編者:明石 純一[あかし・じゅんいち] 筑波大学教授
著者:首藤 もと子[しゅとう・もとこ] 筑波大学 名誉教授
著者:小川 玲子[おがわ・れいこ] 千葉大学教授
著者:安里 和晃[あさと・わこう] 京都大学准教授
著者:馬 文甜(马 文甜)[MA Wentian] 中央民族大学専任講師
著者:手塚 沙織[てづか・さおり] 南山大学専任講師
著者:青木 元[あおき・げん] 元・外務省専門調査員
著者:人見 泰弘[ひとみ・やすひろ] 武蔵大学准教授
著者:鹿毛 理恵[かげ・りえ] 沖縄国際大学准教授
著者:櫻間 瑞希[さくらま・みずき] 早稲田大学・学術振興会特別研究員PD
著者:佐々木 優香[ささき・ゆうか] 筑波大学特任研究員
装丁:不明。
件名:移民・植民
件名:外国人労働者
NDLC:DC821
NDC:334.5 人口.土地.資源 >> 移民・植民問題.植民政策
備考:口絵(地図)にノンブル無し。
【目次】
口絵(移住労働とディアスポラ政策 各論参考地図) ([1-8])
目次 [iii-vi]
図表一覧 [vii-viii]
執筆者一覧 [ix]
序論 現代における人の越境――アジアと日本[明石純一] 001
1. 現代における人の越境 001
2. 移住労働者を送出す側の動向とアジアのディアスポラ 002
3. 日本の現状と本書における位置づけ 007
4. 各章の構成 008
注/引用・参考文献 012
第I部 移住労働の枠組み――課題と挑戦
第1章 移住労働をめぐるASEANの地域ガバナンス――制度化の動向と課題[首藤もと子] 018
はじめに 019
1. 地域レベルの規範の提唱から共有に向けた初期過程 021
2. 原則の確立と制度化――ASEAN移民労働フォーラム (AFML) 024
(1) AFMLの発足
(2) AFMLの目的と制度的特徴
(3) AFMLの議題と提言
3. 政府間「ASEAN合意」の採択 030
4. 国内ガバナンスとの連携性 033
(1) MRC 開設による広報,権利保護の啓発活動の促進
(2) 仲介業者への経費
(3) 帰国後の社会再統合,雇用促進政策
おわりに 040
注/引用・参考文献 041
第2章 アジアを越境するケア労働の制度化過程[小川玲子] 046
はじめに 047
1. アジアにおけるリージョナル・ケア・チェーン 050
2. 送出国の政策 057
(1) フィリピンの移住ケア労働者の送出し
(2) インドネシアの移住ケア労働者の送出し
(3) ベトナムからの送出し
3. 国際規範のインパクト 064
おわりに 068
注/引用・参考文献 069
第3章 特定技能制度の創設と国際労働市場をめぐる送出国の動向[安里和晃] 076
はじめに 077
1. 背景――複雑化する制度 078
2. 技能実習制度の特徴――価格管理の困難と「失踪」 081
(1) 斡旋手数料をめぐる多様な政策と実態
(2) 斡旋手数料に関する日本政府の立場
(3) 斡旋手数料ゼロの事例――フィリピン
(4) 低賃金受入れ側の問題
(5) 在ベトナム日本大使館の取組み
3. 特定技能 095
おわりに 099
注/引用・参考文献 100
第4章 中国人の海外就労をめぐる政策史的考察[馬文甜] 102
はじめに 103
1. 中国人海外就労の現状 103
2. 中国人海外就労の政策変遷:準備期(1950~1978年) 108
3. 発足期 (1979~1991年) 110
4. 発展期 (1992~2003年) 110
5. 法制度整備期 (2004年~現在) 112
おわりに 115
注/引用・参考文献 117
第5章 米印間の高度人材の移動をめぐる齟齬とせめぎあい――WTOへの提訴から[手塚沙織] 120
はじめに 121
1. インドのICTサービス産業を通じた米印経済関係の深化 123
2. 在米インドのICTサービス企業とインド出身の高度人材の関係 127
3. H-1B ビザをめぐる米国内政治と米印関係の動き 130
4. 二国間の齟齬と構造的問題――移民政策か通商政策か 136
おわりに 139
注/引用・参考文献 141
第6章 中南米をめぐる国際人口移動のダイナミズム[青木元] 146
はじめに 147
1. 現在の中南米の3大人口移動の概要 149
(1) 中米移民
(2) 他大陸移民
(3) ベネズエラ人避難民
