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『政府は巨大化する――小さな政府の終焉』(Marc Robinson[著] 月谷真紀[訳] 日経BP 2022//2020)

原題:Bigger Government: The Future of Government Expenditure in Advanced Economies (Arolla Press, 2020)
著者:Marc L. Robinson(1953-) 財政学。財政コンサルタント
訳者:月谷 真紀[つきたに・まき](1967-) 英日翻訳。
装幀:野網デザイン事務所
件名:財政
NDLC:DG8 経済・産業 >> 財政 >> 財政史・事情
NDC:342 財政 >> 財政史・事情


日経BOOKプラス


【目次】
目次 [003-008]
図一覧 [009-010]
BOX一覧 [011-012]
日本語版序文 [013-020]


序章 021


第1章 政府支出は多すぎるのか、少なすぎるのか 027
拡大期 
縮小期 
第三期――「二つの危機のはざま」 
政府支出の国ごとの違い 
予算への重圧 

補遺1・1 「二つの危機のはざま」期の政府支出の対GDP比(%)(2007~2018年) 046


第2章 なぜ医療支出がこれほど急増したのか 047
慢性疾患 
医薬品価格の上昇と医療支出 
  医薬品の複雑さと価格上昇
  規模の問題
  高い価格の影響
治療コストを下げるイノベーション 
  なぜボーモル[William J. Baumol (1922-2017)]は間違っていたか
  コスト病は何らかの寄与をしたのか?
「コスト病」説 
新技術と医療支出 
人口の高齢化と医療費の増加 

補遺2・1 心血管疾患(CVD)による死亡率減少に医学の進歩が果たした役割 093
補遺2・2 ボーモル効果は現在効いているのか 094
補遺2・3 医療は上級財か 096
補遺2・4 長寿化と医療支出 098
  死亡時点への近接性効果
  有病状態の圧縮


第3章 医療支出の未来 103
生物科学の進歩と拡大する医療の力 
  精密医療
  カスタマイズド医療
高齢化と医療支出 
感染症の課題 
デジタル技術は救世主となるか 
  新技術と医療の生産性
  症例単位コストは一律に下がるか
  その他の節減の可能性
支出増は減速するか 
将来の医療支出を政府はどれだけ負担すべきか 
政府の医療支出の未来 


第4章 高齢化の影響 147
高齢化の未来 
介護 
  介護とコスト病
  人口高齢化の影響
老齢年金 
教育 


第5章 地球温暖化への断固たる行動――そのコストは? 165
支出への対応 
気候投資――政府支出の役割 
  政府の業務とサービスにかかるコスト
  民間部門の気候投資への補助金は?
その他の気候関連の政府支出 
政府予算と地球温暖化 
気候変動政策への支出 
カップリングと経済成長の未来 

補遺5・1 気候投資 187
  温室効果ガス排出量削減投資の必要額
  適応投資の必要額
  

第6章 インフラ不足 191
  インフラと政府支出圧力
輸送インフラ不足 
政府の追加投資はいくら必要か 
その一方で…… 
公共部門は全体的に投資不足か 
具体的な金額は? 


第7章 ニューエコノミーの所得補助 211
将来の貧困に関する問題 
最近の歴史からの教訓 
  貧困に何が起きたか
  失業と労働市場からの排除
  就労貧困
  不完全就業、「不安定雇用」、貧困
  悲惨な未来の予測は間違っている
  情報通信技術によって雇用と賃金が破壊されなかったのはなぜか
  グローバリゼーションの影響
将来、大規模な技術的失業は起きるか 
  人工知能の影響
  楽観シナリオ
  誰が正しいのか
ワーキングプアが増える? 
フリーランスと雇用不安 
所得補助支出は将来どうなるか
  ベーシックインカムは答えになるか

補遺7・1 賃金停滞、デカップリング、貧困 257
補遺7・2 非正規労働と雇用不安 258
  一時雇用
  自営業
  呼出契約
  派遣労働
  集計指標のトレンド
補遺7・3 高技能雇用は風前の灯か 264


第8章 借り入れと通貨増発? 267
政府支出と新型コロナ禍による経済危機 
実物資源の視点 
財政赤字のマネタリーファイナンス 
負債による資金調達と実物資源制約 
財政の持続可能性と負債 
長期停滞と長期の財政赤字 

補遺8・1 プライマリーバランス 287
補遺8・2 長期停滞 288
補遺8・3 現代貨幣理論と国民のための量的緩和 291
  現代貨幣理論
  国民のための量的緩和


第9章 無駄を削減する 297
効率化による節減の余地 
潜在的な効率化による節減の規模 
新技術で節減は実現できるか 
結論 


第10章 政府は巨大化する 315
増分相当の支出削減を行う余地はあるか 
アメリカ 
  アメリカで福祉は削減できるか
  アメリカの軍事支出は削減できるか
増税は? 
税の高い福祉国家 
持続不可能な財政赤字の時代に突入するのか 

