contents memorandum はてな

目次とメモを置いとく場

『世界史の中のパレスチナ問題』(臼杵陽 講談社現代新書 2013)

著者:臼杵 陽[ウスキ アキラ]

 


【目次】
はじめに [003-014]
  パレスチナという土地をめぐる政治的紛争
  ユダヤ民族が建設した「国民国家
  現状は「泥沼化」
  ヨーロッパ・キリスト教社会が生んだユダヤ人問題
  本書の構成
目次 [015-024]

 

第一部 パレスチナという場所 025
第1講 パレスチナという地域とその宗教と言語 026
  「カナン」は約束の地
  イスラエルと戦った民族
  歴史的シリアの南部地域
  中東の心臓部
  三つの一神教の聖地エルサレムを抱え込んでいた
  アラブ連盟加盟国
  イスラーム協力機構
  スンナ派ムスリムが多数派
  アラビア語を話しているユダヤ教徒
  「ヘブライ語を話しているユダヤ教徒」に変身
  アラビア語を話しているキリスト教
  ギリシア正教
  ネストリウス派キリスト教
  ユニエート教会の信徒はローマ・カトリック教徒
  プロテスタント諸派
  「モザイク」のような多文化・多民族社会
  エルサレム問題の重要性

第2講 ユダヤ教から見たキリスト教反ユダヤ主義の起源 053
  「宗教」がどのように政治的に動員されるか
  ユダヤ教徒エルサレム
  アブラハムの息子イサクをめぐる物語
  ユダヤ教は啓示宗教
  ユダヤ教の啓典は「タナフ」
  成文律法である聖書と口伝律法
  民族宗教と呼ばれるユダヤ教世界宗教と分類されるキリスト教
  誰がイエスの処刑を求めたか
  イエスを十字架刑に処した理由
  「異邦人」への宣教が決定づけられた
  ユダヤ教を教義的に否定するキリスト教
  ユダヤからの継承ではイスラームの方が忠実
  「イエス・キリスト殺しのユダヤ人」と「過越祭」
  ユダヤ教徒への差別・迫害

第3講 イスラームから見たユダヤ教キリスト教 075
  イスラームとは「アッラーへの絶対服従
  アラビア語の造語法
  シャハーダを宣誓する
  イスラームは起源と継承をアブラハムに求める
  人類が同胞であるという普遍性
  「イスラームの家」と「戦争の家」
  ムスリムの義務としての五行と六信
  ジハードの原義は「努力する」
  「コーランか、剣か、貢納か」の三択
  スンナ派シーア派
  ウンマの指導者が争点

第4講 ヨーロッパ対イスラーム――「一四九二年」という転換点 097
  ヨーロッパのイスラーム世界包囲網
  十字軍を機にユダヤ教徒はヨーロッパの「内なる敵」に
  十字軍国家の成立と滅亡
  サラーフッディーンエルサレム奪還
  十字軍が行った聖所独占と暴虐行為
  ユダヤ教徒虐殺問題
  中世キリスト教社会のユダヤ教徒嫌悪
  ゲットーへの居住を強制する勅書の発布
  「大航海時代」のヨーロッパ世界とイスラーム世界
  「一二世紀ルネサンス」で起きた翻訳運動
  スファラディームとアシュケナジー
  ディアスポラのイメージの変化
  「ガルート」をめぐる思想

第5講 オスマン帝国と東方問題 116
  オスマン帝国の絶頂と衰退
  帝国内の三大ミッレト
  分離・独立を促進した特権制度
  特権制度が変質した「不平等条約
  オスマン帝国をめぐる「東方問題」
  「東方問題」最大の事件は露土戦争
  「東方問題」はヨーロッパ列強からは「外交問題
  現代アラブ政治に結びつく四つの事件
  エルサレムの属する行政区の再編
  イギリスはパレスチナではユダヤ教徒を支援
  ヤング領事によるパレスチナユダヤ教徒調査
  ユダヤ教徒への宗教的愛着
  ユダヤ教徒復興論とは
  「前千年王国説」
  キリスト教徒の居住区の成立


第二部 列強の対立に翻弄されるユダヤ人とアラブ人 141

第6講 帝国主義時代の宗教、民族、人種 142
  植民地支配を正当化する論理
  「西洋の衝撃」では一方的理解に
  ユダヤ教徒キリスト教徒と「市民」として平等
  ユダヤ人解放と国民国家の形成
  「反ユダヤ主義」の由来は「反セム主義」
  社会進化論優生学
  ポグロムが契機、パレスチナへのユダヤ人移民
  シオニズムの起源はユダヤ啓蒙主義運動
  政治的シオニズム
  実践的シオニストと労働シオニズム\社会主義シオニズム
  宗教シオニズムの考え方
  イスラームの近代
  イスラーム改革運動を継承した人たち
  アラブの二つのナショナリズム
  シオニズムとアラブ・ナショナリズム衝突の予言
  イスラームとアラブ・ナショナリズムの結合
  アラブ・ナショナリズムへの期待の消滅

第7講 第一次世界大戦パレスチナ委任統治 170
  中東地域の主権国家への分断
  イギリスの「三枚舌」外交
  大きな政治的禍根、バルフォア宣言
  サイクス・ピコ秘密協定
  達成されなかったアラブ統一国家独立の夢
  バルフォア宣言をめぐる論争
  ロイド=ジョージ首相の反ユダヤ主義
  「アラブ対ユダヤ」という新たな「民族」的対立
  「ユダヤ人」か「それ以外の人びと」か
  民族対立が固定化する〈場〉
  委任統治は新たな「植民地支配」
  ヨルダン川東西両岸
  イラクという人工国家
  アラブ人の反乱
  アラブ側に宗教行政機関設立
  ユダヤ教側にも首席ラビ庁設置
  嘆きの壁事件で破綻した宗教を越えた共存
  パレスチナ分割を提言したピール報告
  事実上のバルフォア宣言破棄
  ナチス占領下、ユダヤ人は避難先を失った

