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目次とメモを置いとく場

『リサーチの技法』(Wayne C. Boothほか[著] 川又政治[訳] ソシム 2018//2016)

原題:The Craft of Research, Fourth Edition.
著者:Wayne C. Booth(1921-2005) 
著者:Gregory G. Colomb(1951-2011) 
著者:Joseph M. Williams(1933-2008) 
著者:Joseph Bizup
著者:William T. Fitzgerald
訳者:川又 政治[かわまた・まさはる] 英日翻訳家。理学修士
ブックデザイン:竹内 雄二[たけうち・ゆうじ](1966-)
DTP・図版制作:SeaGrape
件名:学術--方法論
件名:論文作法
NDLC:UA21 
NDC:002.7 総記 >> 知識.学問.学術 >> 研究法.調査法
備考:英語版の初版は1995年刊行。


リサーチの技法(ウェイン・C・ブース、グレゴリー・G・コロンブ ジョセフ・M・ウィリアムズ、ジョセフ・ビズアップ、ウィリアム・T・フィッツジェラルド) | 書籍 本 | ソシム


【目次】
はじめに [002-008]
  新版の目的
  新版で説明されないこと
  新版で改訂された点
謝辞 [009-011]
  ジョセフ・ビズアップとウィリアム・T・フィッツジェラルドより:
  ウェイン・C・ブースより(第二版刊行時):
  グレゴリー・G・コロンブより:
  ジョセフ・M・ウィリアムズより:
目次 [012-022]


◆Part I リサーチ、リサーチャー、そして読み手 023

プロローグ リサーチチャーになる 024


1章 紙に書いて考える:リサーチの効用――所定の書式か、自分流か 034
1.1 リサーチとは何か? 036
1.2 なぜ書くのか? 038
1.3 なぜ所定の書式で書くのか? 040
1.4 書くことは考えること 043


2章 読者とつながる:著者と読者の役割を作りだす 045
2.1 読者と会話する 046
2.2 書き手の役割を理解する 049
2.3 読者の役割をイメージする 053
  2.3.1 楽しませて欲しい
  2.3.2 実用的課題を解決するために助けが欲しい
  2.3.3 さらの深く理解するために助けがほしい
ヒント:読者を理解するためのチェックリスト 061


◆PART II 問いかけをする、答えを見つける

プロローグ:リサーチプロジェクトを計画する――概観 064
ヒント:執筆グループを作る 068


3章 トピックから問いへ 069
3.1 興味からトピックへ 071
  3.1.1 提出するレポートのトピックを見つける
  3.1.2 特定分野において最初のリサーチに適したトピックを見つける
  3.1.3 高度なトピックを見つける
3.2 漠としたトピックから的を絞ったトピックへ 076

3.3 絞り込んだトピックから問いへ 079
  3.3.1 トピックの歴史を問いかける
  3.3.2 トピックの構造と構成について問いかける
  3.3.3 トピックがどのように分類されるかを問いかける
  3.3.4 肯定疑問文を否定疑問文に変える
  3.3.5 「~だとしたら?」と問いかける、推測で問いかける
  3.3.6 ソースからヒントを得て問いかける
  3.3.7 自分の問いを評価する
3.4 最も重要な問い:「それがどうした?」 086
  3.4.1 ステップ1:トピックに名前を付ける
  3.4.2 ステップ2:関節疑問を付け加える
  3.4.3 ステップ3:問いを活性化させることで「それがどうした?」に答える
ヒント:トピックを見つける 093


4章 問いから課題へ 095
4.1 リサーチ課題を理解する 097
  4.1.1 実用的課題:何をすべきか?
  4.1.2 概念的課題:何を考えるべきか?
4.2 課題の共通構造を理解する 101
  4.2.1 実用的課題の特性
  4.2.2 概念的課題の特性
  4.2.3 基礎研究と応用研究を区別する
  4.2.4 リサーチを実用的な結果に結び付ける
4.3 良いリサーチ課題を見つける 114
  4.3.1 助けを求める
  4.3.2 ソースを読みながら課題を探す
  4.3.3 自分のレポートの結論を見る
4.4 課題との付き合い方を学ぶ 118
ヒント:経験不足に伴う避けられない問題をうまく管理する 120


