著者:古市 憲寿[ふるいち・のりとし](1985-) 社会学修士。作家。コメンテーター。
対談:佐藤 健[さとう・たける](1989-) 俳優。
NDC:367.68 青少年[若者.ヤング アダルト]
『絶望の国の幸福な若者たち』(古市 憲寿)|講談社BOOK倶楽部
・2015年に文庫化。
『絶望の国の幸福な若者たち』(古市 憲寿):講談社+α文庫|講談社BOOK倶楽部
【目次】
目次 [002-005]
はじめに 006
不幸な若者たち、って本当?
経済成長の裏側の不幸
一九八〇年の若者になりたいか?
新しい「幸せ」を生きる若者たち
本書の構成
第一章 「若者」の誕生と終焉 018
1 「若者」って誰だろう 018
近頃の若者はけしからん?
2 若者論前夜 021
若者が青年だった頃
金持三代目の若旦那化する青年たち
戦争が準備した若者論
青年賛美の青年雑誌
狩られる若者
戦時下のリア充批判
ノスタル爺たちの嘆き
自由主義の悪習が若者をダメにした?
「異質な他者」と「都合のいい協力者」
現代も続く「都合のいい協力者」論
3 焼け野原からの若者論 037
オトナにはチョット理解できないアプレ犯罪
社会学も若者論に参入!
お客様としての若者の誕生
石原慎太郎が若者だった頃
「連中にはオキュウを」
「若者」誕生まであと少し
4 「一億総中流」と「若者」の誕生 047
若者論ブームの到来
「一億総中流」と「若者」の誕生
完成してしまった若者論
その後の若者論
若者論の終わり?
5 そして若者論は続く 058
すごく無理してた若者論
若者論は、大人の自分探しである
社会の「ネガ」としての若者
「若者」は曖昧だからこそいい
若者を語ることの意味と限界
若者論の系譜
第二章 ムラムラする若者たち 070
1 「内向き」な若者たち 070
新聞社説から見る二〇一一年の若者像
2 社会貢献したい若者たち 072
以外にも社会志向
社会貢献ブーム
ボランティアする若者はそんな増えていない
若者の政治離れは本当か?
3 ガラパゴスな若者たち 082
若者の海外離れは本当か?
若者が地元化しているって本当か?
長期的には地元化、らしい
4 モノを買わない若者たち 091
「嫌消費」って本当か?
「あなた」のせいでモノが売れなくなった
若者をめぐる「微妙な感じ」
5 「幸せ」な日本の若者たち 098
高まる一方の生活満足度
不満はないけど不安がある
「幸せ」な若者の正体
コンサマトリー化する若者たち
6 村々する若者たち 107
仲間がいれば無敵だ
村々していれば幸せだ
村々からムラムラへ
第三章 崩壊する「日本」? 114
1 ワールドカップ限定国家 114
渋谷でワールドカップを戦う
「あー、気持ちよかった!」
期間限定で出現する国家
インフラとしての「日本」
「日本」という魔法のなかで
2 ナショナリズムという魔法 125
平和で安定していた江戸時代
江戸時代の弱点
明治政府が「日本」と「日本人」を作った
作られたオハナシ
かっこよく言えば「想像の共同体」
意外と進まない「皇民化」
ナショナリズム二・〇
3 「日本」なんていらない 136
そして、魔法が解けはじめる
世界中どこでも「故郷」とともに
もう、国家はいらない?
強者のアナーキズム
下からの「日本」崩壊
インターネットが社会を変える、と思いたい人々
遠い国の革命よりも、卵かけご飯
日本は好きなんだけど。
戦争が起こったら、もちろん逃げます
歴史上最大の殺人事件
第四章 「日本」のために立ち上がる若者たち 154
1 行楽日和に掲げる日の丸 154
青山公園に日の丸出現
初心者でも安心です!
きっかけは浅田真央ちゃんです!
センカクショトーって何ですか?
2 お祭り気分のデモ 161
着物姿の「普通の市民」
「このままでは日本がやばい」
右翼にはまっていく若者たち
インターネットがつなぐ「市民」たち
まるで「左翼」のように
3 僕たちは立ち上がるのか? 170
右翼も左翼もない時代
不満があるだけじゃ、人は立ち上がらない
どうやってみんなを巻き込むか
ライバルはディズニーランド
モラル・エコノミー
コンサマトリーでも立ち上がる
ムラムラする会いたい系
親密圏と公共圏をつなぐ
4 革命では変わらない「社会」 182
公共的はいいことか?
「居場所」としての社会運動
そもそも社会を変えるって何?
「社会」は劇的には変わらない
だけど「社会」は変えられる
第五章 東日本大震災と「想定内」の若者たち 192
1 ニホンブーム 192
世界に広がった募金活動
「これで日本が一つになれます」
「そのためには何も恐れない」
被災地に駆けつける若者たち
主体的に現地入りし、組織を立ち上げる
カンボジアからトウホクへ
待望の「非日常」
2 反原発というお祭りの中で 203
高円寺に集まった一万人
反原発も原発推進も同じ
真面目なデモに戸惑う
「原発やめろデモ」の限界
インターネット上で広がる善意と悪意
マスメディアの方がマシ?
緊急時にメディアリテラシーなんて役立たない
3 災害ディストピア 214
三・一一で世界は変わったのか?
結局は「終わりなき日常」
一九五五で日本は変わったのか?
残念な保守派老人たち
原子力ムラと地域コミュニティ
「銃後」の自動的服従システム
「希望」を語る人たちは「復興」を考えているのか?
まだドラえもんがいないこの国で
第六章 絶望の国の幸福な若者たち 228
1 絶望の国を生きるということ 228
一億円の世代間格差
日本の「正社員」になれない若者たち
「若者文化」があった時代
上野千鶴子がツイッターをする時代
団塊の世代になりたいか?
おじさん世代が若者を応援?
こうして若者は政治参加しない
本当に「世代」の問題なのか
実は「高齢者」が大変?
どちらにしても絶望的な未来
2 なんとなく幸せな社会 242
健康で文化的な最低限度の生活?
現在、若者は貧困ではない
家族という最強のインフラ
貧困は未来の問題、承認は現在の問題
恋人がいる若者は三割
お手軽な承認社会
幸福な無縁社会を生きていく
3 僕たちはどこへ向かうのか? 254
中国という身分制社会
満足度八割の「農民工」、一%の「蟻族」
「農民工」化する日本の若者たち
あの頃の僕らに復讐されている
そして幸福な階級社会へ
一億総若者化時代
あの頃の未来を生きる僕たち
財政破綻? 侵略される? だから何?
日本が終わってしまってもいい
補章 佐藤健(二二歳、埼玉県)との対話 270
学校つまんねーなって毎日言ってましたね
ある日変わった世界
三か月ごとに変わる世界
夢を叶えた場所から見える景色
幸せな若者の正体
友達と孤独の話
幕末に生まれたら死ぬのに
イリュージョンに従いますか
ワールドカップと戦争の間
これからの日本のこと
あとがき [295-299]
謝辞 [300-301]