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『失われたドーナツの穴を求めて』(芝垣亮介,奥田太郎[編] さいはて社 2017)

編者:芝垣 亮介[しばがき・りょうすけ](1980-) 言語学
編者:奥田 太郎[おくだ・たろう](1973-) 哲学。
装幀:北尾 崇[きたお・たかし] ブックデザイン。
NDC:002 知識.学問.学術


失われたドーナツの穴を求めて|さいはて社


【目次】
目次 [002-003]
はじめに(ドーナツの穴製作委員会ディレクター 芝垣亮介) [005-007]


第0穴 ドーナツとその穴にまつわる深い謎を学問する―― ドーナトロジーへようこそ  奥田太郎  008
1 私たちはドーナツのことをどれだけ知っていると言えるのだろうか 008
2 ドーナツとその穴の謎を解く方法 011
3 本書の楽しみ方 017


第1穴[歴史学] ドーナッツの穴はいつからあるのか  大澤広晃  026
1 はじめに 026
2 ドーナッツの穴の「伝説」 027
  2-1 「ドーナッツの穴は私があけた」:ハンソン・グレゴリーの主張 027
  2-2 「伝説」を検証する 029
3 ドーナッツの穴の歴史を違う角度からみてみる 030
  3-1 いつから「ドーナッツに穴があいている」のが当たり前となったかのか? 030
  3-2 余興:19世紀イギリスでのドーナッツとドーナッツの穴 035
4 むすびにかえて 039


第2穴[実証研究] 失われたドーナツの穴を求めて  芝垣亮介[松川寛紀 監修]  046
1 イントロ 046
2 事の経緯 047
3 1852年のドーナツの再現 049
  3-1 レシピの読解 049
  3-2 再現 052
4 試食、そして考察 055
5 まとめ――穴の周りを回り回って 056


第3穴[経済学] ドーナツの穴はいくらで売れるのか  後藤剛史  068
はじめに 068
1 副生産物を売る――製品差別化と価格付け 070
  1-1 どうせ捨てるなら… 070
  1-2 主生産物と副生産物はどちらも売れている 070
  1-3 主生産物と副生産物の価格付け 071
  1-4 品質を欲張る方がトクをする 074
2 ドーナツは1個ずつしか買えない 075
  2-1 量についても、欲張りな人はトクをするのか? 075
  2-2 ドーナツが単品販売である理由 077
3 ドーナツの甘さはだいたい同じ:水平的差別化の経済学 078
  3-1 ドーナツの甘さについての好みは様 078
  3-2 相手に近づくとトクをする 079
  3-3 甘さはどこも同じ 080
  3-4 クリスピー・クリーム・ドーナツは甘すぎる? 081
4 おわりに――経済学を学べば物事の共通点が見えてくる 082


第4穴[物質文化論] ドーナツの穴から世界の成り立ちを覗く  佐藤啓介  090
1 はじめに 090
2 穴をつくる 091
3 穴の製法を整理する 093
  A 結び閉じ型 
  B 削り出し型 
  C くり抜き型 
  D 変型型 
  E 巻きつけ型 
  F 鋳造型 
  G 組み合わせ型 
4 穴から世界をみる 098
おわりに 102
参考文献 102


第5穴[コミュニケーション学] ドーナツの穴に向かって会話する  今井達也  108
1 はじめに 108
2 座り方のコミュニケーション学 109
3 輪になって座る 112
4 ドーナツ型に座る 113
  4-1 ドーナツ型会議と「穴」の力 113
  4-2 ドーナツ型会議の穴はいつ消えるか 115
5 ドーナツの穴に関するコミュニケーション学的研究 117
参考文献 119


第6穴[数学] ドーナツの穴は数学的に定義できるか  佐々木 克巳  126
1 穴のある図形 127
2 図形の穴 140
3 「ドーナツを穴だけ残して食べる」の考察1 144
4 「ドーナツを穴だけ残して食べる」の考察2 146
参考文献 148


第7穴[言語学] 私たちは何を「ドーナツの穴」と呼ぶのか  芝垣亮介  152
1 イントロダクション 152
2 ドーナツの穴は使役構文 154
  2-1 使役の必要性とドーナツの穴 155
  2-2 派生的な言語事実 164
3 ドーナツ「の」穴からわかる我々の認識 166
  3-1 属格(所有格)の「の」について 167
  3-2 ドーナツ「の」穴の分析 168
4 ドーナツは輪型ではなく穴型 169
5 穴の典型性――ドーナツの穴から日英の穴へ 172
6 人はなぜ穴と輪を混同するのか 177
7 まとめ 179
参考文献 179


第8穴[哲学] ドーナツに穴は存在するのか  奥田太郎  192
1 穴はあなどれない 192
2 ドーナツには穴がない 194
3 ドーナツの穴は物体である 196
4 ドーナツの穴にはドーナツが欠けている 200
5 ドーナツの穴はドーナツに依存している 201
6 穴を残せなくても、穴の存在論だけは残る 206


穴コラム0 ドーナツの形は宇宙の形?  奥田太郎  020


穴コラム1 中国から考えるドーナツの穴(1)―― 武漢面窩[ミェンウォー]と中国の「近代」  宮原佳昭  040
参考文献 044
武漢面窩の作り方 045


穴コラム2-1 僕たちがドーナツ屋になったワケ  松川寛紀  058
◎ 著者よりハグジードーナツを紹介 
◎ ハグジーから皆様へ 

穴コラム2-2 ハグジー流・家庭でできるおいしいドーナツのレシピ  松川寛紀・松川由実  064


穴コラム3 穴馬考――あなたの、そして私の穴が走っています  郄田一樹  084
1 西にはあるんだウマの国 084
2 アナが消えたウマ 085
3 アナが教えてくれたこと 086
4 ハレ、ときどきウマ 088
参考文献 089


穴コラム4 天体観測ミッションとドーナツ  坂本 登  104


穴コラム5 中国から考えるドーナツの穴(2)――漢字・文物・貨幣  宮原佳昭  120
1 漢字 
2 文物・貨幣 
参考文献 


穴コラム6 不思議の国のアリスにみる穴だけ残ったドーナツ!  佐々木克巳  150


穴コラム7-1 穴を掘るって、地面を掘るんじゃないの?  芝垣亮介  180

穴コラム7-2 穴を埋めると穴はなくなってしまうのか?  芝垣亮介  184


「ドーナツの穴」を学ぶ人のための必読書 [208-213]
特別寄稿 本書の穴を埋める  加地大介 [214-218]
あとがき [219-221]
ドーナツの穴製作委員会メンバー紹介 [222-223]