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『朝鮮儒教の二千年』(姜在彦 講談社学術文庫 2012//2001)

著者:姜 在彦[강재언/かん・じぇおん] (1926-2017) 朝鮮近代史。
NDC:129.1 朝鮮の哲学


『朝鮮儒教の二千年』(姜 在彦):講談社学術文庫|講談社BOOK倶楽部


【目次】
序章 「儒教」とは何か 009
1 はじめに
2 乱世を生きた孔子
3 『史記』の孔子
4 教育に夢を託して
5 儒教の国教化
6 孔子を継ぐ孟子
7 孔子の「仁」と孟子民本主義
8 性善説性悪説
9 荀子の「出藍のほまれ」


第一章 孔子以前の「箕子朝鮮」 033
1 二つの古代史書
2 「直筆」の史書と「矯正」の史書
3 「檀君」と「箕子」
4 儒者好みの「箕子朝鮮」


第二章 三国時代儒教 048
1 朝鮮史上の三国時代
2 高句麗儒教
3 高句麗を攻めた煬帝の自滅
4 百済儒教
5 日本に伝わった百済の元嘉暦
6 新羅儒教
7 円光の世俗五戒と花郎
8 日本にきた百済五経博士


第三章 後期新羅儒教 069
1 新羅の半島統一
2 日本に亡命した百済人たち
3 元暁・薛聡・薛仲業
4 国学と読書三品科
5 新羅の入唐留学生
6 入唐留学生――崔致遠と崔彦縑


第四章 高麗王朝の「仏教立国」 091
1 高麗王朝と激動の東アジア
2 王建の「訓要十条」
3 光宗の科挙
4 崔承老の光宗評
5 「武」が欠落した科挙制度
6 「守成」のむずかしさ


第五章 成宗の崇儒政策と崔承老 111
1 二つの高麗正史
2 崔承老の時務疏
3 その仏教批判
4 儒仏の「政教分離
5 成宗の「以人為本」
6 儒風の奨励と国子監の創立
7 高麗と宋との交流


第六章 私学十二公徒と国子監 131
1 崔沖と私学十二公徒
2 国子監と京師六学
3 宋の使臣がみた国子監
4 李寧の「礼成江図」と高麗青磁
5 高麗にたいする金の外圧
6 宋学=程朱学の台頭


第七章 文臣の退廃と武臣政権 153
1 武臣政権の登場
2 武臣政権下の儒者たち
3 モンゴル(元)との三〇年戦争
4 三別抄の乱と日本
5 武臣政権は「暗黒期」か


第八章 朱子学の伝播と排仏論 174
1 新儒教としての朱子学
2 元代の朱子学と高麗
3 朱子学の伝播
4 李穡と成均館
5 排仏論から易姓革命


第九章 易姓革命――高麗から朝鮮へ 199
1 恭愍王の反元策と挫折
2 李成桂の威化島回軍
3 太祖の即位教書
4 「朝鮮」という国号
5 「事大」は「従属」か
6 五〇〇年の王都――ソウル


第十章 「儒教立国」のブレーンたち 221
1 鄭道伝の経世思想
2 君主制と宰相制
3 権近の経学思想
4 王子の乱と鄭道伝の死
5 明との事大外交
6 日本との交隣外交


第十一章 教育と科挙、そして王朝実録 245
1 儒教一色の教育システム
2 科挙試の文科と武科
3 雑科教育と科挙
4 王朝実録の編纂と受難
5 高麗王朝の実録


第十二章 王朝政治の守成――世宗と世祖 267
1 世宗の文治主義
2 訓民正音(ハングル)の制定
3 崔万里一派の反対上疏
4 世祖の王位簒奪と勲旧派
5 儒仏兼修の世祖
6 安平大君と「夢遊桃源図」
7 『東国通鑑』と『経国大典』
8 二朝・二君に仕えるのは不仁か


第十三章 士林派の形成と士禍 296
1 士林派の登場
2 燕山君と士禍
3 道学政治と己卯士禍
4 趙光祖の君主観
5 乙巳士禍と仏教の中興
6 士林派政治を切り拓いた奇大升
7 士林派の東西分党


第十四章 朱子学一辺倒と性理学論争 323
1 李滉と嶺南学派
2 陸王学を一蹴した李滉
3 李珥と畿湖学派
4 李珥の変法思想
5 「養兵」は「養禍」か
6 学派と党派の結合
7 性理学偏重の弊害
8 湖南に咲く、「落郷文学」


第十五章 東アジアの動乱と朝鮮 354
1 日本と「倭乱」
2 「交隣」の回復
3 姜𦫿と江戸儒学
4 明清角逐期の光海君
5 仁祖反正と「崇明排清」
6 自ら招いた「胡乱」
7 許浚の『東医宝鑑
8 変則的な『光海君日記』
9 明清の王朝交替
10 ドルゴンの「以漢制漢」


第十六章 「崇明排清」の思想 388
1 昭顕世子とアダム・シャール
2 昭顕世子の怪死とその意味
3 宋時烈の「北伐論」
4 現実ばなれした「北伐論」
5 「保国」か「名分」か
6 脱朱子は「斯文乱賊」
7 礼訟をめぐる党争


第十七章 英祖・正祖時代の実学派 422
1 「朋党」とは何か
2 英・正時代の「蕩平策」
3 実学派の形成
4 実学派の先駆――柳馨遠
5 李瀷と星湖学派
6 西学受容と辛酉教
7 華夷観の転回――北学派
8 「近代」を透視した朴斉家
9 遊民化した両班問題
10 丁若𨉷の経世思想
11 その利用監プラン
12 「性相近し」の人性論
13 金正喜の「歳寒図」


第十八章 ウェスタン・インパクトと朝鮮 473
1 東アジアのウェスタン・インパク
2 『海国図志』と『万国公法』にたいする朝鮮の反応
3 安東金氏の登場
4 「君弱臣強」の勢道政治
5 相次ぐ天主教弾圧
6 大院君の執政と四色平等
7 書院整理と景福宮の再建
8 二つの洋擾と衛正斥邪思想
9 華西学派の「道統」
10 「武」が欠落した攘夷思想
11 反洋夷と「清貧」の思想
12 朴珪寿の対米観


終章 王朝の斜陽――鎖国から開国へ 516
1 高宗の親政と対日問題
2 武力に屈した対日開国
3 李鴻章の「以毒攻毒」策
4 修信使金弘集と『朝鮮策略』
5 対米開国と使節団派遣
6 事大と守旧の厚い壁
7 壬午軍乱と清国の宗主権
8 開国から開化への道
9 「引俄拒清」と宗主権との衝突
10 進貢国は属国か
11 清軍借用論と日清戦争
12 開化思想と儒教
13 開化派の教育改革ビジョン
14 科挙制の廃止と新しい学制
15 「引俄拒倭」と閔妃暗殺
16 局外中立の侵犯と日露戦争
17 反日義兵将の思想――崔益鉉のばあい
18 儒教刷新と陽明学
19 万物一体の仁と大同教


あとがき(二〇〇〇年一一月一〇日 凡愚居士 姜在彦) [576-580]
学術文庫版あとがき(二〇一一年一一月三〇日 凡愚居士 姜在彦) [581-583]
人名索引 [584-603]