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『移民とともに――計測・討論・行動するための人口統計学』(François Héran Haen[著] 林昌宏[訳] 白水社 2019//2017)

原題:Avec l'immigration: Mesurer débattre agir
著者:François Héran Haen(1953-) 社会学社会人類学、人口統計学
訳者:林 昌宏[はやし・まさひろ](1965-) 翻訳家。
装丁:刈谷 悠三+角田 奈央 [neucitora
件名:移民・植民--フランス
NDLC:DC821
NDC:334.435 人口.土地.資源 >> 移民・難民問題.移民・難民政策 >> フランス


移民とともに - 白水社


【目次】
コロフォン [002]
目次 [003-011]
凡例 [012]


日本語版への序文(二〇一九年二月二五日 フランソワ・エラン) 013


はじめに 021
  政策の変化に反応しない通常の移民
  ニコラ・サルコジの移民政策――その評価はいかに?
  ヨーロッパの危機に直面したシリア難民
  世代を経て
  往来から人口を増加させる定住へ
  主意主義の失敗
  過熱を防ぐ手段――議論に用いられるレトリックの分析
  中立的な立場を明確にするために


1 サルコジ時代の移民政策(二〇〇二~二〇〇四年、二〇〇五~二〇一二年) 053

第1章 選択的移民政策の失敗 055
  「三つの過ち」という寓話
  家族呼び寄せに関する本当の話
  移民を「選択する」
  国民戦線(FN)はなぜ「選択された移民」政策と決別したのか
  削減できない「押しつけられた移民」


第2章 主意主義の限界 083
  「私が望むのは……」
  やり方がわからないのにやろうとする
  移民省の行政力
  移民政策を複雑にする三つの要因
  サンガットからカレーへ――問題は移動しただけ


2 サルコジ後、あるいは彼の負の遺産 097

第3章 「受け入れ容量」という詭弁にしがみつく共和党員 099
  フランソワ・フィヨンの「選択された移民」に対する奇妙な評価
  ワークシェアリングと移民の受け入れ――右派と左派の奇妙なやり取り
  マルサス主義の移民版


第4章 移民問題に直面して狼狽する左派 111
  社会党のはっきりしない態度
  荒廃した左派の残骸


第5章 国民戦線(FN)の現実離れした政策 121
  国民戦線の視点から見たニコラ・サルコジ
  国民戦線の移民政策、あるいは現実の否定
  国民戦線の政策を体験することになるのか
  極右、導師、スピーチライター
  労働市場と基本的権利――「リベラル・パラドックス


3 人口学と権力――騒乱に巻き込まれる国立人口学研究所(INED 139

第6章 個人的な体験、職業人としての経験 141
  研究ポピュリズムという暗礁
  君の住所を言ってごらん……
  外国人は居心地がよいのか。フランスの調査、アメリカの調査
  INEDとINSEEに対する厳しい批判
  移民問題に関するINEDの科学的独立性
  「選択された移民」に意見を求められたINED
  『移民の時代』


第7章 研究への一斉射撃 163
  極右の脅し
  INEDに対する急襲――移民省への併合を画策
  権力に目をつけられたINED
  筆の重み
  エルヴェ・ル・ブラーズの的外れな攻撃
  慎重義務なく、行動を照らし出す


4 数字を操る? 185

第8章 一九九〇年代以降のデータの飛躍 189
  データは大量にあるが、世間は懐疑的
  移民の数値に対する11の不満
  数値を正面から見据える
  民族統計――すでに打ち破られた「タブー」


第9章 国民の統計のために 207
  数字による政治、世論による政治
  移民の数字は、政府の善悪を意味するのか
  統計の二つの利用法――概観とリスクの計測
  言い訳することなく理解する
  束縛と自由との間にある移民


5 数字による論争? 223

第10章 刷新された国勢調査をめぐる不毛の闘い 227
  新たな国勢調査を攻撃するジャック・デュパキエ
  サルコジ大統領下の移民算定法の安定性
  人口の純移動数の分析道具としての調査


第11章 無知によってすべてを一刀両断にするエリック・ゼムール 239
  一つめの間違い――〇・一人の子供と〇・一%
  二つめの間違い――帰化した移民は統計から消え去るという誤解
  三つめの間違い――人口内の割合と集団内の比率の混同(風貌に基づく職務質問の例)


第12章 刑務所内の移民の比率――偽りのタブー 255
  刑務所で起きていること――移民の出自と社会的な要因
  移民と刑務所――データに関する広報
  配慮しながら調査を更新する
  取り除かれたタブー、何をなすべきか


第13章 「補充移民」は、人口予測に関する陰謀論者の解釈か 267
  人口学の架空の想定による頭の体操
  誤読を誤読する
  「大規模な補充論」の犠牲者アラン・フィンケルクロート


6 徹底的な議論――関係者と論証 277

第14章 「全員に関係する口論のテーマ」 279
  議論する権利は当然ではなくなった
  風通しのよい論争の舞台
  右派、超右翼、極右


第15章 あらゆる階層での論争 287
  超右派のブロゴスフィア
  左翼と右翼の非対称性


第16章 悪の肖像 295
  「ヒトラーに落とし込む論法」――ゴドウィンの法則
  「スターリンに落とし込む論法」


第17章 狂気、滑りやすい坂論、逆効果 305
  「狂気に落とし込む論法」――狂った判断
  右派に対する左派――短絡的に発せられる「狂った判断」という評価
  良識と世論――民主主義という問題
  民主主義の忘れられた構成要素――熟慮の時間
  破滅へいたる坂論、あるいは確実の起きる大惨事論
  「逆効果」と受け入れ容量――左派と右派の行き違い 


7 統合の時代 325

第18章 対照的な統合 329
  雇用、教育、資源
  統合の分析における「他の条件が同じならば」
  出自による差別


第19章 同化/統合、過大評価された議論 339
  同化モデル、回顧的な創造
  入国する以前から同化する
  組み入れモデルとしての多元主義
  出生地主義でも血統主義でもなく――滞在期間主義


第20章 連帯と憐れみ 353
  アラン・クルディ――道徳によって水没する政治?
  憐れみの政治
  同じ血が流れる
  役に立つ移民から当然の権利をもつ移民へ
  移民に賛成でも反対でもなく 


訳者あとがき(二〇一九年二月一一日(私の父の誕生日) 林昌宏) [365-367]
註記  [i-xx]