著者:加藤 典洋[かとう・のりひろ](1948-2019) 文芸評論。
解説:内田 樹[うちだ・たつる] (1950-) フランス文学、評論。
解説:伊藤 祐吏[いとう・ゆうじ] (1974-) 文芸評論、思想史。
装幀:水戸部 功[みとべ・いさお] 装幀。
初出:
「敗戦後論」……『群像』(1995年1月)
「戦後後論」……『群像』(1996年8月)
「語り口の問題」……『中央公論』(1997年2月)
【目次】
目次 [003-006]
タイトル [007]
敗戦後論 009
I 戦後の起源
1 極東の敗戦国にて 012
2 湾岸戦争関連文献 017
3 原点の汚れ 021
II ねじれと隠蔽
1 初期の挿話 029
2 『世界』の宮廷革命 036
3 「戦後文学」vs「無頼派」 043
III 分裂の諸相
1 ジキル氏とハイド氏 051
2 二様の死者 059
IV よごれ――大岡昇平を想起する
1 一九六一年の転換 070
2 よごれしょぼれた日の丸 078
3 一九七一年の選択 092
戦後後論 105
はじめに 108
I 太宰治と戦後
1 政治と文学 123
2 芸術的抵抗への抵抗 131
3 坂口・石川 vs 太宰 138
4 「薄明」 150
II 文学とは何か
1 思想としての文学 158
2 誤りうるものの意味の根源 169
3 盲目と全円 181
4 「内在」と「超越」 187
III 戦後以後
1 「ノン・モラル」の感触 195
2 太宰 vs J・D・サリンジャー 208
3 意識と、身体的なもの 217
4 正しいことと誤りうるもの 225
5 不可疑性と可誤性 231
語り口の問題 243
1 ハンナ・アーレント 244
2 素描・戦後の歪み 249
3 『イェルサレムのアイヒマン』 254
4 共同性と公共性――ショーレムとアーレントの論争 260
5 「語り口」とは何か 272
6 私の領域 281
7 共同性を破るもの 291
注 [301-335]
あとがき(一九九七年二月、パリ、サン・シュルピス広場、六月、志木、柳瀬川のほとりで 加藤典洋) [336-350]
1 336
2 338
3 348
ちくま文庫版あとがき(二〇〇五年十月 加藤典洋) [351-354]
ちくま学芸文庫版によせて(二〇一五年五月 加藤典洋) [355-359]
ちくま文庫版解説 卑しい街の騎士(内田樹) [361-371]
ちくま学芸文庫版解説 一九九五年という時代と「敗戦後論」(伊藤祐吏) [372-381]
【メモランダム】
・明戸隆浩(2018)「現代日本の排外主義と「対抗言論」」in 樽本英樹[編]『排外主義の国際比較――先進諸国における外国人移民の実態』も参照。