補遺10・1 アメリカの就労要件拡大による支出削減 334
補遺10・2 企業と富裕層への増税による歳入増の可能性 337
  資産税
  歳入の最大化か格差との戦いか
  企業への増税


謝辞 [345]
統計補遺 347
  第1章の統計補遺 347
  第4章の統計補遺 350
  第6章の統計補遺 356
  第10章の統計補遺 364
原注 [365-408]
参考文献 [i-xxix]




図一覧
図1 総医療支出の対GDP比(2019年) 
図2 総医療支出の対GDP比の増加(1970~2019年) 
図3 慢性疾患の有病率の増加:日本と高所得国の比較(1990~2019年) 
図1・1 1人当たり政府債務総残高:選択された先進国(2018年) 
図1・2 世界金融危機前と後の政府支出の対GDP比[A] 
図1・3 世界金融危機前と後の政府支出の対GDP比[B] 
図1・4 政府支出の対GDP比(2017年) 
図1・5 政府の医療支出の変遷(1995~2018年) 
図1・6 政府の老齢年金支出の変遷(1995~2015年) 
図1・7 医療および社会保障以外の総政府支出の変遷(1995~2015年) 
図1・8 「社会保障」支出の対GDP比(1995年と2018年の比較) 
図2・1 総医療支出の対GDP比:選択した高所得国 
図4・1 人口高齢化:高所得国(1950年、1985年、2020年) 
図4・2 老齢年金支出の変化(1980~2015年) 
図4・3 人口高齢化:高所得国 
図4・4 政府の年金支出予測:選択したヨーロッパ諸国 
図4・5 政府の年金支出予測:選択したEU非加盟先進国 
図8・1 世界金融危機による政府債務の増加(2007~2012年) 
図9・1 職員報酬と財およびサービスへの政府支出(2017年) 
図10・1 国防費の対GDP比:選択した先進国(1998年と2018年の比較) 
図10・2 教育支出の変遷:選択した先進国(1995~2018年) 
図10・3 歳入の対GDP比:アメリカと他の先進諸国との比較(2017年)〈統計補遺〉 
図S1・1 利払い費を除く政府支出の対GDP比:選択した先進国――10年間平均[A] 
図S1・2 利払い費を除く政府支出の対GDP比:選択した先進国――10年間平均[B] 
図S1・3 利払い費を除く政府支出の対GDP比:アメリカ(1950~2007年) 
図S1・4 利払い費を除く政府支出の対GDP比:アメリカ(2007~2019年) 
図S1・5 社会保障支出の変遷(1995~2018年) 
図S4・1 65歳以上の人口比率(1950年、1985年、2020年) 
図S4・2 80歳以上の人口比率(1950年、1985年、2020年) 
図S4・3 人口高齢化予測:アメリカ 
図S4・4 人口高齢化予測:日本 
図S4・5 人口高齢化予測:フランス 
図S4・6 人口高齢化予測:ドイツ 
図S4・7 介護支出(2017年) 
図S4・8 政府の介護支出の増加予測(2060年までの50年間) 
図S4・9 政府の介護支出の増加予測(2020~2050年) 
図S6・1 内陸輸送投資(全財源)の対GDP比 
図S6・2 道路投資(全財源)の対GDP比 
図S6・3 鉄道投資(全財源)の対GDP比 
図S6・4 輸送および水インフラ投資の対GDP比:アメリカ 
図S6・5 政府の資本支出の変遷(1995~2018年) 
図S6・6 政府の資本支出(2018年と世界金融危機前の比較) 
図S6・7 政府の資本支出:オーストラリア 
図S6・8 政府の非防衛投資:アメリカ 
図S6・9 政府の資本支出:韓国 
図S6・10 政府投資(2017年) 
図S6・11 政府の非防衛投資(2017年) 
図S10・1 環境保護支出の対GDP比(1995年と2018年の比較) 
図S10・2 治安支出の対GDP比(1995年と2018年の比較) 