5章 課題からソースへ  121
5.1 三種類のソースとその利用 122
  5.1.1 一次ソース
  5.1.2 二次ソース
  5.1.3 三次ソース
  5.1.4 一次、二次、三次ソースを区別する
5.2 二一世紀の図書館利用法 126
  5.2.1 図書館での調査を計画する
    図書館員に相談する
    参考資料を調べる
    オンラインデータベースを調べる
  5.2.2 特定のソースを見つける
    図書目録を調べる
    書架の前を歩く
    参考文献の連鎖をたどる
    引用索引を利用する
5.3 インターネットでソースを見つける 136

5.4 ソースの関連性と信頼性を評価する 139
  5.4.1 ソースの関連性を評価する
  5.4.2 ソースの信頼性を評価する
5.5 予測されるソースの先を見る 146

5.6 人と接触することでリサーチを前に進める 148
ヒント:人をソースとしてデータを入手するときの倫理観 151


6章 ソースを活用する 152
6.1 書誌情報をもれなく記録する 153
6.2 ソースを能動的に利用する 157
6.3 課題を意識して読む 160
  6.3.1 創造的に同意する
  6.3.2 創造的に同意しない
6.4 議論を意識して読む 165
  6.4.1 議論で相手に答えることを意識して読む
  6.4.2 推論と分析手法の参考事例を意識して読む
6.5 データと裏付けを意識して読む 167
  6.5.1 エビデンスとして使うデータを意識して読む
  6.5.2 裏付けとして使う主張を意識して読む
6.6 ノートを取る 168
  6.6.1 紙にノートを取る
  6.6.2 コンピュータでノートを取る
  6.6.3 引用するか、言い換えるか、要約するかを決める
  6.6.4 文脈を正しく把握する
    1 引用、言い換え、要約するときは、文脈に注意する
    2 主張を記録するときは、ソースにおける、主張の役割を記録する
    3 主張の影響範囲と確信度合を記録する
    4 各ソースが賛成、反対している理由を記録する
6.7 ソースに注釈を付ける 180
  6.7.1 余白に註釈を書く
  6.7.2 文献解題
ヒント:不安になる時期を乗り越える 183


◆PART III 議論をする 185
プロローグ:議論を組み立てる 186


7章 良い議論をする:概観 191
7.1 読者との会話としての議論 192
7.2 主張を裏付ける 194
7.3 想定される質問と反論を認識し、それに答える 199
7.4 論拠によって主張と理由を結び付ける 201
7.5 単純な議論によって複雑な議論を組み立てる 204
7.6 きめ細かな議論をすることで自分の特質を創り出す 207
ヒント:よくある間違い――自分が知っていることに頼り過ぎる 209


8章 主張をする 210
8.1 主張を決める 211
  8.1.1 概念的主張をする
  8.1.2 実用的主張をする
8.2 主張を評価する 215
  8.2.1 主張を具体的にする
    正確な言語
    明快なロジック
  8.2.2 主張を重要なものにする
8.3 主張に条件を付けて信頼性を高める 223
  8.3.1 制約条件を理解する
  8.3.2 婉曲表現〔ヘッジ〕で確実性に条件を付ける


9章 理由とエビデンスを集める 227
9.1 議論を計画するときに理由を活用する 228
9.2 エビデンスと理由を区別する 229
9.3 エビデンスエビデンスの提示を区別する 232
9.4 エビデンスを評価する 236
  9.4.1 エビデンスを正しく提示する
  9.4.2 制度が適切である
  9.4.3 十分であり、代表的なエビデンスを示す
  9.4.4 権威の重さを考える


10章 認識と答え 242
10.1 読者の目線で自分の議論を疑ってみる 244
10.2 議論の代替案を想定する 248
10.3 何を認識すべきかを決める 249
  10.3.1 何を答えるかを決める
  10.3.2 自分の議論の欠陥を認める
  10.3.3 答えられない問いを認める
10.4 答えを下位層の議論として位置付ける 253
10.5 認識と答えに関する用語 255
  10.5.1 反論と代替案を認識する
  10.5.2 反論と代替案に答える
ヒント:予想される三つの反対意見 263