第8講 第二次世界大戦と国連パレスチナ分割決議案 201
  イギリス、アラブ諸国との関係強化に
  アラブ、ユダヤが出席するロンドン円卓会議の提案
  イギリス省庁もパレスチナ分割案を撤回に
  ロンドン円卓会議の決裂
  「宥和政策」による「平和」崩壊
  反英姿勢でアメリカに支援を求めたシオニスト
  シオニストに同情的だったチャーチル
  修正主義シオニストの反英武装闘争
  労働シオニストと修正主義シオニストの対立
  パレスチナユダヤ社会、分裂の危機に
  シオニストのディレンマ
  パレスチナ問題の解決を国際連合に委託
  国連パレスチナ分割決議案
  エルサレムの帰属をめぐる対立
  第一次中東戦争勃発\日本のユダヤ政策
  満州へのユダヤ難民移住計画

第9講 イスラエル国家建設とナクバ 226
  イスラエル建国を読み直す動き
  アラブ政府首脳暗殺事件
  パレスチナ・アラブ住民の避難民の波
  避難民が難民化するプロセス
  富裕層の避難で、パレスチナ社会は機能不全に
  パレスチナ・アラブ住民の崩壊感覚
  シオニスト軍事攻勢の影響
  避難民の故郷への帰還は事実上不可能
  新生イスラエル政府と住民の帰還問題
  イスラエル世論は避難民の帰還を拒否
  アラブ諸国イスラエルと休戦協定
  トランスヨルダンと難民化
  シオニストとアブドゥッラーの関係
  シオニストとトランスヨルダンの良好な関係
  イギリスの目論見
  大シリア国家構想阻止が狙い

第10講 アラブ・イスラエル紛争の展開 253
  イスラエル建国と「中東戦争
  大英帝国、中東地域での覇権の維持
  米ソ冷戦とアラブ・イスラエル紛争
  国際政治学的議論/
  アラブ諸国イスラエル秘密和平交渉が白日の下に
  イギリスの「大トランスヨルダン」政策
  英軍のスエズ運河地帯駐留とアラブ・イスラエル紛争
  イラクの秘密工作
  イラクとエジプトの相違点
  バグダード条約加盟をめぐるアラブ諸国の分裂
  アメリカのアルファ計画
  アラブ世界の分極化と英米関係
  イスラエルは軍事的報復を抑制
  ベングリオンとシャレットの対立
  イスラエルアメリカから武器供与がないことを確認
  イスラエルとフランス


第三部 「アメリカの平和(パクス・アメリカーナ)」の終わりの始まり 277

第11講 第三次中東戦争以降のパレスチナ問題とイスラエル 278
  イスラエルの大勝利\イスラエル社会の変化
  アラブの敗北はイデオロギー的な敗北
  アラブ・イスラエル紛争のパレスチナ化」の始まり
  ヨルダンの「黒い九月」事件
  PLOは国家と同等の地位に
  エジプトのイスラエル奇襲作戦成功
  石油戦略と過激な宗教的政治運動
  エジプト・イスラエル平和条約締結
  イスラエル軍レバノン侵攻
  PLOとヨルダン和解
  ヨルダン川西岸・ガザの重要性
  インティファーダの一少年の姿
  パレスチナ独立国家樹立宣言
  トルーマンの強引なイスラエル建国支持
  アメリカとイスラエルの「特別な関係」強化
  世界史を変えた三つの事件イラン・イラク戦争
  ソ連アフガニスタン侵攻

第12講 冷戦終焉後の中東和平の挫折 306
  「二つの戦後」の帰結から
  湾岸危機勃発
  アラファートのイラク支持という大失策
  イスラエルアジア外交転換期
  イスラエル・ヨルダン平和条約締結
  イスラエルPLOの相互承認
  オスロ合意に基づくパレスチナ暫定自治
  イスラエル首相公選と最終的地位交渉
  パレスチナ人の状況と居住地域
  パレスチナ人の分類
  エルサレム帰属問題とパレスチナ人帰還権問題
  離散パレスチナ人にあるPLOの正当性
  オスロ合意の問題点
  イスラエルオスロ合意への反対勢力
  ハマースも和平に反対
  深まるイスラエルパレスチナの対立
  イスラエルエルサレム妥協案を受け入れる
  第二次インティファーダ勃発

第13講 九・一一事件後のパレスチナイスラエル紛争 333
  「九・一一事件は世界を変えた」
  アメリカの「対テロ戦争」論理への反応
  イスラモファビアという社会現象
  「大国」はアメリカに歩調を合わせる
  ビン・ラーディンの声明の世界的影響
  イスラエル軍の議長軟禁、ハマース攻撃
  アメリカ軍のイラク攻撃、フセイン政権崩壊
  シャロン首相、「分離壁」の建設開始
  ハマース圧倒的勝利
  パレスチナ自治政府、事実上の分裂へ
  ファイヤード首相のパレスチナ経済戦略
   I M Fはパレスチナ自治政府の財政改革を称賛
  ガザの「トンネル経済」
  イスラエル新政権の試金石、レバノン問題
  イスラエル国防軍、ガザ軍事攻撃
  トルコ、代表的イスラーム国家に

第14講 アラブ革命とパレスチナ問題の現状 359
  民主化を求めた「アラブ革命」
  「アラブの春」はアラブ世界では「イスラームの春」
  ホブズボームが語るアラブ革命の「失敗」
  一八四八年革命と「歴史なき民」
  チュニジア青年の焼身自殺
  期的にはアラブ革命は「新市民革命」か
  ヨーロッパ中心史観の克服が前提
  ファタハとハマースの和解
  パレスチナ住民のデモとシリア情勢
  オバマ大統領が発言した国境線
  パレスチナ国連加盟を求める申請書提出
  国連総会でアメリカ拒否権発動
  覇権国家アメリカの凋落
  「イスラエル・ロビー」の存在
  ユダヤ人国家への英米の対応の差
  「特別な関係」がアメリカの否定的イメージを決定
  アメリカとイスラエル市民が共有する目標と利益
  エルサレムパレスチナへの「思い入れ」
  『イノセント・アブロード――聖地初巡礼の旅』
  アラブ諸国アメリカの自由と民主主義に好意的
  パレスチナ問題解決への模索