BOX一覧
BOX 2・1 国の医療制度設計の違いによる影響 
BOX 2・2 新型コロナウイルスの世界的流行 
BOX 2・3 年齢調整指標 
BOX 2・4 慢性疾患患者の余命の延びと治療期間の長期化 
BOX 2・5 年齢調整した慢性疾患の発生率と有病率の比較トレンド 
BOX 2・6 寿命 
BOX 2・7 バイオ医薬品 
BOX 2・8 生産性の伸び 
BOX 2・9 コスト病説のロジック 
BOX 2・10 医療部門の生産性測定 
BOX 2・11 医療部門の低生産性の計量経済学エビデンス? 
BOX 2・12 市場の不完全性と医療サービスの過剰利用 
BOX 3・1 遺伝子編集 
BOX 3・2 再生医療 
BOX 3・3 デジタル一次トリアージシステム 
BOX 3・4 医療従事者の報酬圧迫は医療支出を頭打ちにできるか 
BOX 3・5 Do-It-Yourself〔自分でできる〕医療 
BOX 3・6 ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ 
BOX 3・7 逆選択医療保険 
BOX 3・8 歳出限度額を設けるべきか 
BOX 3・9 医療支出の長期予測 
BOX 4・1 介護 
BOX 4・2 イギリスの介護危機 
BOX 5・1 公企業と気候投資 
BOX 5・2 炭素税 
BOX 5・3 規制の役割とは? 
BOX 5・4 ドイツの適応支援 
BOX 6・1 ブロードバンドへの政府の出資 
BOX 6・2 道路の有料化と将来の税を財源とする道路投資の要件 
BOX 6・3 例外の韓国 
BOX 7・1 絶対的貧困相対的貧困 
BOX 7・2 潜在的相対的貧困のトレンド 
BOX 7・3 不完全就業 
BOX 7・4 完全就業と就労貧困のトレンド 
BOX 7・5 アメリカにおける所得の不安定性 
BOX 7・6 一時雇用と二重労働市場の若者 
BOX 7・7 ドイツの貧困と非正規雇用 
BOX 7・8 ICT主導の自動化が雇用に及ぼす影響の推定 
BOX 7・9 雇用とオンライン・デジタル経済 
BOX 8・1 債務の雪だるま現象 
BOX 8・2 溶ける雪だるま 
BOX 8・3 債務の対GDP比が継続的に増えても限度を超えないのはなぜか 
BOX 10・1 税のかわりに強制保険? 



【抜き書き】
・「補遺8・3 現代貨幣理論と国民のための量的緩和」から、従来の量的緩和とPQEとを比較している部分。下線は引用者による。

 もう一つの立場は、いわゆる「国民のための量的緩和」(PQE:People's Quantitative Easing)を使えば巨額の持続的な政府支出増の財源にできる、というものだ(Coppola, 2019)。PQEは多くの先進国の左派の間で人気を博してきた。イギリスでは労働党の前党首、ジェレミー・コービンが提案している。イギリスやフランスなどの国々の環境派政治家たちは、この一種である「グリーン量的緩和」を提唱してきた[原注:緑の党の共同党首キャロライン・ルーカス議員のレター "Britain Needs Its Own Green New Deal" Financial Times. 8 June 2019 を参照のこと。 フランスの提唱者にはジャン・ジュゼルとピエール・ラルトゥルー (Gollier, 2019: 93-6 参照)、有力な環境保護活動家(およびマクロン政権の元環境相)のニコラ・ユロ(Fondation Hulot, 2011)などがいる]。
 量的緩和(従来型の量的緩和)とは、特に世界金融危機以降、多くの先進国の中央銀行が公開市場で金融資産を大量に買い入れてきたプロセスをいう。具体的には、国民が保有する長期政府債、民間部門の債券(例えば不動産担保証券)や(日本の場合は)株式の買い入れだ。中央銀行はこれらの購入資金を通貨増発によって賄うため、資産の買い入れを通じて経済に資金を注入することになる。
 このような資産購入やその財源となる通貨増発の額は莫大だった。アメリカでは、2008年から2014年までの量的緩和プログラムで連邦準備制度が約4兆5000億ドルの資産を購入している。ヨーロッパでは、欧州中央銀行が1兆ユーロ以上費やした。量的緩和の先駆けとなった日本の資産購入額はアメリカとヨーロッパの合計額をはるかに上回る。2018年までに日銀の保有資産の総額は日本のGDPを超えていた(それに対してアメリカは約20%、EUは約40%)[出典:Takeo,Yuko,"Bank of Japan's Hoard of Assets Is Now Bigger Than the Economy", Bloombarg, 13 November 2018.]。 
 一方、PQEとは中央銀行が通貨を増発して政府支出の財源としたり、国民に直接給付したりすべきだという考え方だ。PQEの典型的な筋書は次のようになる。量的緩和の実施にあたって、中央銀行は大量の通貨を増発し、使ったが、インフレを引き起こさなかった。同じような通貨増発のプロセスを使って、政府の資金源にすればよい[原注:PQEのよくあるバリエーションに、中央銀行の通貨増発を米国インフラ銀行が発行する債券の購入に使って同銀の財源にせよと提案するものがある。 この方法と政府の直接的な資金調達に大きな違いはない]。それによって可能となる追加的な政府支出に、量的緩和を上回るインフレ効果はないだろう。しかも、金融刺激策を民間の金融市場ではなく政府を通じて行ったほうが社会に有益であり、経済を刺激する効果も高いはずだ。金融市場を利する量的緩和ではなく、国民のための量的緩和となるだろう。少なくともPQEの理屈ではそうなる。
 このロジックと、「国民のための量的緩和」という言葉そのものの問題は、(本物の)量的緩和と政府支出の財源として通貨増発を利用することを同列に扱い、完全に誤解を招いている点だ。実際にはこの二つはまったくの別物である。量的緩和は民間部門(家計と企業)にお金を与えて使わせることではない。話は逆で、民間部門は金融資産を売却する対価として、中央銀行が増発したお金を受け取るのだ。量的緩和は民間支出を刺激することを目的としてきたが、だからといって家計や企業にお金を与えることによってその目的を達成するわけではない。これは、増大した政府支出の財源にするという明確な目的で通貨を増発して政府に与えることとはまったく異なる。後者の説明として「量的緩和」というまぎらわしい言葉を用いると、財政赤字の財源にする通貨増発の規模は近年行われてきた量的緩和措置の規模と同等にできるしすべきだ、という完全に誤った考えを助長してしまう。
 すでに述べたように、経済不況の(なおかつ金融政策の効果があまりない)ときに追加支出の財源として通貨増発を使うべきだという考えを、今日多くの経済学者が持っている。しかしこのことと、量的緩和の原則を政府の資金調達に適用する考え方は一致しない。
 量的緩和が実際どれだけ民間支出を刺激することに成功しているかについてはいろいろな議論がある。多くの経済学者がその効用には懐疑的で、もっぱら新たな金融バブルを煽るばかりだったのではないかと危惧している。中央銀行が財源を提供する財政出動のほうが従来型の量的緩和よりも望ましかったのではないか、と考える向きも多い[原注:例えば、著名な貨幣理論家のヴィクトリア・チック[引用者注:Victoria Chick(1936-2023)]を筆頭とした経済学者グループが2015年3月27日付『フィナンシャル・タイムズ』紙へのレターで述べたように。彼らは多くの経済学者と同じく、政府による巨額の景気刺激策の財源を通貨増発で賄う選択肢に加え、中央銀行が通貨を増発して家計に直接給付し民間支出を刺激すること(いわゆる「ヘリコプターマネー」案)も可能だろうと指摘した。繰り返すが、ヘリコプターマネーを量的緩和の一種とみなすことはできない]。
 最も根本的な論点は、中央銀行が近年とってきた量的緩和措置の規模に関係なく、通貨増発を財源とした追加的な政府支出を行う余地は経済の余剰能力の度合いによって制約される、という事実は変わらないことだ。だから、コッポラ(F. Coppola, The Case for People's Quantitative Easing. Polity Press, 2019)らのように、PQEを気候変動や(到来するとされる)技術的失業といった巨額の長期的な政府支出圧力すべての解決策になると考えるのは、まったく非現実的である。

