著者:加藤 典洋[かとう・のりひろ](1948-2019)
NDC:210.04 日本史
NDC:121 日本思想
【目次】
はじめに――自画像について [iii-viii]
目次 [ix-xii]
第一部 自画像制作とは何か
第一章 自画像の思想 001
1 命がけの飛躍――ラカン 001
2 否定と抵抗――酒井直樹 010
3 自画像制作の物語――ポー 023
4 二重性と基層――「日本人」 035
第二章 地図という自画像 041
1 初原としての行基図 041
2 サークルに囲まれた行基図 055
3 世界図の到来 060
4 「坤輿万国全図」の制覇 069
第二部 近代以前
第一章 徂徠の革命 075
1 外国語の発見 075
2 古文辞の学へ 089
3 徂徠学の創出 100
4 異質な思考 108
第二章 宣長の抵抗 117
1 問題のありか 117
2 論の周囲 126
3 徂徠から宣長へ 135
4 三つの観点 139
5 文献学とエポケー 158
6 「先入主の滅却」と「日の神」――『呵刈葭』論争をめぐって 168
7 「宣長問題」とは何か 186
第三部 近代以後
第一章 関係の発見 207
1 一八四〇年の世界像の変換 207
2 内在と関係――「丁丑公論」「瘠我慢の説」 227
第二章 柳田国男と民俗学 245
1 民俗学の成立 245
2 常民とは何か 254
3 二重の姿勢 266
4 一国民俗学と世界民俗学 272
第四部 戦争体験と世界認識
第一章 鏡の破砕 277
1 江上波夫の騎馬民族説 277
2 エートノス・アントロポス・フマニタス 283
第二章 小林秀雄と「国民」 294
1 自足する「内在」 294
2 「日本」から「国民」へ 306
3 日常的な判断の座 315
第三章 吉本隆明と「関係」 324
1 「内在」から「関係」への“転轍” 324
2 自画像制作と世界認識 336
3 『古事記』の中の「アフリカ的段階」 352
終わりに――四つの象限 365
注 [371-390]
あとがき(二〇〇〇年三月 加藤典洋) [391-394]
岩波現代文庫版あとがき(二〇一六年一一月 加藤典洋) [395-398]
【メモランダム】
本書を読んだ後は、加藤典洋がかつて事典に執筆した「日本人」という項目も参照してほしい(見田宗介, 栗原彬, 田中義久[編] 『社会学事典』弘文堂、1988、pp. 677-678)。
さらにこの事典以前にも、原型となる論文は発表されていたようだ。