2. ベネズエラ人避難民をめぐる各国の入国管理政策と課題 158
(1) コロンビアの対応
(2) ペルーの対応
(3) エクアドルの対応
(4) チリの対応
3. 各国の対応の傾向とその比較 173
おわりに 177
注/引用・参考文献 178
第II部 ディアスポラ政策の展開とエスニックコミュニティの現在
第7章 移民出身国と在外自国民――ビルマ(ミャンマー)のディアスポラ政策とその影響[人見泰弘] 186
はじめに 187
1. ビルマにおけるディアスポラ政策と在外自国民 189
(1) ビルマ政府によるディアスポラ政策――1990年から2020年
(2) 各国における在外自国民の特性
(3) 人的資源としての在外自国民
(a) 経済的影響の拡大――海外送金などを通じて
(b) 在外自国民のよび戻し策としての永住権制度
2. ディアスポラ政策と在外自国民――民政移管後の滞日ビルマ系コミュニティの動向 211
(1) 海外労働者派遣の拡大と労働者保護の課題――経済的影響
(2) 在外自国民の権利と在外投票――政治的影響
おわりに 216
注/引用・参考文献 218
第8章 スリランカン・ディアスポラの変遷と労働力輸出政策[鹿毛理恵] 226
はじめに 227
1. 世界の南アジアン・ディアスポラ 228
(1) 英国植民地期
(2) 独立後:欧米先進国への移動
(3) グローバル化時代のアジア域内移動――中東湾岸諸国,東南アジア,東アジア
2. 日本の南アジアン・ディアスポラ 234
(1) 在日南アジアン・ディアスポラのプレゼンス
(2) 在日南アジアン・ディア スポラの特徴
3. スリランカのディアスポラ政策の経緯と変遷 239
(1) 現代スリランカ社会構成員の成り立ち
(2) スリランカン・ディアスポラの6つの波
(3) 現代のディアスポラ政策
(a) 黎明期(1970年代後半)
(b) 労働力輸出政策の定着期(1980年~1990年代前半)
(c) 女性家事労働者の拡大期(1990年代前半~2000年代前半)
(d) 労働者権利保障とガバナンスの拡充期(2005年~)
(e) 新型コロナパンデミックの影響について
4. 考察 253
おわりに 256
注/引用・参考文献 256
第9章 タタールスタン共和国によるディアスポラ政策と各地のタタール・コミュニティ[櫻間瑞希] 260
はじめに 261
1. タタールとタタールスタン共和国 262
(1) 現代のタタール
(2) タタール・ディアスポラとタタールスタン共和国
2. タタールスタン共和国のディアスポラ政策 265
(1) タタールスタン共和国代表部と全世界タタール会議の設置
(2) タタールスタン共和国国家プログラム
(a) タタール語と民族アイデンティティの保存に関するプログラム
(b) タタールスタン共和国への移住と就労支援に関するプログラム
3. タタール語の継承と学習を促進する取組み事例 270
(1) ユーム・ナスィーリー・インスティトゥティ
(2) オンライン・タタール語教育プログラム
(3) 国際タタール語オリンピック
(4) カザン連邦大学におけるディアスポラ学生研修プログラム
おわりに 278
注/引用・参考文献 279
第10章 在日ブラジル人の定住化をめぐるディアスポラ政策の展開と実践[佐々木優香] 284
はじめに 285
1. 在外ブラジル人と日本における日系ブラジル人 286
2. 在日ブラジル人に対するディアスポラ政策 289
(1) ディアスポラ政策
(2) 在日ブラジル人に対する教育的支援
3. 社会的権利に対する本国からの支援――聞き取り調査をもとに 293
(1) ブラジル人コミュニティの高齢化に対する情報発信
(2) ポルトガル語の継承
(3) 在日ブラジル人コミュニティとブラジル外交官をつなぐ市民評議会の役割
おわりに 299
注/引用・参考文献 301
終論 国境を越える人の移動が紡ぐ新しい関係[明石純一] 305
1. 人の越境と前景化する国家 305
2. 国境を越える人の移動が紡ぐ関係 306
3. 移住労働者を保護することの困難 310
4. ホスト社会としての日本越境的な関係構築という課題 312
注/引用・参考文献 314
索引 [317-321]
あとがき(2022年7月 明石純一) [323-324]
【図表一覧】