『あの会社はなぜ、経済学を使うのか?――先進企業5社の事例でわかる「ビジネスの確実性と再現性を上げる」方法』(今井誠 日経BP 2024)

著者:今井 誠[いまい・まこと]
件名:経済学
件名:経営学
NDC:331 経済学.経済思想
NDLC:DA1


あの会社はなぜ、経済学を使うのか? 先進企業5社の事例でわかる 「ビジネスの確実性と再現性を上げる」方法 | 日経BOOKプラス


【目次】
第1章 なぜ今、世界最先端・高成長企業は経済学者を雇うのか?
第2章 事例と理論で学ぶ ビジネス×経済学
第3章 経済学を自社のビジネスに生かす方法
第4章 ビジネスで使える経済学の学び方
おわりに 今、日本に必要な「つなぐ」人材
巻末付録 ビジネスに経済学を活用したい人のためのブックリスト

『使える!経済学――データ駆動社会で始まった大変革』(日本経済研究センター[編] 日本経済新聞出版 2022)

編者:公益社団法人 日本経済研究センター(1963-)
著者:坂井 豊貴
著者:渡辺 安虎
著者:成田 悠輔
著者:仲田 泰祐
著者:野田 俊也
著者:上武 康亮
著者:小島 武仁
著者:井深 陽子
著者:田原 健吾
装丁:野網 雄太[のあみ・ゆうた](1988-) グラフィックデザイン
NDLC:DA1
件名:経済学
NDC:331 経済学.経済思想


https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/22/05/18/00173/


【目次】
はじめに [003-008]
目次 [009-014]


第1章 急伸する経済学のビジネス活用──オークション理論から行動経済学まで[坂井豊貴]
経済学のビジネス応用が広がっている 017
ノーベル経済学賞で受賞が相次ぐ「オークション理論」 019
コンサルティング」と「エデュケーション」 020
ミクロ経済学計量経済学、公共経済学の知見をビジネスで活かす 024
何が、経済学のビジネス活用を加速させたのか 028
コモディティ化しないものこそ価値がある 029

Q&A 031
インタビュー 035
Point◆覚えておこう 041


第2章 ビジネス課題を経済学で解決する──社会実装が広がるミクロ経済学[渡辺安虎] 
進化するミクロ経済学 045
東大のコンサル会社、企業や政策に役立つ「技術」を社会実装 050
事例1 新商品のプライシングに需要推定と機械学習を活用する 054
事例2 機械学習を用いて財務審査を効率化する 058
事例3 オークションの制度を改善する 060
事例4 データプロダクトの開発 063
Q&A 067
インタビュー 070
Point◆覚えておこう 077


