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『精神障害を哲学する――分類から対話へ』(石原孝二 東京大学出版会 2018)

著者:石原 孝二
件名:精神医学
件名:哲学
NDC:493.7 内科学
NDLC:SC361


精神障害を哲学する - 東京大学出版会


【目次】
はじめに


  第I部 狂気と精神医学の哲学

第1章 狂気と理性
  1 古代のギリシアとローマにおける狂気と哲学
  2 共通感覚の概念
  3 狂気と理性の他者
  4 ロックと共通感覚
  5 カントによる「あたまの病気」の分類の試み
  6 感覚の錯覚と理性の欺瞞
  7 他者の視点の取得と共通感覚
  8 狂気と理性的主体


第2章 近代の疾病概念と精神医学の成立――精神医学はなぜ常に「遅れている」のか
  1 シデナムの疾病概念
  2 存在論的な疾病概念の否定と器官‐機能主義
  3 局在論者と器官‐機能主義
  4 病原体理論の確立と存在論的疾病概念
  5 一八世紀後半以降における狂気の分類体系の整備
  6 「精神医学」という語の登場
  7 専門分化と病院――精神医学の専門化は遅れたのだろうか
  8 クレペリンの疾病概念


第3章 生物学的アプローチと精神病理学
  1 脳機能局在論
  2 脳機能局在論への反応
  3 ヤスパース現象学精神病理学――精神障害をもつ人の経験を理解するとはどういうことなのか
  4 現象学精神病理学の展開と限界
  5 薬物療法精神病理学


  第II部 精神障害の概念と分類

第4章 認知症統合失調症自閉症の系譜学――統合失調症自閉症はなぜ重要な精神障害となったのか
  1 知的障害と認知症
  2 統合失調症の概念形成
  3 統合失調症スティグマ
  4 自閉症の系譜学


第5章 DSMとICD――精神障害を分類する試みの現代史
  1 ICD‐6における「精神および行動の障害」の章の登場
  2 DSM‐IとDSM‐II
  3 DSM‐IIIと記述的アプローチ
  4 潜在的に生物学主義的な医学モデルと新クレペリン主義
  5 スピッツァーによる非生物学主義的な医学モデルと精神障害の定義
  6 DSM‐5とディメンジョナル・アプローチ
  7 DSM/ICD体系の終焉(?)とRDoCプロジェクト


第6章 精神障害の哲学――「自然種」と「有害な機能不全」モデル
  1 精神障害は自然種か
  2 自然種とボイドのHPC種
  3 クーパーの自然種概念
  4 ウェイクフィールドの「有害な機能不全」モデル
  5 個人化モデルとしての機能不全モデル


第7章 同性愛と精神障害の概念
  1 精神障害の定義の諸条件
  2 同性愛をめぐって


  第III部 地域精神医療と当事者

第8章 地域精神医療と対話的アプローチ
  1 生物・心理・社会モデル再考
  2 精神病院の位置づけの変化
  3 脱施設化と地域精神保健への移行
  4 イタリア・トリエステモデル
  5 オープンダイアローグ
  6 オープンダイアローグとニード適合型アプローチ
  7 オープンダイアローグを支える制度と研究


第9章 当事者による活動
  1 Alleged Lunatics’ Friend Society
  2 ピアサポート/セルフヘルプグループ
  3 Consumer/survivor運動――解放とケア
  4 リカバリーの思想


第10章 当事者研究インパク
  1 「当事者」の概念
  2 当事者研究の誕生
  3 当事者研究のコンテクスト
  4 当事者研究現象学
  5 反精神医学と当事者研究
  6 当事者研究の展開
  7 当事者研究の意義


終章 精神障害と精神医学の行方 




【関連記事】

『精神医学の科学哲学』(Rachel Cooper著 伊勢田哲治ほか訳 名古屋大学出版会 2015//2007)




【メモランダム】
書評論文by榊原英輔「分類と対話」『科学哲学』53巻1号p.89-102 2020年
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpssj/53/1/53_89/_pdf/-char/ja

・以下は書評
森岡正芳 『臨床心理学』第19巻3号 2019年
https://www.kongoshuppan.co.jp/book/b515224.html

大谷保和 『心と社会』176号 2019書評
http://www.jamh.gr.jp/kokoro/mokuji_176.html