著者:先崎 彰容[せんざき・あきなか](1975-) 倫理学、日本思想史。
件名:ナショナリズム--日本--歴史--1945-
NDC:121.6 日本思想 >> 近代
NDC:311.3 政治学.政治思想 >> 国粋主義.ナショナリズム.民族主義
【目次】
目次 [003-006]
はじめに――ナショナリズムの論じ方 [007-012]
第一章 ナショナリズムへの誤解を解く 013
1 ナショナリズムをめぐる三つの誤解 014
三つの誤解
ナショナリズムは「全体主義」か
ナショナリズムは「宗教」か
死から逃げるためのナショナリズム
ナショナリズムは「デモクラシー」か
2 ナショナリズムは「危険」なのか 028
ナショナリズムと死
国家について考えることは、人間について考えること
第二章 私の存在は、「無」である――ハナ・アーレント『全体主義の起原』 033
1 人々を全体主義がとらえ始めた 034
困難な定義
ポール・ヴァレリーの衝撃
テレビを見るような
2 何が起きているのか、人間の心のなかに 042
拡散と膨張
異質なものとの出会い
存在が「無」になる
3 「負い目」の意識は誰にでもある、そこに全体主義が宿る 051
国内のモッブたち
読解のキーワード?「高文化」平均人とは、無個性の人である
読解のキーワード=「汎帝国主義」
「血」という概念
4 そして、全体主義に呑みこまれる…… 065
モッブから大衆へ
大衆、そして全体主義へ
ナショナリズムは全体主義ではない
第三章 独裁者の登場――吉本隆明『共同幻想論』 075
1 吉本隆明とは、何者か 076
全体主義の基本モデル
吉本隆明の登場
吉本思想の核心
『共同幻想論』
2 個人幻想は人間を、自殺へ追いこむかもしれない 092
個人幻想と共同幻想
自殺の論理
宮本顕治とマルクス主義
ロマン主義とは、何か
個人幻想のゆくえ
3 独裁者はどうやって登場してくるか 108
「空洞化」する個人
対幻想のゆくえ
独裁者の登場
第四章 「家」を見守るということ――柳田国男『先祖の話』 117
1 ハイデガーの「死」に、吉本隆明は疑問をもった 118
震災と死
第二の誤解
ハイデガーと死
吉本隆明の反論
他界はどこにあるのか
2 網野善彦と柳田国男は対立する 133
網野善彦とは、何者か
網野史観の特色
ポスト・モダンと狩猟民
『祖先の話』――家について
見守るナショナリズム
第五章 ナショナリズムは必要である――江藤淳『近代以前』 153
1 戦後から江戸時代へ 154
八月一五日=三月一一日
三つの誤解
江戸時代へ
2 江戸思想に入門してみる 162
二冊の書物
留学中の衝動
江藤淳はなぜ江戸儒学に注目したのか
藤原惺窩の危機
藤原惺窩の決意
一六〇〇年=一九四五年
3 溶け出す社会 177
崩壊から秩序へ
林羅山の登場
秩序の必要性
時代診断の結論
第六章 戦後民主主義とは何か――丸山眞男『日本政治思想史研究』 187
1 丸山眞男は朱子学に、まったく逆の評価を与えた 188
『日本政治思想史研究』の破壊力
丸山眞男にとっての朱子学
江藤淳 vs. 丸山眞男
2 安保闘争を通じて、民主主義評価は二つに割れた 196
江藤・喪失・戦後
安保闘争
丸山眞男の論理
丸山眞男の帰結
政治的季節の中の個人
ナショナリズムは必要である
終章 戦後思想と死の不在――ナショナリズムの「復権」 213
ある右翼の証言
ナショナリズムの「復権」
戦後思想と死の不在
終わりに――再び、政治の季節を前に(二〇一三年五月 被災者借りあげ住宅を出てから9ヵ月目に 先崎彰容) [225-228]
主要引用・参考文献一覧 [229-233]