第3章 DX2.0──「デジタルX」から「データX」へ[成田悠輔] 
日本にDXは10年早い──20世紀型レガシーの根絶を 081
仏教に学ぶ未来へのヒント──DXを人間の「八識」で捉えなおす 083
国家がDXされるとどうなるか 087
データ生成と意思決定の循環 089
22世紀のDX実現へ──データのデザインと集約が急務 092
Q&A 095
Point◆覚えておこう 099


第4章 経済分析を感染症対策と経済活動の両立に生かす──COVID-19 AIシミュレーションプロジェクトが示すもの[仲田泰祐] 
感染症対策と社会・経済活動、両立を模索 103
経済活動を疫学モデルに組み入れるとどうなるか 104
シナリオ別に今後5年間の長期見通しを立ててみる 107
求められるのは医療体制の強化という結果に 112
公衆衛生から社会全体の危機の議論を 116
Q&A 118
インタビュー 120
Point◆覚えておこう 126


第5章 マーケットデザインで考えるスマートコントラクトの未来[野田俊也] 
なぜいま、マーケットデザインが注目されるのか 129
スマートコントラクトで何ができるのか 131
スマートコントラクトの問題点 136
急速に広がる分散型金融 139
市場の健全性を高める「コード監査」 143
Q&A 146
インタビュー 146
Point◆覚えておこう 155


第6章 経済学をマーケティングに活かす──慣習に基づく意思決定からの脱却を目指して[上武康亮] 
進化するマーケティング・サイエンス 159
データ分析で慣習や経験の因果効果を明らかに 161
ランダム化比較実験から自然実験アプローチへ 166
構造推定アプローチで反実仮想分析も 171
これからのデータドリブン企業に必要なこと 174
Q&A 179
インタビュー 182
Point◆覚えておこう 180


第7章 マーケットデザインが組織を変える──マッチングアルゴリズムで最適な人材配置を[小島武仁] 
「市場」なきところに「市場を創る」 193
研修医、保育園、ワクチン配布で活用されるマーケットデザイン 194
マーケットデザインに基づく人材配置の利点 197
アルゴリズムのひな形「G-Sアルゴリズム」 199
受け入れ保留方式、嘘による抜け駆け防ぐ 201
G-Sアルゴリズムの実用例──グーグルと日本企業の場合 207
Q&A 212
インタビュー 214
Point◆覚えておこう 221


第8章 景気変動と健康──経済学とデータサイエンスの観点から[井深陽子]  
経済と健康の因果関係を解く難しさ 225
景気悪化が健康改善につながる可能性も 228
大規模で網羅的なデータの重要性 231
経済と健康の関係、日本の場合 235
Q&A 239
インタビュー 241
Point◆覚えておこう 248


おわりに(田原健吾) [249-259]
  デジタル化で実証分析の価値高まる
  マーケットデザインも実装広がる
  経営層の理解が不可欠
  政策にもデータによる検証サイクルを





【図表一覧】
図表1-1  022
図表1-2  023
図表1-3  025
図表1-4  026
図表1-5  029

図表2-1  046
図表2-2  048
図表2-3  051
図表2-4  052
図表2-5  056
図表2-6  057
図表2-7  064

図表3-1  082
図表3-2  088
図表3-3  090
図表3-4  091
図表3-5  094

図表4-1  106
図表4-2  108
図表4-3  110
図表4-4  115

図表5-1  132
図表5-2  134
図表5-3  136
図表5-4  140
図表5-5  141
図表5-6  141
図表5-7  142

図表6-1  162
図表6-2  164
図表6-3  168
図表6-4  169
図表6-5  172
図表6-6  176

図表7-1  196
図表7-2  203
図表7-3  204
図表7-4  205
図表7-5  206
図表7-6  210

図表8-1  226
図表8-2  230
図表8-3  233
図表8-4  236
図表8-5  236
図表8-6  238

『そのビジネス課題、最新の経済学で「すでに解決」しています。――仕事の「直感」「場当たり的」「劣化コピー」「根性論」を終わらせる』(今井誠,坂井豊貴[編著] 日経BP 2022)

編者:今井 誠[いまい・まこと]
編者:坂井 豊貴[さかい とよたか]
著者:上野 雄史[うえの たけふみ]
著者:星野 崇宏[ほしの・たかひろ]
著者:安田 洋祐[やすだ・ようすけ]
著者:山口 真一[やまぐち・しんいち]
デザイン:大場 君人[おおば・きみと] グラフィックデザイン
装画:川原瑞丸[かわはら・みずまる](1991-) 
NDLC:DA1
件名:経済学
NDC:331 経済学.経済思想
備考:株式会社エコノミクスデザインのメンバーによる。


そのビジネス課題、最新の経済学で「すでに解決」しています。 仕事の「直感」「場当たり的」「劣化コピー」「根性論」を終わらせる | 日経BOOKプラス


【目次】
まえがき 眠れる学知を貪欲に使う[今井誠](2022年3月) [003-005]
目次 [006-014]


