原題:Rethinking Social Inquiry: Diverse Tools, Shared Standards (Rowman & Littlefield Publishers)
編者:Henry E. Brady
編者:David Collier (1942-)
著者:Sidney Verba(1932-)
著者:Gary King
著者:Robert O. Keohane(1941-)
著者:Jason Seawright
著者:Sidney Tarrow
著者:Larry M. Bartels
著者:Henry E. Brady
著者:Timothy J. Mckeown
著者:James Mahoney
著者:Gerardo L. Munck
著者:Charles C. Ragin
著者:Ronald Rogowski
訳者:泉川 泰博[いずみかわ・やすひろ](1967-) 国際関係理論、アメリカ外交、東アジア安全保障。
訳者:宮下 明聡[みやした・あきとし](1964-2024) 国際関係理論、日本外交。
装丁:板谷 成雄[いたや・しげお](1955-) 装丁、編集、エディトリアルデザイン。
件名:社会科学--方法論
NDLC:EA3 社会・労働 >> 社会科学 >> 社会科学方法論
NDC:301.6 社会科学 >> 理論.方法論
※第2版あり。構成が変更されたほかに、「初出版元への謝辞」が追加されている。
社会科学の方法論争 [原著第2版] - 株式会社 勁草書房
【目次】
訳者まえがき(2008年4月 泉川泰博・宮下明聡) [i-iv]
まえがき(カリフォルニア州バークレーにて ヘンリー・ブレイディ デヴィッド・コリアー ) [v-ix]
目次 [x-xiv]
凡例 [xiv]
第I部 序論
第1章 方法論の再検討[Henry E. Brady David Collier Jason Seawright]
1. 主流派定量手法、定性的手法、および統計理論 003
2. 『社会科学のリサーチ・デザイン』に関する論争 005
(1) DSIの貢献
(2) ここからどこへ向かうのか
3. 分析道具と基準 008
4. 方法論に関する異なる見解に向けて 011
5. 各章の概観 016
(1) 序論
(2) 定量的モデルの批判
(3) 定性的手法の分析道具
(4) 定量的・定性的伝統の結合
(5) 多様な分析道具と共通の基準
第2章 基準の追求――『社会科学のリサーチ・デザイン』の検証[David Collier Jason Seawright Gerardo L. Munck]
1. 科学的研究、推論、仮定 024
(1) 科学的研究
(2) 推論
記述的推論
因果的推論
いかにして推論を行うか:定量的な分析道具と分析の目的
(3) 仮定
因果同質性
観察の独立性
条件付独立性
2. ガイドライン――DSIの枠組みの要約 039
A. 研究問題の設定
B. 理論の特定
C. 事例および観察の選択
D. 記述的推論
E. 因果的推論
F. 理論の再検証および再構築
3. DSIの枠組みをめぐる本書の議論 048
I. 意見の一致
II. 意見の不一致
第II部 定量的モデルの批判
第3章 定量的研究様式は定性的研究者にとってどの程度有効か[Henry E. Brady]
1. 神学と説教法 059
2. 定量的手法優先主義からの脱却 062
(1) 説明と因果論
(2) 測定
3. 結論 075
第4章 定量帝国主義の果たされぬ約束[Larry M. Bartels]
1. DSIの貢献と欠点 077
2. 省略された部分と将来の研究課題 079
(1) 不確実性
(2) 定量的証拠
(3) 測定誤差
(4) 観察の増加
3. 結論 083
第5章 社会科学の推論はいかに逸脱事例を見落としているか[Ronald Rogowski]
1. 問題設定および演繹的理論形成 086
2. 理論と逸脱に関するいくつかの事例 087
3. 教訓 094
第6章 事例選択バイアスに関する定量的見解の行き過ぎた主張[David Collier James Mahoney Jason Seawright]
1. 事例選択バイアスに関する警告は行き過ぎか 098
2. 極端な値の従属変数に基づく事例選択――なぜこれが問題なのか 100
(1) 例
(2) なぜ切断が事例選択バイアスを引き起こすのかを理解する
3. 定性的研究における事例選択バイアス 105
(1) 事例比較分析と事例選択バイアス
(2) 同一事例内分析と事例選択バイアス
因果関係の評価
特殊な事例と行き過ぎた一般化
4. 無分散デザインについての厳しい警告 112
5. 事例間および事例内比較に関するさらなる考察 113
6. 結論 115
第III部 定性的手法の分析道具
第7章 定性的研究の分析道具[Gerardo L. Munck]
1. 定性的手法の概観 121
(1) 事例空間の確定:文脈,類型,過程追跡
(2) 事例選択:観察数を増やす際に生ずるジレンマ
(3) 測定とデータ収集
(4) 事例比較分析および同一事例内分析における因果関係の検証
(5) 仮説の厳格な検証を超えて:理論の構築,再定義,仮説の継続的検証
2. 結論 134
第8章 事例志向型研究からの5つの挑戦――変数志向型研究はどう応えるか[Charles C. Ragin]
1. 事例の構成 139
2. 結果が同じ事例の研究 142
3. 負事例の定義 144
4. 多重・連結原因の分析 148
5. 理論に一致しない事例および「決定論」の扱い 151
6. 結論 154
第9章 事例研究と定量的世界観の限界[Timothy J. Mckeown]
1. 科学哲学と研究の論理 158
(1) DSIの科学哲学
(2) DSIとPopper主義的な理論の見方
(3) 研究に関する単一の論理
2. 推論は根本的に定量的なのか 162
3. 単一または少数事例に基づく推論 165
4. 綿密な研究の方法論に向けて――事例研究のための異なる論理 174
(1) 先行研究の理解
認知地図
ゲーム理論の経験的状況への適用
(2) 「通俗的ベイズ」アプローチ
(3) 理論構築の発見方法
事例選択の発見方法
思考実験と反実仮想
(4) 観察からのフィードバックの研究デザインへの活用
(5) 理論の検証よりも因果プロセスの識別に注目する
5. 結論 189
第IV部 定量的・定性的伝統の結合
第10章 定量的手法と定性的手法の架け橋[Sidney Tarrow]
1. 定性的データと定量的データを組み合わせる際の問題点 194
2. 溝を埋めるための分析道具 196
(1) 意思決定を理解するための過程追跡
(2) 変数の体系的・非体系的差別化
(3) いかにして定量的方法の枠組みのなかで定性的研究を行うか
(4) 定量的骨組みに対する定性的肉付け
(5) 定量的研究と定性的研究の連動
(6) トライアンギュレーション
3. 結論 203
第11章 研究デザインの重要性[Gary King Robert O. Keohane Sidney Verba]
