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『日本人の国際移動と太平洋世界――日系移民の近現代史』(米山裕, 河原典史[編] 文理閣 2015)

編者:米山 裕[よねやま・ひろし] アメリカ史、日系移民史。
編者:河原 典史[かわはら・まさし] 歴史地理学、近代漁業史。
著者:清水 さゆり[しみず・さゆり] アメリカ史。
著者:南川 文里[みなみかわ ふみのり] 
著者:坂口 満宏[さかぐち・みつひろ] 
著者:酒井 一臣[さかい・かずおみ] 
著者:和泉 真澄[いずみ・ますみ]
著者:今野 裕子[いまの・ゆうこ] 
著者:小川 真和子[おがわ・まなこ] 
著者:宮内 久光[みやうち・ひさみつ] 
著者:大石 太郎[おおいし・たろう] 
著者:吉田 恵子[よしだ・けいこ] 
装丁:白沢 正[しらさわ・ただし] 装丁家
シリーズ:立命館大学人文学企画叢書;03
件名:移民・植民 (日本)--歴史
件名:日本人 (外国在留)--歴史
NDLC:DC812 経済・産業 >> 経済史・経済事情 >> 人口 >> 移植民 >> 日本
NDC:334.5 経済 >> 人口.土地.資源 >> 移民[流出民]・植民問題.植民政策
備考:米山・河原(ed)『日系人の経験と国際移動――在外日本人・移民の近現代史』(人文書院 2007年4月)の続編。


http://www.bunrikaku.com/book1/book1-752.html

 日本人の移民・移住・海外体験を「国際移動」という枠組みで統合的にとらえる学際的研究の成果。アメリカ、カナダ、ハワイ、さらに太平洋諸島をめぐる明治から戦後までの日本人の活動を掘り起こし、近代日本人にとっての在外体験を見直す。


【目次】
序 日本人の国際移動と太平洋世界の形成――「大西洋史」の成果を踏まえて[米山裕] 
I はじめに 003
II 分断された移殖民研究の変容 004
  1. 北米を中心とする移民研究パラダイム――1920年代から――
  2. トランスナショナル・越境研究の隆盛――1990年代から――
  3. 近代日本の帝国主義史研究――1970年代から――
  4. 帝国日本という枠組み――1990年代から――
  5. 世界拡散という枠組み
III 移動の「場」に着目する 008
  1. 大西洋史
  2. 太平洋史
  3. 大西洋と太平洋の接点
IV 太平洋の島々と日本人の国際移動 011
注 012


目次 [014-017]


  第1部 研究の理論と枠組み 019

第1章 パシフィック・ヒストリーに向けて――アメリカにおける研究動向を中心に[清水さゆり]
I はじめに 020
II パシフィック・ヒストリーの時代区分と広域連鎖の出現 023
  1. 「銀の時代」
  2. 「金の時代」
III パシフィック・ヒストリーの一領域としてのアジア人・日本人の国際移動研究 032
  1. 「ふたつの太平洋世界」論と日本
IV 中国人海外移民研究からの示唆 036
V おわりに 041
注 042


第2章 アメリカ合衆国における「ジャパニーズ」の類型化――トランスパシフィックなエスニシティ理解のために[南川文里]
I はじめに:「ジャパニーズ」エスニシティの多様性 047
II 理論枠組:ナショナルな編入パターンとその相対化 049
III 「出稼ぎ」移民労働者と「在米同胞」 052
IV 「日系アメリカ人」:排他的ナショナリズムと愛国的市民 056
V 冷戦時代の環太平洋世界と「日系アメリカ人」 059
VI 「ジャパニーズ」からエスニシティを問う 066
注 067


  第2部 国際政治の動向と日本人移民 

第3章 誰が移民を送り出したのか――環太平洋における日本人の国際移動・概観[坂口満宏]
I はじめに 072
II 移民会社 073
  1. 官約移民から移民会社の時代へ
  2. 移民会社時代の時期区分
III 海外興業株式会社 076
  1. 海興の発足とその事業
  2. ブラジル以外の取扱い
  3. ブラジル移民の取扱い
IV 海外協会 081
  1. 移植民奨励機関としての海外協会
  2. 海外支部の設立
  3. 海外協会による植民事業
V 海外移住組合 085
  1. 海外移住組合とブラジル拓殖組合
  2. 海外移住組合による入植方法
  3. 移住組合聯合会と海興の整理と統合

注 090


第4章 「文明国標準」の南洋観――原勝郎『南海一見』を中心に[酒井一臣] 
I はじめに 092
II 一縉紳の南洋観 095
III 原勝郎の歴史認識 103
IV おわりに――「文明国標準」のライン 108
注 112