●パート1 なぜ経済学が、今、「働く人」に必須なのか? 「直感」「場当たり的」「劣化コピー」「根性論」による、不毛な戦いを終わらせよう 015


1章 ビジネスパーソンの「武器」としての経済学[安田洋祐]
経済学は、本当はもっと、ビジネス・実生活で役立つ学問です 018
  なぜ経済学は「役に立たない」と誤解されているのか?
  ビジネス実装に向け「エンジニアリング化」する経済学
  ビジネスパートナーとしての経済学者にできること

武器としての経済学①マーケットデザイン 027
  「マッチング・マーケットデザイン」
  「オークション・マーケットデザイン」
  サイエンスとしての「ゲーム理論

武器としての経済学②需要分析 038
  ビジネスの永久課題「付加価値を上げる? コストを下げる?」
  利益を増やすもうひとつの方法──「その価格、本当に正しいですか?」

経済学は、お金儲け「にも」役立つ学問 046

まとめ 


2章 オンライン上に新しい市場をつくる[坂井豊貴]
オンライン市場は人工物――「自然任せ」では成り立たない 052
  売り手よし、買い手よしのオークション市場をつくる 設計実務での注意
  「オーダーメイド」が必要
  問題の本質をどうつかみ、どう対処するか
  ともに大切な「科学的根拠」と「職人感覚」

まとめ


●パート2 経済学の初心者でも! 知っているだけでビジネスの結果が変わる4つのツール――最新の経済学が「すでに解決」した知恵を、現場で使うには? 071


3章 利益を最大化するツール=「FSP-D」モデルの基礎知識[山口真一]
値下げ競争がきつい、売れなくなった、顧客が離れた、顧客の高齢化が心配だ…… その悩み、効果的な対策を打てていますか? 074
  「技術」と「価値観」、2つの変革がビジネス環境を劇的に変えた
  50代以上が見ている「日本の栄光」と現実
  日本企業を揺さぶる「絶え間ない進歩」と「お金の使い方の大変革」

これからのビジネス成長の起爆剤FSP-D」モデルとは 081
  「F=フリー」──「タダ」によってネットワーク効果で巨大ビジネスに
  「S=ソーシャル」──今や侮れない「口コミ」の経済効果
  「P=プライス・ディスクリミネーション」──「多段階価格差別」で利益を最大化する
  「D=データ」──「F・S・P」成功の根拠をつくる

FSP-D」モデルを活用しやすい分野「5つの特徴」 122
  ただし、5つすべてを網羅しなくても、メリットは十分享受できる

まとめ


4章 世界標準の学知に基づく新しい顧客関係管理[星野崇宏]
顧客は増えたのに利益が減った、競合とシェアを取り合っている、データをビジネスに活用したい……――どこから手を付けたらいいのか? 130
  マーケティングを利益観点で管理するフレームワーク……それがCRM
  顧客を「利益観点」で管理するから「利益を最大化」できる
  携帯キャリアを乗り換えただけで「10万円」これってどういうこと?
  顧客の生涯価値=「その顧客は、どれくらい稼がせてくれるのか?」の重要性
  顧客生涯価値の一番簡単な計算方法
  「顧客生涯価値」という考え方が、経営層の心をつかむ理由

様々な問いに答える膨大なCRMの学知……貴社の悩みに答える研究もすでに! 146
  「どんなときに新規顧客獲得のコストが高いか?」の研究

営業の科学としてのCRM……誤ったKPI・KCI設定の問題 149
  KPI・KGIによる管理の罠 ……機会費用という経済学の概念

「その顧客が稼がせてくれる額」を測り、最大化するためのデータ活用 184
  顧客生涯価値の計算にはどんな情報が必要か?
  具体的に必要なデータ
  顧客データがない場合の対処法
  「とにかくデータを集めておけばいい」は危険な発想

顧客生涯価値を最大化する「投資」とは? 行動経済学の学知の活用 161
  「優良既存顧客への手厚い特典」は実は無駄!?
  データが語る顧客の行動経済学

業績アップの鍵は「スペシャリストを大事にする」文化 168

まとめ


5章 会計とESC 価値観とルールの大きな変化をざっくりつかむ[上野雄史]
会計 ESC、SDGs......会社員が最低限知っておくべきビジネス 養を身につける 174
  財務諸表を読むと「未来のヒント」が見えてくる
  経済ニュースを「深く読める」ようになる

ビジネスパーソンに今、「会計への理解」が強く求められている理由 179
  会計は、「とらえどころのない会社」の全体像をつかむための「ひとつの表現」
  アップルとテスラー対照的な2社の会計

「ESC」という難題――「プライム市場」新設との関連性は? 
  財務担当者だけでなく、多くの会社員の仕事を変える
  ESGは企業価値を上げるのか?
  ESGは「新しいゲームのルール」
  おわりに

まとめ 


6章 ダメな会議はなぜダメで、どうすれば改善できるか[坂井豊貴] 
判断の質が悪い・時間がかかる・生産性が低い――「困った会議」に経済学ができること 200
  「明日の会議を実際に改善したい」
  集団は個人より誤作動しにくい
  多数派の判断が正しい確率はどのような条件下で高くなる?
  「みなで目的を共有するが、互いに忖度しない」は必須条件
  ミツバチはなぜ、「最適な決定」ができるのか?
  会議のベストな人数は?
  おわりに

