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『「関係の空気」「場の空気」』(冷泉彰彦 講談社現代新書 2006)

著者:冷泉 彰彦[れいぜい・あきひこ] (1959-) 日本語教師。メルマガ・ライター。元ベネッセ社員。
NDC:810.4


『「関係の空気」「場の空気」』(冷泉 彰彦):講談社現代新書|講談社BOOK倶楽部


【目次】
はじめに  [003-014]


第1章 関係の空気 019
「関係の空気」が高める日本語の伝達能力
共感性を高める若者言葉
恋人たちの会話と濃厚な空気
人の死という厳粛な空気
勝海舟西郷隆盛、腹芸の空気の対等性
上司と部下における「関係の空気」
「関係の空気」は対等な会話スタイルを要求する
「関係の空気」と業界用語


第2章 日本語の窒息 057
空気が欠乏するとき
時代の閉塞感と日本語の窒息
「キレやすい人」の日本語
ネット社会のディスコミュニケーション
クラスにおける言語空間
話題の新書に書かれていること
右派と左派の間に流れる不気味な沈黙
陳腐化する日本語、その弱点
2ちゃんねるの功罪
流行するコードスイッチ話法
下から上には使えないコードスイッチ話法
コードスイッチ話法が壊す対等性
すれ違う男と女の言語スタイル
遅れを取っている男言葉
立ち止まる日本語、生かせないその性能


第3章 場の空気――『「空気」の研究』から三十年 119
山本七平の「空気」とは
山本亡き後も猛威を振るう空気
長時間労働になる理由唖
少子化問題も「空気」がポイント
教育現場を席巻する「抗空気罪」
アメリカにも「空気」は存在するが……
アメリカの教育は、どうして風通しが良いのか


第4章 空気のメカニズムと日本語 151
日本語という空気発生機
「場の空気」という妖怪
「空気発生機」としての略語、造語
「場の空気」と権力
対等性の喪失と、場の空気の権力化
ダジャレも権力にしてしまう空気の魔力
小泉レトリックと空気の権力
公的空間に私的な空気が持ち込まれるとき、権力が生まれる
みのもんた話法の権力性


第5章 日本語をどう使うか 179
提案その一、ちゃんと語ることで日本語は伝わる
提案その二、失われた対等性を取り戻すために
提案その三、教育現場では「です、ます」のコミュニケーションを教えよ
提案その四、ビジネス社会の日本語は見直すべきだ
提案その五、「美しい日本語」探しはやめよ


あとがき――「です、ます」調をめぐって(二〇〇六年五月 新緑のプリンストンにて 冷泉彰彦) [211-220]