著者:内田 樹[うちだ・たつる](1950-) フランス現代思想。随筆。
著者:釈 徹宗[しゃく・てっしゅう](1961-) 宗教学(比較宗教思想)。僧(浄土真宗)。
装丁:井上 雄彦[いのうえ たけひこ](1967-) 漫画家。
NDC:160 宗教
『現代霊性論』(内田 樹,釈 徹宗):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部
【目次】
目次 [003-007]
文庫版のためのまえがき(二〇一三年三月 内田樹) [011-017]
第一章 霊って何だろう? 019
神さまや幽霊については現象学的アプローチが有効です
WHOによる霊性への取り組み
日本の祖霊信仰と死生観の変遷
地名と「場の力」
繁華街の多くは霊的スポット?
身体感度を鈍くする現代人
第二章 名前は呪い? 047
名づけることは呪うこと
霊に個性はあるのか
名前の持つ力
男女共同参画社会の欺瞞
「自明の前提」を系譜的に考えてみる
「葬式をやらない」は許されない
第三章 シャーマン、霊能者、カウンセラー ――民間宗教者のお仕事 077
供養とは故人のふるまいを繰り返すこと
コミュニケーションの三タイプ
大衆の生活に入り込んでいた民間宗教者
名医とシャーマニズム医療
第四章 スピリチュアル・ブームの正体 095
都市ほど占いが流行る
宗教の本質と「魔境」
メジャー宗教の裏バージョン
「ハレ・ケ・ケガレ」の三態
「ハレの常態化」とその危険
ポスト新宗教とナショナリズム
危険な宗教の「つまみ食い」
オウム真理教はマジだからああなった
第五章 日本の宗教性はメタ宗教にあり 129
大本を作った出口王仁三郎
鈴木大拙が考えた霊性
コナン・ドイルとスピリチュアリズム
宗教と国家権力
シャーロック・ホームズの推理法
村上春樹の作品に見る霊的な説話
本物の哲学者は幽霊の話をする?
ポスト新宗教に影響を与えた「神智学協会」
アメリカの宗教性の変遷
ヨーガ、スピリチュアル・ケアから『死ぬ瞬間』まで
日本独自の「スピリチュアル・コンベンション」
第六章 第三期・宗教ブーム―― 一九七五年起源説 167
日本に三度あった宗教ブーム
カルトかどうかのチェック・ポイント
宗教が持つ三つの特徴
一九七五年という分岐点
新入社員のボーナスが五百万円だった時代
カウンセラーは信用できない
閉じた教団には要注意
第七章 靖國問題で考える「政治と宗教」 195
首相の靖國参拝に反対する理由
高橋哲哉と小林よしのりの共通性
死者を正しく祀らないと崇る
「死者の声が聞こえる」という傲慢
宗教を道具化する靖國問題
靖國神社に求められる覚悟
世俗と宗教を分離するイスラム
国民国家は新しい概念
第八章 宗教の本質は儀礼にあり 221
ユダヤ教が繋いだユダヤ人の民族性
イスラムにおける「ラマダーン」の絆
宗教と一流詐欺師の共通点
「お悔やみ」の難しさ
「共食」と「個(孤)食」
第九章 宗教とタブー 243
「いただきます」は宗教行為か?
「お清めの塩」の問題
生き物から食べ物への移行
儀礼が軽視されてきた近代社会
「お経はわからないから、ありがたい」場合もある
儀礼の持つ「裏の顔」
インドには泥棒のカーストがある
だんじり祭の美意識
タブーとしての「豚食」
事件は橋の上で起こっている
クロスロードは異界へのドア
起源が言えないのが儀礼
質問の時間 278