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『入門 経済学の歴史』(根井雅弘 ちくま新書 2010)

著者:根井 雅弘[ねい・まさひろ] (1962-) 経済思想史、社会思想史。
解説:中村 隆之[なかむら・たかゆき] (1973-) 経済思想史。ハロッド研究。


筑摩書房 入門 経済学の歴史 / 根井 雅弘 著


【目次】
目次 [003-006]
はしがき [007-010]


プロローグ――経済学史の全体像をおさえる 011
ケネーからアダム・スミス
古典派経済学
マルクス経済学
限界革命」と新古典派経済学
ケインズ革命
新古典派総合から現代経済学へ
経済学の異端児たち


第一章 経済循環の発見 023
ケネー『経済表』の偉業
重農主義」の思想
『経済表』の経済政策
アダム・スミスとケネー
資本論』の再生産表式
マルクス剰余価値
資本の蓄積過程
シュンペーターの「静態 stationary state」
「新結合」とは何か
「銀行家」こそが真の「資本家」
シュンペーターの発展理論――好況と不況のしくみ
「静態」vs「動態」

【コラム1】 経済思想家としてのシュンペーター 055
【コラム2】 マルクスシュンペーター 059


第二章 価値と分配の理論 063
リカード経済学の体系――四本の柱
リカード理論を図式化する
比較生産費説
限界効用説vs生産費説
マーシャルの価値論――需要と供給の均衡
ワルラス一般均衡理論
限界革命のもたらしたもの
スラッファによる「古典派アプローチ」の再生
『商品による商品の生産』の骨子

【コラム3】 「定常状態」をめぐって 093
【コラム4】 メンガーの主観主義 095


第三章 ケインズ革命 101
ケインズとヴィクセル
ケインズの『貨幣論
有効需要の原理」へ――「セーの法則」との決別
国民所得」はどう決まるか
乗数理論
ケインズ像はなぜ歪められたのか――「波及論的乗数」の幻想
ケインズの投資決定論
流動性の罠
「不確実性」の問題――「投資の社会化」とは何か
ケインズの「危機意識」

【コラム5】 二つの貨幣数量説 133
【コラム6】 「自由放任の終焉」をめぐって 135


第四章 多様なケインジアン 141
ケインズ経済学を「長期化」する
ハロッドの三つの基本方程式
ハロッドの「経済行動学」
ソローの「新古典派成長理論」
カルドアによるハロッド理論への批判
新古典派総合」の黄金時代
ポスト・ケインジアン――「不確実性」をめぐって
マクロ経済学のミクロ的基礎――ルーカスの勝利
「新しい」ケインジアン?――マンキューの理論
私は大不況をこの目で見た!――トービンの疑問
「よい経済学者」の条件とは?

【コラム7】 悲運のハロッド 168
【コラム8】 J・ロビンソンの「血気」 171
【コラム9】 価格の決定と産出量の決定の分離 174


第五章 制度主義の展開 177
ヴェブレンの『有閑階級の理論』
アメリカにおける「制度主義」の展開
ガルブレイスの「制度的真実」への挑戦
「ジャーナリスト」としてのガルブレイス
「非経済的要因」への着目――ミュルダールの制度主義
「新制度学派」の経済分析――コースの問題提起
青木昌彦の「比較制度分析」

【コラム10】 ミュルダールの「価値前提の明示」 201
【コラム11】 「審美的次元」について 203


あとがき (二〇一〇年三月十日 根井雅弘) [207-209]
文献案内 [211-214]
補説(中村隆之) 215
  1 スミスの「自然価格」と「市場価格」の区別
  2 マーシャルの「部分均衡理論」
  3 スラッファはなにゆえ「古典派の価値論」を再生しようとしたのか
  4 「セーの法則」について
  5 「IS/LM分析」再入門
  6 ケインズ理論の長期化・動学化
  7 マクロ経済学のミクロ的基礎
  8 「制度」とは何か?――「経済学の本流」が軽んじてきたもの


人名索引 [249-250]