第15講 パレスチナ問題と日本 390
  日本人のパレスチナ認識の出発点
  島地黙雷聖墳墓教会体験
  日本人キリスト者徳冨蘆花の意見書
  柳田國男パレスチナ訪問計画
  シオニズム運動への関心の高まり
  パレスチナでのシオニスト活動への評価
  反ユダヤ主義と親ユダヤ主義の両義的認識
  日本政府のユダヤ難民問題
  ユダヤ排斥論の席巻
  主権回復後、イスラエルを承認
  PFLP日本赤軍合流
  欧米経由の聖地認識

 

おわりに(二〇一二年八月吉日 目白台の研究室にて 臼杵 陽) [411-415]
今後の読書案内のための文献一覧 [416-423]

『歴史問題ハンドブック』(東郷和彦,波多野澄雄[編] 岩波現代全書 2015)

編著者
東郷和彦 (とうごう かずひこ)
波多野澄雄(はたの すみお)
執筆者
石井 明(いしい あきら)
市場淳子(いちば じゅんこ)
王 雪萍(おう せつへい)
笠原十九司(かさはら とくし)
加藤哲郎(かとう てつろう)
倉沢愛子(くらさわ あいこ)
小菅信子(こすげ のぶこ)
高木健一(たかぎ けんいち)
高嶋伸欣(たかしま のぶよし)
田中 宏(たなか ひろし)
戸谷由麻(とたに ゆま)
外村 大(とのむら まさる)
富田 武(とみた たけし)
中野 聡(なかの さとし)
中原道子(なかはら みちこ)
谷川毅(はせがわ つよし)
浜井和史(はまい かずふみ)
日暮吉延(ひぐらし よしのぶ)
保阪正康(ほさか まさやす)
前田哲男(まえだ てつお)
松村高夫(まつむら たかお)
光信一宏(みつのぶ かずひろ)
吉澤文寿(よしざわ ふみとし)
Roh Daniel(ろー だにえる)
和田春樹(わだ はるき)


【書誌情報+内容紹介】
価格:本体2,400円+税
通し番号:65
刊行日:2015/06/18
ISBN:9784000291651
版型:四六 並製 294ページ

 戦後70年が経過するにもかかわらずいっこうに収まる気配のない歴史問題.外交問題に収まらずに,民間訴訟や反日デモなど,いっそう拡大し再燃しつつある.「靖国神社公式参拝」「従軍慰安婦」「南京虐殺事件」など,さまざまな40余りのトピックについて,史実,これまでの経緯,解決のための道筋を示す,簡にして要を得た手引き.
https://www.iwanami.co.jp/book/b223935.html

歴史問題ハンドブック (岩波現代全書)

歴史問題ハンドブック (岩波現代全書)


【簡易目次】
総説 戦争責任・戦後責任・歴史問題[東郷和彦] 001
 I 戦争・植民地支配と責任 
東京裁判[日暮吉延] 026
日本政府の歴史認識問題[東郷和彦] 036
植民地支配――朝鮮・台湾を中心に[吉澤文寿] 048
靖国神社公式参拝[石井明] 059
従軍慰安婦[波多野澄雄] 070
南京虐殺事件[笠原十九司] 082
教育・歴史教科書問題[王 雪萍] 092
領土問題と歴史問題[東郷和彦] 105
戦争賠償[倉沢愛子] 115
平和条約体制と戦後補償[Roh Daniel] 127
在日コリアン問題[田中宏] 139
 II 加害・被害と補償 
原爆と終戦[長谷川毅] 150
日米終戦――天皇の地位と日米関係[東郷和彦] 156
昭和天皇の戦争責任[保阪正康] 160
米国の占領政策――検閲と宣伝 [加藤哲郎] 166
強制連行・強制労働[外村大] 172
細菌・化学兵器の被害・大量遺棄・処理[松村高夫] 179
重慶大爆撃[前田哲男] 185
華僑粛清〈シンガポール、マレー戦線〉[高嶋伸欣] 189
ロームシャ〈労務者〉動員[中原道子] 193
英軍俘虜・抑留者[小菅信子] 199
BC級戦犯裁判[戸谷由麻] 205
サハリン残留韓国・朝鮮人問題[髙木健一] 211
在外被爆者問題[市場淳子] 217
朝鮮人・台湾人元日本兵の補償――皇軍兵士にされた植民地出身者[光信一宏] 224
日朝歴史問題[和田春樹] 228
在外財産補償問題[浅野豊美] 233
復員・引揚げ〈留用・残留日本人・遺骨収集を含む〉[浜井和史] 239
戦災被害補償問題と「受忍論」[波多野澄雄] 245
戦没者追悼・慰霊[中野聡] 248
シベリア抑留補償[富田武] 254
おわりに――サンフランシスコ講和体制と「歴史問題」[波多野澄雄] [261-265]



【詳細目次】 
目次 [v-viii]

総説 戦争責任・戦後責任・歴史問題[東郷和彦] 001
 序論――歴史問題の意味 
 第一部 近代日本はなぜ先の大戦に至ったのか
  1 「台形史観」としての近代日本 
  2 明治維新から日露戦争まで 
  3 日露戦争から満州事変へ 
  4 満州事変から太平洋戦争へ 
 第二部 戦後史観
  1 占領・憲法東京裁判サンフランシスコ講和条約 
  2 昭和の終焉ののちに到達した左右の均衡 
  3 「右派的なもの」への傾斜 
 結論――これからの歴史問題 


I 戦争・植民地支配と責任 025

東京裁判[日暮吉延] 026
  ニュルンベルク裁判の成立
  東京裁判の展開
  裁判集結から戦犯釈放へ
  東京裁判の主な争点
  今後の取り組み
 文献案内 

