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『哲学の歴史――自分と世界を考えるために』(伊藤邦武 中公新書 2012)

著者:伊藤 邦武[いとう・くにたけ] (1949-) アメリカ哲学(分析哲学、パース研究)、宇宙論の哲学、宗教哲学
NDC:130.2 西洋哲学史〈通史〉


物語 哲学の歴史 -伊藤邦武 著|新書|中央公論新社


【目次】
まえがき [i-viii]


序章 哲学史のストーリー  003
  物語としての哲学
  これまでの哲学史
  ヘーゲル『歴史哲学講義』
  シュペングラー『西欧の没落』
  トインビー『歴史の研究』
  ローティ「哲学の終わり」
  哲学の大きい螺旋的なサイクル
  新しい生の哲学の構築へ


第一章 魂の哲学――古代・中世 021
1 「魂」という原理 021
  哲学とは何か
  神話の時代から哲学の成熟へ
  文明横断的にみられる「魂」
  古代中国と日本
  古代インドの宗教
  ギリシア
  世界の主要元素への問い
  自然学者たちの活動
2 アテナイの哲学――プラトンアリストテレス 041
  ソクラテスの「無知の知
  学問の府アカデメイア
  『アテナイの学堂』が意味するもの
  プラトンイデア論
  イデアを把握する能力
  道徳論と宇宙論の結びつき
  アリストテレスの生涯
  『形而上学
  事物の生成変化の説明原理
  世界の始源と魂論
  「中庸」の実現
3 地中海の哲学 071
  帝国の誕生
  プラトンアリストテレスとのかかわり
  ヘレニズム時代の科学的遺産
  エピクロス派、ストア派懐疑主義
  プロティノスと新プラトン主義
  アウグスティヌスとポエティウス
  プロクロスの継承者
  「普遍論争」
  イスラムの哲学者たちの業績
  トマス・アクィナスの思想
  ダンテの『神曲』へ


第二章 意識の哲学――近代 102
1 科学革命の時代――デカルトの登場 102
  閉じられた世界から開かれた宇宙へ
  世界の片隅に生きる者
  近代哲学の父
  新しい哲学
  デカルト存在論
  観念とは
  精神と物質
  方法的懐疑
  透明な知性
  神の存在証明
2 心身問題 127
  心と身体の問題はどうなるのか
  機会原因論
  神即自然の哲学
  予定調和の哲学
  モナド
  精神と身体は同等か
3 経験論と超越論的観念論の立場 143
  感覚的経験の意義
  タブラ・ラサ
  観念の分類
  存在と知覚
  因果的結合の実在性
  観念連合
  観念のヴェール
  独断のまどろみ
  アプリオリな総合判断
  超越論的観念論
  超越論的統覚の働き
  理論理性・実践理性・カント後の哲学


第三章 言語の哲学―― 二〇世紀 179
1 論理学の革命 179
  独我論の脅威
  言語論的転回
  カントへの挑戦
  新しい論理学
  新しい哲学の創始者パース
  思考即記号、人間即記号
  パースのプラグマティズム
  フレーゲの算術の哲学
  「言語哲学」の問題領域へ
  フレーゲ後の二〇世紀哲学
2 ケンブリッジから 206
  分析哲学の流れ
  ラッセルの功績
  前期ウィトゲンシュタイン
  ラムジーの批判
  後期ウィトゲンシュタイン
  言語ゲーム論と生の哲学
3 アメリカへ 225
  論理実証主義
  クワイン論理実証主義批判
  翻訳の不確実性
  クワイン哲学の影響――デイヴィドソンとパトナム
  クーンのパラダイム
  ローティとプラグマティズムの帰結


第四章 生命の哲学―― 二一世紀へ向けて 244
1 生の哲学 244
  カント哲学のもう一つの遺産
  ダーウィンインパク
  ショーペンハウアーのカント理解
  物自体としての意志
  ペシミズムからの脱却
  「アポロン的なもの」と「ディオニュソス的なもの」
  生への意志から力への意志
  強者のニヒリズムとしての世界の肯定
2 ジェイムズとベルクソン 265
  ペシミズムやニヒリズムを超えて
  ジェイムズのプラグマティズム
  意識の流れと純粋経験
  意識に直接与えられているもの
  時間と自由
  進化と創造的エネルギー
3 エコロジカルな心の哲学 282
  人間と環境世界
  世界内存在としての実存
  無としての実存
  デカルト主義の残滓
  世界内存在としての身体――メルロ=ポンティ
  多様なシステムの重層と交差
  差異の哲学――ドゥルーズ
  多様体の論理
  アフォーダンス
  拡張した心の哲学
  宇宙の中の人間の位置


注 [313]
あとがき(二〇一二年八月 著者) [315]
人名索引 [318-321]