11章 論拠 265
11.1 日常生活の推論で使われる論拠 267
11.2 アカデミックな議論における論拠 269
11.3 論のロジックを理解する 272
11.4 論拠を検証する 273
  11.4.1 論拠は理に適っているか?
  11.4.2 論拠は十分な制約を受けているか?
  11.4.3 論拠は対抗する論拠に勝るか?
  11.4.4 論拠はこの分野で適切か?
  11.4.5 論拠は理由と主張をカバーしているか?
11.5 論を述べる状況を理解する 280
11.6 論拠により議論を検証する 282
11.7 他の人の論拠に異議を唱える 286
  11.7.1 経験に基づく論拠に異議を唱える
  11.7.2 権限に基づく論拠に異議を唱える
  11.7.3 知識体系に基づく論拠に異議を唱える
  11.7.4 日常文化に根差す論拠に異議を唱える
  11.7.5 方法論的な論拠に異議を唱える
  11.7.6 信条に基づく論拠に異議を唱える
ヒント:理由、エビデンス、論拠 292


◆PART IV 議論を書く 295

プロローグ:計画を見直す 296


12章 レポートの計画とドラフトの作成 299
12.1 レポートの計画を立てる 300
  12.1.1 序論のあらすじをまとめる
  12.1.2 レポート全体を通してのキーコンセプトを決める
  12.1.3 レポートの本文を計画する
  12.1.4 各セクションとサブセクションの計画を立てる
  12.1.5 結論のあらすじをまとめる
12.2 よくある三つの計画の不備を避ける 311
12.3 計画からドラフトへ 313
  12.3.1 自分に合った方法でドラフトを書く
  12.3.2 キーワードを使って軌道からはずれないようにする
ヒント:執筆の遅れや行き詰まりへの対策  317


13章 議論の構造を決める 318
13.1 読者の立場で考える 319
13.2 枠組みを見直す 320
13.3 議論を見直す 323
  13.3.1 議論の実体を確認する
  13.3.2 議論の質を評価する
13.4 レポートの構成を見直す 325
13.5 段落をチェックする 328
13.6 ドラフトをしばらく置き、言い換えてみる 329
ヒント:要旨 335


14章 ソースを取り込む 334
14.1 適切な引用、言い換え、要約 334
14.2 直接引用で自分の文章に取り込む 336
14.3 エビデンスの関連性を読者に示す 338
14.4 出典を明らかにすることの社会的意義 340
  14.4.1 出典を明らかにすることが自らを助ける
  14.4.2 出典を明らかにすることが読者を助ける
14.5 一般的な四つの引用スタイル 342
  14.5.1 二つの基本パターン:「著者名―タイトル」と「著者名―日付」
  14.5.2 二種類の「著者名―タイトル」スタイル
    シカゴ「著者名―タイトル」スタイル:The Chicago Manual of Style, 16th edition
    MLAスタイル:「MLA Handbook for Writers of Research Papers, 8th edition」
  14.5.3 二種類の「著者名―日付」スタイル
    シカゴ「著者名―日付」スタイル
    APAスタイル:「Publication Manual of the American Psychological Association, 6th edition」

14.6 不注意による盗用を防ぐ 345
  14.6.1 すべての引用、言い換え、要約について出典を明らかにする
  14.6.2 出典を明記する場合、引用部分をわかりやすくする
  14.6.3 ソースとよく似た言葉で言い換えない
  14.6.4 通常は一般常識でない考えを引用する
  14.6.5 知らなかった、誤解だった、悪気はなかった、と言い訳しない
ヒント:レポートの中で出典を示す 353


15章 エビデンスを視覚化して伝える 356
15.1 視覚情報か言語情報かの選択 356
15.2 最も効果的な図表を選択する 358
15.3 表、チャート、グラフをデザインする 361
  15.3.1 図表に説明を付けて読者の理解を助ける
  15.3.2 すべての図表をできる限り単純化する
    表の場合
    チャートの場合
    