図1-1 ASEANの移民労働をめぐる地域的ガバナンス形成の流れ 020
図1-2 AFMLの参加者(三者構成 + NGOS + 国連機関)の構図 026
図2-1 3カ国からアジア域内への移住労働者数の推移 053
図4-1 各年末における中国海外派遣労働者数の推移 105
図4-2 海外請負工事の各派遣地域の割合(2019年) 105
図4-3 対外労務協力の各派遣地域の割合(2019年) 107
図5-1 ICTサービス部門の輸出額(国別)1985-2017年 124
図5-2 TCSの売上の地域別割合 126
図5-3 出身国別H-1Bビザ年間認可数の推移(2001-2019年) 128
図7-1 在外移民によるビルマへの海外送金額の推移(1990-2019年) 205
図8-1 南アジア5カ国の留学生数の推移 236
図8-2 男女別の海外雇用者数の推移(1986-2020年) 246
図10-1 在日ブラジル人の在留資格別割合(2020年6月) 288
図10-2 在日ブラジル人数の推移(1988-2020年) 289
図10-3 年代別在日ブラジル人人口の推移(2006-2020年) 296
表1-1 AFMLの政策提言項目(第3回~第13回) 028
表1-2 ASEAN合意の概要 032
表1-3 ASEAN諸国の城内移住労働者の割合 034
表1-4 移民資料センター(MRCs)の国別協働運営者別件数 035
表1-5 タイにおけるCLM諸国出身の就労許可取得者数(2017年) 036
表2-1 目的地別移住者の男女比(2000年) 055
表3-1 技能実習生の「失踪者」数 084
表3-2 技能実習生「失踪」者の概況 085
表3-3 送出し各国の斡旋料 085
表3-4 特定技能制度の運用に関して 098
表4-1 海外請負工事による労働者派遣者数上位の5カ国(2019年) 106
表4-2 対外労務協力による労働者派遣者数上位の5カ国・地域(2019年) 107
表5-1 アウトソーシングとオフショアリングの定義 127
表5-2 就労ビザ労働証明書の認可最多企業上位(2006年度,2011年度,2016年度) 129
表5-3 上院/下院におけるH-1Bビザの雇用者の厳格化に絞った項目を主にした法案提出の動き 135
表7-1 在外自国民(在外ビルマ人)の概要(1990-2019 年・2019年国連統計) 191
表7-2 在外自国民(在外ビルマ人)の概要(居住地別 2019年国連統計) 191
表7-3 在外自国民(在外ビルマ人)の概要(居住地別2014年センサス) 191
表7-4 ビルマ系難民数の推移(1990-2019年) 193
表7-5 ビルマ系難民の庇護国別受入者数(上位15カ国 2019年) 195
表7-6 海外雇用者数の推移(2012年2月から2020年7月まで) 197
表7-7 在外自国民(在外ビルマ人)の概要(出身管区別 2014年センサス) 200
表7-8 在外自国民(在外ビルマ人)の概要(男女別 2014年センサス) 201
表7-9 在外自国民(在外ビルマ人)の概要(滞在期間別 2014年センサス) 202
表7-10 ビルマからの在外自国民 203
表7-11 ビルマ系登録者の在留資格 212
表7-12 ビルマ系登録者数の年齢段階別の人数と割合の比較(2010年及び2019年) 213
表8-1 南アジア 8カ国ディアスポラの世界地域別でみた在留状況の推移 229
表8-2 南アジア 5カ国ディアスポラの世界の国・地域別でみた在留状況(2019年) 230
表8-3 日本における南アジアン・ディアスポラのプレゼンスとその在留規模の推移 235
表8-4 日本における南アジア5カ国ディアスポラ別の主な在留資格(2020年) 237
表8-5 日本における南アジア5カ国別ディアスポラの在留資格の総数に占める割合 238
表8-6 第五波ディアスポラの政策(労働力輸出政策を中心とする)の変遷 245
表9-1 各地のタタール人口(2022年現在) 263
表9-2 タタールスタン共和国代表部の所在地一覧(2022年現在) 266
表9-3 カユーム・ナスィーリー・インスティトゥティの所在地と開設日の一覧 271
表9-4 国際タタール語オリンピック予選試験受験者数 275
表10-1 移住先別在外ブラジル人数(2017-2018) 287