第5章 バンクーバー暴動再考――環太平洋の国際動静と日本人移民[和泉真澄]
I はじめに 115
II 暴動の概要と1907年以前のBC州におけるアジア系移民の生活と処遇 117
III 1907年のBC州におけるアジア系移民の急増 122
IV バンクーバー日本人移民コミュニティの暴動に対する反応と対応 128
V スティーブストン日本人移民コミュニティの暴動に対する反応と対応 131
VI 暴動の結末と1907年以後のBC州の日本人移民コミュニティ 133
VII おわりに 136
注 139


  第3部 北米大陸と太平洋島嶼部における移動と生業 

第6章 太平洋をめぐるニシンと日本人――第二次大戦以前におけるカナダ西岸の塩ニシン製造業[河原典史]
I はじめに――サケ缶詰産業史への偏重 146
II 塩ニシン製造業の萌芽 148
III 塩ニシン製造業で活躍した日本人 149
IV ナナイモニューキャッスル島での日本人 150
V 日本から植民地へ─おわりにかえて 158
注 160


第7章 和歌山県太地とカリフォルニア州ターミナル島をつなぐ同郷ネットワーク[今野裕子]
I はじめに 163
II 日本人移民史における先行研究 165
III 出移民――和歌山県東牟婁郡太地町と海外出稼ぎ文化 166
  1. 和歌山県からの北米・豪州渡航
  2. 太地からの海外移民
IV ターミナル島――太平洋を渡った漁業基地 174
  1. 日本人漁業の草創期
  2. 日本人集住地区「東サンペドロ」とマルチエスニック空間「ターミナル」
  3. 故郷の村との結びつき
V おわりに 185
注 186


第8章 戦前のハワイにおける水産業の発達と日本人漁村の生活[小川真和子]
I はじめに 190
II 日本人漁業者のハワイへの進出 193
III ハワイにおける日本人船団の形成 195
IV 日本人漁業会社の設立と草創期の活動 198
V 魚市場の仲買人にみるエスニック関係と漁業者の「県」意識 202
VI ハワイの漁村における社会生活と女性の活躍 205
VII 水産流通の発展 210
VIII おわりに 213
注 215


第9章 南洋群島における沖縄県出身男性移住者の移動経歴[宮内久光]
I はじめに 221
  1. 研究目的
  2. 使用する経年変化データ
II 移住者の移住プロセス 226
  1. 移住者の属性
  2. 移住目的
  3. 移動プロセス
III 南洋群島における居住地・職業の変更 233
  1. 居住地変更回数の傾向
  2. 職業変更回数の傾向
IV 南洋群島における移住者の移動経歴 237
  1. 第1グループの移動経歴
  2. 第2グループの移動経歴
  3. 第3グループの移動経歴
  4. 崎本部移住者の移動経歴
V おわりに 247
注 249


第10章 ニューカレドニアの日本人移民社会――1930年代から日米開戦までを中心に[大石太郎]
I はじめに 251
II ニューカレドニアと日本人移民 253
III 日本人移民の属性 257
  1. 資料の概要
  2. 日本人移民の属性
IV 1930年代から日米開戦までの日本人移民社会 264
  1. 1933年のヌメアにおける在留日本人の人口と職業
  2. 元契約移民の高齢化にともなう問題
  3. 不安定な国際情勢と日本人移民社会
V おわりに 269
注 271


第11章 南太平洋の地域開発における日本人移民――マカテア島を中心に[吉田恵子]
I はじめに 276
II 日本人移民の送出状況 276
  1. 日本人移民導入の背景と経緯
  2. 募集と送出
III マカテア島での日本人移民の生活 289
  1. 労働環境
  2. 人口構成の変遷
  3. 労働内容と賃金
  4. マカテア島の衣食住
  5. 日本人移民の健康問題
  6. 現地での紛擾
  7. 日本とのつながり
IV マカテア移民の歴史的意義 298
  1. 日本人移民史における意義
  2. マカテア島の社会基盤整備における意義
  3. 仏領ポリネシアの経済発展における意義
V おわりに 301
注 302


あとがき [308-312]
索引 [313-315]
紹介 [316-317]
英題一覧(Table of Contents) [318]





【メモランダム】
立命館大学国際言語文化研究所のプロジェクト。

・紀要論文として公開もされている(このリンク先は本書第1章に該当)。
https://ritsumei.repo.nii.ac.jp/index.php?action=repository_view_main_item_snippet&pn=1&count=20&order=16&lang=japanese&creator=%E6%B8%85%E6%B0%B4+%E3%81%95%E3%82%86%E3%82%8A&page_id=13&block_id=21

・書評(by花木宏直
https://www.jstage.jst.go.jp/article/grj/88/5/88_537/_pdf