日本政府の歴史認識問題[東郷和彦] 036
  はじめに
  極東国際軍事裁判から日中共同声明まで
  政治問題としての歴史認識問題の顕在化
  村山談話の意義
  戦後七〇年 安倍談話のゆくえ
 文献案内 

植民地支配――朝鮮・台湾を中心に[吉澤文寿] 048
  1 植民地化及び植民地支配の経過
    初期の植民地統合
    「民族自決」のうねりと統治方式の「転換」
    戦時体制下の植民地――「皇民化」と動員
  2 戦後処理――残された課題は何か
    平和条約と請求権をめぐる交渉過程
    朝鮮半島をめぐる請求権問題
 文献案内 

靖国神社公式参拝[石井明] 059
  靖国神社の今
  東京招魂社から靖国神社
  敗戦直後の靖国神社――存続のための模索
  靖国神社の「復権」の動き
  公式参拝への道
  中曽根首相の公式参拝
  続く現職首相の参拝
 文献案内 

従軍慰安婦[波多野澄雄] 070
  軍慰安所の広がり
  慰安婦問題の浮上と加藤談話
  河野談話アジア女性基金
  人権問題としての国際的展開
  揺れる河野談話
  慰安婦問題をめぐる論争
 文献案内 

南京虐殺事件[笠原十九司] 082
  南京虐殺事件とは
  歴史事実はどのように解明されてきたか
  戦後処理としてどう裁かれたか
  南京事件をめぐる裁判訴訟とその結果
    家永教科書裁判
    名誉毀損裁判
  なぜ南京事件の記憶・認識が国民に共有されないのか
 文献案内 

教育・歴史教科書問題[王 雪萍] 092
  戦後の教科書問題の発端としての戦前の教育
  家永教科書裁判とその影響
  国際問題としての歴史教科書問題の勃発
  新たな問題と今後の対策
  FAQ
 文献案内 

領土問題と歴史問題[東郷和彦] 105
  領土問題の三つの側面
  北方領土問題
  竹島問題
  尖閣諸島問題
 文献案内 

戦争賠償[倉沢愛子] 115
  日本の非軍事化と当初の賠償方針
  冷戦の開始に伴い賠償緩和方針へ転換
  賠償請求国
  賠償交渉の開始
  賠償は先行投資
  賠償協定の締結
  何に使われたか?
  賠償の経済的効果
  その他の国々への償い
  ODAのひな型に
  償いは完了したのか?
 文献案内 

平和条約体制と戦後補償[Roh Daniel] 127
  平和条約体制
  戦後補償訴訟
  日中韓の連携
 文献案内 

在日コリアン問題[田中宏] 139
  戦後の起点
  未完の占領改革
  在日コリアンの国籍はどうなったか
  日韓条約ではなく、難民条約によって
  日韓条約ニ五年後の「覚書」
  朝鮮学校差別、「日朝平壌宣言」、ヘイトスピーチ
 文献案内 


II 加害・被害と補償 149

原爆と終戦[長谷川毅] 150
  原爆と終戦に関する論争
  ポツダム会議直前の各国のジレンマ
  ポツダム
  原爆投下、ソ連参戦と日本降伏
  国体の定義と終戦の経緯
 文献案内 

日米終戦――天皇の地位と日米関係[東郷和彦] 156
  ポツダム宣言受諾と「国体護持」
  天皇の不訴追
  「無条件降伏」言説の流布
 文献案内 

昭和天皇の戦争責任[保阪正康] 160
  曖昧な「天皇の戦争責任」という語
  「戦争」と「責任」を分けて考える
  戦争責任に対する昭和天皇の心理
 文献案内 

米国の占領政策――検閲と宣伝 [加藤哲郎] 166
  敗戦から占領へ
  CCDの検閲とCIEの宣伝
 文献案内 

強制連行・強制労働[外村大] 172
  強制連行・強制労働の事実
  戦後処理
  現在にいたる問題
  今後の取り組み
 文献案内 

細菌・化学兵器の被害・大量遺棄・処理[松村高夫] 179
  細菌兵器開発と細菌戦実施
  毒ガス研究・製造と毒ガス戦
  毒ガス兵器の大量遺棄と被害
  日本国内の毒ガス被害
 文献案内 

重慶大爆撃[前田哲男] 185
  重慶市への空爆作戦
  無差別爆撃の実態
  進む新たな調査と訴訟
 文献案内 

華僑粛清〈シンガポール、マレー戦線〉 [高嶋伸欣] 189
  軍命による計画的組織的虐殺
  決着のついていない犠牲者数と補償
 文献案内 

ロームシャ(労務者)動員[中原道子] 193
  東南アジアにおける「ロームシャ」
  マラヤ占領と「ロームシャ」
  泰緬鉄道建設とロームシャ
  その後のロームシャ
 文献案内 

英軍俘虜・抑留者[小菅信子] 199
  事実認定
  戦後処理
  現在の問題
  和解への道
 文献案内 

BC級戦犯裁判[戸谷由麻] 205
  概要
  裁判の実情
  BC級法廷における責任論
 文献案内 

サハリン残留韓国・朝鮮人問題[髙木健一] 211
  問題の核心
  一時帰国への道
  永住帰国への模索
  補償と未払金問題
 文献案内 

在外被爆者問題[市場淳子] 217
  在外被爆者とは
  在外被爆者の前史
    (1)在韓被爆者の対日補償請求闘争
    (2) 在米被爆者の対米政府活動
    (3) 棄民された在ブラジル被爆
  被爆者援護法と在外被爆者裁判
  日本政府の用いる「在外被爆者」とは
  在韓被爆者と損害賠償請求権
  在外被爆者からも除外された在朝被爆
 文献案内 

朝鮮人・台湾人元日本兵の補償――皇軍兵士にされた植民地出身者[光信一宏] 224
  援護年金・恩給における国籍差別
  差別を許容した裁判所
  特別立法の問題点
 文献案内 