まとめ 


終章 ビジネスに経済学の視点を加えるだけで、新しいチャンスが加速度的に広がっていく[今井誠] 
「経済学×ビジネス」をすでに実践している立場だからこそ言えること 224

経済学をビジネス実装するための3つのポイント 227
  「先生に教えてもらう」のではなく「ともに解決していく」 
  知っておきたい「経済学者の考え方」
  ビジネスサイドにまず必要なのは、学知より”発注能力”

学知は「過去の経験則・成功体験」を超えるためのツールの一種 
  経済学は、「世界から取り残される日本」という現状を打破する切り札
  「経済学を使って答えを出す」は、成功率の高い成長戦略
  「経済学の活用はグーグルだからできること」ではない


著者紹介 [244-247]





【抜き書き】
・巻末の「著者紹介」。
 ところで私はここで挙げられる6人のうち4人の著作を拝見したことがある(そして著書略歴を読んだことがある)。文面そのものと同時に、読者層がビジネスマン向けの場合の執筆者の示し方(ないし「箔の付け方」)も見えてきて面白い。

編著者 今井誠(いまい・まこと)
 株式会社エコノミクスデザイン共同創業者・代表取締役
 1998年関西学院大学商学部卒業。金融機関を経て、株式会社アイディーユー(現 日本アセットマーケティング株式会社)にて不動産オークションに黎明期から従事。その後、不動産ファンドを経て独立。2018年株式会社ディアブル代表取締役、株式会社デューデリ&ディール取締役に就任し、不動産オークションでの経済学実装に取り組む。さらなる経済学のビジネス実装に挑むべく、株式会社エコノミクスデザインを創業。


編著者 坂井豊貴(さかい とよたか)
 慶應義塾大学経済学部教授、株式会社エコノミクスデザイン共同創業者・取締役
 2005年ロチェスター大学経済学博士課程修了 (Ph.D. 取得)。横浜国立大学准教授などを経て、2014年より慶應義塾大学教授。専攻は制度設計(メカニズムデザイン)。東京経済研究センター業務総括理事、読売新聞読書委員、朝日新聞書評委員などを歴任。デューデリ&ディール・チーフエコノミスト、Gaudiy経済設計顧問、メルカリ・アドバイザリーボード委員、Stake Technologies Pte. Ltd. アドバイザー、日本ブロックチェーン協会アドバイザーなどを務める。主著『多数決を疑う』(岩波書店)は高校国語の検定教科書に掲載。著書は多くアジアで翻訳されている。


著者 上野雄史(うえの たけふみ)
 静岡県立大学経営情報学部教授、株式会社エコノミクスデザイン・シニアエコノミスト2000年に関西学院大学商学部卒業。同大学で2002年に修士号、2007年に博士号を取得。2005年より静岡県立大学経営情報学部助手を経て、2021年より現職。専門は財務会計、経営分析。年金、保険、リスクのトライアングル関係を、会計学の視点で研究を進める。2011年日本年金学会創立30周年記念賞佳作、2012年生命保険文化センター優秀論文賞、2017年日本リスク研究学会大会優秀発表賞を受賞。


著者 星野崇宏(ほしの・たかひろ)
 慶應義塾大学経済学部教授、株式会社エコノミクスデザイン共同創業者・取締役
2004年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。博士(経済学)。名古屋大学大学院経済学研究科などを経て、慶應義塾大学経済学部教授、慶應義塾大学経済研究所所長。
2017年からAI研究の国内中核施設である理化学研究所AIPセンターでチームリーダーを兼任。行動経済学会会長、マーケティング・サイエンス学会理事などを歴任。45歳未満の研究者に政府が授与する最も権威のある賞である日本学術振興会賞を受賞(2017年)。内閣官房経済産業省内閣府総務省などでEBPMやナッジの政策応用、政府統計の改善に関わる。NTTドコモ、マネーフォワード、サイバーエージェント、ヤフー研究所の技術顧問をはじめ、金融、流通小売、ネットサービス、広告代理店等多業種の顧問を務める。


著者 安田洋祐(やすだ ようすけ)
 大阪大学大学院経済学研究科准教授、株式会社エコノミクスデザイン共同創業者。2002年に東京大学経済学部を卒業。最優秀卒業論文に与えられる大内兵衛賞を受賞し経済学部卒業生総代となる。米国プリンストン大学へ留学して2007年にPh.D.を取得(経済学)。政策研究大学院大学助教授を経て、2014年より現職。専門はマーケットデザイン、ゲーム理論。American Economic Reviewをはじめ、国際的な経済学術誌に論文を多数発表。新聞・雑誌オンライン媒体への寄稿 (計250本以上)やテレビ番組への出演(計500回以上)を通じて情報発信に取り組む。朝日新聞論壇委員会、政府系審議会(環境省経済産業省財務省など計15委員会)の委員などを歴任。


