先導
4.「15の人のお出まし現象」の当事者研究
第4節 過去の変容
1.過去からの委託
2.「過去の私」に生じたわかちあい
3.過去の再解釈1:憎んでいた「あいつ」らへの共感
4.過去の再解釈2:支配する「あいつら」への忌避感
5.現在の私の変容:静かな悲しみの到来
第5節 まとめ
第III部 当事者研究の方法論的検討
第8章 未来へ向けて:当事者研究を仲間に伝える実践 347
第1節 浦河べてるの家とダルク女性ハウスの当事者研究に共通する心構え
(1)自分を開いて仲間と共有する――自分自身で、共に
(2)自分の問題を自分の外に出す――外在化
(3)興味・関心によるワクワク感
(4)仲間の知恵の伝承
(5)自分助けとして症状を扱う
(6)発見を祝う
(7)目的意識をゆるめる
(8)先行して警戒を解く
第2節 社会モデルとふたつの自己感に注目した当事者研究の方法論
1.2つの「自分」を探究するデザイン
2.ワークシートの変遷
3.ワークシートとワークの説明
(1)イントロダクション(導入)
(2)ワーク1:研究テーマ
(3)ワーク2:苦労のエピソード
(4)ワーク3:苦労のパターン
(5)ワーク4:苦労の年表
(6)ワーク5:個人的要因/社会的要因
(7)ワーク6:仲間のコメント
(8)ワーク7:実験計画
(9)ワーク8:実験報告
(10)クロージング(結び)
第3節 ダルクにおける当事者研究ワークシートを用いた実践
1.テーマ1:ワークの位置づけ
2.テーマ2:ワーク運用上の留意点
3.テーマ3:関係性
4.テーマ4:解放性
5.ワークシートを用いた実践のダルクにおける効果と運用上の配慮
第4節 まとめ
終章 393
第1節 周縁の人々が言葉を生み出すための当事者研究
第2節 筆者が過去とつながるプロセス
1.先ゆく仲間とつながる
2.過去の私とつながる
第3節 本書作成後の筆者の変化
1.理念に支えられる
2.仲間に支えられる
謝辞 [403]
注 [405-451]
付録 当事者研究ミーティングの基本情報 [453-454]
参考文献 [455-468]
人名索引 [469-470]
事項索引 [471-475]