15.4 表、棒グラフ、折れ線グラフについての個別ガイドライン 367
  15.4.1 表
  15.4.2 棒グラフ
  15.4.3 折れ線グラフ
15.5 倫理観を持ってデータを伝える 375
[表15.7]一般的な図とその特徴 379-380


16章 序論と結論  381
16.1 序論の一般的な構成 382
16.2 ステップ1:背景を設定する 386
16.3 ステップ2:課題を述べる 390
  16.3.1 課題の「状況」をいつ明治すべきか?
  16.3.2 「結果」と「便益」について詳しく説明すべきか?
  16.3.3 「状況」と「結果」を検証する
16.4 ステップ3:答えを述べる 397
  16.4.1 解決策の要点を述べる
  16.4.2 解決策を予告する
16.5 適切なペースを決める 399
16.6 序論の構造を決める 401
16.7 書き出しの言葉を見つける 402
  16.7.1 課題に関する印象深い事実で書き始める
  16.7.2 印象深い引用を用いて書き始める
  16.7.3 関連する逸話を用いて書き始める
16.8 結論を書く 404
  16.8.1 主題から書き始める
  16.8.2 新たな意義や応用形を付け加える
  16.8.3 さらなるリサーチを呼びかける
ヒント:タイトル 407


17章 文章を修正する:物語をわかりやすく伝える 408
17.1 文章を判定する 409
17.2 わかりやすく書くための最初の二つの原則 411
  17.2.1 受けた印象と事実を区別する
  17.2.2 主語とキャラクター
  17.2.3 動詞、名詞、行動
  17.2.4 診断と修正
  17.2.5 キャラクターになることができるのは誰、もしくは何か?
  17.2.6 過度の抽象化を避ける
  17.2.7 主人公を創り出す
17.3 第三の原則:既知の情報を文頭に置く 426
17.4 能動態と受動態の選択 429
17.5 最後の原則:複雑な内容は文末に置く 433
  17.5.1 専門用語を紹介する
  17.5.2 複雑な情報を提示する
  17.5.3 次に続く内容を紹介する
17.6 最後の仕上げ 437
ヒント:迅速に修正するために 438


◆PART IV その他の考慮点 441
リサーチに求められる倫理観 442
教師のための補記 448
  形式的なルールを課すことのリスク
  課題を与えるときのシナリオ:好奇心を搔き立てる
  学習時に付きものの質の低さを受け止め、容認する


付録:参考文献リスト [i-xxxv]


訳者あとがき(二〇一八年六月 川又政治) [424-426]




【メモランダム】


■表記について。
 まず目次の一部。下線部に注目してほしい。

2.3 読者の役割をイメージする 053
  2.3.1 楽しませて欲しい
  2.3.2 実用的課題を解決するために助けが欲しい
  2.3.3 さらの深く理解するために助けがほしい

・複合動詞(とくに動詞のテ形+動詞)は平仮名にするのが一般的だ。
 本書における他の見出し・本文でも、複合動詞(とくに動詞のテ形+動詞)を平仮名にしている。つまり、この見出し(「2.3.1 ……て欲しい」」)の漢字には特別の理由がなく、さらにその結果として、統一も乱されている。
 参考:文化審議会国語分科会「新しいい「公用文作成の要領」に向けて(報告) 」の13ページ。
  「楽しませて欲しい」→「楽しませてほしい」

・二つの見出しで表記揺れが起きている。
  「が欲しい」と「がほしい

・これは、訳者/編集者/校正者の全員の目をすり抜けたミスだと思われる。



■「付録:参考文献リスト」「訳者あとがき」の扱いに違和感を覚えた。

・本書の目次では「付録:参考文献リスト」が「PART IV その他の考慮点」の一部を成しているように書かれている。
 しかし内容から判断するとそうではない。つまり、①その参考文献リストが全体の参考文献であること。②本書の「PART IV」はあくまでリサーチに関する内容を扱っているのであって、本全体の付録等を扱う部分ではないこと。

・「訳者あとがき」にノンブルが無い。引用時にはページ数を明記する慣習があるが、ノンブルが無くては不便。
 上記目次では、私がカウントしたページ数を表記しておいた。