日朝歴史問題[和田春樹] 228
  日本と朝鮮北部――侵略の歴史
  日韓会談の開始と日朝交渉拒否
  日朝交渉の開始
  拉致問題の極大化
 文献案内 

在外財産補償問題[浅野豊美] 233
  敗戦後、置き去りにされた在外財産
  在外財産補償要求運動よ発生
  引揚者特別交付金支給法の制定
 文献案内 

復員・引揚げ(留用・残留日本人・遺骨収集を含む) [浜井和史] 239
  軍人・軍属の復員
  一般邦人の引揚げ
  留用と残留日本人
  遺骨収容の取組み
 文献案内 

戦災被害補償問題と「受忍論」[波多野澄雄] 245

戦没者追悼・慰霊[中野聡] 248
  問題の設定
  海外日本人戦没者慰霊の戦後史
  慰霊と和解
  風化する慰霊
 文献案内 

シベリア抑留補償[富田武] 254
  抑留中の労働は有償
  戦後に捕虜所属国補償へ
  全抑協に始まる国家補償裁判
  相次ぐ敗訴から立法運動へ
  あらためて抑留補償を問う
 文献案内 


おわりに――サンフランシスコ講和体制と「歴史問題」[二〇一五年五月 波多野澄雄] [261-265]
資料一覧 [4-21]
執筆者紹介 [1-3]


  コラム
日韓・日中歴史共同研究[波多野 澄雄] 046
韓国併合無効論[吉澤文寿] 058
靖国懇」[石井 明] 069
千鳥ヶ淵戦没者墓苑[石井 明] 069
アジア女性基金[和田春樹] 080
近隣諸国条項[波多野 澄雄] 102
平和友好交流計画とアジア歴史資料センター[波多野 澄雄] 103
終戦五〇年国会決議[波多野 澄雄] 104
台湾確定債務問題[吉澤文寿] 125
インドネシア兵補補償[倉沢愛子] 125
戦後補償裁判[波多野 澄雄] 137
花岡和解[波多野 澄雄] 178
被爆者援護法[市場 淳子] 224
ハバロフスク裁判[富田 武] 223

『緊縮策という病――「危険な思想」の歴史』(Mark Blyth[著] 田村勝省[訳] NTT出版 2015//2013)

原題:Austerity: the History of a Dangerous Idea (Oxford University Press 2013)
著者:Mark Blyth(1967-)
監訳:若田部昌澄(1965-)
訳者:田村勝省(1949-)

NTT出版の紹介文】
 ギリシャは緊縮策で復活できるのか?!
 金融危機のあと、ケインズ政策が復活した。それまでの緊縮政策(財政健全化など)は、不況から脱出するためには最悪の処方箋だった。しかし緊縮の発想には長い歴史があり、何度でも復活する。
 本書は、緊縮を生み出した経済思想史から、大恐慌での失敗、現在の緊縮策まで幅広くカバーする。ギリシャ債務問題を考える上で必読の書。
http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100002357

緊縮策という病:「危険な思想」の歴史

緊縮策という病:「危険な思想」の歴史

【目次】
目次/凡例 [/]

序文 緊縮――個人的な体験 003

第1章 緊縮・債務・教訓劇の初歩 010
なぜ緊縮なのか?
本当は公的債務危機ではない
ビル・ゲイツ、債務に関する2つの真実、そしてゾンビ
それでは「あのすべての債務」は重要ではないのか?
債務とデレバレッジの分布?
本書の要約

  第I部 われわれはなぜみんな緊縮しなければならないのか?

第2章 米国:大きすぎて潰せない?――銀行家・救済・国家批判 036
発生源:レポ市場と銀行取り付け
付帯損害(コラテラルダメージ):米国スタイル
増幅器金融派生商品(デリヴァティヴ)
相関と流動性
第1の目隠し テール・リスク
タレブの黒鳥(ブラック・スワン)とファット・テール型の世界
弾を数える
第2の目隠し 金融思想の政治力
古い指示書を引き裂く
新しい指示書の問題
金融の決算:総コスト
大きすぎて潰せない?

第3章 欧州:大きすぎて救済できない――永続的緊縮の政治学 076
危機が欧州を襲う
12カ月間だけのケインジアン
ドイツ・イデオロギー
歪んだ政治
トロントへの道
欧州PIIGS諸国の公的債務の問題:ギリシャ
アイルランドとスペイン:不動産バブル問題
ポルトガルとイタリア:低成長の危機
混乱した相関関係と因果関係の混乱:緊縮が注目を浴びる瞬間
近代史上最大のおとり商法
EUとユーロ:遠すぎた橋
ドイツに遅れずについて行く
ユーロはなぜ通貨面での破滅装置になったのか
すべてのモラル・ハザード取引の生みの親
王様が小さくみえる
付帯的損害――欧州スタイル
民主主義下でも(ただし一時的になら)金本位制を運営できる
しかし、なぜそうしているかについて真相を語ることはできない
結論:ユーロの破壊とハイエクの悪夢


  第II部 緊縮策に関するもう一つの歴史 

第4章・5章・6章に対する序論――緊縮策に関する思想史と自然史 134
「他に選択肢はない」(TINA)では不十分
緊縮に欠けている歴史と征服された過去
緊縮政策の現在にかかわる異議申し立て

第4章 「危険な思想」の歴史(1692-1942年) 143
パート1 緊縮の古典的起源
ジョン・ロック:「人類は地球の不平等な所有に合意している」
ジョン・ロックが想像した市場
ジョン・ロックが想像した国家
デービッド・ヒューム:「公的信用は国家を破壊させるだろう」
デービッド・ヒュームは債務に絶望する
アダム・スミス:「債務の慣行がそれを採用したすべての国を次第に衰弱させてきている」
アダム・スミスの生産的吝嗇
スミスは(不本意ながら)国家を持ち込む…
ロック、ヒューム、スミス:デフォルトで緊縮をもたらす
パート2 緊縮の台頭
痛みの増大:緊縮と近代国家との出会い
新自由主義ネオリベラリズム
米国スタイルの緊縮:清算主義
英国色を帯びた緊縮:大蔵省見解
1930年代英米式緊縮の終焉:ケインズシュンペーター
ケインズの反緊縮論
シュンペーターの退却

