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『異議あり! 生命・環境倫理学』(岡本裕一朗 ナカニシヤ出版 2002)

著者:岡本 裕一朗[おかもと・ゆういちろう] (1954-) 哲学、倫理学
NDC:490.15 医学と倫理
NDC:519 公害.環境工学


異議あり!生命・環境倫理学 - 株式会社ナカニシヤ出版


【目次】
はじめに [i-iv]
目次 [v-xi]


序章 生命と環境の「倫理学」は必要か 003
  「倫理学」はお説教か
  生命・環境倫理学は「倫理学者」の就職対策か
  生命・環境倫理学はもう終わったか
  応用倫理学は現実に応用できるか
  応用倫理学は三面記事か
  今さら何をするか


  第I部 生命倫理学はいらない!

第1章 中絶はいかにして可能か 021
1 自分の身体は自分のもの 023
  バイオリニストを救うべきか
  ヘンリー・フォンダは来てくれない
  身体の所有権と自己防衛
  中絶の条件とは
  「不正な殺し」と「不正でない殺し」


2 殺していいもの、いけないもの 037
  「人間」は殺してもいいか
  パーソンとは何か
  バーソン概念の系譜
  種差別主義批判はウルトラ種差別主義だ
  まだパーソンではない
  論証か定義か


第2章 臓器移植を効率的に 052
3 五人のために一人を殺す 053
  ダブル・エフェクト論と希少資源問題
  「ネガティヴな義務」が「ポジティヴな義務」より優先する
  「殺すこと」は「死なせること」より悪いことか――路面電車問題
  サバイバル・ロッタリー
  サバイバル・ロッタリーは道徳的か


4 臓器は売買してもいい 068
  相互性の倫理と献身の倫理
  臓器移植に反対できるか
  反‐臟器移植論
  自己利益と自己犠牲
  臓器売買の論理
  自己決定権の強化


第3章 「自己決定」批判に反対! 085
5 安楽死は容認できないのか 087
  さまざまな「安楽死
  「非自発的安楽死」は何が問題か
  「生命の質」が焦点だ
  「消極的安楽死」と「積極的安楽死」の区別は意味があるか
  「積極的安楽死」の条件
  条件に反する安楽死」は不可能か
  「滑り坂理論」は成り立つか


6 インフォームド・コンセントは何のために 105
  パターナリズムから自己決定へ
  インフォームド・コンセントのある風景
  訴訟モデル
  商業モデルか、コミュニケーションモデルか
  パターナリズム復権
  権力モデル


7 遺伝子改造社会の生命倫理学 121
  「クローン人間」をつくろう!
  技術的な問題は本質的か
  「クローン人間禁止」はパターナリズムで差別主義だ
  クローン人間は「自然に反している」か
  現代のライフスタイルとクローン人間
  「男性中心主義崩壊」への不安
  選択的な妊娠及び中絶
  遺伝子改造は認められるか


  第II部 環境倫理学の袋小路

第4章 人間中心主義で悪いか 146
8 動物の解放!? 148
  種差別主義批判
  動物の中で差別する
  道徳的共同体のメンバー
  道徳的に配慮すべき対象
  クラス差別主義


9 ディープ・エコロジーと生態主義 160
  生命の平等主義は可能か
  土地倫理
  生態系主義
  自然主義的誤り
  「カテゴリー・ミステーク」と保守主義
  人間中心主義でどこが悪い


第5章 予言された「人類滅亡」!? 177
10 環境汚染と資源の枯渇は必然的か 179
  『沈黙の春』の恐怖
  牧歌的な自然崇拝と人間中心主義
  トレード・オフ問題
  成長の限界』の衝撃
  「限りある地球」と「均衡社会」
  西洋中心主義
  未来予測と環境倫理学


11 「豊かな社会」と「人口爆発」のジレンマ 199
  「豊かな社会」の到来
  ムダを目的とする社会
  人口問題は何が問題か
  社会問題としての人口問題
  「豊かさ」か「人口」か


第6章 環境保護にはウラがある 213
12 ファッションとしてのエコロジー 215
  地球寒冷化論から地球温暖化論へ
  枠組みとしての「地球」
  なんとなくエコロジー
  ポーズとしてのエコロジー
  アンチモダンなエコロジー
  イメージ戦略


13 政治としてのエコロジー 228
  環境戦略と原子力
  クジラ保護の意図は何か
  環境保護運動の源流
  国際政治における「脅威一定の法則」
  環境マフィアと環境帝国主義
  イデオロギーとしての環境問題


註 [246-260]
ブックガイド [262-277]
おわりに(二〇〇二年九月十一日 岡本裕一朗) [275-282]
事項索引 [284-288]
人名索引 [288-290]