著者 山口真一(やまぐち・しんいち)
 国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授、株式会社エコノミクスデザイン・シニアエコノミスト 
 2015年に慶應義塾大学経済学研究科で博士号(経済学)を取得。2020年より国際大学准教授。研究分野は、ネットメディア論、情報経済論、情報社会のビジネス等。 KDDI Foundation Award 貢献賞、組織学会高宮賞、情報通信学会論文賞 (2回)、電気通信普及財団賞を受賞。主な著作に『正義を振りかざす「極端な人」の正体』(光文社)、『なぜ、それは儲かるのか』(草思社)、『炎上とクチコミの経済学』(朝日新聞出版)、『ネット炎上の研究』(勁草書房)など。東京大学客員連携研究員、早稲田大学ビジネススクール兼任講師、シエンプレ株式会社顧問、日本経済新聞 Think! エキスパート、総務省厚生労働省の検討会委員なども務める他、メディアを通した一般向けの情報発信も積極的に行なっている。

『アントフィナンシャル――1匹のアリがつくる新金融エコシステム』(廉薇ほか[著] 永井麻生子[訳] みすず書房 2019//2017)

原題:蚂蚁金服:从支付宝到新金融生态圈(中国人民大学出版社、2017年)
著者:廉 薇[lian, wei] 編集者。「中国金融四十人论坛」(CF40)編集部主任。
著者:边 慧[辺 慧/bian, hui] 編集者。
著者:苏 向辉[蘇 向輝/su, xiang hui] 編集者。
著者:曹 鹏程[曹 鵬程/cao, peng cheng] 編集者。
訳者:永井 麻生子[ながい・あいこ] 中日翻訳。国際中医薬膳管理師。おあしすランゲージラボラトリー代表
解説:西村 友作[にしむら・ゆうさく] 中国経済・金融論。対外経済貿易大学国際経済研究院教授。
装丁デザイン:川添 秀昭[かわぞえ・ひであき](1979-) ブックデザイン/グラフィックデザイン
件名:金融-中国
件名:電子決済
件名:アントフィナンシャル
NDLC:DF241 
NDC:338.067 金融.銀行.信託 >> 団体 >> 企業体・会社誌
NDC:338.222 金融.銀行.信託 >> 金融史・事情.銀行史・事情 >> 中国


アントフィナンシャル | 1匹のアリがつくる新金融エコシステム | みすず書房


【目次】
目次 [i-v]
凡例 [vi]
アントフィナンシャル年表 [vii]
業務分野および基盤構造 [viii]
序文 「アントフィナンシャルは生きた金融の発展史である」 黄益平(北京大学デジタル金融研究センター主任) [ix-xviii]


はじめに 003


  第I部 ゲームチェンジャー・アリペイ
第1章 アリペイの誕生 010
1 誕生
2 開拓
3 成長の痛み
4 法制度への対応
5 イノベーション――「双11」の裏で


第2章 アリペイの野心──キャッシュレス社会の推進 068
1 オールイン・モバイル――モバイルにすべてを賭ける
2 QRコード決済の先駆者
3 モバイル決済頂上決戦――アリペイvsウィーチャットペイ
4 モバイル決済は「決済」だけじゃない


  第II部 アリが夢見るインクルーシブファイナンス
第3章 余額宝がもたらす資産運用革命 118
1 余額宝の誕生
2 招財宝は「諸刃の剣」?
3 最終兵器、アントフォーチュン


第4章 インターネット時代の零細企業融資 154
1 アリババと商業銀行の中小企業融資モデル
2 阿里小貸――インターネットとビッグデータを駆使した零細企業融資
3 網商銀行――クラウド上の銀行


第5章 信用を財産に 198
1 芝麻信用――個人の信用アカウント
2 〈信用=財産〉時代の到来
3 中国の信用システム構築は始まったばかり


  第III部 金融の勢力図を塗り替える
第6章 1匹のアリが作る新金融エコシステム 240
1 アリの前世
2 アリの使命
3 投融資のロジック
4 進撃のアリ


第7章 グローバルな発展の未来図 291
1 グローバル化の青写真
2 世界規模のインクルーシブファイナンス
3 花といばらのグローバル化の道


第8章 農村金融の荒野を開墾する 313
1 決済で農村金融の扉をこじ開ける
2 信用貸付を掌握せよ
3 追い風を受ける農村金融


第9章 オープンプラットフォーム──テクノロジーで金融に奉仕する 335
1 〈インターネット+保険〉の発展性
2 インターネット推進器の進化の道
3 アントフィナンシャルの未来――徹底して「テクノロジー企業」であること


あとがき 366


解説 「アリの新たな挑戦」 (西村友作(対外経済貿易大学国際経済研究院教授)) [369-375]
付録
  投資先一覧 [3]
  株主名簿 [2]
  アントフィナンシャル・サービスグループ役員名簿 [1]
著訳者略歴 [380]




【メモランダム】
・「解説」の抄録。
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