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『江戸の思想史――人物・方法・連環』(田尻祐一郎 中公新書 2011)

著者:田尻 祐一郎[たじり・ゆういちろう](1954-) 日本思想史(近世儒学国学神道)。
NDC:121.5 日本思想(近世)


江戸の思想史|新書|中央公論新社


【目次】
はじめに [i-iii]
目次 [iv-viii]


序章 江戸思想の底流 003
  内藤湖南網野善彦
  恐怖の闇から世俗生活へ
  世俗的な秩序化
  イエ
  出版
  商品・市場
  「日本」意識性・差別


第1章 宗教と国家 021
  宗教一撲への憎悪
  権力者の自己神格化
  「神国」イデオロギー
  キリスト教の「神」観念の衝撃
  「釈尊御領」の論理


第2章 泰平の世の武士 039
  朝鮮通信使の観察
  中世武士の思想
  武士は何のためにあるのか――山鹿素行の問い
  『三河物語』と『葉隠』――忠をめぐって


第3章 禅と儒教 053
  「無心」と「自由」
  縛られない「心」
  鈴木正三の教え
  中江藤樹と太虚皇上帝
  山崎闇斎の禅学批判
  藤樹と闇斎が追求したもの
  経世論創始者、熊沢蕃山


第4章 仁斎と徂徠(1)――方法の自覚 073
  朱子学の構造
  仁斎と古典
  まず「血脈」を理解せよ
  朱子学を全否定
  徂徠による訓読批判
  古文辞学


第5章 仁斎と徂徠(2)――他者の発見、社会の構想 087
  「愛の理」ではなく「愛」
  他者性の発見
  「四端」の拡充、「卑近」の尊重
  徂徠の朱子学・仁斎学批判
  「道」は聖人が作った
  『政談』
  歴史を学び、今を相対化する/徂徠学派


第6章 啓蒙と実学 107
  貝原益軒
  宮崎安貞『農業全書』
  新井白石と世界
  合理的な歴史観


第7章 町人の思想・農民の思想 119
  新たな社会イメージ
  上層農民の思想
  安藤昌益の聖人批判
  二宮尊徳――「人道」と「推譲の道」


第8章 宣長――理知を超えるもの 133
  国学の成立
  宣長による国学の大成
  「もののあわれ」を知る
  不可思議でおおらかな神
  ニヒリズム
  「皇国」の優越
  「委任」論の誕生


第9章 蘭学の衝撃 151
  『解体新書』の翻訳
  蘭学と漢学・古文辞学
  富永仲基の「加上」説
  三浦梅園の方法論
  司馬江漢の社会批判
  都市の知識人たち


第10章 国益の追求 169
  海保青陵――売買は天理
  本多利明――カムチャッカ国家建設
  佐藤信淵――中国・朝鮮の支配構想
  富国・強国・脱亜への志向


第11章 篤胤の神学 181
  「霊の行方の安定」
  生者と死者との交わり
  日本中心主義と天皇
  地域に生きる平田神学


第12章 公論の形成――内憂と外患 195
  大塩平八郎の乱
  後期水戸学
  会沢正志斎と「民心」
  忠孝の一致
  祭祀と儀礼
  佐藤一斎と門人たち
  佐久間象山――東洋道徳・西洋芸術
  横井小楠の視界
  吉田松陰が向き合った「国」


第13章 民衆宗教の世界 219
  如来教
  天理教
  金光教
  冨士講
  民衆宗教とナショナリズム
  民衆宗教の特色


おわりに(二〇一〇年晩秋 田尻祐一) [232-239]