contents memorandum はてな

目次とメモを置いとく場

『意識と目的の科学哲学』(田中泉吏,鈴木大地,太田紘史 慶應義塾大学出版会 2024)

著者:田中 泉吏
著者:鈴木 大地
著者:太田 紘史
装丁:大倉 真一郎[おおくら・しんいちろう] 
シリーズ:慶應義塾大学三田哲学会叢書
件名:神経生理学
件名:意識
件名:進化論
件名:科学哲学
NDC:481.37 動物学 >> 一般動物学 >> 動物生理学 >> 神経.感覚


慶應義塾大学出版会 | 意識と目的の科学哲学 | 田中泉吏 鈴木大地 太田紘史

 私たちの主観的経験に結びつけられる意識。この意識は脳・神経系という物理的な存在から発生するにもかかわらず、科学的な解明が難しいとされる。本書は「意識の難問」に対して進化論的アプローチから挑み、意識科学の方法論の再構築を目指す。


【目次】
はじめに [001-006]
  意識のあらまし
  意識の問題は解決困難か
  意識の進化研究


第1章 意識 007
  形態失認
  盲視
  意識的な視覚と無意識的な視覚
  鳥類の視覚
  「皮質中心主義」への批判
  「意識を定義する特性」
  生物学的自然主義と神経生物学的自然主義
  意識の段階的な創発
  相同のスコープ依存性
  脊椎動物における視覚意識の進化
  進化と多重実現
  階層離断
  意識は生存に貢献するか
  半側無視
  意識と報告能力を結びつける見解


第2章 行為者性 032
  意識と行為者性を結びつける
  意識と歯ブラシの掴み方
  意識の役割
  行為者性に高度な認知能力は不要である
  理由と理解
  行為者性の程度問題と多様性
  人間中心主義とアナバチの「愚かさ」について
  本能
  理性二分法の崩壊


第3章 目的 047
  ラマルクの目的論
  アリストテレスの四原因説
  ウォレスのラマルク批判
  機械論
  機械論と目的論の緊張関係
  目的論のジレンマ
  プラトンの目的論
  アリストテレスの目的論
  アリストテレスの目的論は従来の批判を免れる
  目的指向性
  目的論の自然化と目的律
  目的論の自律性
  表現型可塑性


第4章 意識と目的の進化 068
  「進化の総合説」の拡張
  双方向的な修正
  目的指向性の進化
  「生成評価の塔」
  意識はどの段階で進化したか
  意識と行為者性の進化
  理由と理解の進化
  「生成評価の塔」を評価する
  意識と生存をどのように結びつけるか
  意識は適応的な行為選択の土台である
  意識研究の今後


あとがき [086-087]
注 [088-099]
参考文献 [100-114]