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『「日系」をめぐることばと文化――移動する人の創造性と多様性』(松田真希子,中井精一,坂本光代[編] くろしお出版 2022)

編者:松田 真希子[MATSUDA,Makiko] 第1章 日本語教育。南米日系人の言語文化研究。
編者:中井 精一[NAKAI,Seiichi](1962-) 第10章 日本語学、社会言語学(方言研究)。
編者:坂本 光代[SAKAMOTO,Mitsuyo] 第5章 バイリンガル研究、継承語・多文化教育。
著者:伊澤 明香[IZAWA,Sayaka] 第4章 地域・年少者日本語教育
著者:岡田 浩樹[OKADA,Hiroki](1962-) 第14章 文化人類学
著者:尾辻 恵美[OTSUJI,Emi] 第13章 社会言語学(多言語主義、批判的応用言語学。市民性・公共性とことばの教育)。
著者:櫻井 千穂[SAKURAI,Chiho] 第9章 博士(言語文化学)。日本語教師
著者:定延 利之[SADANOBU,Toshiyuki](1962-) 第7章 言語学。コミュニケーション論。
著者:白石 佳和[SHIRAISHI,Yoshikazu] 第11章 日本語教師。ブラジル俳句の研究(増田恆河)。
著者:トムソン 木下 千尋[THOMSON,Chihiro Kinoshita] 第2章 教育学。
著者:中島 永倫子[NAKAJIMA,Eriko] 第9章 国際交流基金海外派遣日本語専門家(ローマ日本文化会館2021-2024年)。
著者:長谷川 アレサンドラ美雪[HASEGAWA,Alessandra Miyuki] 第3章 ブラジル日本文化体育協会日本語学校日本語教師。現在はブラジル在住。ブラジルで「Psicopedagogia(心理教育学)」の学士を取得中。
著者:福島 青史[FUKUSHIMA,Seiji] 第3章 日本語教育学。
著者:水上 貴雄[MIZUKAMI,Takao] 第6章 公益財団法人海外日系人協会事務局次長兼総務部長。
著者:三輪 聖[MIWA,Sei] 第8章 テュービンゲン大学アジア地域文化研究所日本学科専任講師。
著者:ダニエル ロング[LONG,Daniel] 社会言語学。第12章
著者:サウセド金城 晃アレックス[SAUCEDO KINJO,Akira Alex] コラム2 料理人(琉球料理)。
著者:寺本 不二子[TERAMOTO,Fujiko](テリー 寺本) コラム3 元カンタス航空勤務、ワイン業界指導者/ワインジャーナリスト。
著者:松崎 かおり[MATSUZAKI,Kaori] コラム1 大阪大学大学院人文学研究科日本学専攻博士前期課程在籍中。
本文デザイン:竹内 宏和[たけうち・かずひろ] デザイナー(藤原印刷
装丁デザイン:たけなみゆうこ イラストレーター(コトモモ社)。
カバー写真撮影:Raphael Lovaski
  カバー写真:Ciudad del Esteの街並み
件名:言語社会学
件名:多文化主義
件名:日本人 (南アメリカ在留)
NDLC:KE19
NDC:801.03 言語学 >> 言語社会学.社会言語学
NDC:810.1  言語学 >> 日本語 >> 理論.国語学


「日系」をめぐることばと文化 移動する人の創造性と多様性|くろしお出版WEB


【目次】
はじめに [i-iii]
目次 [iv-v]


第1章 南米日系日本語教育の創造性と多様性[松田真希子] 001
1 はじめに 001
2 教育的トランスランゲージ(TLP)とは 004
3 読書会参加者と地域の日本語使用状況 006
4 読書会の感想によって見えてきた南米日本語教育の特徴 007
  4.1 TLと親和性が高かった時代は過去のものとされている
  4.2 TLでは高度なバイリンガルは育たない
  4.3 TLの要素は南米日系社会の日本語教育に既にある
  4.4 文化教育であれば南米でもTLが実践できる
5 今後の南米の日本語教育はどうあるべきか 012
6 おわりに――南米日系日本語教育の過去に学ぶ必要性 015
付記/参照文献 016