1. 『社会科学のリサーチ・デザイン』のねらい 206
2. われわれが看過したとされる問題 210
(1) 集合的作業としての科学
Lijphart:多元主義者の主張をついに覆した事例研究
Allen:歴史と社会科学との区別
3. 事例選択バイアスを避ける危険 213
Katzenstein:因果的推論と記述的推論の区別
Bates:従属変数の特定
4. トライアンギュレーションによる結論 217
第V部 多様な分析道具と共通の基準
第12章 DSI批判,統計理論の見解,トレードオフ――議論の総括[David Collier Henry E. Brady Jason Seawright]
1. DSI批判とそれに対する統計学的見解 222
(1) 重要な研究を行う
批判
統計学的見解
創造性を高めることの難しさ
革新的な研究,トレードオフそしてDSIの枠組み
(2) 概念化と測定
批判
統計学的見解
(3) 事例選択バイアス
批判
統計学的見解
(4) 確率論的因果モデル vs. 決定論的因果モデル
批判
統計学的見解
決定論的原因の確率論的検証
必要・十分条件と事例選択バイアス
最も効率的な検証方法の発見
(5) 統計学的見解
2. 研究デザインにおけるトレードオフ 250
(1) トレードオフ,目標,および分析道具
(2) DSIのなかのトレードオフ
(3) トレードオフを研究デザインの本質と捉える
3. 結論 257
第13章 因果的推論における説得力の源泉――DSIとは異なる方法論の構築に向けて[David Collier Henry E. Brady Jason Seawright]
1. 主要な区別の再考 259
(1) 実験,準実験,観察研究,推論の落とし穴
(2) 主流派定量手法 vs. 統計理論
(3) 確定的研究デザイン vs. 不確定的研究デザイン
(4) データ漁り[data mining] vs. モデルの特定
(5) 条件付独立性と特定仮定
2. 定性的研究 vs. 定量的研究――4つのアプローチ 276
(1) 測定レベル
(2) 事例数
(3) 統計検定
(4) 厚みのある分析 vs. 薄い分析
(5) 4つのカテゴリーの統合
3. 事例と観察 281
(1) 事例
(2) 観察
4. データセット観察 vs. 因果プロセス観察 283
(1) 因果プロセス観察の例
(2) 2つのタイプの観察が意味するもの
定性 vs. 定量
観察および変数の追加が,事例数,自由度,推論の説得力に与える影響
研究デザインへの含意
欠損値
標準的な定量的手法 vs. 因果プロセス観察の注意深い分析
5. 結論――議論の総括 296
6. 方法論における優先順位のバランス――技巧化および共通の基準の模索 298
補章 データセット観察 vs. 因果プロセス観察――2000年アメリカ大統領選挙[Henry E. Brady]
1. データセット観察に基づく回帰分析 301
2. 因果プロセス観察による分析 302
3. Lott【John R. Lott Jr.】はどこで誤ったのか 305
4. 結論 306
用語解説[Jason Seawright/David Collier] [307-342]
参考文献 [343-366]
事項索引 [367-376]
人名索引 [377-379]
初出一覧 [380-381]
著者・訳者紹介 [382-384]
【メモランダム】
・原書の主要目次
Introduction to the second edition: a sea change in political methodology / David Collier, Henry E. Brady, and Jason Seawright
Refocusing the discussion of methodology / Henry E. Brady, David Collier, and Jason Seawright
The quest for standards: King, Keohane, and Verba's Designing social inquiry / David Collier, Jason Seawright, and Gerardo L. Munck
Doing good and doing better: how far does the quantitative template get us? / Henry E. Brady
Some unfulfilled promises of quantitative imperialism / Larry M. Bartels
How interference in the social (but not the physical) sciences neglects theoretical anomaly / Ronald Rogowski
Bridging the quantitative-qualitative divide / Sidney Tarrow
The importance of research design / Gary King, Robert O. Keohane, and Sidney Verba
Critiques, responses, and trade-offs: drawing together the debate / David Collier, Henry E. Brady, and Jason Seawright
Sources of leverage in casual interference: toward an alternative view of methodology / David Collier, Henry E. Brady, and Jason Seawright
Process tracing and casual inference / Andrew Bennett
On types of scientific inquiry: the role of qualitative reasoning / David A. Freedman
Data-set observations versus causal-process observations: the 2000 U.S. presidential election / Henry E. Brady
Addendum: teaching process tracing / David Collier
Regression-based inference: a case study in failed causal assessment / Jason Seawright
Design-based inference: beyond the pitfalls of regression analysis? / Thad Dunning
Glossary / Jason Seawright and David Collier