第5章 危険思想の精神史(1942-2012年) 180
 パート1 緊縮は欧州に故郷を、米国に足がかりを見出す
ようこそドイツへ:まずは貯蓄、買い物はその後! 
後発であることの重要性
オルド自由主義の起源
消費ではなく競争が成長につながる
秩序(オルド)の構築
ドイツではケインズクラウディング・アウトされる
オルド自由主義の欧州
緊縮政策の米国における足場:オーストリア学派
オーストリア学派の好景気・不景気入門書
信用の逼迫と破綻に関するハイエク/ミーゼスのモデル
介入の(想定される)愚かさ
米国のオーストリア式への傾倒「オーストリア式であることの賛否両論 
 パート2 緊縮の実践者
世界的にケインズを押しやる(クラウディング・アウト):マネタリズム・公共選択・民主主義の危険性
ネオリベラリズム:リードマンのマネタリズム
ネオリベラリズム:民主主義が問題だ
中央銀行の独立性が解決策
緊縮策とネオリベラリズム:政策余地を広げる
海外で緊縮政策を性能実験する:ワシントン・コンセンサスとIMFの金融モデル
ブレトンウッズ機関の刷新
IMFの隠れた「(英国)大蔵省意見」
 パート3 緊縮の実施 
夕食を飛ばしても無料の昼食がある:拡張的緊縮はイタリアが起源
民主主義は、インフレだけでなく債務も生み出す
削減して繁栄に至る――再び
緊縮の増幅:支出や税金に関するボッコーニ学派の意見
TINAの復帰
ケインズの棺桶を釘付けにする
ようこそ緊縮へ:貯金がないなら買うな!

第6章 緊縮の自然史(1914-2012年) 241
はじめに:歴史の教訓・1980年代・REBLL同盟 
パート1:なぜわれわれは緊縮を危険思想と考えたか?
輝くものの魅力:金本位制と緊縮策
ユーロ圏にとって金本位制から2つの教訓
1920年代-30年代における緊縮策と世界経済
米国における政策としての緊縮(1921-37年)
ポンドと大蔵省見解を擁護する:英国の緊縮(1921-39年)
緊縮策を放棄する:スウェーデンの教訓(1921-38年)
政策や政党イデオロギーとしての緊縮:ドイツ(1923-33年)
真珠湾攻撃を敢行したあの素晴らしい民族』:日本の緊縮策と軍事拡張(1921-37年)
フラン――フランスではない――を防衛する:フランスの緊縮政策(1919-39年)
緊縮の危険な教訓
パート2:緊縮の新しい事例:1980年代の拡張的財政収縮がREBLL同盟に遭遇する 
拡張的緊縮策の再検討(と再修正)
1980年代の事例にみる期待・拡張・緊縮
「緊縮神話」の正体を暴く
REBLL同盟とデット・スター:緊縮というSFにおける冒険
REBLLの成長モデル
にもかかわらず別の銀行危機
REBLL同盟からの人生教訓


  第III部 結論 
第7章 銀行業の終焉、新しい物語、多難な先行き 306
結論に代わる臆測
銀行業の終焉
戻ってきた財政調整の物語:アイルランドアイスランド・緊縮の代替策
先行き多難な時期

あとがき(二〇一四年):地獄を通るなら、出口を探しなさい。(マーク・ブライス マサチューセッツ州南ボストン 二〇一四年八月) [328-366]
解説 緊縮策と「緊縮の物語」に抗して(二〇一五年八月一七日 若田部昌澄) [367-378]
注 [374-434]
人名索引 [435-438]
事項索引 [439-443]

『ナショナリズムとグローバリズム〈ワードマップ〉』(大澤真幸,塩原良和, 橋本努, 和田伸一郎 新曜社 2014)

著者:
 大澤真幸 数理社会学理論社会学
 塩原良和 社会学・社会変動論、多文化主義研究、オーストラリア社会研究
 橋本 努 経済社会学、社会哲学
 和田伸一郎 デジタル・メディア論、情報社会論、社会思想


【書誌情報】
版型:四六判 並製 336頁
定価:本体2500円+税
発売日:2014.8.8
ISBN:978-4-7885-1400-3

◆その熱狂のなかでクールに考えるために
 国境を越えて人や資本が軽々と移動するグローバル化の時代に、なぜ国民・国家にこだわるナショナリズムが、生き続けるどころか、ますます盛んになっているのでしょうか。たしかに竹島尖閣諸島などの領土問題は重要ですが、そのために憲法「解釈」を変え、集団的自衛権を使って、「戦争のできる国」にする必要などあるのでしょうか。この狂気ともいえるナショナリズムの熱狂のなかで、冷静にその意味と危険性を考えるために、本書は最適だと思います。ゲルナー、アンダーソンなどの著名な理論から始まって「日本のナショナリズム」「戦争・軍隊」「マクドナルド化」「移民」「核」「グローバルシティ」「ソーシャルメディア」などの魅力的なキーワードで、グローバル化のなかで変質するナショナリズムの「現在」を、四人の著者が多面的に解読します。


【目次】
まえがき [003-005]
目次 [007-011]


I部 歴史としてのナショナリズム

ネイション/ナショナリズム  定義不可能なるもの 014
  定義の不可能性
  特殊主義と普遍主義
  ネイションとナショナリズムの起源


民族/エトニー  ネイションの起源? 027
  民族
  ネイションの断絶
  エトニーのナショナルな起源
  ナショナリズムの宿痾としての民族問題


主権  権力の起源? 041
  暴力を正当化する方法
  許される殺人
  構成する権力


■コラム ネイションとステイト〔橋本〕 [048-049]