第2章 ケイショウゴ教育の変遷について――オーストラリアとブラジルを例に[トムソン木下千尋] 018
1 はじめに――南半球の二つの国 018
2 オーストラリアの日本人 019
  2.1 パールダイバー
  2.2 戦争花嫁
  2.3 ワーキングホリデー・長期滞在
3 ライフスタイル移住 021
4 コミュニティと子どもたちの日本語教育 022
5 ケイショウゴ 023
6 おわりに 028
調査資料/参照文献 028


第3章 「違い」の感覚を生きる[福島青史、長谷川アレサンドラ美雪] 031
1 はじめに(福島) 031
2 方法論(福島) 032
3 ライフヒストリー(長谷川) 034
  3.1 ブラジル帰国――ブラジルの学校、先進国と発展途上国(13~15歳)
  3.2 二度目の日本――出稼ぎの娘ではなく出稼ぎとして(15~17歳)
    再度、日本へ
    15歳の誕生日
    初めての仕事
    再度、長野県へ――境界のある世界
4 ダイアローグ(福島・長谷川) 037
  4.1 出稼ぎ=移動労働者の生活、不安
  4.2 所属意識と教育制度、社会の中の壁と扉
  4.3 所属意識と移動の意味、並行する議論
5 おわりに(長谷川) 042
付記/参照文献 042


  コラム1 複数の言語と文化に触れること[松崎かおり] 044
 

第4章 多様化社会のファミリー・ランゲージ・ポリシー[伊澤明香] 046
1 はじめに 046
2 ブラジルの日系人の保護者は何を考え教育してきたのか 047
  2.1 子どもへの日本語教育に関して保護者は何を意識してきたか
  2.2 時代によって保護者の子どもへの教育意識はどう変わってきたのか
  2.3 ファミリー・ランゲージ・ポリシーとは何か
3 調査概要について 048
  3.1 調査地をどのように選んだのか
  3.2 アンケート調査を実施した保護者の特徴や日本語能力とは
4 日系人の保護者は、子どものために何を考え、何を実践しているか 051
  4.1 日本語学校あるいは日本語コース付の私立学校に入れた動機
  4.2 保護者が期待する子どもの日本語能力とは
  4.3 家庭内ではどのような言語が使用されているのか
  4.4 家庭内で使用されている日本語リソースとは
  4.5 家庭内で読まれている日本語の書籍とは
  4.6 家庭内で保護者が子どもへどのような日本語サポートをしているか
5 おわりに 055
参照文献 058


第5章 日系4世の継承語・文化保持の可能性[坂本光代] 060
1 はじめに 060
2 グローバル化と言語習得 061
  2.1 言語・文化資本新自由主義
  2.2 グローバル時代の文化変容
  2.3 バイリンガルの言語習得・発達
  2.4 マジョリティ社会におけるマイノリティ言語習得
3 研究方法 065
4 分析結果 066
5 考察 071
6 おわりに 072
参照文献 073


第6章 ニッケイアイデンティティについて考える[水上貴雄] 075
1 はじめに――苦悩からライフワークへ 075
2 ニッケイアイデンティティを育む教育とは 078
  2.1 JICA日系社会次世代育成研修(中学生招へいプログラム)とは
  2.2 ニッケイアイデンティティを育む教育の価値観とデザイン
  2.3 日系社会次世代育成研修の経験を生かして
3 日系人からニッケイ・NIKKEIJINへ。ニッケイアイデンティティの広がり 084
4 ニッケイアイデンティティを持つことの意味 087
5 おわりに 088
参照文献 088


第7章 スタイル万能神話の崩壊――状況に応じて、話す言語に応じて、人間(キャラ)が非意図的に変わるということ[定延利之] 089
1 はじめに 089
2 自我アイデンティティ 089
3 キャラ 089
  3.1 スタイル
  3.2 人格
  3.3 キャラに関する悩み
  3.4 ここまでのまとめ――状況に対応する調節器
  3.5 なぜキャラの変化を悩むのか?――意図に基づく人間観
4 人間(キャラ)が非意図的に変わることに関する調査 095
  4.1 調査方法
  4.2 調査結果
  4.3 調査結果から考えられること
5 言語とアイデンティティ 098
  5.1 調査方法
  5.2 調査結果
  5.3 調査結果から考えられること
6 まとめ 101
付記/参照文献 102


