著者:中西 準子[なかにし・じゅんこ](1938-) 環境工学(環境リスク学)。
装幀:妹尾 浩也[せのお・ひろや](1961-) グラフィック・デザイナー
NDC:519.04 公害.環境工学
【目次】
まえがき(二〇〇四年 夏(記録的猛暑)、横浜にて 中西準子) [i-iv]
目次 [v-viii]
1部 環境リスク学の航跡 001
1章 最終講義 「ファクトにこだわり続けた輩がたどり着いたリスク論」 003
東大生が寄りつかなかった研究室
村八分の状態
データが間違っているかもしれない
不経済性指数
建設省はせせら笑った
水循環を促進する下水道
リスク研究開始
異種のリスクを此較する
水銀のリスクから生態リスクヘ
東大教授が移るのは前代未聞
農家の物置を探せ――ダイオキシンのリスク
化学物質リスク管理研究センター設立
手帳に書いた四つのこと
ファクトヘのこだわり
ファクトを超える
2章 リスク評価を考える―― Q&Aをとおして 083
戦争を始めるリスク――最近間題になっているリスクは?
リスクのセンス――身のまわりのリスクは?
最大のリスク――大きなリスクにほどんなものが?
リスクと職業の関係――リスクが高いと給料が高い!?
リスク研究の曙――リスクという考え方は、いつ頃から出てくるのですか?
リスクと裁判 労働環境情報の重要性
規制とリスク評価――リスクの考え方はどのくらい受け入れられている?
リスクの定義や計算について――リスクの読み方は?
リスクの管理を自分で――なぜリスク評価についての批判があるのか?
リスク予測を自分たちで――社会を作る自覚とは?
リスク探し――リスク研究の課題は?
EU型 vs. 米国型――欧米のリスク研究は?
代替物戦略――リスク評価はいつやるのが良い?
環境科学のスキル――リスクの専門家をどう育てるか?
感激した裁判――裁判でリスクをうまく使うということはどういうことか?
BSE問題――日本でのリスクの「演習問題」? ベトナムに行ったが記事にならなかった――ダイオキシンはどうか?
クオリティ・オブ・ライフ(QOL)を考える――生活の質とリスクの関係は?
評価の二面性――QOLの問題点は?
死をどう扱うか――損失余命を考えた理由は?
QOLをどう取り入れる――客観的なQOL評価法はあるのか?
国家プロジェクトの立ち上げ――日本のリスク研究のこれからは?
2部 多様な環境リスク
3章 環境ホルモン間題を斬る 141
日本は世界一汚染された国なのか
「ごみ焼却炉」主犯説のウソ
発ガンリスクは水道水と同じ
母乳の汚染は滅りつつある
判断力を失った厚生省
水俣病の教訓に学べ
もっと怖いのは“思考力の麻痺”
追記
4章 BSE(狂牛病)と全頭検査 171
今月のリスク
いくつかの対策とリスク
米国の牛肉と日本人
受容できるリスクレベル
米国に要求すべきこと
わが国の牛のリスクレベル
米国民は科学的か?
反面教師としてのダイオキシン
リスクの大きさ三種
5章 意外な環境リスク 189
予防原則について
魚を食べることのリスクとベネフィツト
DDTのリスク
狼とイノシシ
リスク研究者になるには
ラドンのリスク
これは、リスク論批判なのかな?
アフラトキシン
新規リスク化学物質DON
騒音によるリスク(損失余命で評価)
貧困のリスク――ヨハネスブルグ・サミットに寄せて
鶏卵経由のサルモネラ中毒のリスク――米国の報告、日本の死者数は少ない
電磁波の人体影響研究――評価はC
リスク不安と科学技術
あとがき(二〇〇四年 夏) [247-249]
索引 [250-251]