想像の共同体/無名戦士の墓/出版資本主義  ネイションは想像された共同体 050
  想像の共同体
  無名戦士の墓
  出版資本主義


資本主義  その国家との関係 060
  商業資本主義と自由資本主義
  独占資本主義
  国家の役割を最優先する二つの資本主義
  新自由主義


国語  ネイションはなぜ言語に執着するのか 069
  ナショナリズムの中核要素としての国語
  真理語と音声口語の間に
  国語化の原因は?
  日本語としての「国語」


小説・新聞  小説・新聞がネイションをつくった? 079
  小説
  新聞
  もう一つの側面


エスノ・ナショナリズム  民族とナショナリズム 089
  民族共同体からの発展
  共通の文化的価値
  エスノの過剰がもたらす悲劇


ファシズム  民主主義のなかから生まれた 096
  ファシズムとは何か
  ファシズムの諸特徴
  「人種」


テロリズム  理解不能な他者か 103
  テロリストと「名指す」こと
  他者の悪魔化と「戦時社会」
  同質性嫌悪と説明嫌悪
  自己に跳ね返ってくる他者への暴力


学校とネイション  学校教育がもたらしたもの 111
  「立身出世」と「平等社会」幻想
  学校教育と公用語
  学校という巡礼


■コラム 地図・博物館〔塩原〕 [116-117]


ゲルナー近代主義者たち  ネイションはどのように想像されるか 118
  なぜ、人はネイションのために死ぬのか?
  事実誤認としてのネイション


日本のナショナリズム  日本人はいつ「国民」になったのか 124
  国民の条件
  国民以前の「日本」
  日本人が「国民」になったとき
  日本ナショナリズムの変容


■コラム 遠隔地ナショナリズム〔橋本〕 [134]



II部 政治思想としてのナショナリズム 

民主主義  運動としての民主主義 136
  近代民主主義の誕生
  代議制の問題点
  民主主義の四つの要素


社会主義  なぜ不可能なのか 143
  究極の理想
  どこまで実現すべきか
  なぜ不可能なのか


マルクス主義コミュニズム  マルクスがめざしたもの 150
  「運動」としての共産主義
  「最初の一歩」としての共産主義
  「最終段階」としての共産主義


左翼/右翼  サヨク/ウヨクって何? 157
  戦後の状況
  日本における状況
  「思想」としての左翼


革命  民衆による小文字の革命 165
  二十世紀における「革命」
  新自由主義以降の革命のあり方の変化
  新自由主義国家の下での新たな革命の形
  反グローバリゼーションの闘士たち


戦争・軍隊  「新しい戦争」とは 174
  国家の上にある管理困難な軍事領域
  国家の下にある管理困難な軍事領域
  新自由主義経済と戦争との関係


ヘゲモニー(覇権)  主導権をいかに確保するか 182
  G8サミットを通したアメリカの世界戦略
  国内統治の具体的プロセス
  今後の国際秩序は?


コミュニタリアニズム  共同体を愛する思想 188
  三つの特徴
  国家型コミュニタリアニズム
  地域型コミュニタリアニズム


シヴィックナショナリズム  市民とナショナリズム 194
  四つの特徴
  多文化主義の困難


新自由主義新保守主義  「大きな政府」から「小さな政府」へ 199
  「大きな政府」から「小さな政府」へ
  新自由主義理論と現実とのズレ
  自由主義新自由主義との違い
  新自由主義新保守主義との構造的相互補完性



III部 グローバリズム

近代世界システム  グローバリゼーションの始まり? 210
  近代世界システム
  中核/周辺、そして半周辺
  覇権


グローバリゼーション  グローバル化の行く末 217
  標準化する世界と断片化するリアリティ
  移動するパワーと「庭」
  不安と怨念の「荒野」
  吹き溜まり/ゴミ捨て場

植民地  植民地化がもたらしたもの 224
  異なる事情
  世界の分割
  戦勝国の責任
  周辺の開発


帝国主義  帝国主義とは何か 231
  レーニン帝国主義
  幸徳秋水帝国主義
  解決策としての科学的社会主義


帝国  皇帝のいない帝国 239
  皇帝なしの帝国
  至高と膨張
  フロンティアの消滅


■コラム EU欧州連合)の礎としての「ヨーロッパ合衆国」〔橋本〕 [246]


シティズンシップ  「市民」とは何か 247
  何を?
  誰の?
  どのように?
  誰が?


マルチカルチュラリズム(多文化主義  他者との対話と協働の論理へ 253
  マイノリティの異議申し立てと公定多文化主義
  差異の管理と「寛容」
  ネオリベラル・マルチカルチュラリズムと「選別/排除」
  変革するマルチカルチュラリズムへ


■コラム マクドナルド化〔塩原〕 [260]


エスニシティと白人性  エスニック・マイノリティとは? 261
  オリエンタリズムパターナリズム
  マジョリティ性・白人性・日本人性
  対話と協働のための理解


移住者と出入国管理  国境を越えるとは? 266
  定住者と移住者
  移住経験の分断
  リベラル・パラドックスと「悪魔化」
  国境と国内の区別?


マイノリティとポジショナリティ  アイデンティティ・ポリティクス 272
  文化本質主義と「内なる差異」
  マイノリティという位置
  アイデンティティ・ポリティクスと自作自演としての排除


反グローバリズムNGO  もう一つの世界は可能だ! 275
  グローバリゼーションの三つの層
  オルター・グローバリゼーション、「もう一つの世界は可能だ!」
  世界社会フォーラム


核/平和運動  核のない世界は夢か 288
  冷戦期の核軍拡競争
  被爆国としての日本の反核運動
  日本の反核運動が抱えたいくつかのねじれ
  反核運動の三つの次元


コスモポリタニズム  世界市民主義は空想か 296
  世界市民と世界政府?
  コスモポリタンな現実
  エリートの占有物?
  コスモポリタンな対話と討議に向けて


■コラム 国連・国際機関とグローバルな市民社会〔塩原〕 [301]


グローバル・シティ  グローバル化を超えて 302
  サッセンの「グローバル・シティ」
  日本の場合
  日本における自由化の難しさ
  グローバル・シティが抱える矛盾