第8章 自分のことばをつくっていく意味[三輪聖] 104
1 はじめに 104
2 自分のことば 106
3 複言語主義という考え方 107
  3.1 複言語主義とは?
  3.2 複言語主義に基づいた言語教育
4 ドイツの移民背景を持つ子どもの出自のことばの教育 109
  4.1 「出自言語教育」とは
  4.2 「出自言語教育」が目指す方向性
5 『わたし語ポートフォリオ』の提案 112
  5.1 「わたしのプロフィール」
  5.2 「できることファイル」
  5.3 「仲介活動」とは
6 おわりに――まとめにかえて 117
参照文献 117


第9章 CLD児のことばの可視化と全人的教育[中島永倫子、櫻井千穂] 119
1 はじめに 119
2 南米における子どもの日本語教育実践の変遷 120
  2.1 歴史的背景
  2.2 教師が抱える課題
3 「南米子ども複言語コーパス」の開発 122
  3.1 コーパス開発の背景
  3.2 コーパス開発の手順
4 「南米子ども複言語コーパス」の概要 125
  4.1 コーパスの全体像
  4.2 収集データの具体事例
5 「南米子ども複言語コーパス」の意義と課題 128
6 おわりに――子どもの全人的成長を目指した教育実践にむけて 130
付記/参照文献 131


  コラム2 離れて眺めて、混ざる良さに気づく[サウセド金城晃アレックス] 133
 

第10章 日系ブラジル人にとっての「日本」、そして「郷土」[中井精一] 135
1 はじめに 135
2 フェスティバル・ド・ジャポン(FESTIVAL DO JAPAO)と郷土料理 136
  2.1 フェスティバル・ド・ジャポン
  2.2 フェスティバル・ド・ジャポンに見る日系人の郷土料理
3 ブラジル日系人社会の日本語と県人会 140
  3.1 在ブラジル富山県人会
  3.2 富山県からの海外移民
  3.3 富山系移民の日本語及び方言運用能力
4 「郷土」の継承と県人会 146
5 おわりに――まとめと結び 148
付記/参照文献/参考Webサイト 150


第11章 ブラジルに根をはる俳句・ハイカイ[白石佳和] 151
1 はじめに 151
  1.1 ブラジルの和食と俳句
  1.2 日本語文学と俳句
2 世界から見たブラジルの俳句 154
  2.1 ブラジルの国際ハイクの特徴
  2.2 世界の歳時記の取り組みから見たブラジルの国際ハイク
3 ブラジル季語と日系俳句 157
4 日系俳句とブラジルハイカイの仲介者、増田恆河 159
  4.1 増田恆河の略歴
  4.2 増田恆河とグレミオ・ハイカイ・イペーの活動
  4.3 ブラジル季語の視点の転換
5 おわりに 161
付記/参照文献 162


第12章 ボリビア日系社会の言語接触と混合言語[ダニエル・ロング] 164
1 はじめに 164
2 スペイン語の影響、理由文の文法構造 165
  2.1 母語干渉と言語転移
  2.2 ボリビアのオキナワ村の日本語に見られる「干渉」
3 日本語とスペイン語の使い分け 170
  3.1 サンフアン移住地という言語環境
  3.2 二言語の「使い分け」にはどのような種類があるか
  3.3 日本語とスペイン語の文内コードスイッチングの実態
4 おわりに 176
付記/参照文献 177


  コラム3 “Why me?”――なぜ私がシドニーにいるか[寺本不二子] 179
 

第13章 昆布に分散化されたアイデンティティ[尾辻恵美] 187
1 はじめに――日本横丁 187
2 モノ・人・ことば――場所のレパートリー 189
  2.1 シドニーの母
  2.2 場所のレパートリー
3 パントリーと本棚に分散化されたアイデンティティ 192
  3.1 モノ、ことば、人、歴史、時空間の絡み合い
  3.2 分散化されたアイデンティティ
4 おわりに――昆布に分散化されたアイデンティティ 199
参照文献 201


第14章 彷徨える文化、言語、アイデンティティ[岡田浩樹] 203
1 はじめに 203
2 「文化相対主義」というアナテマ(呪詛) 204
3 文化相対主義から脱落するもの 206
4 文化相対主義の問題とコンタクトゾーンの可能性 213
5 おわりに 216
謝辞/参照文献 217


おわりに [218-221]
索引 [222-225]
著者紹介 [226-229]