ソーシャルメディア  マスメディアからソーシャルメディアへ 309
  ソーシャルメディアを普及可能にした空白
  エジプトで果たした役割
  マスメディアからソーシャルメディア
  認知労働としてのネット投稿
  大震災を越えて


あとがき――ナショナリズムの現在 [320-329]
さらに学ぶ人のためのブックガイド [xii-xvi]
事項索引 [iii-xi]
人名索引 [i-ii]

『英語教育幻想』(久保田竜子 ちくま新書 2018)

著者:久保田 竜子[くぼた りゅうこ]

 

英語教育幻想 (ちくま新書)

英語教育幻想 (ちくま新書)

 

 
版元〈https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480071569/


【簡易目次】
幻想1 アメリカ・イギリス英語こそが正統な英語である 013
幻想2 ことばはネイティブスピーカーから学ぶのが一番だ 035
幻想3 英語のネイティブスピーカーは白人だ 053
幻想4 英語を学ぶことは欧米の社会や文化を知ることにつながる 077
幻想5 それぞれの国の文化や言語には独特さがある 099
幻想6 英語ができれば世界中だれとでも意思疎通できる 123
幻想7 英語力は社会的・経済的成功をもたらす 149
幻想8 英語学習は幼少期からできるだけ早く始めた方がよい 177
幻想9 英語は英語で学んだ方がよい 199
幻想10 英語を学習する目的は英語が使えるようになることだ 213

 


【目次】
目次 [003-005]
はじめに [007-011]

 

幻想1 アメリカ・イギリス英語こそが正統な英語である 013
  英語学習のお手本を考える
  話しことばと書きことばの基準
  受信モードと発信モード
  世界英語 world Englishes
  世界英語と書きことば
  世界英語から英語教育を再考する
  世界英語の問題点
  共通語としての英語
  英語教育導入への壁

 

幻想2 ことばはネイティブスピーカーから学ぶのが一番だ 035
  ネイティブスピーカーは「生きた英語」を話す?
  JETプログラムや民間英語学校では
  ネイティブスピーカーとは? 日本語の場合
  ネイティブ性の定義 理論言語学の立場
  社会言語学から見たネイティブ性
  「ネイティブスピーカー誤信」と言語差別
  英語ノンネイティブスピーカー教師が持つ長所
  ノンネイティブスピーカー運動の落とし穴
  書きことばとノンネイティブスピーカー性

 

幻想3 英語のネイティブスピーカーは白人だ 053
  英会話の世界は人種差別
  人種は生物学的概念ではない
  社会的に構築された人種
  人種・民族・文化
  人種と言語 金髪碧眼の少女サラ
  教科書の中の「ネイティブ=白人」
  ディズニー映画におけるキャラクター言語と人種偏見
  逆言語ステレオタイプ
  人種差別
  クリティカルな反レイシズム教育に向けて

 

幻想4 英語を学ぶことは欧米の社会や文化を知ることにつながる 077
  中心円の国にかたよる語学留学
  平和・民主主義を象徴する国家語としての英語 敗戦直後の状況
  世界を象徴する英語 現在の状況
  日米同盟深化のための若手英語教員研修
  日米貿易摩擦解消策としてのJETプログラム
  背景にある「教育の国際化」言説
  日米同盟
  属国日本が進める英語教育
  英語でニッポンを発信する
  日本人としての自覚

 

幻想5 それぞれの国の文化や言語には独特さがある 099
  英語は論理的で日本語はあいまい?
  日本語の独特さ
  日本人論
  日本人論への批判
  学習態度の日米比較
  日本文化の多様性と流動性
  イデオロギーとしての文化
  英語文化圏の思考パターンは直線的論理か
  比較修辞学と本質主義
  ポストモダニズムから見た文化
  英語帝国主義批判と日本文化の美化
  4Dアプローチ

 

幻想6 英語ができれば世界中だれとでも意思疎通できる 123
  世界の英語人口はどれくらい?
  英語は誰が使うのか
  海外駐在員の言語選択
  言語選択を左右する要因
  中国の場合
  タイの場合
  韓国の場合
  海外の日本語教育事情も関係している
  ELFとしての英語
  現地語の有用性

 

幻想7 英語力は社会的・経済的成功をもたらす 149
  語学と経済的成功との関係
  語学と人的資本――新自由主義
  新自由主義と英語教育――財界とのつながり
  英語テスト業界があおる英語ブーム
  英語(言語)はツールである
  正確さや流暢さよりコミュニケーション能力
  コミュニケーションの態度
  仕事に必要な能力・資質
  グローバルコミュニケーション力は語学力?
  「グローバル人材英語教育施策」と「企業からの要望」とのギャップ
  海外駐在社員の体験をもとに提言できるのか

 

幻想8 英語学習は幼少期からできるだけ早く始めた方がよい 177
  小学校への英語学習導入
  賛成・反対意見
  付加(第二)言語学習と外国語学習の違い
  年齢と言語習得の関係
  付加言語習得と年齢
  外国語習得と年齢
  習熟度は他の要素に影響される
  母語習得にマイナスの影響がある?
  心的要因などの個人差もある
  母語処理能力と外国語習得
  小学校での外国語教育には意義がないのか

 

幻想9 英語は英語で学んだ方がよい 199
  授業は英語で
  移民の子どもは英語漬けにするべきか
  外国語環境では英語オンリーにするべきか
  トランスランゲージング
  モノリンガル・アプローチは必ずしも害ではない
  思慮分別ある判断で

 

幻想10 英語を学習する目的は英語が使えるようになることだ 213
  学校で英語を学ぶ目的
  学校や大学以外で学ぶ英語学習者
  英会話の研究
  楽しみのための英会話
  ボケ防止
  社交と趣味としての英会話
  余暇活動としての英会話
  趣味としての英会話学習の特徴
  恋愛的あこがれ
  逃避
  趣味としての英会話学習の意義
  消費としての学び
  学校・大学での学習とは無関係か

 

 

あとがき [237-238]
主要参考・引用文献 [239-247]